医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

信仰の美風と遺伝子3

2006年08月18日 13時22分26秒 | Weblog
 このシオニズムからイスラエル建国までの流れには、世界金融業で莫大な富を築いた欧州系ユダヤ人であるロスチャイルド家の多大な影響も深~く関与します。

 また現在NYはジューヨークと揶揄されるほど、米国在住ユダヤ人やロビー活動の影響が強くなっております。

 それは共和党だけの話かと思ったら、先日たまたまテレビを見ていて感じたのですが、民主党の新しい看板もユダヤ人を持ち上げておりました。

 事態を複雑化しているもう一つの原因としてエルサレムはややこしいことに、キリスト教は当然ながら、イスラム教にとっても聖地なのです。

 イスラム教の預言者ムハマンド(モハメット)が現サウジアラビアのメッカ郊外で天使ジブリール(ガブリエル)に神の啓示を受けたときに、ムハンマドが一夜のうちに昇天する旅を体験した場所がエルサレムだとされます。

 ムハンマドはエルサレム神殿上の「岩」から天馬に乗って昇天し、神の御前に至ったのだというのです。

 この、もともとはエルサレム神殿があった「岩」の上に7世紀頃建てられたイスラムの建造物が「岩のドーム」です。

 金のドームと青い八角形の建物は、およそこの世のものとは思えなくらいに美しい建築物です。

http://www.aii-t.org/j/maqha/magazine/architecture/20050816.htm

http://homepage3.nifty.com/murasakigawa/photo/israel/p08goldendome.htm

 イスラム教の聖地は第一にサウジアラビアのメッカのマスジド・ハラームの中心部にある「カアバ神殿」です。

 そして第二にメッカの500km北のメディナにあるイスラム教の礼拝堂・モスクであり、そしてそこは預言者ムハンマドの霊廟(れいびょう)でもある「預言者のモスク」です。

 下記を参照されてください。

http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0209/sin_k90.html

 そして第三の聖地が、もともとはユダヤ人が建設し、ローマ帝国によって破壊されてしまった、「嘆きの壁」が残るエルサレム神殿内に建つ、この「岩のドーム」なのです。

 さらにはこの「岩」はアブラハムが息子のイサクを神のために捧げようとした「岩の台」ともされるので、事態はいよいよ深刻です。

 「アブラハム」は聖書の最初の登場人物であり、彼はユダヤ教、キリスト教、イスラム教を信じるいわゆる「聖典の民」の「共通の始祖」なのです。

 洪水後の神による人類救済の出発点として選ばれた最初の預言者であり、ユダヤ教の教義では全てのユダヤ人の、またイスラム教の教義ではユダヤ人に加えて全てのアラブ人の系譜上の祖とされます。

 そのためキリスト教、ユダヤ教も聖地を主張しており問題は複雑化しております。

 当然ユダヤ人であるキリストが活動を行い、ゴルゴタの丘で磔刑に遭い、復活したのもエルサレムですし、さらにはキリスト教徒にとってはキリストの墓があるとされる「聖墳墓教会」があるために、これまたエルサレムはキリスト教にとっても聖地であります。