映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は「黄色い星の子どもたち」です。
ヒトラー政権下で、フランスで実際に行われた13000人のユダヤ人一斉検挙の事件を描いたものです。
黄色い星とは、ユダヤ人の胸に強制的につけられた黄色い星のワッペンを指します。差別の象徴として示される黄色い星の印、さらに財産を強奪され、夫、妻、子どもと家族を引き裂かれ、死の収容所へと送られる過程を克明に描き出し、事実を明らかにしていく歴史映画としても、よく出来た作品でした。
あのフランスでさえも、一人の独裁者に怯え、ユダヤ人を一斉検挙して、競技場に閉じ込め水、食料を与えず、最後にあの地獄の収容所へと追いやった迫害事件は、95年にシラク元大統領がフランス政府の責任を認めるまで、闇に葬られていました。
自らの死を顧みることなく、献身的に同胞の治療にあたるジャン・レノ演じる医師や政府の方針に背き献身的に働く看護婦や消防士など、そして、子ども達を守るために、戦う父と母。元ジャーナリストの女性監督の特に女性にスポットを当てた演出に、女性のもつ「母性」を感じました。
ユダヤ人迫害を描いた映画は数多くあります。そいて、いつの時代にも新しい史実の中で描かれ、映画の「良心」を感じます。
このような映画が描き続けられることで、差別から生まれる悲惨な事件の根絶が進むことが大切だなと感じました。