医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

チャリチョコの美感

2008年01月31日 08時34分15秒 | Weblog
 僕は変わり者なので、一般のロードショーなどにはあまり興味がもてません。

 興味があるのはB級映画やカンヌものやら、マニアックで、小難しかったり、自分ではそうは思わないのですが世間的には「カルト」と呼ばれる映像の美しさ・・・

 はたまたデレク・ジャーマンにアレハンドロ・ホドロフスキー、デビッド・リンチにゴダール、キューブリックにタランティーノやレオス・カラックスと、一癖も二癖もあるいわくありげな監督陣。

 ところが今回「チャーリーとチョコレート工場」を金曜ロードショーで見てびっくり。

 何がびっくりといって、あのB級センスとグロさと変態性とチープさ、そして何より吹き替え声優の才能です。

 主演のジョニー・デップに関しては、そもそも天才イギー・ポップの前座を務めたこともあるギタリストですから彼は・・・

 イギー・ポップを拙ブログに書いたときに、彼が監督を務めたネイティブアメリカンの悲しくも美しき映画「ブレイブ」について、彼の才能とともに軽く触れたことがあります。

 ジョニー・デップ自身、アメリカ先住民のチェロキー族の血を引くんでしたよね、確か。

 しかしこの「チャリチョコ」、ジョニー・デップ演じる、ウィリー・ウォンカの、主題であろうトラウマやら子どもオトナや家族愛のテーマ、モンスター親子のわがままだとか、子役チャーリーの清らかさや・・・

 そんなこたぁ・・・

 それから、なぜチョコが10ドルもするんだ?とか、拾ったお金で当たりくじ買うなぞ道徳的に・・

 なんてこともむしろ僕にはどうでもよく・・・

 監督だってきっと・・・


 なによりあのデップ演じるウォンカさんの、変な会話や、変態性、それに映画のセットのB級・キモい具合、チープ性、そして極めつけはDeep Roy氏演じるウンパルンパ(Oompa Loompa)の、無意味性と増殖性と表情一つ変えない馬鹿馬鹿しさ、それで十分です。

 ウンパルンパのダンスを見るときの、ウォンカさんの恍惚の表情や、リズム取りやノリにもなんともいえず爆笑。

 ダンス自体や、シニカルな歌詞などは面白くもなんともありませんが、その面白くないダンスに恍惚の表情を浮かべるジョニー・デップの演技力はとて~も素敵だ。

 何といってものっけから、工場に招待されるくじに当選した子どもたちが、緊張の面持ちで向かった門が開き・・・

 子どもたちを迎えるのは、あの明らかにディズニーのイッツァスモールワールドをパクった、本来は夢にあふれる人形たちが、なんとチープでボロボロで胡散臭くとってもB級。

 そうやっていきなり子どもたちの夢に難癖をつけ、ピュアなものを破壊した挙句、人形は・・・

 な、なんと燃え上がってしまい、ドロドロにグロテスクに溶けてしまい、しかもそれをこれでもかと十分に見せつけ・・・

 泣き出さんばかりの惨状。

 それを、舞台に招待者の立派な椅子があるのに、椅子は空席のまま、子どもたちに背後から近づいて同じ目線で見ていたウォンカさんの喜びようと、いわゆる空気の読めない外し方の妙。

 ホントは子どもが大っ嫌いなんじゃねーの?と思わず突っ込みたくなるくらいの、ウォンカさんのニセモノぶりというか、ホンモノぶりというか、B級ぶりというか、天真爛漫ぶりの演技力はお見事。

 キムタクさんにできるかな?・・・ホンモノの演技力が問われます。

 

 日本の若き俳優さまがた、映画監督さまがた、早くあのレベルに達して欲しい。



 ここまでハマったのは、その方の名前を初めて知ったのですが、『宮野真守』(まもる)さんという声優の吹き替えの上手さにつきます。

 変態ヤロウ(この場合、ほめ言葉)のジョニー・デップが、まるで日本語で語りかけてくるかのような自然さ。

 いつも僕は、その俳優の演技力が消されてしまうため、吹き替え版を極力避け、字幕版ばかりにこだわってきましたが、こんな素敵な変態にハマれる才能ある声優が日本にいたとは驚きです。

 ティム・バートン監督のワールドが、止め処もなくあふれ、気持ち悪く悪趣味に満ちた世界。

 彼自身、B級映画の大のファンらしく、また大のゴジラファンらしい・・・。

 2001年宇宙の旅をパクったセットや映像、そのチープさもたまらない。

 素晴らしいですね。

 意味やストーリなどは無意味です。

若き田辺朔郎の美意識7

2008年01月30日 13時21分21秒 | Weblog
 写真は琵琶湖疏水の噴水ですが{}、公共物にも「かっこよさ」や「美」を求めることはいけないことなのだろうか?

 同じ公共事業でも大分県の白水ダムのように、洗練され、一見の価値を持つ土木事業もあります。




http://www.hpmix.com/home/onogawa/E7.htm



 そういえばなぁ・・・政治家が夢を語らなくなったよな。

 つまりかっこよくないんだよな・・・。

 安倍首相にはあったようですが、マスコミがつぶしたし・・・。

 叩きやすいと見れば、煽ってでも叩きまくりますからね。

 その夢を語るべき政治家に批判的なマスコミこそが、実は本来叩くべき官僚とべったり癒着しちゃってて、特に海外にはその存在すらない、護送船団の「記者クラブ」など誰も言わないし言えない。

 「記者クラブ」なんて医師会よりひどいし、独法といい勝負じゃない??

 なんで廃止しないの???

 独禁法違反じゃない??




 日本のグランドデザイン、『無責任な』一市民の僕ならこうしたい。

 ・日本は世界の貧困と教育に責任を持つ

 ・日本は国が介入し石油代替エネルギーの技術で世界一を目指す

 ・杉の植林事業に替わる、常葉広葉樹を基本にした、新しい日本の国土と森の関係を研究する

 ・農林水産業の価値を見直し、食糧・エネルギー、および生活必需品では需給率100%を目指す

 ・日本はアルツハイマー病、胚細胞含め、医学・医療研究/医療技術/新薬開発世界一を目指す

 ・観光立国を目指し、古い建築物を大切にし、美しい都市や地方を目指す

 ・現在の株を中心とした、アメリカ型の経済ありきの文化・価値観を脱し、新しい経済のシステムを考案し、世界に提示していく





 イ・ミョンバク氏は2007年の大統領選挙に際し、韓国北部を流れる漢江と、韓国南部を流れる洛東江を運河で連結し、ソウルと釜山を水路で結ぶという構想を公約に掲げたそうです。

 日本で言えば、東京と大阪を水路で結ぶ、というくらい大風呂敷なのでしょう。

 田中角栄氏はかつて言いました、「三国峠を爆破して関東地方へ自由に往来できるようにするとともに、その土で佐渡島との間を埋め立てたい。」

 イ・ミョンバク氏にしても、田中角栄氏にしても・・・現実問題や細かいことはいいじゃないですか?その国のトップなら・・・

 ロマンや夢を大事にしましょうよ。

 熱くちゃだめですか?

 明治・大正の大物政治家は、本気で命がけで国家を憂い、自分個人のことよりも日本を思っていたのに・・・

 またその時代には、欧米列強による植民地化という危機感も切迫しており・・・

 わが日本では明治の時代は元老・元勲・貴族・華族など、すでに権力も財力も身につけたものが政治を動かしていたので、今のように小金に目がくらんだような小者によるせこ~い悪さや、たかりや、みっともない自己保身をしなくても良かったのでしょうね。

 やれ道路族だの厚生族だの防衛族だの農林族だの・・・どうして恥ずかしくないんだろうか?

 そういう方を当選させる国民や県民の民度だって問われます。

 小泉さんくらい、鬼の形相したっていいじゃない。

 信念と情熱が世の中を突き動かすんだから。

 ガソリン25円の攻防と報道者が幼稚に見えるのは僕だけだろうか?




 それにしてもオバマ氏は、東洋哲学までをも身につけているのだろうか?

 一つの合衆国を唱え、対立より一致を叫び、

「リベラルな米国も保守の米国もない。ただ合衆国があるだけだ。黒人の米国も白人の米国もラテン系の米国もアジア系の米国もない。ただ合衆国があるだけだ!」

 なんてまるで太極思想・陰陽・道教のようですが、アメリカ人でなくてもジ~ンときませんか?

 まぁ、あの若さで大統領候補なので当然ですが、知性の高さとセンスの良さを感じる・・・。

 問題は政治的手腕の経験性と、アメリカを統治するのはWASPでかつ元軍人かカウボーイで、あの国ではマッチョが好まれる、ってことかな。

 でも・・・人間、人柄は顔に出るので、ヒラリー氏よりは好感が持てるのは先入観でしょうか・・・?


-終わり-

若き田辺朔郎の美意識6

2008年01月29日 12時45分13秒 | Weblog
 他にもアカンサスで彩られた柱や、取水口前面にはレンガ・・・と

 田邊朔郎氏個人のセンスの問題だけかなあ・・・?



 また当初はこの疎水、大津・京都間の輸送力増強と京都の水不足解消のためだったものが、世界最新の水力発電施設を伴い、その電力で市電を走らせるという巨大プロジェクトに成長したそうです。

 つまり、この田辺は、若干23歳にして、一大プロジェクトを成功させたばかりか、水のある風景に貢献し、近江と京の風情を失うこともなく、しかも造成物の端々に意匠を凝らし、美をも徹底的に追求した上に、市電まで走らせてしまってるんですね。



 なるほど明治・大正の時代の建築物や建造物には、ここかしこに細かい意匠が施され・・・

 これはアールヌーボーの流れなのでしょうか?

 そしていつの日から、そういう意匠を僕たちは忘れ去り・・・

 面白くもなんともない歩道橋のようなただの鉄の塊のような建造物が、わが愛する日本の街を占拠するようになったのでしょうか?

 鉄の塊と、コンクリートとガラスの塊による灰色の街・・・。

 街が雨に打たれても、ヨーロッパのような色っぽさも何もない。

 どうなのでしょうか、建築専門の方、どうして鉄とコンクリート、最近ではガラスの塊ばかりあふれさせてしまい、なぜ明治の時代には確かにあったのに、美しさへの配慮やディテールに意匠を凝らすことができないのでしょうか?

 『意匠』とは工業製品などの形・色・模様などをさまざまに「工夫」すること。また、その結果できた装飾。デザイン。とあります。

 つまり、「工夫」なんです。

 できないのは単にコストの問題ですか?

 工法や建築期日の問題なのかな?

 それとも設計家の質やセンスのレベルの問題ですか?

 発注主の問題でしょうか?

 僕たち一般市民の民度の問題ですか?

 なぜなんだろう?????

 明治において23歳の一人の若者にできたことが、なぜ現代にできないのだろう?

 嫌味ではなく、純粋に疑問だ・・・。

若き田辺朔郎の美意識5

2008年01月28日 07時49分08秒 | Weblog
 続きましては、有名な『南禅寺水路閣』

 お寺の境内を通す必要があったために、京のお寺に見合うデザインを工夫し、違和感なく見させる工夫、このデザイン感覚が素晴らしいでしょ?{

 おみごとっ




 さらにこの琵琶湖疏水の流れに沿って、第2疏水取入口には皇族の「久邇宮邦彦」による揮毫(きごう=筆をふるう)で、

『萬物資始』

(ばんぶつとりてはじむ)

~すべてのことがこれによって始まる~

の洞門に石額が・・・


 そして第1トンネル東口には総理大臣「伊藤博文」の、

『気象萬千』

~千変万化する気象と風景の変化はすばらしい~


 西口には内務大臣「山縣有朋」揮毫、

『廓其有容』

(かくとしてそれかたちあり)

~悠久の水をたたえ、悠然とした疏水のひろがりは、大きな人間の器量をあらわしている~


 第2トンネル東口 に外務大臣、「井上 馨 」、

『仁以山悦智為水歓』

~仁者は知識を尊び、知者は水の流れをみて心の糧とする~

 

 第2トンネル西口 には、海軍大臣、「西郷従道」 、

『随山到水源』

~山にそって行くと水源にたどりつく~

 

 第3トンネル東口 に大蔵大臣 、「松方正義」、

『過雨視松色』

~時雨が過ぎるといちだんと鮮やかな松の緑をみることができる~



 第3トンネル西口 に内大臣、「三条実美」、

『美哉山河』

~なんと美しい山河であることよ~
(国の宝である美しい山河を守るには、為政者の徳と国民の一致が大切との含意も)

 

 そして疏水合流トンネル北口には、「田邊朔郎」の筆で

『藉水利資人口』

(すいりをかりてじんこうをたすく)

~自然の水を利用して、人間の仕事に役立てる~




 と記されていくのですが、言ってみればただの水路のトンネルの入口・出口なのに、その意匠にご注目あれ

 それぞれ個性があって、トンネルの穴の形だとか門のデザインが微妙に異なり、瀟洒で素晴らしいと思いませんか?

 公共事業ですよ


















 この時代の為政者たる者、徳は当然、智慧と知識と教養と、それに筆力までがないと、恥をかいたんですねぇ・・・それに比べて・・・

若き田辺朔郎の美意識4

2008年01月27日 09時27分30秒 | Weblog
 京都に琵琶湖疏水を開通させることを計画したのが、「北垣国道」京都府知事。

 指揮を執った責任者は、な、なんと東京工部大学校(現・東京大学工学部)を卒業したばかりの青年、田邉朔郎でした。

 琵琶湖と京都を運河で結ぶという計画は、古くは豊臣秀吉の時代に提案されていましたが、あまりの難工事のため、ついに実現には至りませんでした。

 その難工事を、

 若干22歳の青年というか若造が、

 衰退する京都の将来と命運を一身に背負ったばかりか、

 一大ビッグプロジェクトを成功させ、

 見事期待に応えたのですよ。

 田辺朔郎は若きエンジニア、明治のヒーローの一人と言えましょう。(興奮!! 

 水のめぐみ館「アクア琵琶」のビワズ通信によれば、「琵琶湖疏水」は水路によって琵琶湖の水を京都に導き、灌漑や生活用水、水力動力や水運などに利用しようというものでした。

 昔は今と違って、車や電車がありませんから、高田屋嘉兵衛でも書きましたけれど、北前船(きたまえぶね)といって、

大阪→瀬戸内海→山口県の関門海峡→日本海→北陸や北海道

というルートで京都と北の日本海沿岸を結び、交易がおこなわれておりました。

 またそれ以前には、米どころ金沢・加賀藩のコメは、福井県は敦賀や小浜を経て、琵琶湖経由の陸路で京の都に搬入されておりました。

 それを考えても、水運というのは、僕たちが思う以上に大切だったのでしょう。

 工事は、明治18年から5年の歳月をかけ、明治23年に完成、総工費は125万円で、国や京都府の財政規模増大率から試算すると今日の約1兆円にあたり、明石海峡大橋の建設に相当するビッグプロジェクトでした。



 僕が注目したいのは、その公共事業性はそれはそうなのですが、それよりもむしろ、若干22歳の若造の偉業である点と、何といっても田辺朔郎の卓越した意匠にこだわった心意気とセンスです。

 疏水分線沿いの「哲学の道」は格好の散策コース、市民にも観光客にも、京大生にとっても憩いの場所でしょう。

 近江と京の都に溶け込む「水の風景」がそこにはあります。

 この「水のある風景」はとても素晴らしいのですが、それにも増して評価したいのは、所々に建てられた建築物が微に入り細をうがち、実に洒落ている点であります。




 具体的に見てまいりましょうか?

 まずは、明治24年に全国初の水力発電所として建てられた「蹴上水力発電所」の、単に建築物としてのかっこよさ。

http://z-museum.hp.infoseek.co.jp/scenery/keage_hatsudensyo.html

若き田辺朔郎の美意識3

2008年01月26日 06時16分52秒 | Weblog
 東京・日本橋が再興されるらしいですが、川も同時に復活させられないものでしょうか?

 川の両端が緑で覆われ、ソウルのように歩いたり、子どもが水遊びだってできるように。




 ところで、琵琶湖疏水(そすい)をご存知ですか?

 もともとは「疏水」だけれど、「疎水」でもよいらしいのですが・・・。

 関東の方は、普通知らないかも・・・。

 では京都の「哲学の道」{写真}はご存知でしょう。

 日本を代表する哲学者・京都学派の西田幾多郎(きたろう)が、この道を散策しながら思索にふけったことからこの名がついたと言われ、「思索の小径」と呼ばれていたものが、いつしか「哲学の道」と呼ばれるようになったとされます。

 無計画に開発進められてしまった地域が多い昨今、銀閣寺から南禅寺に至るこの「哲学の道」沿いは、風致保存地区に指定され、ひどい開発ができないようになっているそうです。

 そのため銀閣寺や南禅寺、永観堂や法然院といった「お寺」と、春は有名な「桜」、初夏は「蛍」、そして秋には「紅葉」を楽しめる「哲学の道」となっている、とのことです。

 そういうものを楽しみ愛でるのが、風流で粋ってやつですよね。

 いいですねえ・・・風致保存地区。

 今まで保存しなさ過ぎですよ、日本は。

 古ければ古いものでかっこいいものが、もっとも価値があるのにね・・。

 新しいものばかりボコボコおっ建てちゃって。

 その「哲学の道」を見下ろす蹴上の地に、図面を手にした若き技術者の銅像が建っており、彼こそが今回の主役、『田邉朔郎』です。

若き田辺朔郎の美意識2

2008年01月25日 09時23分33秒 | Weblog
 日経パソコンの小林 隆氏のコラムによれば・・・

 チョンゲチョン(清渓川)はソウル市の中心部を約6kmにわたって流れる川であり、元来この川は、汚れた川だったそうです。

 そこで韓国は、日本のように川に「ふた」をかける工事を進めました。

 その結果、川の上を高架道路が4車線、その下には幅50~80mの幹線道路が走ることになったそうです。

 都心部の大動脈として機能することになりましたが、問題はそこからです。

 道路は慢性的に渋滞し、排気ガスは環境を悪化させ、旧式のふたかけ工事は、重金属による河川の汚染をさらに進め、高架道路の橋脚を腐食させたそうです。

 そしてとうとう、清渓川周辺に住む人やまちも荒れていったということです。

 イ・ミョンバク(李明博)元市長のとった政策は、首都の交通の大動脈という道路を破壊して、川に戻すという前代未聞の政策です。

 これだけのことをやるには、当然ながら敵も多くなりますし、反対のための反対者も多数いるでしょう、そればかりか業者と癒着する馬鹿者、暗躍する人、陰口をいう人・・・まあ問題を挙げたらきりがないでしょう。

 リーダーは必ず批判されるものです。

 ところがところが、幹線道路を廃止したにもかかわらず、交通の混乱は、思いのほか起こらなかったそうです。

http://www.seoulnavi.com/miru/miru.php?id=862

 イ・ミョンバク氏は、公共交通システムの再編、ソウルの森の造成、そしてこの清渓高架道路の撤去と清渓川の復元などを実現しました。

 そしてこれらの功績によりアメリカのタイム誌により「環境の英雄(Hero of the Environment)」に選定され、英経済専門誌フィナンシャルタイムズの姉妹誌「fDi」により「2005年世界の人物大賞(personality of the year)」を授与されたそうです。

 日本人でも受賞者はいるのでしょうか?

 この人物の人間としての真の本質は分かりませんが、石原都知事以上の行動力を持っているのではないでしょうか?

 ちょっと目が冷たい感じがしますけれど・・・。

 日韓の未来に関しても、建設的なことをおっしゃられており、前大統領よりは期待できそうです。

 日本にも、このクラスの政治家の出現が待たれます。

若き田辺朔郎の美意識1

2008年01月24日 07時26分19秒 | Weblog
 幸いなことに僕は川のすぐ隣にすんでいるので、水のある風景がとても身近なため日々ありがたいことだと感謝しております。

 川沿いというのは、空気もよく、緑や土もあり、当然川の真上は高い建物に囲まれないために空間が豊富で見晴らしもよく気持ちがいい。

 なにより、家々の無機的な世界とは違う、大地や水に風の、なんていうのかな、地球の息吹というか、生命、変化、匂いみたいなものを感じることができます。

 世界の美しい都市の多くは、「水」とともにあるものです。

 NYマンハッタンもしかり、パリやロンドンは当然ながら、ブダペストや僕の憧れのプラハ{写真}も・・・

 川面に伝統ある古くて美しい建築物や橋が、勇壮に建ち並び保存されて、だからこそその夜景も息を呑むほどです。

 なのに、お台場はまだしも、どうして東京は川にふたをし、あるいは汚れた川をどぶ川のまま放置するのでしょうか?

 どぶ川を浄水する技術って、そんなに難しいのかな?

 そして、川沿いにどうして、美しい都市機能を建設しなかったのでしょうか?

 せっかくの隅田川でも、川面に移る風景まで計算して、美しい街並みや都市機能を作っているとも思えません。

 国会議事堂や最高裁判所も、川面に並んで建ち並べばもっと美しかったでしょう。

 皇居の周りにお堀があるのは幸いですが、もう少しなんとか「水」を上手に活用する工夫はないものなのでしょうか?

 美しい街並みというのは、何度となく書いておりますが、その地域の、その国の民度によるものです。

 お隣、韓国のソウルは有名な話、イ・ミョンバク(李明博)元市長、現韓国大統領が、チョンゲチョン(清渓川)を、反対者20万人を説得して復活させましたでしょ。


アンクエスと色の美20

2008年01月23日 08時24分44秒 | Weblog
 あるHPには、

「食用でご飯と一緒に炊くとご飯が赤飯のような色になります。

また、おしるこやぜんざいの小豆代わりに使えます。

見た目は、大きいな小豆という感じです。

実が若いときは、味噌汁に入れると美味しいです。」

と紹介されておりました。

 このえんどう豆はさやも花も紫色で、中の実は茶色で、日本には昭和31年にアメリカから入ったといわれており、現在でも栽培されつづけているそうです。

 「えんどう豆は、発芽能力の維持が難しいといわれていますが、発見されたものは約3,000年の年月を超えて発芽しました。」

と言いますが、ん~??極めて疑問ですな・・・。

 ハワードの作成した副葬品の目録には、レンズ豆 (lentils)とか、ヒヨコ豆(chickpeas)の記載はあるそうですが。

 吉村教授のお言葉。

「ツタンカーメン王墓からエンドウ豆は出土していませんとしか答えようがない。」と。

 やっぱり・・

 吉村教授によると、「この豆を増やして配り始めたアメリカのおばちゃんが冗談を言っただけのことで、日本では弥生時代の遺跡から出たハスの種の発芽に成功した実例があるため広まったのだろう」ということです。



 僕は今回「光の王妃 アンケセナーメン」を読みながら、勝手にアンクエスのイメージも、このサファイヤ色のヤグルマギクで妄想してしまっていました。

 若くして亡くなったツタンカーメン王は、このエンドウ豆の紫がかったピンク色。

 そういうのってありませんか?

 小説の人物や実際の人物を色に例えてしまうこと。

 小説のアンクエスは、ツタンカーメン亡き後、敵国ヒッタイトの王子を招き入れてでも、ホルエムヘブをファラオと認めることと、そして自分がホルエムヘブの妻になることを拒みました。

 そのためアンクエス王妃は売国奴として死刑の判決を受け、父の愛した太陽の町で、自ら毒を飲んで、父と母と夫と死産したわが子が待つ冥界に旅立ちました。

 アンクエスはツタンカーメンをそれほどまでに深く愛していた、という自分の気持ちを、彼の死後、生前よりもさらに強く確信したように見受けられました。




 最後になりますが、カーターのようなイギリス人含め、外国人はコメントがいちいち洒落ているなぁ、とつくづく感じるのですが・・・

 まあ、もちろん例外はあるのでしょうし、個人の能力によるものですから、あくまで概して、ですけれど。

 2,000点もの黄金の埋葬品の発見者、ハワード・カーターは、王の棺の上にそっと置かれたヤグルマソウの枯れた花束について、

 「墓の中はどこも黄金で包まれていましたが、しかしどの輝きよりも、その枯れた花の方が美しいと、私は思いました・・・」 

 じ~んときませんか?

 どうですか、みなさま?


-このテーマの終わり-

アンクエスと色の美19

2008年01月22日 08時11分55秒 | Weblog
 またジャマイカのラスタ・カラーは一般には、「緑」・「赤」・「金(黄色)」ですが、正確には「黒」、「赤」、「緑」、「金色(黄色)」の4色です。

 これはジャマイカ独立のために戦った黒人戦士の「黒」、戦いで流れた血の「赤」、ジャマイカの自然の「緑」、ジャマイカの国旗の「金色」(太陽の色)を表すそうです。

 ラスタ・カラーのラスタは『ラスタファリズム』(ラスタファリアニズム)から来ており、ジャマイカの労働者階級と農民を中心にして発生した「宗教運動」に由来します。

 いわゆる「アフリカ回帰主義」を指し、教義は一応聖書、ラスタの生活様式全般、例えば菜食主義やドレッドヘア、ガンジャ(大麻)を聖なるものとし、ボブ・マーリーによって広まりました。

 カリブの黒人社会に根強く残っていた「エチオピアニズム」(近代になっても植民地化されなかったエチオピアを黒人の魂の故郷とする考え方)を拡大解釈し、黒人に対してアフリカに帰ることを奨励したものです。

 日本ではレゲエの持つテンポやジャマイカなどの雰囲気から、ラスタカラーが単なるファッションとして輸入され、陽気だとか楽しい明るい色の組み合わせとしてのみとらえられておりますが、実はそういうわけなのです。

     エチオピア国旗




 しかしこういう、国家と色だとか、あるいは国花や国鳥って、興味深くないですか?

 なんとなくこう、やはりお国柄に合っているというか・・・まあ先入観なのでしょうけれど。

 他国の国旗などには、自由か死か、だとか独立だとか、血の赤、など暴力を連想する色が平然と混じっており、一般国民はむしろ独立のための戦いを尊び、流された血を忘れまいと務め、現在の母国が存在する理由を誇るわけですが・・・

 日本が平和なはずです。



 たまには世界各国の国章を眺めているだけでも、とっても楽しいですよ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E7%AB%A0%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7




 ヤグルマギクに青バラから色んな色、いつものようにだいぶ話はそれてしまいましたが、最後にツタンカーメンの植物つながりで、ツタンカーメンのえんどう豆ってのがあるらしいですよ。

 真偽のほどは怪しいのですが、ツタンカーメン王の墓から出てきた副葬品の中から、乾燥したえんどう豆が発見されたらしいです。

 このツタンカーメンのえんどう豆、えんどう豆の原種で、さやの色が濃い紫色になるのが特徴だそうです{写真}。

アンクエスと色の美18

2008年01月21日 08時34分08秒 | Weblog
 サッカーのアルゼンチン代表は、国旗(個人的には最もバランスがよく、美しい国旗の一つだと思います )と同じ薄いスカイブルー。

 運動会の時など、昔は万国旗を飾ったものですが、こども心ながら、「どの国旗が一番かっこいいかなぁ・・・やっぱアルゼンチン」と思いを巡らせて、退屈な時間が過ぎるのを待っておりましたことを思い出します。

 別名「セレステ・イ・ブランコ」、その由来は「独立義勇軍のカッケード(帽子につけるリボン状の布)の色を採用した」と言われる、海と空の水色。

 ドイツ代表のユニフォームは白地に黒のイントネーション、プロイセン王国を表す黒白由来?・・・

 一方ドイツ国旗は義勇軍の軍服、黒地に赤の襟、金のボタンに由来、つまりあの黒・赤・黄の黄色に見える色は、実は金色なんですね。

 オランダは現在のオランダ国王、オラニエ公-ナッサウ家Oranje-Nassauの、つまりそのまんまオレンジ色です。

 ちなみにオランダを表すHollandはスペインからの独立戦争で重要な役割を果たしたホラント州に由来のため、オラニエ家と発音は似てますがまったく別物、一方正式名称のネーデルラントは、「低地の国」「低地地方」を意味します。

 ちなみに果物のオレンジとオラニエ公は英語では同じですが、別にオラニエ公がオレンジを作っていたとかオレンジで財を成したとか、そういうことではなく、まったく関係はないようですが、色としては同じオレンジが用いられ、みどりさんが緑を好んで使うようなものみたいです。

 オランダ国旗はフランスのトリ・コロールと同じ配色で、上中下並びの横縞ですが、実はフランスよりもオランダのほうが本家本元、世界初の三色旗であって、赤はその昔はオレンジ色でした。

 なんでも王家が最近、オレンジ色ではなく赤を採用したらしいのですが、僕的にはそういう意味で、オレンジ色のほうがいいと思うんですけどね。

 アイルランドの緑は、ジャガーの深緑よりも明るめ、青みがかったブルーイッシュグリーン。

 セント・パトリックデイにあふれるアイリッシュグリーンです。

 このアイルランドのアイリッシュグリーン、またアイルランド国旗の緑はカトリックを表すそうな・・・・確かにプロテスタントのUKとカトリックのアイルランドがそもそもの紛争の理由だし・・・。

 スペインのユニフォームは、え??「血と金」を表す赤と黄色・・・・え?血??。

 アフリカ諸国は色にアフリカの色(緑・黄・赤)が多い。

アンクエスと色の美17

2008年01月20日 09時14分15秒 | Weblog
 答えは、銀、ジャーマンシルバーだそうです。

 しかし、その理由がびっくり。

 ドイツのナショナルカラーはそもそも白でしたが、1934年アイフェルレースにおいてメルセデス・ベンツが規定重量を僅か1kg超えていることが判明し、急遽、白い塗装を剥がしたんだそうです。

 むき出しの金属色となってしまいましたが、やっとのことで車検を通過した、そのマシンがなんと見事に優勝!

 それ以降ドイツのナショナルカラーはシルバーとなった、っていうんですから。

 なるほどベンツやポルシェはシルバーが正統なのですが、その理由が裸んぼのむき出しのアルミ色に由来するとは・・・なんとも驚きですね。

 なんとなくドイツはカチッとしていて、質実剛健のハガネ色、技術の結晶を表す、というのなら分かるんですけど、意外な理由ですね。

 日本は当初、金を登録しようとしたところ、アフリカとかぶったため却下されたということですが、日本車のナショナルカラーが金というのも・・・確かに黄金の国ジパングですけど・・。

 金色の日本車・・・却下されてよかったと思うのは僕だけ??




 また最もよく「ナショナルカラー」として目にするのは、スポーツにおける国別代表のユニフォームで、特にサッカーにおけるものが象徴的です。

 ブラジルは、国旗と同じカナリア色の黄色と緑(青)、カナリア色の黄色の意味は鉱業を指すとのことですが、ハプスブルク家の金色とも・・・

 ハプスブルク家は南米にまで影響が及んでいるのですね。

 イタリアは有名なアズーリと呼ばれる青、これにはサルディーニャの領主のサヴォイア家の青い盾説{写真の青の部分}と、地中海・アドリア海の青、との説があります。

 イングランドは白地に赤いクロス、龍を退治した守護聖人、St. George's Crossに由来、

 フランスは当然トリコロール、青は自由、白は平等、赤は博愛(友愛)。

 なぜかサッカー日本代表は青、サッカーの場合、日本が白・赤だと、韓国や中国と似ちゃいますからね・・・

 サムライ・ブルーの青は、日本が島国だから海を表すのかもしれませんが、先の「ジャパニーズブルー」のような、もう少し深く、紫がかった「藍色」でもいいのかなとも思いますけど、その色では強そうには見えないかな。

アンクエスと色の美16

2008年01月19日 06時19分39秒 | Weblog
 さて昨日のルノーA110、「青い疾風」ですが、およそ「世界でも最も美しい車」のひとつだと、またしても勝手に思い込んでおりますが、この車がラリー界を席巻したのですよ。

 その後、フランスに負けじとイタリアが(すぐ張り合う両国)、専用設計の超軽量ボディに、フェラーリ・ディーノ246GT(これまた世界で最も美しい)のV6エンジンをミッドシップに搭載した、ランチア・ストラトスが頂点を奪い返しました。

 くゎ~、サーキットの狼、スーパーカー世代の僕には懐かし過ぎる、あの頃の車は、A110やディーノ、ランチアもそうですけれど、他にもランボルギーニ・ミウラといい、フェラーリBBといい、わが日本のトヨタ2000GTだって、なぜかくも美しく、セクシーなのでしょうか?

 曲線が官能的過ぎます・・。

     ディーノ246


     ランボルギーニ・ミウラ


     トヨタ2000GT


 現代車は乗用車に、ただただ軽快に走るという本来の「機能美」以外に、やれ居住性だとか静粛性、また最近では荷物を運ぶというトラックの利便性まで求めた末に、あのようにぶくぶく太って、野暮ったくグロテスクになっていったのでしょう。



 では、正統派ジャガーは何色でしょうか?

 そうです、ジャガーはイギリス車、イギリスは深緑、ブリティッシュグリーン、またの名をジャガーグリーン、ですから伝統的なジャガーは深緑が正統なのです。


   この曲線・・・


 日本は当然、白地に赤のアクセント。

 しかしこの配色の国産車にはお目にかかったことがない。

 アイボリーに、すこし深めの赤で縁取りを入れたりすると、きれいなのにな。

 アメリカは青地に白のストライプだそうです。

 で、これは知りませんでしたが、ではドイツ車は何色でしょうか?

アンクエスと色の美15

2008年01月18日 09時45分55秒 | Weblog
 世界に立憲君主国家はイギリス連邦のほか、日本を含め25カ国程度しかありません。

 僕はあくまで個人的に、日本皇室は世界に誇れる、日本の『国王』であると同時に(日本神道の)教皇『法王』であり、しかも世界でもっとも歴史が明確で由緒正しいお家柄ですので、日本の象徴として大切に考えたいし、いてくださって本当にありがたいと思います。

 現在、国際的に承認されている国家の元首で「皇帝」(Emperor)号を対外的に使用するのは、日本の天皇(Emperor of Japan)のみである。  
 ~出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』~



 タイ国民に愛されるブーミポン国王は、1992年のクーデターの際には、軍側の首相と民主化運動側の指導者を玉座の前に等しく正座させ、一夜にして説得したことが有名ですよね。

 タイ国民がブーミポン国王を愛する理由は、国王が「人間性が高く慈悲深い人物である」からだそうです。

 またタイ国王が伝統的に行うべきとされるノーブレス・オブリージュに一層の真実味を与える一方で、国王自身の政治的な成熟さも併せ持つというのですから、国王のお人柄と徳の高さがうかがえます。

 スペイン国王のフアン・カルロス1世は、スペイン・ポルトガルと、その両国の旧植民地であるラテンアメリカ諸国が参加して開催されている国際会議の閉幕式で、一方的に前スペイン首相の批判を続けるベネズエラのチャベス大統領に対して、

「¿Por qué no te callas?(黙ったらどうかね?)」

と一喝し、騒然となっていた場は収まった、という逸話が痛快です。

 その後、国王のこの一言は携帯電話の着信メロディやTシャツなど様々な用途に商品化され、スペインで大ヒットしたのは、みなさまもご存知でしょう。




 さて、ひょっとしたら日本皇室の色、そして最近ちまたでの流行りの色、「紫」ですが・・・

 中国の道教思想では、宇宙の主権者である天帝が住まいとする北極星の紫微宮の色だとされるために、中国では紫は地上の主権者である皇帝が用いる色とされ、それが日本にも伝わったとされております。



 一方、ナショナルカラーといって、その国を表す色もあるのですが、これは主に国旗から連想されることが多いようです。

 日本のナショナルカラーは、当然ながら白地に紅い日章、円形章や国籍マークも白丸上に赤丸です。



 そして、案外女性の方は知らないかもしれませんけれど、実は車の色にも、それぞれナショナルカラーがあることをご存知ですか?

 イタリアは赤、イタリアンレッド、これはフェラーリ(現在のフェラーリは正確にはマルボロレッド)を連想すれば分かりやすいですね。

 フランスはアルピーヌ・ルノーの青、フレンチブルー、水色ではありませんがやや明るめでメタリックっぽい?

 ちなみに僕が生まれた1964年前後に産声を上げた、仏車アルピーヌ・ルノーのA110{写真}。

 『青い疾風』と呼ばれました。

 美しいですね~・・・  しかし、・・・・ホレボレしませんか?

アンクエスと色の美14

2008年01月17日 05時16分00秒 | Weblog
 オレンジ色は仏教とも関係がある色で、インド、タイ、ビルマ、ネパール、チベット、スリランカといった地域では僧侶の法衣はオレンジ色で、この法衣の色は献身と至福を意味し、高い精神性を表すそうです。

 では、なぜオレンジ色?ってタイの僧侶の袈裟の色を見て思ったことがありませんか、みなさま?

 仏陀がそのすぐれた力をはたらかせる時、仏陀の体から

①「青」
②「黄」
③「赤」
④「白」
⑤「樺」(オレンジ)
⑥「輝き」(?)

の六色の光を放つとされ、オレンジ色は仏さまの聖なる身体を包む袈裟の色で、あらゆる侮辱や迫害、誘惑などによく耐えて怒らぬ「忍辱(にんにく)」をあらわすのだそうです。

 インドのヒンドゥー教のスワミと言われる僧侶たちは、サフランカラー、薄い黄色のややピンクがかった色の衣を着ているそうです。

 サフランは紫色の花をつける多年草、水に溶けると鮮やかな黄色になり、ご存知のようにサフランライスやパエリアには欠かせません。

 仏教の僧侶は、木欄(もくらん)色と言われるやや黄色がかった黄土色の衣が主で、スリランカの袈裟はややオレンジ色、ミャンマーはエンジに近く、タイの袈裟は茶色に近い色、チベットのお坊さんたちは赤に近いエンジ色でしょうか、ということです。



 しかるに一方、イスラム世界では何色が高貴な色でしょうか?

 答えは、ムハンマドのターバンの色である「緑」が尊ばれ、確かにサウジをはじめとして、国旗でもこの色が多いようです。

 これは主にイスラムの地域は砂漠が多いから、木や緑を尊重するためなのでしょうかねぇ?

 日本の皇室の色は?と聞かれれば、不勉強で間違いかもしれませんが、やっぱ紫なのでしょうか、それとも玉虫色に光る深緑色???