たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

なつかしの雪組『雪之丞変化』『サジタリウス』

2020年03月28日 19時54分16秒 | 宝塚
 1995年3月3日から30日まで東京宝塚劇場で上演されました。東京宝塚劇場で観劇したの、振り返ってみるとちょうど25年前、妹が旅立った翌年ということでした。この歳月を、のたうち回りながらもなんとか無事に生き延びてきたということか。当時東宝テレザーブに電話してチケットとっていました、思い出しました、体にしみついていた03-3201-7777。インターネットの時代になり電話することはなくなりました。

『雪之丞変化』、脚本・演出は柴田侑宏先生、歌舞伎の場面の演出には、尾上菊之助さんを迎えての上演でした。芝居の雪組、日本物の雪組の系譜の一本。

「上方歌舞伎の花形役者である中村雪之丞は親の仇討ちのため江戸にやってきたが、仇敵・土部の娘である波路は雪之丞の艶姿にすっかり魅了されてしまう。雪之丞は自分の好意を寄せる波路を利用しようと企む。」

 中村雪之丞;一路真輝
 浪路;花總まり
 お初;高嶺ふぶき
 闇太郎;轟悠
 土部三斎;泉つかさ

 『忠臣蔵』で浅野内匠頭を演じたいっちゃんの、和物の上品な美しさ、貴公子的な二枚目ぶりが大好きでした。女性であるいっちゃんが男役として演じた中村雪之丞が劇中の歌舞伎で夜叉姫を演じる場面があるという面白さがありました。仇討ちのために自分を利用しようとしているとは知らず雪之丞に思いを寄せる浪路は花ちゃん。トップコンビとしてのお披露目でもありました。のちに10年にわたってトップ娘役をつとめた花ちゃん、この頃はまだまだ大輪の花が開く前の蕾。でも今の方が若くみえる不思議さよ。お初の高嶺ふぶきさん。キャリアの長い男役さんが女役を演じるとごっつくなりがちなところがありますが、ゆきちゃんのお初は線がすごく綺麗でしなやかでした。雪之丞にひそかに思いを寄せながら江戸を去っていく雪之丞を見送るときの妖艶さを今も思い出します。いい女っぷりでした。まだ三番手の頃の轟悠さんが雪之丞の仇討ちを手助けする闇太郎。『エリザベート』の初代ルキーニへとつながっていく濃い役がお似合いでした。

 『サジタリウス』は中村暁先生初のショー作品。『雪之丞変化』が長かったので、40分ほどと短めでしたが楽しいものでした。今でも好きな大好きなショー作品のひとつ。サジタリウスは射手座のこと、昨年の星組の『エストレージャス』へとつながっていくものを感じて今振り返るとより感慨深いものがあります。テレビでみて心をうばわれた舞台の演出家の作品に20年余りの歳月を経て、主役として出演するなんてすごい巡り合わせ、そこに他たどり着くまでの道のりを思うとほんとに希少なことだと思います。
 
 私は昨年紅カールにすっかり魅せられてから知ったエピソード。小学5年生ですでに160センチを超えていてランドセルが似合わなかったさゆみちゃんがたまたま学校から帰ってきたらテレビで放送されていたのをみてランドセル背負ったまま釘付けになり、宝塚に入るんだと決意したのが『雪之丞変化』、続いて放送された『サジタリウス』もそのままみてすっかり宝塚のとりこになり、初めて大劇場で観劇したのが『仮面のロマネスク』。退団公演の千穐楽で作品名は出さなかったものの観劇したときの感動を今でもはっきりおぼえていると語っていました。一路真輝さん、高嶺ふぶきさん率いる雪組の作品を全作観劇していた身としては、この出会いがのちのトップスター紅ゆずるさんを生んだ出会いといっても過言ではないというエピソード、なんとも感慨深く嬉しいものがあります。紅さんが『バロック千一夜』での高嶺さんの色気のある美しさを熱く語っているのをみたことがありものすごく細かいところまでよくみていてほんとに好きなんだと思いました。下級生時代仮面のロマネスクごっこしていたとか、嬉しみすぎます。この出会いがあったから昨年『霧深きエルベのほとり』の再演がありました。こうして受け継がれてきている歴史よ。

 劇団とっても便利 さん 25周年記念公演『美しい人 』
  4月10日-12日京都府立文化芸術会館にて上演。

 この公演をもって高嶺ふぶきさんが俳優から引退されるとのこと。初代フランツはわたしの中で永遠。初代ヴァルモン子爵の美しさは宝塚の歴史が続くかぎり永遠に語り継がれていくことと思います。コロナ旋風の中、無事に上演されることを祈ります。













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