65オヤジのスタイルブック

ドラマ64

映画64の公開に合わせてか、ドラマ64のDVDが発売され、昨年、4月に放映されていたドラマを見逃していた僕は、映画鑑賞後にレンタルで見ようと思いましたが、これが本数の少なさもあって常に貸し出し状態、先日ようやく3巻目を視聴しました。

NHKの土曜ドラマで放映されたドラマ「64」は、主人公の三上をピエール瀧が演じて話題にはなりましたが、低視聴率もあって、その後、悪評にさらされ静かに幕を閉じたこともあってあまり知られていません。しかし、ドラマは、平成27年度の芸術祭・テレビ・ドラマ部門で大賞を受賞し、再評価されました。

悪役で定評のあるピエール瀧が、どのように演じるか個人的には注目して観ましたが、内容も配役においても、映画にひけをとらない出来栄えです。むしろある意味、映画を超えた部分が多々ありました。

それは、原作を知らない人でも、かなり原作に近い形でドラマが展開されている点。映画では、前半、後半にわけて5時間近く長さ。ドラマは5話で構成された5時間。両者に時間の開きがないものの、ドラマと言う連続性の利点をうまく使った構成は見事です。

D県と言う地方都市の原風景と県警の部屋のつくりなどにおいては、ドラマの方が数段リアリティがあり、脇を固めるキャスティングも絶妙。たとえば三上を支える広報室の係長に新井浩文、対立する地方記者には、瑛太の弟の永山絢斗、事件の鍵を握る幸田メモの幸田には萩原聖人と他にも実力派の俳優陣をキャスティング。派手さはないが、映画の64にひけをとらない面々です。むしろ、僕も含めてドラマのキャスティングの方が好きな人も多いと思います。

そして何より、ピエール瀧の多くを語らない演技は、佐藤浩市とは対照的な静なる存在感で、このドラマの重厚感がよく出ています。映画の持つ派手さは、佐藤浩市の熱情が生かされた演出ですが、ドラマの64には、ピエール瀧の存在感が、すべてのキャストを生かしているように感じました。

視聴率ばかりを追って、作品を評価しないゲスなメディアには、とうていこのドラマの良さは理解できないと思いますが、原作ファン、映画、ドラマファンなら、きっとこの作品の良さは伝わっていると思います。ぜひ、ドラマ64を観て、映画と比較しながら楽しんでもらいたいです。


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