映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、青春ミステリーの台湾作品「共犯」です。
監督は、前作の「光にふれる」で一躍注目を浴びたチャン・ロンジ―。視覚障害のあるピアニストの少年とプロダンサーを目指す少女との切なく淡い恋愛模様を描きながら仲間に支えられ成長する姿が感動的な作品でした。
今回は、前作とは違う、SNSの世界で揺れ動く少年たちの姿を描き、二転三転する結末が魅力的な青春ミステリー。
物語は、日常的ないじめに耐えながら生活してる高校生が路地で飛び降り自殺で倒れていた女子高生の第一発見者となるところから始まります。そこに、たまたま遭遇した不良高校生と優等生高校生。まったく面識のなかった三人の高校生が、亡くなった女子高生の自殺の原因となった犯人を捜しだし、彼女のために小さな復習を果たします。
しかし、第一発見者の高校生の事故死をきっかけに、事態は思わぬ方向へ展開、SNSを巻き込んだ新たな犯人捜しへと進みます。
現代の情報ツールとコミュニケーションツールとなったSNSを中心に描かれる手法は、新たなミステリーの道具として斬新で、そこに古典的なツールが加わって、二転三転する事件の真相が、今も昔も変わらない、若者の心理状況と巧みに重なり、一秒たりとも飽きさせない内容になっています。
近年、注目を浴びている台湾映画に新たな金字塔を打ち立てた映画ファンの必見の作品だと思います。