映画館で観れなった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ウォンテッドの監督によるスパイ映画「顔のないスパイ」です。
敏腕諜報員だったリチャード・ギア演じる男が、CIA復帰して、FBIの若手捜査官がタッグを組んで、伝説のソビエト伝説のスパイ、カシウスを探し出すストーリー。
死んだはずのカシウスが、上院議員の暗殺でをきかっけに、亡霊のように甦る。やがて、カシウスの正体はあっけなくわかるのですが、そこからFBI捜査官のカシウス探しの紐解きと殺人に及ぶ理由が明らかになるにつれ、どこでカシウスを逮捕するかに焦点があたり、よくあるスパイ映画の感を与えます。
ところが、ラストに展開される予想外の結末とスパイの真の正体が明らかになることで、この作品の主題が理解できました。
ベルリンの壁が崩壊し、東西の冷戦構造が消滅したかに見えた昨今、アメリカで話題になったロシアの女スパイで、実は、まだまだ、国家と国家の奥底で存在する見えない壁が明らかになりました。
そんな、大国の思惑に現実味を持たせたスパイ映画の秀作だと思います。