ヒトラーがモノマネ芸人になって帰ってきたら?映画「帰ってきたヒトラー」を鑑賞
本国ドイツで2012年に発刊され200万部のベストセラーを記録し、世界41ヵ国で翻訳された小説が映画された本作。本国でも、ディズニーのインサイドヘッドを抑えて第1位に輝き、賛否両論を巻き起こした問題作。
アドルフ・ヒトラーが、現代に蘇り、その本物(?)そっくりの演技から、一躍人気モノマネ芸に。彼を発掘した売れない脚本家により彼を描いた作品の映画化も進むが、そこは天才的な演説を持ったヒトラーだけあって、国民を扇動していきます。現代に蘇ったヒトラーは、善人か悪人か?
ロケの中で、登場するエキストラの人々は、顔を出している人と隠している人もいて、作品上でも賛否が明確に表されているのが、ドイツらしい。また、こうした作品が出版され、映画化されることに、驚きと民主主義国家としての誠実さを感じます。
現代に蘇ったヒトラーのコミュニティ能力は絶大で、自らの主張を曲げず、徐々に支持を拡大していく姿は滑稽でもあり、その反面空恐ろしさを感じます。純粋な反ナチ作品ととるか、純粋なブラックジョークをベースにしたコメディととるか、自由だと思いますが、この結論はドイツ人でしか出せないのは確かだと思います。