医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

信仰の美風と遺伝子14

2006年08月30日 12時35分15秒 | Weblog
 以下彼のインタビューから抜粋します。

 「人が霊的な体験をするときの脳の反応には共通の反応が見られ、その際に脳にはモノアミンという化学物質が意識に変化をもたらします。

 モノアミンとは情報を処理して現実の感覚と結びつけたり、状況を認識するときに関係する脳内化学物質です。

 この物質に変化が起こると世界がまったく違って見えたり、違和感を持ったりするのです。

 霊的体験をしているときの脳の状態は麻薬を摂取しているときに少し類似しており、どちらも脳内化学物質が関与し、薬物を使って擬似霊的体験も可能です。

 全人口の50%が残りの50%より少し多くこの遺伝子を持ちます。」

ということなのです。

 でも「少し多く」って・・・? 50%が持っているの・・・?

 つまり、人間が憑依したり、お告げがあったと感じたり、宗教を何の疑念も持たずに盲目的に信じたり、それらのようにおおごとではなくても、星を見てただ単に「ああきれいだな~」だけではなくて、それ以上の畏敬の念を感じたり敬虔な気持ちになったりするのにもこの遺伝子が関与しているのでしょうか?

 より専門的な医学的知識を要求するマニアックな方のために説明いたしますと、脳内において神経伝達物質にはアミノ酸やペプチド類、モノアミンとアセチルコリンがあります。

 モノアミンというのはノルアドレナリン(ノルエピネフリン)、ドーパミン、セロトニンです。

 この神経伝達物質を貯蔵する袋がシナプス小胞です。

 神経伝達物質が手前の神経終末から神経と神経の間隙に放出されると、次の神経の受容体に結びついてその神経の過分極ないしは脱分極が引き起こされ、神経学的な興奮が伝わっていくのです。

 モノアミン受容体は多数のサブタイプが存在しますが、輸送体(トランスポーター)は各モノアミンに一種類しかないことから、モノアミン神経伝達の制御には重要な役割を果たすと考えられております。

 このシナプス小胞モノアミントランスポーター(VMAT)は、細胞質で合成されたモノアミンをシナプス小胞に貯蔵し、シナプス間隙へのモノアミン放出に備えるのです。

 つまりVMAT2遺伝子が少し多いということは、詳細な記述がないので分からないのですが、推測する限りではシナプス小胞モノアミントランスポーターが多くなり、モノアミンの貯蔵量や放出量が増えるということでしょうか?