医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

お知らせ

2008年08月31日 21時28分30秒 | Weblog
 あ、そうだ・・・明日、はなまるマーケットに出演する予定だった・・・。

 よろしければ、ご覧ください・・・って、遅いか・・・ 

美しきガイア 14

2008年08月31日 14時53分36秒 | Weblog
 もっとも、アメリカ以外のコーカソイドの方々だって、海洋生物に対しては他にも、相当ひどいこともされているみたいで・・・

 本書によれば、1996年に地中海でアカボウクジラ13頭が座礁死した事件は、NATO軍によるソナー実験の結果引き起こされたという報告が1998年科学雑誌「ネイチャー」に掲載された・・・そうです。

http://wiredvision.jp/archives/200207/2002071907.html

http://www.greenpeace.or.jp/campaign/oceans/commercial_whaling/lfaspetition_html

 他人の文化にケチはつけても・・・・自分たちコーカソイドのこと、ことに軍事となると話は別なんスかね~??

 もっと言わしてもらえば、クジラは保護しても、戦争だの軍事侵攻だので、敵国でありさえすれば人間を殺してもいいんスかね~?

 活動家の皆さま、いかがなのでしょうか?




 で、この「深海のYrr(イール)」では人類が未曾有の危機に陥って、またしてもアメリカを中心としたコーカソイドだけによる科学者チームが、人間社会の危機に立ち向かうのですが・・・・

 これまたどういう理由か、作中はっきりと、アジア人科学者は呼ぶな、と・・・劇中のアメリカ大統領が・・・。

 作者の意図はよくわかりませんが、アジア人の僕が読んでいてすっきりとはしませんし、愉快でもありません。

 根強く残るコーカソイド社会の、アメリカ先住民はじめ僕たち有色人種に対する差別的な心理をも描きたかったのでしょうか?

 人類の未曾有の危機に直面した場合、アメリカが中心となって、まずはコーカソイドの社会だけは助かるようにいたしましょうね、ってとこ?

 あくまで作者の本意ではなく、アメリカ大統領はこう考えるだろうということなのか、作者の意見は本書とは違うのだというならば、作者の本音の本音はいかほどなのでしょうか?

 本意ではないとするならば、アメリカ人ではないコーカソイド、特にヨーロッパ人が書く作品は、アメリカのそんな自己中心的で覇権的なものの考え方や横暴さに関し、歯に衣を着せずに正面から舌鋒鋭く批判するところが、ある意味潔くて好感度が高いですな。

 今回の北京五輪の参加問題では、当初不参加を表明した人権の国と呼ばれる仏サルコジ大統領は結局参加しましたが、ドイツのメルケル首相はさすがです・・・

 女性ながら堂々の(?)不参加、人権無視に対する抗議の態度として、日本やフランスとは違って筋が通ってる。

 メルケル首相は、グルジアから撤退しないロシアに対しても、このところドイツが友好的なのにもかかわらず、表面上はしっかり批判とものを言っている。

 そもそもフランスだのイギリスはだなぁ、昔っからアフリカにしろイスラエルにせよ・・・いや・・・やめとこ。

 日本は目下、ロシアの占領問題はEUの問題として、中国の人権問題は内政問題として、どちらも解決に乗り出しもせず、ただひたすら傍観・静観、当たり障りのなきように・・・。

 日本のジャーナリズムも、フランスほど気合が入ってるとも思えない。

美しきガイア 13

2008年08月30日 21時08分38秒 | Weblog
 で、日本もまた領土問題で、少なくても、ロシア・韓国・中国、一部台湾、ともめています。

 領有権、漁業権、シーレーン、先のメタンハイドレートやその他埋蔵資源の問題、メンツ、国家の威信・・・

 韓国・中国とは・・・たぶん永久に解決しないだろ~な。

 ロシアは日本と断交してまで本気で北方四島は欲しくはないのだけれど、日本は返さねーぞと脅せばすぐびびるから、こりゃ日本外交のカードとして利用したい、って思惑もうっすらと見えますけどね。

 外交は1歩譲れば、相手に2歩つけいられるらしい・・・。

 竹島問題は、両者ともに言い分があるので、難しいですよね~、相手は感情的だし。

 対馬が韓国領土だという主張は、荒唐無稽(こうけいむとう、ではない)すぎて、失笑してしまいますが・・・。

 日本人が樺太に上陸して、相手の政府ではなく平和的にその地に暮らす無辜(むこ)な住民に、ここは日本だ~!出て行け~!と、国旗を踏みにじるような侮辱を与えたり、ましてや自分の血を流して恫喝したりしないよな・・・たぶん。

 住民に非はないものな・・・。

 竹島は、どうでしょうか、本当に両国にとって必要なのでしょうか?

 日本人の漁民が殺された事実は忘れるわけにはまいりませんが。

 漁業権やメタンハイドレートなどの海洋資源の問題も重要ですけれど。

 爆破すればって誰かが言ってたけど、無理にそんな非生産的なことする必要はないし・・・。

 いっそ日韓両国の平和を願って、しばらく「ない」ことにする(白地図にする)、半分こにする、あるいは『リアンクル岩(Liancourt Rocks)』(りゃんこ島)にする・・・?

 りゃんこ島とは、1849年にフランスの捕鯨船 Liancourt 号が竹島を発見し、リアンクル岩と名付けたことによるんですがね。

 ただし、メタンハイドレートの話もあるので慎重に、慎重に・・・一時の感傷論に流されないようにせねば。



 日本政府や外務省の見解もありますが、大切なのは僕たち日本国民がどう思うかで、それには自分なりに勉強し、相手の言い分も聞いて、国民一人ひとりがどう判断するかですよね。

 いかん、いかん、話がまた相当それました。

 この問題は個人それぞれの意見があり、ナショナリズムは熱く感情的になりやすいですから、慎重に、冷静に・・・。

美しきガイア 12

2008年08月29日 09時19分01秒 | Weblog
 アフガニスタンで、崇高かつ高邁な志のもと凶弾に倒れた、伊藤和也君のご冥福をお祈りするとともに、同じ日本人として伊藤君を誇りに思います。

 黙とうをささげましょう・・・





 本書で批判的な、日本の捕鯨活動に関しては・・・

 「日本国内の世論の多数は捕鯨自体に積極的に賛成というよりは、他国による自国文化への干渉に対するナショナリズム的な反応として反捕鯨を非難することが多い。」

 と書かれたHPがありました。

 僕個人的にはまったくそのとおりだと感じており、同じ捕鯨国のノルウェーを攻撃しないような、反捕鯨活動家団体による行動の、人種差別や横柄さが透けて見えるやり方や考え方に腹が立ちます。

 日本国内で、捕鯨で生計を立てていらっしゃる方がおられましたら、同胞といたしましてまことに申し訳ないのですが・・・

 だからといって、日本人である僕が鯨を大好きで、日本人全体にとって切っても切れない貴重な栄養源で、なければ餓死してしまうような主食で、みながこれを食べるのを心待ちしている・・・モノでは実際ない、と思います。

 個人的には、牛は食っていいのかよ?なんで鯨はダメなんだ?白人が勝手にルールを作るなよな!って感じで、ナショナリズムに基づく少々感情的な部分があることは否めません。

 確かに日本人が乱獲して動物を絶滅に追い込むのはよくないし、食べずに生きられるなら無理をしてまで食べなくてもいいし・・・・





 だけど、「クジラやイルカは牛や豚より知的だから食べてはならん。

 「捕鯨は無論野蛮で言語道断だが、羊や牡牛なら、しかもコーカソイドの俺たちならでは、神に屠(ほふ)るのだって当然だし、知的海洋動物を戦闘員化させるのも俺たちなら許されるのさ」というのも理屈としてどうか?

 確かに犬やカンガルーを食べない僕たちは、誰かが犬やカンガルーを食べると聞くと、あんな愛くるしい動物、残酷だからやめろよな、って思う感情もあり、食する国民からそれは文化だからお前らは黙ってろ、という反論も否定はできません。

 別に鯨を食べられなくなったとしても、大多数の日本国民はたぶん困らないのだから、全世界的に合意できるルールの上でなら捕鯨をやめても仕方あるまい、と感じているのですがいかがでしょうか?

 やっぱりダメ?

 でも日本も引っ込みがつかない、って感も否めない・・・のかな?

 しかし、白人およびキリスト教中心社会も改めろよな、ってとこでしょうか、正直。





 ちなみに、結局は資源問題のために今EUとロシアとでもめている、「グルジア」は英語で表記するとGeorgia、そう、ジョージアなので、アメリカ・ジョージア州とも一緒の名前です。

 これは、ドラゴン退治で有名なキリスト教の聖人、ゲオルギイに由来します。

 イングランドも白地に赤い十字架、「セント・ジョージ・クロス」が国旗になっていることは以前にも書きましたが、グルジアの国旗も似ています。

 つまり、St.Georgeを、イングランド、グルジア、ポルトガルにスペインのカタルーニャ、なんとロシアも守護聖人にしているのです。

 スペインだとJorge、読みがホルヘになります。

美しきガイア 11

2008年08月28日 07時42分46秒 | Weblog
 この驚くべきイルカちゃん部隊、実際に1960年代初頭、海軍のバンドウイルカがベトナム、カムラン湾の港で、ベトコンの水中破壊工作を阻止したそうなのです。

 イルカが敵のダイバーのマスクとフィンを引き剥がし、酸素供給を絶つのだそうですが、そのためにイルカの鼻やひれに短剣を取り付けたそうです。

 ほとんど漫画の世界・・・。

 動物愛護家による保護の旗印となりやすい、あの愛らしいイルカちゃんたちに、いくら戦争とはいえ人間の都合で、危険な目に遭わせるばかりか、殺人までさせたわけ?

 イルカは知的だから保護しましょう、じゃあ敵国の人間なら殺してもいい???

 ついこの間の湾岸戦争でもバーレーンで、さらにはイラク戦争でも、このイルカちゃんやアシカくん部隊が実際に展開されたそうです・・・ひ~。

 さらには、これはおそらく作者の空想なのでしょうが、MK0ではオルカに核弾頭を取り付ける・・・なんて想像を絶するような非人道的な作戦すら・・。

http://homepage3.nifty.com/nishimura_ya/kaito/dolphin.htm

http://chikyu-to-umi.com/kaito/dolphin3.htm


 本書の中では、かなり日本の捕鯨に批判的で、幾度もその記載があるのですが、アメリカ人もアシカくんやイルカちゃんに、ずいぶんひどいことをしてますけど・・・

 どうなんでしょうか?海の番犬のみなさん、こっちのほうが捕鯨よりよっぽど残酷で、動物虐待じゃないの?

 なんで妨害・破壊・抗議を起こさないの???

 その分アメリカ海軍は、動物を人間の友人としてしっかり育成し、動物の病気から保護、データは開示、殺人の強要やそのための訓練はしても虐待や食用にはしていない、だから捕鯨とは違うんだ、というのでしょうけれど・・・

 でも、イルカちゃんが自ら望んで入隊して、戦争の手助けや殺人をしているわけではないですよね。

 日本のジャーナリズムも、こういうとこ、きちんと切り込んで欲しいなぁ・・・。

美しきガイア 10

2008年08月27日 12時01分50秒 | Weblog
 中でもハイパードルフィンは水深3,000mまでの潜航調査を可能とする無人探査機だそう。

 「しんかい6500」は水深6,500mまで潜ることができる潜水調査船で、現在運航中の「有人」潜水調査船としては世界で一番深く潜ることができます、と。

 深海調査研究船「かいれい」は、最大潜航深度7000mまで潜航調査することができる無人探査機「かいこう7000II」の支援母船、無人探査機「かいこう7000II」は、最大潜航深度7,000mまで潜航、調査することができるのですと。

 7kmですよ、7km、水深・・・富士山の倍・・・

 うれしいじゃありませんか?

 やはりハイテク機器は日本製じゃないと。




 でも人工衛星打ち上げや有人ロケットはじめ、日本の宇宙開発事業は国際的なレベルから相当遅れているのは何でなの??





 本書の途中、ジョン・リリーの名が登場しますが、彼はアメリカ合衆国の脳科学者でイルカとのコミュニケーションを研究した事で知られ、2001年に逝去しております。

 本書によりますと・・・僕はまったく知りませんでしたが、アメリカでは恐ろしい武器計画というか・・・

 最初は冗談か完全な作り話だと思いましたが、調べてみたら信じがたいのですが事実みたいっす。

 なさまも、知らない方が多いと思います。

 冗談ではなく本気で、アメリカ海軍には「イルカちゃん部隊」と「アシカくん部隊」がいるようなのです。

 驚きでしょ????

アメリカ海軍のMK4:イルカが海底に敷設された機雷を発見して印をつける

MK5:アシカ部隊

MK6:敵のダイバーに対する防衛

MK7:イルカが海底に設置された、あるいは泥に埋まった状態の機雷の位置を検出

 という、任務のようです・・・

美しきガイア 9

2008年08月26日 11時30分03秒 | Weblog
 わが日本には、「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(MH21)」があります。

http://www.mh21japan.gr.jp/mh21-1.html

 知られなさ過ぎだよな~・・・日本は抜かりなく、研究を進めていることを願いたいと思います。

 どうして日本のテレビ番組はこういうのをドキュメンタリーでやらずに、くだらないお笑いだの歌謡番組だの三文芝居ばっかりやるんだろう・・ぶつぶつ。

 マスコミも政府の取り組みを叩くのなら、MH21などが果たして世界トップレベルで機能しているのかどうか、海洋資源取材チームを編成して取材と検証を重ね、基本を理解したうえで正確に僕たちに精査・報道して欲しいと思いませんか??

 この独立行政法人は必要なのか?収支は明瞭かつアクセプタブルなのか?天下りはどうなんだ?税金に見合う結果を出しているのか??




 世界は金・ダイヤモンド・石油に続く、争いの火種を見つけてしまったのかもしれず・・・とも言え、今度はメタン・バブルが沸き起こるかもしれませんが・・

 ほれ投機だ先物買いだと、それ行けワッショイとおみこしを担いで踊ってしまわずに、世界は冷静に取り組んでほしいものです。




 また海洋国家と自称するわが日本には、悪名高き独法の中に、これまた知られなさ過ぎの、独立行政法人海洋研究開発機構(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology:JAMSTEC ジャムステック)があります。

 ご存知ないでしょ?

http://www.jamstec.go.jp/j/index.html

 探査機には、

なつしま
かいよう
よこすか
みらい
かいれい
白鳳丸
淡青丸
しんかい6500
ちきゅう
うらしま
ディープ・トウ
ハイパードルフィン
かいこう7000II
しんかい2000

 があり、世界的にも優秀なレベルにありそうです。

 このページを見ているだけでも、サンダーバードやゴーオンジャーみたいで、なんだか楽しくて僕はワクワクします。

http://www.jamstec.go.jp/j/about/equipment/ships/index.html

 「深海のYrr」でも、日本の探査機が何度も出てきますが、独法=悪というステレオタイプの批判ではなく、中身を吟味することも大切です。

 こういう研究機関は、広報にももっと力を入れたらいかがでしょうか?

美しきガイア 8

2008年08月25日 11時33分27秒 | Weblog
 2億5千万年前のP-T境界、ペルム紀(二畳紀)=Permianと三畳紀(さんじょうき)=Triassicの境、つまり古生代と中生代の境界には、この現象が実際に起こり、大量絶滅をより深刻なものにしたとされているそうなんです。

 古生代は両生類、中生代は恐竜の時代です。

 P-T境界の大量絶滅では、総合的に全生物の95%以上が絶滅したとされます。

 研究者たちは化石の分析から、当時の大気に多量のメタンが含まれていたと断定しているそうです。

 それは、徐々に進行していた温暖化の影響で、約5500万年前に海水温が転換点に達し、凍結していたメタンハイドレートが融解し、閉じ込められていたガスが、長くとてつもなく大きなゲップのように、海面にぶくぶくわき上がったと思われているそうです。

 そら恐ろしいゲップですな・・・。

 メタンの温室効果は二酸化炭素よりはるかに強力で、二酸化炭素に比べて20~25倍とされるため、大気中に大量に放出されたとしたら、さらに気温の急上昇を引き起こした可能性があるんですと。




 なお恐竜絶滅で有名な、白亜紀(Kreide)と新生代第三紀(Tertiary)、中生代と新生代の境はK-T境界と呼ばれていて、こちらはメキシコ近傍に落ちた巨大隕石のしわざと目されているのは有名ですよね。

 またそれ以外にも急激な気候変動として、約5500万年前、始新世でも温暖化が見られ、極地から氷が消えてしまって、南極大陸に木が生えたそうです。

 こちらは、シベリアに落ちた隕石のしわざ??




 メタンが海底下で大量に発生する要因は、非生物(マントル)に由来するものと、生物起源とに大別されるそうです。

 メタンハイドレートは大陸周辺の海底に分布しており、大陸から遠く離れてしまった海洋の底には少なくなってしまうような堆積物に、硫酸還元菌やメタン生成菌が関与して作られるのだそうです。

 掘るのもコストがかさみ、領有問題も発生、ガスが排出されたらエライこと、温暖化で海水温度が上がっても地獄・・・相当デリケートな問題ですね。

美しきガイア 7

2008年08月24日 09時35分59秒 | Weblog
 答えは、なんとわが日本です。

 日本近海が世界最大のメタンハイドレート埋蔵量を誇ると言われ、このため日本のエネルギー問題を解決する物質として考えられてはいるそうです。

 そう聞くと、新し物好きの珍しがり屋がすぐ飛びつきそうですけど・・・。

 しかし、現在のところ採掘にかかるコストが販売による利益を上回ってしまうそうです。

 石油もうるおぼえですが、あれは吸い上げているのではなく、自然に圧力で吹きあがってくるもので、吸い上げるのは莫大なコストがかかるために、圧力が平衡になって自然に噴出しなくなる、たとえと残っていても汲み上げることはなく、捨て去られるそうです。

 ただし今後、埋蔵量が残り少なくなった石油の採掘コストが上がり、メタンハイドレートが主要なエネルギー源となった場合・・・

 日本は世界最大のエネルギー資源大国になる、と言われている側面もあります。




 できることなら、早く石油をただの黒い水にし、石油をめぐる愚かな不均衡が是正されるといいですが、そうなったら他に産業も農地もない産油国がパニックになるでしょう。

 


 ただしぬか喜びは禁物、他のエネルギー源が主流になり、メタンハイドレートが商業使用されないまま終わる可能性もあるそうです。

 さらに、中国や韓国などの近隣諸国が竹島、尖閣諸島の領有権を主張して排他的経済水域を奪い取っておりますので、これらの資源が失われる可能性だってあるそうです。

 採取方法によっては、大量のメタンハイドレートが一気に気化し大気中に拡散、地球温暖化に拍車を掛ける恐れもあり、慎重に検討すべきと指摘する研究者もいます。

 国際法を一刻も早くつくって、採取するにしても、なんぴとたりともメタンガスを撒き散らさずに、採掘せねばなりません。

 またメタンハイドレートは、海水温が2-3度上昇するだけで溶け出しメタンを大気中に放出するといわれていますから、それだけでも地球温暖化が懸念されるのだそうです。

 このまま温暖化がすすむと海水温が上がり、メタンハイドレートが溶け出す・・・

 するとさらに温暖化がすすみ海水温を上げ、さらに多くのメタンハイドレートが溶け出す悪循環をおこすんだそうです・・・怖いですな。

美しきガイア 6

2008年08月23日 06時08分24秒 | Weblog
 で、その未知なる海洋の不思議を中心に、物語が展開されていきます。

 まずMethane hydrate(メタンハイドレート)という、石油に代わると期待の大きい、深海に眠るエネルギー物質に関する事件が、本小説の事の発端になります。

 メタンハイドレートは、メタンを中心にして周囲を水分子が囲んだ形になっている固体結晶であり、低温かつ高圧の条件下で、水分子が立体の網状構造を作り、内部の隙間にメタン分子が入り込み氷状の結晶をなす、という物質です。

 見た目は氷に似ているが、火をつけると燃えるために「燃える氷」と言われるそうです。

 石油や石炭に比べ、燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギーであるとされるそうです。

 一方、海中に湧き出したメタンガスが、大気中に出ることによって、地球温暖化の一因になっていると考えられ、大気中のメタンは、二酸化炭素の20倍もの温室効果があるとされているので、扱いは相当慎重にしないととんでもないことを招きそうです。

 本当に地球が破滅しちゃうかも・・・カタストロフィ。

 なんてったって、オーストラリアじゃ、国内に牧畜されている羊と牛の「げっぷ」に含まれるメタンガスを、メタンを出さないカンガルーに置き換えるだけで、国家の数%の温室効果削減になるという、冗談にも似た研究報告があるらしいぞ。

 メタンハイドレート、世界一の埋蔵国はどこか知ってますか?

美しきガイア 5

2008年08月22日 08時23分05秒 | Weblog
 「深海のYrr(イール)」によれば、環境保護組織の年次報告書から


「1994年、核廃棄物の海洋投棄が禁止されたが、いまだに投棄は後を絶たない。

フランスの核燃料再処理施設ラ・アーグの配水管から自然界における1,700万倍の放射能が放出。」

 8割を原発でまかなう、あの、原子力国家フランスが・・・

 フランスのトリカスタン原発での流出事故も記憶に新しい。

 しかも原発はドイツ国境沿いに多いらしいぞ・・・。



「ノルウェー沿岸では放射性物質による汚染が進み、汚染源は老朽化が著しいイギリスの核燃料再処理施設セラフィールドと特定される。」

 イギリスもそうか・・・。



「1959年以降、ソヴィエト連邦は解体した原子炉を含めて、大量の核廃棄物を北極海に廃棄し続けている。」

 旧ソ連は問題が多そうだし・・・。



「スペイン沿岸では医療、研究、産業に使われた低レベル核廃棄物をつめた容器十万個が沈められている。」

 スペインよ、君もか・・・?



「イギリス水路局は深海に沈む船、57,435隻をリストアップした。その中には、アメリカやロシアの原子力潜水艦も含まれる。」


「海洋プラットフォームは周囲20平方キロメートルにわたり海底を汚染し、その1/3の海底ではほとんど生物の生息が見られない。」


「海洋汚染防止条約に調印していないイスラエルでは、1999年までに化学薬品会社ハイファ・ケミカルズが年間6万トンの有害廃棄物を海洋投棄した。」


・・・等々。

 他にも、北海油田のプラットフォーム(海底油田から石油を掘削する巨大なやぐら型ブイのようなもの)が任務を終えても撤収されずに放置され、相当数がゴースト化しているらしいぞ。




 で、わが日本はどうなんでしょうか?

 また、隣国の巨人にいたっては・・・?

 本書には出てきませんでしたが・・。

美しきガイア 4

2008年08月21日 08時38分32秒 | Weblog
 ということは、深海は地球最大の秘境、とでも申しましょうか・・・

 それだけ未知だってことは、誰も知らないし調べようもないわけですから、その分、物語の膨らませがいや、ウソのつきがいってものもありましょう。

 目のつけどころはさすが。

 かくいう僕も謎と秘宝には目がないもので・・・。

 1気圧は水の柱10mを支えますから、水深10mの水圧は、水の圧力1気圧+水面を押す大気圧1気圧=2気圧、1㎡に換算すると10トンもの質量が上に乗っていることになるそうです。

 水深10,000mのマリアナ海溝では1,000気圧、1平方センチあたり1トン?、1 ㎡だと10,000トン?になるのかな。

 また水は通常、1気圧の世界では100℃で沸騰しますが、深海底から噴出する「熱水」は高い水圧のせいで300℃もあるような、超高温の「液体の水」だったりするのだそうです。

 水もこうなると普通の水とは性質がものすごく異なり、金属イオンなども溶かし込んで噴出してくるそうですが、深海ではいろんなことが起きているのでしょうけれど、陸上からは想像もできません。

 僕は大学時代ヨット部だったので、海には興味がありますが、海洋生物ってのはどこかやはりグロテスクで苦手っちゃ苦手だし。

 また遭難経験もあり、海難事故も目撃、後輩が溺れかけたり、台風のさなかのんきにヨットを出したりして、海の怖さは十二分に心得ているので、海に対してはある種、畏(おそ)れをいだきます。

 人間は当然、陸の上で営みを遂げますから、基本、「安全・安心な海」など絶対にありません。

 海水浴や川遊びなど、水遊びはすべて基本的に人間にとって不自然で危険だ、という至極当然の認識が親には必要で、危険回避を他力本願にしてはいけません。




 ところが僕たち人類はその畏れ深い母なる海に対して、自覚なきままに、あるいは知っていながら、ずいぶんとひどいことをし続けているらしい。

美しきガイア 3

2008年08月20日 13時21分44秒 | Weblog
 Yahoo知恵袋から拝借すれば、

 「深海(しんかい)は、普通、海面下200 m 以深の海を指します。」


 今朝のテレビでもやってましたが、人間が素潜りで挑める限界が、従来は50mとされていたそうです。

 伝説のフリーダイバー、ジャック・マイヨールが現れるまでは。

 リュック・ベッソン監督による、美しい映画「グラン・ブルー」でおなじみの、あのジャック・マイヨールです。

 ジャン・レノのエンゾがよかったッスね~。

 で、そのジャック・マイヨールはな、なんと、いきなり前人未到の100m越えを記録し、今でも世界中で選ばれた日本人1名を含む7人だけが、水深100m超の美しきグラン・ブルーに抱かれることができるのだそうです。

 日本人ダイバーはその青さを、世界中の青を集めた魂の青だ、と表現してました。

 ちなみに、ジャック・マイヨールは大の日本びいきで、潜水に禅やヨガを取り入れていたそうなり。






 で、「深海には太陽光がほとんど届かないため、表層とは環境や生態系が大きく異なります。

 高水圧・低水温・暗黒などの過酷な環境条件に適応するため、生物は独自の進化を遂げており、表層の生物からは想像できないほど特異な形態・生態を持つものも存在します。

 また、性質の相異から表層と深海の海水は混合せず、ほぼ独立した海水循環システムが存在します。

 地球の海の平均水深は約3,800 m であり、深海はその約95 % を占める広大な世界である。

 海の大部分は深海であると言っても過言ではありません。

 それにもかかわらず、巨大な水圧のため、そのほとんどは未踏の領域であり、いまだ未知の部分が多いです。

 深海を探索できる有人潜水艇は世界に数えるほどしかなく、人類が海の最深部に到達するのは宇宙に行くよりも困難とされています。

 深海が地球最後のフロンティアと呼ばれる所以であります。

とのことです。

美しきガイア 2

2008年08月19日 13時12分15秒 | Weblog
 ですが優秀な本小説、あくまで個人的な感想としては残念なところもあり・・・

 それぞれキャラは立っているのですが、逆に主人公がいまひとつ絞りきれておらず、主人公であると思われる先住民である青年の・・・

 先住民であるが故のドラマや役割が、途中での彼の苦悩に比し、その苦悩が結末にはまったく反映されず肩透かしでした。

 あの・・・先住民である青年が、嫌っていた自分の故郷を訪ね、彼のおじさんからもらった彫り物はどうなっちゃったの・・・?




 むりくり先住民の問題も、海洋問題に詰め込んじまえ!的に感じました。

 それとも情緒的あるいは超自然現象的な表現は、主たるテーマ以外には使わないという徹底的なニヒルな態度からなのか・・・

 であるならば最初から詰め込む必要もないようにも思えるしな。

 科学者の中途半端な恋愛もいただけないというか・・・必要ないんじゃないか?

 でも、こういうハリウッド向けの小説や映画って、アメリカ人が好む価値観では、必ずワンシーンは安易なお色気とアクションが入ってくるので、逆にちょっと興ざめしませんか?

 んでもって、人類未曾有のものすごい戦いの末の結末が、あまりにあっけなかったりして・・・。

 それも現実の虚無感を生むための演出なのかしらん?





 一方、本書からは離れますが、今回の拙ブログのタイトル、「ガイア」とは、ギリシャ神話に出てくる、地球をつかさどる女神の名前です。

 で、『ガイア仮説(理論)』とはイギリスの科学者、ジム・ラヴロックが唱える理論です。

 「ガイア理論」とは、後述しますが、これは、地球を超有機的生命体とする仮説から、ガイアといえば今や、「生きている地球」のようなニュアンスを持ちます。

 なぜ「ガイア」を持ち出したかは、追々お楽しみということで・・・。






 『深海』という世界は人類にとって、宇宙よりもなじみのない、未知なる世界らしいです。

 宇宙より、ってのはさすがに語弊があると思いますが・・・。

美しきガイア 1

2008年08月18日 12時03分49秒 | Weblog
 「深海のYrr(イール)」という小説を読みました。

 ドイツの「フランク・シェッツィング」という、写真を見る限り・・・自意識過剰ぉ~そうな、ちょいといい男風の作家が書いた、上・中・下巻の3巻からなる、壮大な海洋科学小説です。

 ドイツでは日本よりも読書が盛んなためか、この小説は3巻にまたがり、その読み応えも十分なのですが、ドイツ国内では200万部越え?で・・・

 例のダ・ヴィンチ・コードに負けじ劣らずの人気だったようです。

 すでに大型映画化が決定しているそうで、それを狙っての小説ともいえそうです。




 本書には「海洋科学」を基礎に・・・

 それは海流、海溝、海底火山、プレート、海洋資源、プラント、海洋生物(哺乳類からゴカイ、バクテリアまで)、海洋軍事、Tsunami(津波が世界標準語)・・・

 その他、戦艦はじめ兵器、アメリカ合衆国における危機管理、CIAや軍にホワイトハウス、アメリカ先住民、地球外生命体との交信、地震、コンピュータ、ニューラルネットワーク、精神学、脳科学、気象学・・・・

 目もくらむほどの専門知識が、これでもかとういうくらい、疾風怒濤のごとく押し寄せます。

 また、登場人物は不死身のヒーローではなくほとんどが科学者のため、半ばページかせぎと思えてしまう、不要な戦闘シーンは少ない・・・が、アクションシーンが華だと思う戦闘的な民俗性のせいか・・あるにはある。

 しかし・・・よくまあ、ここまで専門知識を調査して、理解して、フィクションにつなげたものだ・・・。

 筆者のその執念というか、知性、意志の強さにも脱帽です。

 日本人の小説家に少ないのがこのタイプ・・・。

 以前にもお話しましたが、日本の小説は情念・情緒・怨嗟・怨念に基づく、ウェットなお涙頂戴ものが多数を占め、あいまいな根拠というか、科学知識も必要なく、こじんまりとして局所で完結するような・・・

 あるいはケチな恋愛ものが多く、いわゆる文字通りの文系小説が主・・・

 それはそれで結構なこともあるのですが、歌謡曲・演歌チックで、ちと食傷気味・・・。

 たまには最近の西洋での流行、学問に基づく、可及的にノンフィクションに近い、理系の科学フィクション、しかも地球規模の大風呂敷も読みたくなるものです。