たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

1995年ミュージカル『回転木馬』-STORY(第二幕)

2021年07月19日 20時56分16秒 | ミュージカル・舞台・映画
1995年ミュージカル『回転木馬』-ジガー役市村正親さん
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/7f621df4ad314ecafb7d9abb1f1d2088

(1995年帝国劇場公演プログラムより)

「入江の向こうの小さな島。皆、美味しい食事を済ませ、そこにはのんびりとした雰囲気が漂っている。<第二幕 オープニング>

 クラムベイクが始まり、素晴らしいひとときを満喫、気分も最高に盛り上がっている。<素敵なピクニック> 宝探しがスタート、皆が、四方八方に散っていく。そこへ残ったジガーはちょうど居合わせたキャリーにちょっかいを出す。ふざけているふたりの前にスノウが・・・。キャリーとの夢が砕けていくスノウ。<窓辺のゼラニウム(石屋は石を切る)> ジュリーが間に入って、ふたりは仲直り。皆が宝探しに夢中になっている合い間にジガーとビリーは密かに島を出ようとする。止めるジュリーを振り切って、ビリーは行ってしまう。<考えても始まらない>

 バスコム氏を待ち伏せしているビリーとジガー。なかなか現われず、苛立ちを隠せないふたりだ。そこへ、バスコム氏登場。ビリーが時間を尋ねることで気を引き、そのスキにジガーがナイフで刺す手筈だったが、ビリーは警官に追い詰められ、ジュリーの名を呼びながら自らの胸にナイフを刺す。そこへジュリーが駆け付け、ビリーの手を握る。腕のなかで息を引き取ったビリーに、これまで言えなかった言葉、「愛している」と語りかけるジュリー。ネティは、やがて生まれてくる子供のために強く生きるように、優しく、温かくジュリーを励ます。<人生 ひとりではない>
 
 気が付いたビリーは、地上から遠く離れたスター・キーパー(星の番人)の元にいた。<天国の友の登場>

 すでに、地上では15年が過ぎていた。ビリーは、スター・キーパーからひとつの「権利」があることを知らされていた。それは、この世のやり残したことがあったら、たった一日だけ地上に還ることを許されるというもの。そして、そこで善行を行えば、天国へ行ける、と。だが、相変わらず短気のビリーは素直になれない。でも、愛するジュリーと子供が幸せに暮らしているか、気になるばかりだ。「見たらどうだ?」というスター・キーパーに「どうしたら見ることができるのか?」と聞くビリー。じっと見ていれば待っていれば、見る力は出てくるのだ。

 幻想のように、ルイーズはフェアグランド・ボーイとパ・ド・ドゥを踊る。それはまるで若き日のビリーとジュリーのように見える。<バレエ>

 美しく成長したルイーズが、楽しそうに遊ぶ子供たちの輪の中に入れてもらえない。でも勝気なルイーズ。ビリーによく似ている。幸せではない姿を見てしまったビリーは、天国の友の案内で地上に戻った。こっそり星をひとつ持って・・・。

 ジュリーの家には、お金持ちになったスノウとキャリーが8人の子供を連れて遊びに来ていた。あの頃と変わらず美しいジュリーがそこにいた。スノウ一家は、ルイーズに思いを寄せる息子イノック・ジュニアを残して帰って行くが、ふたりはビリーの過去のことが原因で喧嘩をしてしまう。ジュニアを追い払ったルイーズの前に、ビリーが姿を現す。「君の父親の友人」と偽って話し、星をプレゼントしようとすると、恐がって受け取ろうとしない。強引なビリーは思わず娘の手を叩いてしまう。家の中に逃げたルイーズの代わりにジュリーが出て来るが、ビリーは消えている。「でも、ちっとも痛くなかった・・・」と、手を叩いた男の話をするルイーズ。それが誰なのか、ジュリーにはわかった。なぜなら、ジュリーも同じ経験をしたことがあるから。椅子の上に置いてある星をみつけて、その手に取り胸に抱く。<ポーチ・シーン>

 ルイーズにまだ何もしてやれないビリーは天国の友に頼み、時間を延ばしてもうらうことに。翌日の卒業式を見にいくためだ。

 卒業式。校長の挨拶に続いて、来賓のドクター・セルドンの祝辞が始まった。何故か、ドクター・セルドンはスター・キーパーによく似ている。

「君たちのことはよく知っている。みんな私が取り上げ、面倒を見た。だから、この先は私が面倒を見て良かったと思えるような大人になってもらいたい。しかし、確実に幸せになる道を教えることはできない。君たちは自分でそれを見つけるのだ。親の成功に寄りかかってはいけない。親の挫折にめげてはいけない。自分の二本の足でしっかりと歩んでいけばいい。」
ルイーズの耳もとで「よく聞いて、そのとおりなんだ」とビリーがそっと囁いた。するとルイーズは顔を上げ、その瞳は輝いた。
 
 そして、ジュリーの傍らに立ったビリーは、彼女に語りかける。「愛していたんだ、ジュリー。わかってくれ。おれは、おまえを愛していた」。生きている時には、決して言うことができなかったこの一言が伝えたかった。ジュリーはずっと信じていたビリーの心に触れ、瞳に明るさが戻る。そう、人生は決してひとりではない。天国の友がビリーを呼んでいる。時間がきたのだ。静かに去って行くふたり。<グランド・フィナーレ>」


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