医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

美しき色っぽい建築

2008年12月12日 10時15分15秒 | Weblog
 東京駅の丸の内側、鍛冶橋通りの高架より皇居側、明治生命館の手前に、レンガ色のとっても瀟洒なビルが完成しそうです。

 三菱一号館ビルを再現するとのことで、一部美術館になるのかな?

 三菱一号館ビルと言えば、かのジョサイア・コンドル氏の手によるものです。

 ジョサイア・コンドル氏は、あのニコライ聖堂や鹿鳴館を手掛けた方です。

 ガラス張りの近代的ではあるが、何の色気もないビルが立ち並ぶ中、レンガ造りに見えるこのビルはなんとも暖かく、色っぽい。

 これなら、辰野金吾氏の東京駅丸の内口のレンガとのマッチングも最適。

 とっても豊かな感性で素晴らすい~。

 日本ではまだ会社帰りに美術館に寄って、イガイガな心をいやす文化は浸透しておりませんが、上野のフェルメール展のすさまじい人気ぶりを見ると、見たいんだけどもなかなかね・・・って理由もうなずけます。

 ジョサイア・コンドル氏は、大変美しい、上野の国立博物館も設計しました。






 昭和天皇の即位を記念して、開館したそうです。

 西洋建築の建物の本体に日本の城郭風の屋根や塔を載せた建物、「帝冠様式」で、実に美しい。

 角がピッと反っていて、じつにきびきびと優雅で、美しくてほれぼれする。

 外国人にこれが設計できるのに、どうして日本人が手がける近代ビルに反映されないのでしょうか?

 東京の街がどんどんレトロ化して、和風化され、これぞ日本、和の国、と称賛されるようになってくれることを強く望みます。




 また、国立博物館の並び、同じく上野公園の芸大側には、明治時代に大正天皇のご成婚を記念して造られた上野の「表慶館」があります。






 こちらはジョサイア・コンドル氏の弟子、片山東熊氏の設計です。

 片山東熊氏は赤坂迎賓館も手がけました。

 こんなに素晴らしい建築様式をなぜ踏襲しない、できないのだろう・・・。

 上野は奥が深いですよ。

 みなさん一度お出かけください。





 古いものほど美しいのです。

 僕たち一般市民がそのように頭を「チェンジ」しなければ、日本のレトロ化はなしえません。

 こんな建物に囲まれたい。


最新の画像もっと見る