ニューシネマパラダイスのジュゼッペ・トルナトーレ監督の極上のミステリー作品「鑑定士と顔のない依頼人」を観賞。
先ず、シネマファンなら絶対見るべき作品と言っておきます。今回の作品は、天才的な鑑定士に、舞い込んできたのは、両親の遺産のオークション依頼。依頼人は、決して正体を現すことのない若い女性、決して人を信じることなく、隠し持った肖像画だけを愛する孤独な男が、やがて遺産の一部をきっかけに、姿なき依頼人に翻弄されていく。
物語に仕組まれた様々なトリックに、鑑定士の耽美な日常にスクリーンを彩る美術品の数々に魅了されのめり込んでいきます。
鑑定士ヴァージルを演じるのは「英国王のスピーチ」で国王の吃音矯正役を担ったジェフリー・ラッシュ。孤高の老紳士が哀愁あふれる演技が秀逸です。
また、スクリーンに流れる美しい音色は、映画音楽界のの巨匠エンリオ・モリコーネ。この作品のミステリアスな一面をさらに増幅させています。
ミステリーファンも、シネマファンも、この映画の魅力にしばし憑りつかれることと思います。