医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

8/15にまつわる美感-2

2006年08月15日 11時50分04秒 | Weblog
 日本では、本日8/15は「終戦記念日」です。

 まさに今朝のように、近隣2(+1)カ国と日本国内のマスコミでは、首相の靖国参拝が問題となります。

 僕たちがよく考えなければなりませんよね。


 また8/15という日はWikipediaによれば、「8月15日の前日、または前々日はペルセウス座流星群の極大日に当たり、1年の内、最も流れ星が多い時期でもある。人の魂を星に喩える事もある為、これらも時期に影響を与えているかも知れない。」

 さらには、「なお、8月15日はキリスト教(カトリック)の重要な祭典「聖母の被昇天」でもある。 この祭りもカトリック教徒が主な南ヨーロッパや中南米では(多くの場合世俗化しているが)盛大に開かれる。」とのことです。

 聖母マリアは14才でキリストをみごもり、15才で出産したとされます。

 キリストが磔刑に遭って昇天するのが33歳とされており、母マリアのほうがキリストよりも12年間長生きした結果、60才でこの日に亡くなられたとされております。

 イエス・キリストについては「昇天」と呼ばれますが 、聖母マリアについては「被昇天」と被がつくのをご存知ですか?

 その理由は、「神の母」といえどもマリアは人間ですから、キリストのように自分の力で天に昇ることはできず、神によって天に召し挙げられたからだそうです。

 以前にもこのブログで書きましたが、キリスト教ではニケーア公会議においてアタナシウスらによって三位一体の教理が採択され、「父なる神」と「子なる預言者キリスト」と「使徒などに下された聖霊」に神性が与えられております。

 さらにはプロテスタントではそういう風習はないらしいですが、カトリックではマリア信仰もあるために8/15は記念日「聖母マリアの祝日」となるそうです。

 「聖母マリアの被昇天」は以前このブログにおける、西洋の建築・美術シリーズの中でスペインのトレドを書いた際に紹介した、「エル・グレコ」の絵が有名です。

 彼はその名が示すように(エル・グレコはスペイン語で、文字通り「ギリシャ人」の意味)ギリシャのクレタ島出身ですが、最初に移り住んだイタリアよりも、むしろその後に渡った聖母信仰の強いスペインのトレドで宮廷画家として活躍しました。

 彼の特長は大胆な構図と、おどろおどろしいほどの暗いトーンとそこに浮かび上がる独特の青や赤の色彩、そして何よりも人物がずいぶんと縦長にデフォルメされるマニエリスム(イタリア人のエコール・ド・パリ(パリ派)であるモディリアーニの首もこのマニエリスムの影響を受けているのかなあ・・・)でしょうか・・・。

 好き嫌いは分かれるでしょうけれども、かなり個性的ですから、芸術家には一目で誰の作品か分かるくらい強烈な個性が重要であると信じ込んでいる偏屈な僕の評価は○です。

 下記をご参照に。
http://www.salvastyle.com/menu_mannierism/elgreco.html


 8/15はどういうわけか、地球的規模で特別な日のようです。

 以上8/15にまつわるウンチクでした。