医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

美しき夏雲に 6

2008年03月31日 08時41分40秒 | Weblog
 石原都知事の例のススをもっての独善的な排ガス規制によって、だいぶ東京の空はきれいになったそうですよ。

 どうしてマスコミは、政治家のプラスの業績を、きちんと評価・考察してたたえないのかな?

 真のリーダーは時に独裁になっても仕方のないこともあります。

 少なくても営業車は順次ハイブリッド車に乗り換えていただき、政府は助成してはいかがでしょうか?

 量産できればコストも安く済むし、競争も生まれ、新しい産業も生まれます。






 そして石油に代わる代替エネルギーの開発を国是として、日本の叡智を結集して国を挙げて取り組むべきではないでしょうか?

 代替エネルギーを制する国が世界を制するのは目に見えております。

 それが国策・国家大計であり、日本は大国として環境問題に積極的に取り組む責任もあります。

 二酸化炭素と地球温暖化の正当な関係は僕にはわかりませんが、わずか6%の削減もままならない、口先だけのスローガン国家で、国際社会から信用されなくなってもいいの?

 国が介入したっていいじゃない?

 なんで政治家は誰も言わないのかなぁ・・・?

 せっかくのシャープやトヨタの、今ある日本の技術が生かされておりません。

 悔しくないですか?僕はチョー悔しい。

 25円にこだわって、ぼやぼやしているうちに全部抜かれてるんですよ。

 韓国でも今、ドイツよりさらに積極的な太陽光発電普及促進策が施行され、設置量の急拡大を図っており、製造業の立ち上がりは遅れを取っているものの、急激な勢いで投資が増えているそうです。

 水素エンジンもBMWが、ハイブリッドタクシーはメルセデスがすでに開発したと聞きます。





 トヨタもプリウスをもっとかっこいいデザインにして、芸能人にどんどん乗らせて、もっと戦略を持って頑張って欲しい。

 プリウスは言ってはなんですが、あんなイモムシみたいなかっちょ悪いデザインだからイマイチ普及しないんですよ。

 レクサスがあれだけ売れているのは、デザインが少しはましになったからです。

 ホントは僕たちは、ハイブリッドに乗りたいんですよ、深層心理で。

 トヨタの偉い方を知っている方がこれを読んだなら、ぜひ進言して差し上げてください。

 もっと刺激的で、若者にチョーカッコイーといわれるような、色っぽい車をデザインできれば・・・ピニンファリーナやジウジアーロに頼んだっていい。





 携帯電話やせっかくの電動自転車も、あらゆる家電も、近代ビルを見ても、僕たち日本人に欠けているものは、『デザイン力』だと思います。

 機能ばっかり優秀で、しかし肝心のデザイン力と色の感覚が大きく劣るために、世界レベルでの人々への魅了に欠けております。

 その原因は日本ではイタリアやフランスに比べ、宗教的感性あるいは(いかがわしくない、正当な)霊的感性が鈍り、心を荘厳で慎み深い気分にする機会が減ってしまい・・・

 また讃美歌やステンドグラスなども当然日常にないし、宗教画やクラシック音楽をはじめとする芸術などの美しいものに接する機会が少なく、美術館も生活に溶け込んでいないので触れ合う機会もない・・・

 当然美に関する感性が低下するか歪曲し・・・

 そういうハンディキャップからでしょう。

 美しいけれど難しい小説や、本物で実物の美しい事象、シリアスでまじめな議論、古くて美しい建物や街並み、そういうものよりも、より簡便で楽しくて分かりやすくて楽なもの、アニメやお笑い、芸能人、ミュージカルにディズニー・・・

 そういうエンターテイメントに流れてきてしまったせいもあるでしょう。

 宗教的感性ほど、美を追求する情熱にまさるものはないと、個人的に強く思います。

 デザイン力と売るための戦略は、最近では韓国の電化製品にも負けてきている気がします。

美しき夏雲に 5

2008年03月30日 10時04分57秒 | Weblog
 それに比べ、ドイツをはじめとするヨーロッパは徹底しておりますよね~。

 例えば温暖化で氷河が溶け出しているスイスの村では、村民にいっさいの車の所有・運転が禁止され、唯一電動カートはホテル業者だけに許可されているにもかかわらず、村民からは苦情も出ません。

 「氷河を守るのは当たり前だ」というオトナな考えからです。

 歪んだ人権をわがもの顔に振りかざす市民もおりませんし、恨み言を言う方もおりませんし、煽るプロや不満をたきつけるおろかなマスコミもいないようです。

 加えて、都市圏への車での乗り入れは禁止され、郊外で車は全部列車の荷台に載せられて鉄道移動です。






 もちろん年金やガソリン税も大切かもしれませんが、僕たち日本人は動き出すべきではないでしょうか?

 利権や政治家の思惑通りのままのこのエネルギー政策、現状維持(原発推進政策)ではいけないのではないのでしょうか?

 そりゃ、その分野での技術革新で後れをとるのは悔しいですが、原発はまだ人間が制御しきれないんじゃないかなあ・・

 あのフランスが、しれっと原発先進国ですが・・・

 自然エネルギーへの大転換には、わが国では電力会社の反対圧力も凄そうです・・・

 何かを始めるときは混乱はつきものなのです。

 【原発推進か、脱原発か?】

 これは、憲法改正や医療や外交(世界の貧困)と同じくらい大切で、そしてそれはガソリン25円よりずっと重く、急がれる政策ではないのかなぁ・・・

 このテーマは、国民の声を聴いた方がいいし、答えは明らかですが、そうすると答えたからには国民も、政治家やマスコミ頼みではなく、個人的にも責任を背負うべきです。

 民主党もこのエネルギー政策について弱くはないでしょうか・・・どうなのE野くん?





 ここで提案ですが、思い切って、日本中の車をハイブリッドにしたらいかがでしょうか?

 それでも巨大排気量のガソリン車に乗りたい方には、う~んと税金を払ってもらって。

 そりゃ自由が制限されるし、抵抗も凄まじいでしょうけれど・・・

 そういう車に乗りたい方は、どうしても乗りたいのだし、高い車を買えるくらいですから、そもそもお金持ちの方が多いでしょうからお支払いくださるでしょう。

 そしたらびっくりしますよ、外国からの旅行者は・・・日本に行ったら全部車がハイブリッドで、しず~かに走っていてら。

美しき夏雲に 4

2008年03月29日 23時56分26秒 | Weblog
 んでもって、ドイツの「キューセルズ」というソーラーパネル製造企業が大躍進しているという番組をテレビで見ました。

 生産を始めたのが2001年だそうですが、なんと4年間で10倍の伸びを示したそうです。

 今では、太陽電池メーカーとして世界第2位(1位はシャープ)に躍進しているそうです。

 ドイツ政府は太陽光発電による電気買取を高額にし、20年買い取り保障をしたそうです。

 これによって、企業も個人もこの分野への投資として設置をしたのが、この新しいビジネスモデルとなっているそうです。

 日本におられるみなさまは、CO2削減だ、エコだ、京都議定書だ、とは耳にしても、実際に自然エネルギーについて考えたことがありますでしょうか?

 ドイツでは太陽光発電、風力発電、地熱発電、木、穀物、堆肥、糞尿、飼料かす、農業ゴミ(藁、トウモロコシ、ビート、雑草)、さらには場などでの生ゴミなどのバイオマスなどの利用について国を挙げて・・・

 一般国民も、中には既得権益を守りたい方や反対者もいるでしょうが、そう、国民が真剣に考えております。

 自然エネルギーといえば他にも、これは僕の素人丸出しの勝手な発想ですが、例えば海の波、潮流の温度差、雷、地震エネルギーの保存、火山国なのだから地熱やマグマ・・・

 研究の余地はあるような気が、素人ながらにするのですけれどどうなのでしょう。

 水素燃料立国を打ち出したアイスランドは、豊富な地熱と水力で電力の99%をまかない、エネルギー全体に対して自然エネルギーは70%以上を占めているそうです。

 そんな中、残念なことに日本の風力発電は、04年の世界8位から06年は13位に後退したそうです。

 太陽光発電でも05年にドイツに抜かれ、日本は太陽光発電施設への補助を05年度で打ち切るなど、自然エネルギーでは消極的な姿勢が目立っているというのですよ。



 この背景には、やはり原子力に頼り、今や日本の原発は世界3位の55基を持ち、発電量の30数%をまかなう規模にまでなっているそうです。

 日本は京都議定書とかエコ技術がなんて言ってますが、二酸化炭素の排出量は増え、環境先進国どころか、悲しいけれど地球環境に対しては後進国とはっきり言えます。

 目先のガソリンの25円に明け暮れているうちに、お隣韓国のこの分野での躍進もめざましく、日本は抜かれてしまうかもしれません。

 せっかくのシャープやトヨタの技術が・・・・むざむざと・・




 また我が国は、これこれは間違いだった、あの時点では判断できなかった、だからこう変えるんだという、大胆な方針変換が苦手なようです。

 マスコミも国策を考えず、まずは目先の政府や官僚を袋叩きにするからです。

 日本もここで、原発頼みはまだ早い、自然エネルギーでドイツを抜こう、これを国是に!くらいの大胆な方針転換をしてみてはいかがでしょうか?

 金融や経済よりも、こういう技術や研究に能力のある若者が就き、その勇気ある若者がゆったりと暮らせるような社会にならぬものか?

美しき夏雲に 3

2008年03月28日 08時00分14秒 | Weblog
 しかしメルケル首相率いるCDUは過半数を取れず、日本で言う大連立を組まざるを得ませんでした。

 で、メルケル首相のCDUは、2大政党の左派的なドイツ社会民主党(SPD)、日本で言う民主党?社民党?という最大野党と連立しました。

 んでもって、ドイツ「緑の党」は2大政党ではありませんが、各国の緑の党の中では実績があります。

 なんてったって、CDUのメルケル首相が勝利する前、SPD政権時のシュレイダー首相の際、緑の党はSPDと連立していましたのですから。

 ってことは、ドイツが環境政策に重点を置き、「環境先進国」としての名声を得てきた背景には、「緑の党」が政権を担っていたことが大きく影響しているとされるわけなんっす。

 ドイツ「緑の党」は大政党ではないようですが、どこかの小政党の野党のように、与党の批判や理想ばかりだとか、ポスト欲しさで与党の太鼓持ちになり下がることなく、現実的に具体策をもって政権担当の責任を果たしているようです。




 しかしメルケル氏は保守ですから、かつて、「赤と緑がドイツを治めない日がよい日」とまで言っていました。

 わかりますよね?赤と緑・・・

 ですから、メルケル氏のエネルギー政策動向が日本以外の(? )世界中の耳目を集めました。

 メルケル氏は脱原発を推し進めてきたSPDと緑の党を激しく非難してきた、当時の野党CDUの新しい党首になったわけで、そのSPDと大連立を組まざるを得なくなったのです。

 ところがこのメルケル首相、女性ながら肝が据わっておりまして、就任中に脱原発の見直しは行わないとし、自然エネルギーへの転換には柔軟に対応、政策を継承しました。

 また政府として再生可能エネルギー研究に20億ユーロ(約2,800億円)を拠出していくことを明らかにしました。





 どこかの国の政治家や国民性とは大違いです。

 あ、そうそう、朝日系で例の眉間にしわを寄せて国民の不安を連日あおり、日本人をズッポリ暗い雰囲気にさせる扇動家アナが、御他聞にもれず儀式の如く日本政府を批判していたところ・・・

 朝日系では珍しく大きな視野を持ったH解説員が、物事がシフトするときには混乱はつきもので、これはプラスに考えるべきだと、批判ばかりの超マイナス思考のアナをたしなめておりました。





 いけない・・・それまでのドイツは、石油、天然ガスなど発電用エネルギーの半分以上を輸入に頼っていました。

 2006年4月には、同国に17基ある原子力発電所は電力の3割、風力や太陽光などの再生可能エネルギーは1割にすぎません。

 ドイツでは10年以上議論して、2020年までにはすでに稼働している原子力発電所がすべて閉鎖され、自然エネルギーへとドラスティックに変化させることを国をあげて決断したのです。

 そのため現在ドイツでは、約4万人以上が直接・間接に「風力」発電産業に従事しているといいます。

 2030年までに「風力」エネルギーの割合を20-24%にまで高めるという長期目標を達成することを目指して、ドイツ政府は「風力」エネルギー利用を促進しているのです。

 とりわけ再生可能エネルギー法は投資促進のインセンティブとなり、自然エネルギーの政府での高額買取もしております。

美しき夏雲に 2

2008年03月27日 07時41分22秒 | Weblog
 現在世界で、原子力を積極的に活用しているのは、フランス(86%が原子力)、チェコ、イギリス、スイス、旧東欧諸国、フィンランド他であり、脱原子力政策を維持するのはドイツ、スウェーデン、ベルギー、イタリア、オーストリア他です。

 Wikiによれば、2002年現在、世界における総発電量(163215億kWh)の16.2%が原子力発電所によるものであり、これは火力発電所の66.6%、水力発電所の16.5%に次ぐそうです。

 世界でもっとも原子力発電所に依存しているのはフランス (78%)、次いでスウェーデン (46.3%)、ウクライナ (44.9%)、大韓民国 (35.4%)だそうです。

 日本では、16か所、54基が稼働しております。

 2004年現在、日本における発電電力量の約30%、発電設備容量の約20%を担っているとのことです。



 ところで、ヨーロッパをはじめ、アメリカやアジアにも、新左翼的なエコロジー政党の「緑の党」があります。

 一般的な「緑の党」は営利企業の自由を最優先する新自由主義的改革やグローバル化には否定的であり、また国民国家やナショナリズムや軍事・治安国家化にも批判的です。

 エコロジー、反原発、反核、軍縮、反戦、人種差別撤廃、脱物質主義、多文化主義、消費者保護、参加型民主主義、フェミニズム、社会的弱者の人権など、なにやら耳障りがよすぎる気がしますが、これらがテーマです。

 


 現首相にしてドイツ初の女性首相、東ドイツで育った「アンゲラ・メルケル」氏は、ライプツィヒ大学で物理学を専攻しておりました。

 初の女性首相で、科学者出身、保守と聞くと、コロイド化学を専攻後弁護士になった鉄の女イギリスは「マーガレット・サッチャー」氏を思い浮かべずにはおれません。

 でも顔はサッチャー氏やヒラリー氏より温和な気がします。

 メルケル氏は人柄的にも、その発言でも「緑の党」出身なのかと思いきや、コール元首相と同じく、中道右派のドイツキリスト教民主同盟(CDU)、日本で言う自民党に近い(?)の党首だそうです。

美しき夏雲に 1

2008年03月26日 13時37分45秒 | Weblog
 夏の入道雲はとっても好き、という人が多いでしょう。

 しかしそれはぎらぎらと輝く太陽と、青い空があってこそのもの。

 ところがこんな記事を目にしました。



~「都会の夏は曇りがち」~ 



 産経新聞によれば、筑波大の木村富士男教授(気象学・気候学)らが発表したとのこと。

 東京都から埼玉県にかけ、鉄道や道路に沿って発達した都市部の上空で日中、小さな雲が連なって出現することが分かった、そうです。

 「アスファルトなど人工物に覆われた都市部では太陽の熱で地面が温められ、大気を加熱、水蒸気を大量に含んだ大気が1キロ以上も上昇し、雲ができる。

農村部では、太陽の熱が地表の水の蒸発に使われ、地面は温まりにくい。

上空から下向きに弱い大気の流れができやすく、雲ができにくくなっていると考えられる。」

 というのです。



 やはり人間には太陽と土や森、水が不可欠なんだ・・・今さらながら改めて。

 日の出とともに起床して、日が暮れる前に家に帰って、自然を慈しみ、自給自足の生活を送る・・・そんな生活に憧れます。

 そんな生活では生きていけない世の中に、最近では不条理を感じます。

 自然といえば、ドイツではエネルギー政策に関し、原子力発電を2020年までに段階的に廃止するそうです。

美しい青の世界 13

2008年03月25日 11時03分06秒 | Weblog
 「ハルカナルアオイヒカリ」では、蛍光塗料で手漉きの和紙に描かれた壮大な滝が、会場内のブラックライトとスポットライトにより、荘厳かつ神秘的に輝くのだそうです。

 彼の描く滝シリーズは「千住 博の滝」としてつとに有名ですが、やはり青が人気だそうです。

 よく聞く彼の「HSエディション」とは、千住博とデジタル版画製作第一人者の長谷川真紀男の共同開発によって作り出された最新のデジタル技法で、両名のイニシャルをとりHSエディションなのだそうです。

 日本画特有の岩絵具、墨の持つ質感を完全に再現し、150年以上の耐久性があるといわれています。

http://www.oida-art.com/buy/artistwork/110_1.html

 彼も、青の虜(とりこ)なのでしょうか?




 そういえば、青い街灯にすると犯罪が減るって、ご存知でしょ?

 科学的根拠はあるのでしょうかね?




 青い風景に惹かれてやまない僕ですが、なぜでしょうかね?

 みなさまはいかがです?




 映画「ディープ・ブルー」でも見ながら・・・

 薄い青のフィルターをレンズにつけて青を強調するたけしの「北野ブルー」よりも、やっぱ、紅で有名な色彩の偏執狂(ほめ言葉)、チャン・イーモウの撮る青のほうが上でしょう{写真}・・・だとか、

(だからといって別に健さんのファンではない・・・ 青を見てくださいね

 う~ん、でもチャン・イーモウの「HERO」での、ワダエミさんの衣装はそれはそれで良かったし・・・

 出演者も絞られて、さすがだけど・・・

 色の見せ方が少しわざとらしすぎて、あまりに分かり安すぎて商業的だ・・・

 それにワイヤーアクション、あれはめっちゃ興ざめだな・・・

 「菊豆」や「紅いコーリャン」などと比べ、監督が有名になるほど映画としての質が低下してはいまいか・・・?



 おっと、「ベティ・ブルー」や「グラン・ブルー」の青はどうだっけ?

 ん~、デレク・ジャーマンの「ブルー」はいただけなかったな。

 あ、西ドイツ作、「バグダッド・カフェ」の青も妙に印象的だったぞ・・・。

 あの、濃くて暗い「青」い空は、絶品だ。



 デビッド・リンチの「ブルー・ベルベット」は、病的で猟奇的で狂っていて、だから美しく、デニス・ホッパーはさすがだったな・・・



 でも、さすがにブルーマンはキモいでしょ・・・。

 な~んて、春の青空を眺めながら考えてみましょうか?

-終わり-

美しい青の世界 12

2008年03月24日 11時40分36秒 | Weblog
 ウズベキスタンのサマルカンドが「青の都」、モロッコのシャフシャウエンンに「青い街」ならば、一方、インドには「ブルーシティ」、ジョードプルがあります。

http://www13.plala.or.jp/SPICE-VILLAGE/nepalIndia/photo/nepalIndia/johdpur.html

 こちらはう~ん、若干微妙ですね。

 パキスタンに近いので、ここもイスラムの影響が及んでいるのでしょうか?





 またツタンカーメンの青を見る限り、エジプトの青も負けてはいないでしょう。




 日本では、建築物は諸外国よりどうしても見劣りしてしまいますし、僕たちも洗練された色彩感覚を失いつつありますので、美しい青い建物や風景もあまり目にしませんが、しかしわが国には『石川賢治』氏という写真家がいます。

 彼の「月光浴」という作品集は美しいですよ。

http://gekkouyoku.com/exhibision/exhibision.html

 素晴らしい青と月の世界だ・・・。

 彼も青に魅せられたのでしょうか?

 いい仕事してますね~。

 巨匠、緑川洋一氏を超えたか?

http://www.fujifilmmuseum.com/pro_artist/artist/detail/?id=1841


 また、青なら日本画家、弟妹も芸術家で有名な、『千住 博』氏だっています。

 「ハルカナルアオイヒカリ」という個展が開かれておりましたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

美しい青の世界 11

2008年03月23日 08時58分58秒 | Weblog
 もちろん今までも何度も述べてますが、エルサレムの「岩のドーム」の青も美しい。

 そして今は戦火に見舞われている、世界一の古都、イラクのバグダッド、「サーマッラー」の『マルウィーヤ螺旋ミナレット』も、青くはありませんが、まるでバベルのようで強烈です。

http://www.aii-t.org/j/maqha/magazine/architecture/img/20050913_1.jpg


 その隣の『アスカリ・モスク』もすばらしい・・・はずなのですが、だがしかし、どうやらアスカリ廟は爆破されたらしい・・・。

 サーマッラーとは「見る者すべての喜び」を意味するのに・・・。

 


 調和補色で書きましたが、イスラムの水色に近いターコイズブルーはサンド・ベージュによく似合うし、中近東の青い空、少ない水につながり、それが生命を表す青、つまりは「聖なる青」とつながるのでしょう。

 日本人からすると、このイスラムの目の覚めるような「青」と、空間を覆い尽くすアラベスクの装飾よりも、パリの、色を抑えた、形はおどろおどろしい、カトリックの大聖堂や、すっきりとしたイタリアのルネッサンス様式の聖堂の方が、感覚的に同調できますかねえ・・・。

 でも日本人観光客の場合、ゴシックの外見上のフライングバットレスによるおどろおどろしさや、バロックのいびつさ、内装の尖塔アーチや柱頭彫刻による森の再現などには目もくれず・・・

 「きゃ~ステンドグラスきれい!教会かわい~い・・・ 誰を祀っていたかなんて関係ないしぃ。」

な~んて感想だったりして・・・それはそれでひとつの見方ではありますが。

 でも少しはお勉強したほうが、より楽しめるし、なにより先方にも失礼がない。




 青には関係ありませんが、日本の大社造りも、パリの大聖堂もすばらしいですし、イスラムのモスクもやはり僕には捨てがたいし、さらにはロシア正教のクーポラも強力に推したいですがねえ・・。


 本日の写真は、マイアミのセブンマイルズブリッジですから、イスラムには全く関係なく、青い美しい風景です。





 一方、同じイスラムでも、日本からは遠く離れたアフリカのモロッコには「青い街」、『シャフシャウエン』があります。

 HPによれば、

「目の覚める様なアイスブルー。壁も、扉も、どの家も。町中が青一色。どこもかしこも青、青、青。オールブルーの世界。」

なのだそうです。

http://www.kersol.net/contents/500016/50001601

 モロッコもイスラム世界でしょうから、イスラムの青の世界を、表現しようと思ったが、タイルがないのでこうなった・・・のか、同じ地中海のサントリーニ島を意識したのでしょうか??

 それにしましてもモロッコは、ジャン・レノが生まれたカサブランカにマラケシュと、これまた見ごたえのありそうな名前が誘ってますよね~。

 地中海文化のアフリカ、イスラムにフレンチスタイルが加わって・・・・異国情緒がたっぷりだ。

 「神の国」を意味するマラケシュがなまって「モロッコ」、そのマラケシュの旧市街地、メディナのジャマエルフナ広場は「死人の集会場」を意味し、そこを中心に広がるスーク(市場)は世界最大、映画インディ・ジョーンズでも見たような・・・。

美しい青の世界 10

2008年03月22日 06時31分12秒 | Weblog
 イランのイスファン(エスファーン)にある、マスジェデ・エマーム(イマーム)、別名「イマームモスク」または「王のモスク」は、ペルシャブルーが鮮やかでイスラム建築の最高峰といわれます。{写真

 イランというと、アメリカに悪の枢軸と呼ばれたり、核開発疑惑だったり、アフマディネジャド大統領だったり、その昔は日本で偽テレフォンカード売ったり・・・

とありますが、その偉大なペルシャ文化は以前、ペルシャの秘宝で書いたとおりです。

 「王のモスク」の『鍾乳石飾り』は、スタラクタイトと呼ばれ、鍾乳石状、蜂の巣状に小さな曲面を集合させて、全体として凹曲面を作り出すのですが・・・

   「イスラムの色」より



 「鍾乳石」は昔、マホメット(ムハンマド)が、敵から逃れてこもったヒラー山の洞窟の中で、大天使ガブリエルから啓示を得たと言う故事にならっているらしいので、イスラムでは特別な意味を持つらしい。

http://4travel.jp/traveler/takahide14/album/10156463/



 「鍾乳石飾り」はガウディに通ずるものも感じますね。

 同じくイスファンのイマーム広場の東にある、王家専用のマスジェデ・ジェイフ・ロトゥフォッラーも、見事すぎてため息しか出ません。

http://4travel.jp/traveler/takahide14/album/10157290/

http://www9.ocn.ne.jp/~jitian/iran/esfahan/emam/emam.htm

 シラーズの、シャー・チェラーグ廟

http://blogs.yahoo.co.jp/mmlg888/45439776.html

 その内部はブルーの世界ではないですが・・・ちょっとすごすぎません???

美しい青の世界 9

2008年03月21日 08時18分51秒 | Weblog
 西アジア、中央アジアの、そうイスラム世界の陶器やタイルに「青」が多く美しい理由としては・・・

 釉薬(ゆうやく)の原料となる「コバルト酸化物」や呈色剤である「銅」など、青の原料が豊富だったため、という説があります。

 酸化コバルトと「銅」が鮮やかで深くて美しい「青」の発色に貢献したみたいです。

 また、高い温度で焼くことのできる粘土や、高火度焼成に必要な油の多い松のような木材が少ないことから、草などで低い温度で焼ける釉薬を利用したので青、黄、緑が多くなったということです。

 ふ~ん、なるほど。



 英語のラスター(luster)とは落ち着いた輝きを意味しますが、「ラスター彩」といえば、金属光沢を持つ、おもにイスラムの陶器を指し、陶磁器の表面に薄い金属の膜を作り、光の当たり方によって、虹彩(ラスター)を生じさせる技法です。

 つまり、光の当たる角度によって表面がきらきらと、まるで七色の虹のように輝くと。

 ちなみにレゲエのラスタは、rastafarianです。

 モスクのタイルの模様も、星型のラスター彩タイルと青釉十字型タイルの組み合わせが見られます。



 で、これが「イスラームのタイル」の表紙の写真。

 買っちゃうでしょ?こんな表紙の本があったら・・。




 そういえばトルコといえば、イスタンブールが主人公、と評される本を読みましたが、詳細はいずれご報告いたしますね。




 青い空とモスクの色から「青の都」と称される、ウズベキスタンはサマルカンドのグリ・アミール(エミル)廟(びょう)。{写真}

 ウズベキスタンやサマルカンドは、名前は聞きますが、こんな素晴らしい史跡があったのですね。

 ウズベキスタンはカスピ海の東、旧ソ連から独立、首都はタシケントです。

 サッカーではね、よく聞きますでしょ?サウジを追い詰めた、あのFWシャツキフね・・・

 国旗の青と緑は、イスラムの青とマホメットの緑を表しているのかな・・・?

 中央アジアの○○スタンは、ペルシャ語で○○の国、「加藤タキ」のカザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスタン・・・というのは以前ご紹介しました。

 カザフスタンやトルクメニスタンなどでは、ロシア正教も多いようですが、ウズベキスタン、タジキスタン、アフガニスタン、パキスタンなどはイスラムが多いみたい。

 さてそのウズベキスタン、14世紀には「ティムール帝国」が栄華を誇りました。

 「青の都」サマルカンドのグリ・アミール(エミル)廟には、ティムールとその一族が眠ります。

 よく見ると、ドームは凸凹のひだ状になっているようです。

 イスラムでは「生命の色」とされる、ターコイズブルーが美しいですね。

 『青の都』といえば、ウズベキスタンのサマルカンドです、お忘れなきよう。

http://9.pro.tok2.com/~yucky/cyuouazia-ryokou-samrkand.html

美しい青の世界 8

2008年03月20日 09時48分20秒 | Weblog
 ともかく、イスラム文化および芸術といえば、建築と「青」とタイル・・・

 そしてそれは、そう、とりもなおさず「モスク」です。

 インドの傑作タージ・マハルも、ムガール朝ですから、あれはヒンドゥというよりも、むしろイスラム建築といってもよいでしょう。

 イスラムのミナレット(尖塔)は、まるでミサイルのようですが、目的はどうあれミサイルは空力学上追及されているから美しい。

 日本での評価が不当に低すぎる、かつては大帝国を誇ったトルコにて、イスタンブールのアヤ・ソフィア寺院と向かいあうように建っているのが、「世界で最も美しいモスク」とされ、優雅な6つの尖塔を持つ「ブルーモスク」です。 {写真

 美しすぎませんか??

 ブルーモスクとはいえ、外観が青いのではなく、あくまで内部が「イズニックタイル」というブルーのタイルで彩られているため「ブルー」モスクと呼ばれているのですよ。



 正式名称はスルタン・アフメット・ジャミイ(スルタンアフメット・モスク)。

 イズニックタイルはイズニック湖畔にある地方で作成され、トルコブルーやコバルトブルーと赤が特長ですが、中国や伊万里の影響も強く、石英が多く含まれ、強度があって重いのが特徴。

 イズニックタイルとしては、トマトのような赤が有名です。

      「イスラームのタイル」より




 ところで「トルコブルー」は、みなさまご存知でしょうか?

 いわゆる『ターコイズブルー』(turquoise blue)のことで、紺色とは異なり鮮やかな水色、空のブルーを盗んだともいわれ、トルコ石の色、緑が買った青で、2005年には日本でも流行しました。

 一般にターコイズといえばトルコ石のことですが、でもそのトルコ石はイランが原産じゃなかったかな?

 コバルトブルーは紺、どちらかといえばラピスラズリの色、ターコイズブルーは青緑というか鮮やかな水色、僕は前者の方が好みですけれど・・・。

 青いタイルの釉薬としてはコバルトクロム青、マンガン青、フタロシアニン青及び緑などや、バナジウムジルコニウム青でつくられます。




 それにしても西アジアやイスラムの世界で、なぜかくも「青」が美しいのでしょうか?

美しい青の世界 7

2008年03月19日 08時31分01秒 | Weblog
イスラムの世界では、砂漠が生活の基本にあり、その砂漠のサンド・ベージュに呼応するかのように「青」が、また、偶像崇拝を禁ずるイスラムの教えが、「アラベスク」という模様を導いたのかもしれません。

 みなさまも「補色」をご存知でしょう。

 相対する二色を混合すると、絵の具だとグレーに、光だと白になる色どうしのことです。

 で、その補色どうしが互いの色を引き立てて、バランスがいいことを「補色調和」と呼びます。

 実際に絵の具を混ぜたわけではないのでエビデンスはありませんが、砂漠のサンド・ベージュと、このイスラムの青はそんな役割も果たしているのではないでしょうか?

 またアラベスクの模様をじっと見ると、まるで万華鏡のように、一つの根源があって、それが2つになると別の模様となり、さらに3つになって異なる構成となり、より多次元になって、と無限に続くようであり・・・

 収縮と拡張を繰り返し、それは原子、元素、細胞で構成される生命そのものであり、意識であり、宇宙である・・・そんな風に思えてきます。

 つまりは神を、生命を、そして宇宙を表しているようであって、やはりイスラムは奥が深い・・・。

 同じ模様が果てしなく続くと、まるでカエルの卵のようで、気持ちが悪くなる、という方もおいででしょうけれど、万華鏡を見てそのように感じる方は少ないでしょう。

 ヨーロッパ人には空間恐怖と揶揄されるそうですが、埋め尽くし覆い尽くす美学ですね。

 これは無限の粒の砂にも関係するのではないでしょうか?

 日本人は空間と間や余白の美しさを求めるのに、それとは対照的に埋め尽くすのがイスラムの美意識だ、と参考図書にも書いてありました。

 また西洋人は立体的に物を捉え、日本人は比較的平面的に物を捉える、しかしイスラムではさらに平面的でかつ反復を好む、と。

 う~ん、でも絵画はそうかもしれませんが、これは偶像崇拝が禁じられてるから遠近法が発達しなかったわけで、モスクを見ても、また鍾乳石模様を見ても、曲面的だと思いますけれど。

 シンプルイズベストの日本精神か、とにかく埋め尽くすアラブの精神か。

 砂漠の世界では、死と隣り合わせ、そして水が僕たちが思う以上に重要、さらに金色の輝く太陽は何よりありがたいが、ときに死をももたらし、また青空は限りなく神に近く高い。

 そんな深層心理を感じます。

美しい青の世界 6

2008年03月18日 10時58分46秒 | Weblog
 アルゼンチンの、「大きな足の人びとが住む土地」を意味するパタゴニア、ロス・グラシアレス国立公園のペリト・モレノ氷河やスペガッツィーニ氷河は青白く発光する氷河で有名です。

http://jp.youtube.com/watch?v=Ngb0vnISz4Q

http://jp.youtube.com/watch?v=sXDfObK_klE&feature=related


 青い・・・確かに氷河が青いですよね。

 ところで、氷河は数万年空気に触れないと青くなるの?

 なぜ氷が青いかというと・・・

 氷山にあるミネラルが含まれていて,青以外の光を吸収してしまうために青く見えている説や、

 雪の結晶が溶けたものに圧力がかかって出来た氷河の氷は、気泡が少なく、透明度が高く、そのため青い光だけを反射して、他の色を吸収してしまうことが理由だとする説、

 あるいは氷河中に含まれている酸素の量が関係していて、酸素の量が多く含まれている程青いらしいという説などがあります。


 アラスカのグレイシアブルーもそうらしい・・・。

http://www.kaz-photography.com/memories/essay/20kenai.html

 写真ではそうでもありませんが、近くで見るとまるで着色したかのように、カキ氷のブルー何とかのように青いそうです。





 ギリシャのサントリーニ島、ギリシャ正教会聖堂の屋根の青はあまりにも有名ですね。

 こりゃぁもう、映画のセットのようであります。

 万人が見て、美しくないはずがない。

 ヨーロッパ人の、こういった街全体の調和を考え、美しいものに憧れる、市民がみなで作るセンスはすごいですね。





 そして、忘れてはならないのが、イスラムの青い世界・・・。

「イスラームのタイル ~聖なる青~」 INAX出版

「イスラムの色」 溝口園江 著  ART BOX

という渋~い本を参照にしております。

美しい青の世界 5

2008年03月17日 08時36分57秒 | Weblog
 「青の洞窟」には、洞窟のある入り江から手漕ぎの小船に乗って入って行くそうです。

 入り口は狭く、くぐる際に乗客は船のへさきよりも下に、思いっきり頭を沈めなければならないそうです。

 天候や波の状態により、進入不可能である場合も多いらしく、幸運にも恵まれないとお目にかかれないらしい。

 ところが実は、青の洞窟はカプリ島だけではなく、あまり知られていませんが南イタリアの各地で見られるのだそうです。

 南イタリアのカンパニア州・チレント、 世界遺産にもなっているディアノ渓谷国立公園のカーポ・パリヌーロ岬もそのひとつ。

http://allabout.co.jp/travel/travelitaly/closeup/CU20050619A/index2.htm




 また、沖縄の恩納村にも青の洞窟があるらしいので、興味のある方はお調べください。



 パラオやグアムには「ブルーホール」があります。

http://www.fan.hi-ho.ne.jp/takechin/2006palau/bluehole/diving.htm



 サイパンの近くのロタ島には「 ロタホール」 別名「センハノンケーブ」、4月がベストシーズンだそうですが、天井から差し込む光は青いレーザービームのようですね。

http://www.fan.hi-ho.ne.jp/takechin/rota/rotahole/diving.htm



 オーストラリアの東、フィジーやニューカレドニアの近く、バヌアツにもブルーホールがあって、こちらはラピスラズリが溶出してこうなっているらしい。

http://www.fujitv.co.jp/zekkei100/04/zekkei05.html

 せっかくのラピスラズリですが、ちょっと入浴剤とか、人工着色の趣が・・。




 本日の写真は特に内容とは関係ございませんが、青、青、青の美しい世界の盛り上がりに寄与するかな、と思いまして。