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65オヤジのスタイルブック

フリオ・ゴンザレス展・三重県立美術館

先日の舟越桂展と同時開催のフリオ・ゴンザレス展を鑑賞。

フリオ・ゴンザレスは、20世紀前半を代表する彫刻家で、僕自身もその名前を記憶に残すことはなかったのですが、スペインでアールヌ―ボの芸術運動に触れ、後に、その大半をフランスで過し、ピカソ、モディリアーニ、モンドリアンなどの画家たちを青年時代から親交を持ち、当初は絵画作品もあったそうですが、彼の彫刻の中でも革新的であった鉄の作品により、彫刻家としての地位を確立したそうです。

デフォルメされた仮面や手、抽象的な形づけられた立体作品は、鉄と言う素材を単なる塊を加工するだけではなく、鉄板、鉄管、棒、釘、ボルト、ビスなど、20世紀の工業化の時代を反映する素材を巧みに組み合わせ形づける、それまどの捏ねる彫る等の技法とは違う斬新的な試みで制作されています。

それは、舟越桂の作品が父保武と異なる木彫によるに対して、フリオ・ゴンザレス作品は、金工職人であった父の流れをくむ、鉄の作品にその特色があらわれています。

父と子の系譜を観れば、桂作品とフリオ作品は、まったく異なる系譜に思われるのですが、桂の作品には、父の精神的な部分を受け継ぎ、フリオの作品は父の伝統技法を革新へと進化させたように思います。二人の偉大な彫刻家の作品が同時期に展示されたことは、二人の親子の芸術の系譜を感じられます。


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