医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

議員の美徳

2006年02月28日 18時48分33秒 | Weblog
 お詫び会見やってましたね。なんだかなあ・・・。

 僕は別段民主党派でも自民党派でもありません。 

 ただそんなに騒ぐことでしょうか? 

 いいじゃないですか、疑惑にぶつかっていったのですから。

 確かに国会を空転させたこと、永田議員の人格と質問時の品格には問題があると思うのですが。 

 だからと言ってあんなにマスコミが叩くことでしょうか?

 B級ネタに飛びついてしまったことは別にいいんじゃないですか?

 そう本人がお認めになられれば。

 国政調査権だってどんどん発動したらどうでしょうか?

 それで嫌疑をかけられた方が「シロ」だと証明されるのなら、願ったりかなったりじゃないでしょうか?

 これがきっかけとなって、いざまた別の疑いが出たときにうかつに追求すると大変なことになると、野党がビビッてしまうことの方が、国民の損失は大きいでしょう。 

 疑惑はどんどん突っ込んで欲しいですよね。

 もし国権の発動が悪用されると言うのなら、悪用したときに懲罰を加えればいい話で、そのために与野党がいるのですからね。

 一党独裁なら危険ですが、お互いが悪用しないように監視しあえばいいじゃないですか。

 ちゃんとした証拠がなければ国政調査権は発動できない、という与党の解釈の方がむしろ危険で、しっぽさえつかまれなければ大丈夫ということ?って勘ぐりたくもなりますよね? 

 それに証拠があるくらいなら、検察が動いた方が早いでしょ?

 証拠がないから国会の場で追及したっていいじゃないですか?

 要はあの方の品格のなさ、演技派だってことにマスコミが腹を立てているだけじゃないの? 

 そんなに国民は怒ってないのに、たきつけすぎじゃないのかな?

 人の失敗に過剰に反応しすぎですよ。

 いいじゃないですか、誰だって失敗はあるのですから。それを前原さんや野田さんのせいにまでして・・・。

 謝れ謝れ叫ぶマスコミやアナウンサーやニュースキャスター、テレビタレントやコメディアンや学者や評論家の方ってそんなに偉いのでしょうか? 

 他人の失敗をあんなに叩けるほどみなさんは人格的に立派なのでしょうか?

 僕なんか失敗だらけの人生ですから、とても他人の失敗を非難できません。

 どうして今の日本人はこんなに他人に厳しいの? 

 今回は誰かが負傷したわけでもなんでもないんだし、武部幹事長の次男の人権といったって、あれだけの公人のご家族ならばある程度有名税でしょう。 

 それ以上に得することだってあるのですから。

 そんなにみんなで目を吊り上げて、謝罪せよ謝罪せよって詰め寄ることでもないでしょう。

 もっと他人の失敗におおらかになりましょうよ。 

 許せる失敗と許せない失敗があるでしょう。

 もっと巨悪に挑みましょうよ。

 こんなの小さい小さい。 

 これに懲りずにどんどん疑惑に挑んでください 

 マスコミでこんなこと言う人はひとりもいないようですが、僕は応援します。 

 こんな失敗でくじけるな

 ただ品のない国会議員の方々が目立つようには思いませんか?

 確かに言葉の重みはかみ締めないといけないかもしれません。

 もっと一国一城の主らしく堂々と、国民の模範となるように立ち振る舞ってくださり、そして子供たちや僕たち国民が人間として尊敬できるように、美徳を持って議論をしてください。

鬼才キューブリックの美学

2006年02月27日 14時36分53秒 | Weblog
 昨日も書きましたがキューブリックの作品で「時計仕掛けのオレンジ」があります。

 ストーンズが反戦の集会で、暴力と戦争を売る側の立場を歌って、間接的に暴力を批判する姿が美しかったことも以前に書きました。

 この映画は暴力的ではっきりいって不快です。 

 しかし不快であればあるほど、心に訴えるものが強いことも事実です。 

 キューブリックは変態の鬼才ですから、このことを自覚してかしておらずかは分かりませんが、暴力を徹底的に際立たせることによって、暴力を切り取って視聴者に突きつけていると思います(「フルメタルジャケット」もそうです)。 

 それが暴力礼賛なのか、そうではないのかは僕たち視聴者がそれぞれ感じればいいのだと思います。

 ハリウッド的にわかりやすく、暴力はいけません!と幼稚な作りではうざいだけです。

 こういう風に映画監督は自分の感性で撮りたいものを撮って表現し、それをどう感じるかを視聴者に委ねる感覚には共感します。 

 昔のモノクロの映画などは実際そのように感じられ、観客に媚びていません。

 例えば音楽も美しいイギリス映画「第三の男」やフランス映画「天井桟敷(てんじょうさじき)の人々」などもそうです。

 近年ご機嫌伺いな映画が増えたのは残念です。 

 またこの「時計仕掛け」での映像は色あせることもなく、本当にきれいだし、アプローチも斬新。 

 まさに天才が作るイギリス映画の代表作だと思います。

 音楽や色の使い方も素晴しい。

 この映画を見たのが確か高校生か大学生のときでしたが、ジョージ・オーウェルの著書「1984年」が連想されました。 

 この本では核戦争後、世界が3つに分割され、社会主義的な管理社会の元、情報操作が行われ自由が失われる話です。 

 1984年は無事過ぎ去りましたが、この小説も現代でも通用します。双方向の監視システムなどまさにパソコンですし、コンピュータを使用した現代の情報管理システムや、「象の檻」や「エシュロン」に見られる米英豪加(ホワイトアングロサクソン系)専用盗聴システムなどが適合しますよねえ。

 しかし白人専用の盗聴システムに思いやり予算というわけのわからない予算を計上する日本のおめでたさって何なの?

 そしてこの「1984年」に触発されたボウイが「ダイヤモンドの犬」というアルバムをリリースし、そのアルバムの中に「1984」があります。 

 つながっています。

 他にも「ダイヤモンドの犬」「レベルレベル」(←これも昨日書いたヴォーダフォンのCMソング)などは超イケてます。 

 アルバム「ダイヤモンドの犬」は秀作ですが、ミック・ロンソンのギターじゃないんだよな、確か。

 でもめっちゃくちゃカッコイイんです。

洗練された悪趣味の美

2006年02月26日 17時09分15秒 | Weblog
 おかげさまでこのマニアックなブログが先日、一日でアクセスが150を超えてビックリしております。 

 昨日はゼロックスカップで、わが「浦和レッズ」がさい先良く勝利を収めました

 そういえば今やってるヴォーダフォンのCMソング、あれデビッド・ボウイの「Rebl Rebel」とゆー曲です。ギターのリフがとってもハイセンスでしょ?

 さて今日の話題、みなさん「洗練された悪趣味」って理解できます?

 少し観念的で説明が難しいのですが 

 ちょっと外しちゃってるんだけど、外し具合が絶妙で受け手には逆にカッコよく伝わるという感覚です。

 今風で言えば、センスの良いちょいワル系って言えば分かりやすいでしょうか?

 例えば、素人男性が身につけるには勇気がいる、金無垢の腕時計があるとします。 

 ここで単なる成金趣味と、洗練された悪趣味とで分かれるんですよね。 

 ストーンズのキース・リチャードが○ル○ィエの四角いシンプルな金無垢の時計を、ボロジーンズにTシャツというラフないでたちでドクロの指輪とともにつけていたんですよ。

 カッコよすぎでした。 

 そのとき見えるのが、もし○レッ○スのダイヤ&ルビー入りだったらすっかり興ざめです。 

 単なる成金趣味とはまた違うんですよねえ・・・。

 またあの職業であの生き方ですから、ドクロの指輪に金無垢も似合うのであって、一般人がそれでは「どんびき」されると思いますけど。


 つまりぎりぎりのかっこよさ、とでも申しましょうか。

 ただしこれ以上行くと、ただの悪趣味、ややもすれば「げてもの」「きわもの」にもなりかねないんだけれども、その寸止めのかっこよさ。 

 綱渡りもぎりぎりだから、ハラハラドキドキするんであって、安心安全では面白みに欠けるもの。

 正統派清純派をしのぐ危うさのほうが人に訴える力が強いもんでしょ。 

 隙のない優等生よりも、不良でモテるやつ。


 他には前にもあげましたが、アラン・ドロンのいかがわしさやアル・パチーノのぎりぎり路線。

 悪趣味一歩手前のそこにある緊張感がたまらなく好きなんです。

 映画監督タランティーノはすごいですよねえ。

 見ましたでしょ?「パルプフィクション」? 

 強烈過ぎますよね。 

 あんなハチャメチャな展開で、最後はまるで10本の指が組み合わさるかのように、完璧に一致する展開力。

 途中の「マスクマン」というまったく意味のない登場人物(それも大スター、ブルース・ウィルスとの掛け合い)のばかばかしさ。

 ストーリー上まったく不要ですから。

 あまりにばかばかしすぎて僕はハマってしまい、映画館では笑いが止まらず大変苦労しました。 

 しかも彼は黒澤映画の大ファンで、その上彼の尊敬する人物は、かの「千葉真一」ですから。 

 日本人よりディープな日本ファン。

 しかも超B級路線。

 まさにぎりぎりの天才ですね。


 「2001年宇宙の旅」で有名な映画監督スタンレー・キューブリックもまたきわどい。 

 僕は難解な映画を眉にしわを作りながら、無理をして分かったフリをするかっこ悪さは理解しております。

 ですから「2001年」には、あえてコメントいたしません。 

 ですが、「博士の異常な愛情」と「時計仕掛けのオレンジ」「フルメタルジャケット」はご覧いただきたいと思います。

 これもぎりぎりデス。



 ファッション業界ご用達のダンディ英人ロックアーティスト、ブライアン・フェリーもまた結構ぎりぎり好き。 

 あんなにかっこいいおじさまなのにファザコンの上、スーツに白いソックスを履いちゃったりします。

 歌い方やロキシーミュージック時代の道化的なメイクやファッション、そして美しく息をのむアルバムジャケットが実は「オカマ」のモデルだったり・・・。



 もちろん皆、本業で一流でなければ意味がありませんが。



 日本人で洗練された悪趣味を身につけているのは、そうだなあ・・・

 岡本太郎さん。 太陽の塔は偉大ですよね。 あのキャラじゃないとできないでしょう、やっぱり。 

 元ミュージシャンにて芥川賞作家の町田康さんの著「くっすん大黒」。

 これは素晴しい。

 ぜひ一度お読みください。 

 僕の感性にはハマりました。

 芥川賞受賞作の「きれぎれ」や「屈辱ぽんち」より「くっすん大黒」のほうが僕にはハマります。

 また江戸川乱歩の「人間椅子」、これはちょっとコメントは控えます。 
 
 井上陽水さんもすごいですよねえ。

 感覚が日本人離れしてますよね。

 「窓の外にはりんご売り」ですもの 

 だから「少年時代」のような曲が作れるのですね 

 天才だと思います

 以前も書きましたが、俳優の松田優作さん。

 「野獣死すべし」では奥歯を抜いて役作りをしたそうです。 

 プロゴルファーの青木功さんのバンカーショットとパッティング。

 これはゴルフをやる方には説明不要だと思いますが、なんであの打ち方であんなにすごいのか・・・

 とても誰にもまねはできない領域です。

 解説も超感覚的で笑えます。 

 ジャンボ尾崎選手が日本ではあんなに威張っているのに、アメリカでは臆してしまい駐車場で着替えをするといいます。

 ところが青木選手は英語が話せなくてもなんと帝王ジャック・ニクラウスに「ヘイ、ジャック!」と話しかけるというのですから。

 ヤンキースの松井に、英語がわからなくてもフンフンわかった顔をして、自分側に相手を引っ張り込んで、日本語でもいいから話しかけろって助言してました。

 相手が英語で「日本語は分からない」って言ったら、「ミートゥー」って答えろって。

 すっげーな 

 禅問答のようです。

 わけわかんなすぎで笑ってしまいました。

 相手も笑いますよね。

 やはり天才ですな

 ある意味、ランボルギーニやヴェルサーチが唯一許される日本人として、わが日ハムの新庄選手・・

 あの肉体に実は握力100kgですって→本当は努力の賜物なのです。

 しかしそれを故意に打ち消すあの天性の明るさ。演技なのか地なのか。 

 さらには「才能がないから野球やめる」とだだをこねるくせに、プロの世界でピッチャーまでやってしまう・やれてしまう、人騒がせな「才能の自覚のなさ」は天才級。 

 フロッピーディスクの発明者で東大出身のドクター中松もかなりぎりぎりですよね。 ほんとにすごいんだか、どうなんだか・・・。

 HPだけでも面白いですよ。

http://www.dr-nakamats-shop.co.jp/top.html

Crazyな美、Iggy

2006年02月24日 17時38分34秒 | Weblog
 以前デビッド=ボウイのコーナーでも書きましたが、かのボウイが嫉妬した男にIggy Popという、なんとも形容しがたい「狂人」がいます。

 ボウイの出世作「Giggy stardust」はIggyから取られたもの。

 途中Giggyはレフトハンドと歌われますが、実際のIggyも左利き。

 彼はDoorsのジム=モリスンに憧れたらしいですが、最初のバンド、ストゥージズでは「客に聴くか聴かないの選択の余地を与えない暴力的なサウンド」を目指したって言うのですから(なんじゃそりゃ?)、はなから狂ってます。 

 病院から脱走して革のパンツに網タイツにナチス帽みたいのかぶってライブやってた訳ですから・・・。

 ホンモノです。

 その当時ですからねえ。

 結局薬物におぼれ、ヨーロッパ・ベルリンに逃れ、同じく薬物中毒のボウイに出会って、名作「Idiot」「Lust for life」を共作して復活します。 

 その中の「Tonight」という曲は超美しいですよ。 

 夜のしじまがなんとも妖しく美しくはかなく表現されております。 
 夜の歌としてはエコバニの「The Killing Moon」と双璧だと思います。

 この2曲は本当にため息が出るほどに美しい。 

 ボウイのコーラスも最高ですわ。

 また「Lust for life」の独特のイントロは強烈だし、CMでも確か使われていましたから、みなさんも聴き覚えがあるかもしれません。

 その後ボウイと別れて低迷します。

 気の毒がった大スターであるボウイが昔イギーにあげた「Tonight」と「China girl」をリバイバルさせて歌ってあげたのですが、イギーが注目されずに逆にデビちゃんが売れてしまって、まるでボウイがイギーを裏切ったみたいに言われてしまって・・・。

 本物を生で見たのはわりと最近です。 

 川崎のクラブチッタで見ました。

 すごかったっす。 

 行ったことあります?クラブチッタ。

 狭いんですよ。オール立ち見で。

 着いたとたん周りの風景は「タトゥーあり」な男達がたくさん、キンパツ・ロン毛にモヒカン君。

 鼻ピで意味もなく上半身裸で、ビール立ち飲みで、当時確かタバコももくもくだったような・・・。

 渋谷のチーマーが大挙集結状態。 

 一緒に行った臆病な先輩が「俺、やられねえ?」ってビビり始めて、すみっこに逃げていっちゃって。

 開始時間が過ぎても全然始まる気配もなく。

 30分も過ぎると危ない兄ちゃんたちのイライラがピークになって怒号が飛び交い出しました。 

 「すわっ、あわや暴動?」「一触即発?」

 そのうち僕の頭頂部を突然誰かに蹴られて。 

 「コノヤロー」と思ったら、後方からキレたコワモテが他人の背中を駆け上がり、人々の頭の上を走りぬけ、人間ダイブが始まったのです。 

 「やべえ。」

 次々に人間の上を走り抜け、みんなからぼこぼこにやられるチンピラが後を絶ちません。

 「大体人様の頭を何だと思ってんだ?」なんて常識が彼らに通じる由もありません。

 そんな中、薄暗い会場のステージに突然まぶしすぎるバックライトが射し、金髪の長い髪に上半身裸でジーンズだけのハガネのような体をしたイギーが浮かび上がりました。 

 「ウオ~」という観客席の地鳴りの中、あろうことか、な、なんとイギーはそんな不良たちの中へいきなり自らダイブを始めて、「Lust for life」(だったっけな?)の例のイントロが。 

 こんな現れ方ってある??

 何度も何度もダイブをやめません。

 「やめろってばもういい加減、おっさんなんだから

 会場は興奮のルツボ。

 全員、空蝉(うつせみ)を忘却しそこは黄泉か冥土状態。

 よく死者がでなかったもんだ。

 肝心のイギーは2時間踊りっぱなしの狂いっぱなし。

 あれが50過ぎのおっさんの体かよ。 

 まるで新庄じゃん。 

 あんな暴力的な野性的なライブは始めて。女性は入れない世界でした。



 そんなイギーとボウイの悩ましい2人の関係は、ユアン=マクレガーの映画「ヴェルベット ゴールドマイン」に詳しいです。 

 また同じくユアン主演のハチャメチャな腐った映画、「トレインスポッティング」でもIggyの「Lust for life」がテーマソングになっておりましたような記憶が・・。 

 また、かのジョニー=デップが主演、監督、脚本をとった(しかし世界的な俳優は若いのに才能にあふれますなあ・・・ これまたとっても良い映画でした)渋い「ブレイブ」でもマーロン=ブラントとともに出演、音楽担当をしたり、またピストルズの映画「シド&ナンシー」にも出演しておりましたな確か。

 しかし伝説のピストルズのジョニー=ロットンも本当はジョン=ライドンなのに、お前は腐ってるからロットンだと。それもまたすごい・・・

面白美しく書く西洋本

2006年02月23日 18時52分16秒 | Weblog
 「ダヴィンチ・コード」みなさん読まれたでしょ? 

 最近ヒットしたダン・ブラウンの小説です。

 最近のクラシックブームとあいまって、世にダヴィンチブームが起きたらしいですね。 

 西洋人の宗教ものの著作は、とっても面白美しく書かれますよねえ。

 感心 

 それにしてもルーブルはピラミッドを作ったりなんだか怪しげで話題には事欠きませんね。やっぱりフリーメーソンの影響でしょうか・・・?

 彼の著作には「天使と悪魔」「デセプション ポイント」もあります。

 「デセプション ポイント」は映画向けというか、いまひとつだなと感じましたが、「天使と悪魔」は超面白かったですね。 

 ちょうど僕が読んでいた頃、本物のローマ教皇の即位の頃で、煙突の煙のことや選択会議のようすなどが妙にリアルでタイムリーでした。 

 キリスト教を題材とする小説にはこのようにとても面白いものがあるんですよ。



 マイクル・コーディの「イエスの遺伝子」は、本の発売前からディズニーが映画化する権利を買ったことでも有名です。 

 映画を意識したのかしないのかは分かりませんが、あまりにハリウッド的ですけれども、ここにも出てくる「宗教的秘密結社」っていうのはそもそもが胡散臭くかつ神秘的ですから、うそが上手できれいに読者をだましてくれるとついついハマってしまうのです。

 他のダヴィンチもので、しかも秘密結社ものにルイス・パーデューの「ダヴィンチレガシー」もあって、こちらもなかなか面白いですよ。

 そのほかには、ユダヤ教が題材ですがエリオット・アベカシスの「クムラン」、これはお薦めの書です。 

 ユダヤ教とエッセネ派、イエス=キリストと死海文書の関わりは・・・。

 普段触れる機会のないユダヤ教の奥深くを学ぶこともできます。

 またフリア・ナバロの「聖骸布血盟」も秘密結社が登場し、なかなかスリリング・・。

 変わったところでは99年の芥川賞受賞作の平野啓一郎氏「日蝕」があります。

 これは古きフランスでの異端と錬金術がテーマですが、時代感を出すためにでしょうけれども文語体で書いてあり、若いのに知識がすごいなと思いました。 

 で、内容は・・・ごめんなさい、あまり感動しませんでした。 

 少し陳腐な話題でした。

 ただこれを日本人が書いたという点は評価に値すると思います。

 同じく日本人の書く西洋宗教ねたでは、内田康夫氏の「イタリア幻想曲」というのもあります。

 学研からはクリストファー=ナイトの少し怪しいフリーメーソンの世界で「封印のイエス」という本が出ております。

 また徳間書店はこういう怪しげな関係は得意ですから、最近アメリカで論争となっている進化論と原理キリスト教者による聖書創造論の対立を学ぶには久保有政の「創造論の世界」、またジョナサン=グレイの「契約の櫃(はこ)」では一応レイダース~失われたアーク~のモデルのようなアーク発見について書かれてはおります。

 さらにジェフリー=サティンオーヴァーの「聖書のミステリー」ではいわゆる聖書に記されたとされる暗号のようなバイブルコードの謎が。

 ちなみに予言と預言は異なります。 

 予言はいわゆるノストラダムスのように将来の予想。

 預言は神から言葉を預けられた者が語った言葉です。

 またユダヤ人のラビ・マーヴィン=トケイヤーはよく言われる日本人とユダヤ人の類似性につき「日本・ユダヤ封印の古代史」を書しております。

 他にもI・ウォーレスの「イエスの古文書」では現代版で古文書の行方が。

 これも毛色が多少違いますが、「ダヴィンチコード」に続く全米ベストセラーとされるI・コールドウィルの「フランチェスコの暗号」も多少キリスト教色があります。



 これらは遺跡好きが高じるとどうしてもエジプト文明、シュメール・アッカド文明に興味が深まってしまい、エルサレムは避けて通れず、その延長でついつい読んでしまうんですよね。 

 別に僕は特定の宗教に興味があるわけではありませんけれど・・・。

 でもキリスト教系の読み物はなんでだかハマってしまうのです。

 クリスチャン系の読み物は美しくロマンを読ませる技術を心得てますよねえ

続々ジパングの美

2006年02月22日 14時26分15秒 | Weblog
 日本の伝統芸能といえば、みなさん歌舞伎、能などを思い浮かべられることでしょう。

 でも実際僕たち日本人がどれだけそれらを大切にし、鑑賞し、理解しているでしょうか?

 最近では歌舞伎役者のジュニアたちが、マスコミやテレビに出演するようになったり、中村勘九郎さんがN.Y.で公演されたり、猿之助さんのスーパー歌舞伎など、歌舞伎の世界では変わりつつあるようですが。

 でも僕には馴染みが薄いです 。

 能でも漫画「ガラスの仮面」からを演じてみたり、色々工夫はしているのらしいですが・・能においてはさっぱりです。 

 独立行政法人の「日本芸術文化振興会」の果たしている役割には疑問を感じてしまいます。 

 形骸化しておりませんでしょうか 

 このままでは僕は国立劇場には足を踏み入れることがなさそうです。

 
 元ちとせさんの登場で奄美大島の島唄や民謡も馴染みが出ました。 

 沖縄出身のミュージシャンの活躍で沖縄民謡もかなり浸透しました。 

 雅楽では笙(しょう)の演奏者の東儀秀樹さんが頑張られて、だいぶ僕たちの耳に日常で入ってくるようになりました。 

 三味線も吉田兄弟が活躍しておりますよね。



 でもどうして義務教育の音楽の時間に、日本の伝統楽器の演奏が子供たちに教えられないのかな??

 子供がやりたい、って思わないよね、出会いがなければ。 

 まったく役に立たない縦笛よりいいんじゃないかなあ・・ 

 学校の音楽の先生で指導が無理ならば、ボランティアで地元の名人のお年寄りに教わるとか。

 政治家の方々は日本の伝統を、と口にはされますが、実際に教育の現場では神話も雅楽も古典芸能も何も教わりませんでした。


 先日教育テレビの番組で、一生懸命社会のためにボランティアをしている、とっても立派な小学生の女の子を見ました。

 しかしその子は、お年寄りにウサギ追いしふるさとの歌を歌ってもらいましたが、な、なんとその曲を知らなかったのです! 

 しかも音楽室にテープもないってことにとってもショックを受けました。

 こんな、日本人なら誰でも知っている、親が知っていて欲しいと思っている曲すら今の小学校ではやらないの?? 

 それでまさかミッキーマウスの歌や流行歌謡曲などを、小学生に迎合してやって・・・いませんよね??


 僕も古典芸能の保存に協力したいとは思いますが、たまにNHKを見てもはっきり言ってさっぱりぴんと来ません。 

 もちろん、残すべき伝統はきちんと正統に残す必要があると思いますが、時代に合わせて変えていくべきところもあるのではないでしょうか? 

 女性と若者に人気を得られない文化ははっきりいってすたれます。

 言語は生き物ですから、少なくても僕たち現代日本人が聞いて、何を言っているのか理解できなければ、と思うのですがどうでしょう。



 大相撲もそうだと思います。もっと日本の若者や外国人にアピールする方法を考えてみて欲しいものです。

 国技館に観光の西洋人がもっともっと来て欲しい。

 その点スペインの闘牛やオペラ、クラシック演奏、中国の上海雑技団、タイのキックボクシングなどは観光客でいっぱいです。 

 何が違うのでしょうか?



 雅楽や三味線、琴などで大和なでしこ版、女子十二楽坊はできないのでしょうか、パクリですけど・・・? 

 中国のように古典楽器の音楽大学って日本にあるのですか?



 今まで僕たちは輸入すること、他国の文化や宗教を吸収することには熱心でしたが、これからは残すこと、輸出することに力を注ぐべきだと思うのです。 

 東洋哲学や仏教、神道についてもどんどん英語に翻訳して、指導者やその道の偉い先生は積極的に海外に講義に赴いて、日本の文化や東洋の思想を輸出してPRして欲しいですよね。

 「輪廻」と「和」「共生」「質素倹約」「恥」そして「エコロジー」の文化などを。

美しきジパング-日光編-

2006年02月21日 12時06分23秒 | Weblog
 日本にある「世界遺産」がいくつあるか知っていますか? 

 正解は13ヶ所。

 北から、①知床 ②白神山地 ③日光の社寺 ④白川郷・五箇山の合掌造り集落 ⑤古都京都の文化財 ⑥古都奈良の文化財 ⑦法隆寺地域の仏教建造物 ⑧紀伊山地の霊場と参詣道 ⑨姫路城 ⑩広島の平和記念碑(原爆ドーム) ⑪厳島神社 ⑫屋久島 ⑬琉球王国のグスク及び関連遺跡群。

 暫定リストが武家の古都・鎌倉(神奈川県) 彦根城(滋賀県) 石見銀山遺跡(島根県) 平泉の文化遺産(岩手県)の4ヶ所。

 2005年7月現在で世界では812物件。

 日本の3大古典芸能の「歌舞伎」「能」「人形浄瑠璃」は世界無形文化遺産に登録されております。

 合計90登録だそうです。

 僕が行ったことがあるのは8ヵ所。

 先日東北新幹線に乗っていたら、トランヴェールという雑誌がありました。

 そこで日光が特集されていましたが、とっても面白い記事だったので、ここで紹介します。

 ~トランヴェール 第19巻第2号 通巻215号 2006年2月号~

 日光には「2社1寺」があります。

 「東照宮」「輪王(りんのう)寺」「二荒山(ふたらさん)神社」です。

 「東照宮」はみなさんご存知のように「徳川家康」を東照大権現として、また後述しますが「輪王寺」には3代将軍「家光」公およびその慈眼院には「天海僧正」が祀られております。

 東照宮造営前、現在より1200年も前の奈良時代から日光は関東最大の山岳宗教の聖地でした。 

 「二荒山神社」は、日光山岳信仰の礎(いしずえ)となる神社で、中禅寺湖の奥にそびえ立つ2484mの「男体山(なんたいさん)」を御神体として祭っております。

 「二荒山」というのは観音菩薩の浄土にそびえる「補陀洛山(ふだらくざん)」にちなみ、「男体山」を「二荒山」としたものだそうです。

 つまり、「ふだらくざん」→「ふたらさん」です。 その「二荒」を漢読みして「にっこう」としたのが、真言密教のあの空海だと伝えられております。

 え、「にっこう」ってオヤジギャグ?なんて言わないでくださいね。

 日本最古のホテル、日光金谷ホテルのたもとの大谷(だいや)川にかかる、朱塗りの「神橋(しんきょう)」 は神域と俗界を隔てる境界です。

 「神橋」を越えると東照宮、輪王寺、二荒山神社のある聖域に入ります。

 この神橋は橋脚のない「はね橋」形式としては国内唯一の古橋で、錦帯橋(きんたいきょう)、猿橋とともに日本三大奇矯に数えられるそうです。

 ちなみにその大谷川のほとりで「神橋」からやや下流に、井上誠一設計で有名な「日光カンツリークラブ」があります。 

 金谷ホテルは中禅寺湖にもロッジ風のものがありますが、この日光金谷ホテルとともに料理とパンが有名です。 

 箱根の「富士やホテル」、軽井沢の「万平ホテル」とともに、古きよきホテルの代表ですね。 

 さて目玉の「東照宮」ですが、これだけで見るのに1日はかかります。 

 どうして徳川家康のお墓に日光が選ばれたのか?

 僕も疑問に思っておりました。

 それは驚くことに「風水」だそうです。 

 そこには家康の「宇宙観」があったということです。 

 江戸城はそもそも京都の平安京にならい、東西南北の四神が城を守護するという中国の陰陽(おんよう)思想が導入されているそうです。

 北の「玄武」(山)には日光、東には「青龍」(川)江戸川、南の「朱雀」(沢畔(たくはん))には江戸浦(品川)、そして西の「白虎」(大道)には甲州街道と、四神を宿る場所として決定されたそうです。 

 うしとら(北東)の鬼門には「神田明神」と「浅草寺」に上野の「寛永寺」、ひつじざる(南西)の裏鬼門には「日枝(ひえ)神社」が造られております。 

 そしてその江戸城と徳川家の菩提寺(ぼだいじ)である芝の「増上寺」の真北にあたるのが日光。

 さらに東照宮本殿は江戸城のある真南に向けられております。

 したがって東照宮のシンボルにあたる、国宝の「陽明門」も当然北極星を背にして南を向いております。 

 江戸と北極星を結ぶ不動の宇宙の中心軸上に位置する「日光」から、自らが鎮守の神となり家康は江戸を見守り徳川家の未来永劫の繁栄を願っているのだというのです。

 あらゆる星を従えて夜空で不動の北極星を、大宇宙の中心とする信仰が平安時代からあったそうです。 

 また北は生命をコントロールする宇宙的な方角だそうです。

 ですから陽明門はおのずと南の太陽に照らされて、装飾された彫刻がさん然と輝く演出がなされているそうです。 

 深いなあ・・・。

 最初に1年だけ家康公の遺体が埋葬された、静岡の久能山の拝殿は当時、不死の山とされた霊峰富士山越しに日光を向いていて、久能山で拝礼すると「不死山」とともに、日光を拝むことになる、そういうラインもあると言われております。 

 さらにさらに家康の宇宙観は続きます。

 東照宮自身も四神相応が見られるのです。

 玄武が女峰山、青龍が稲荷川、朱雀に大谷川と稲荷川の合流点、白虎には中禅寺へ向かう道、鬼門に日光山を開山した勝道上人(しょうどうじょうにん)の開山堂、裏鬼門に黒衣の宰相と呼ばれて徳川家に仕え、日光を再興し東照宮を造り上げた天海僧正(てんかいそうじょう)が自らの墓「慈眼(じげん)堂」を設けたというのです。

 天海僧正は死して尚、家康に尽くしているというわけだそうです。

 陽明門は別名「日暮しの門」といわれます。 

 思わず見とれて日が暮れてしまう意味です。 

 その門の彫刻、ざっと508体だそうです!! 

 東照宮を全面的に建て替え、造営したのは家康を心から崇拝した3代将軍の家光。

 総工費は現代の価値で2000億円から7兆円とも言われる徳川家の威信を賭けた一大事業だったそうです。

 絵画部門だって責任者は狩野探幽(かのうたんゆう)ですから。

 その陽明門を支える12本の柱のうち、1本だけ逆さのものがあります。

 それは満月が欠け行く運命であるように、形あるものは完成した瞬間から崩壊が始まるために、わざと不完全にして完成させない配慮だそうです。

 なんて哲学的なんでしょう。深すぎる・・。

 そして次々に現れる彫刻、彫刻、彫刻・・・その数5000体以上に上るそうです。 

 そして極彩色(ごくさいしき)の色、色、色・・・。

 豪華絢爛、絢爛豪華。 


 それらの彫刻には意味がこめられているそうです。

 表門をくぐってすぐ左手の神厩舎(しんきゅうしゃ)には有名な「見ざる、聞かざる、言わざる」があります。 

 これはよく言われる処世術ではなく、幼児期に悪いものを、見ない、話さない、聞かないという教育の重要性を説いているそうです。

 武器を食べるとされる獏(ばく)は軍縮の象徴で、戦いのない平和を祈願してとのこと。

 また子供の遊ぶ彫刻も多く、家光公は子供が安心して遊べる世の中こそ、天下泰平と考えていたからだと。 

 また有名な「眠り猫」は家康公の眠る奥社の入り口で番をしており、猫が眠るほど平和であるというメッセージだそうです。

 さらにこの裏面にはすずめの彫刻があり、弱肉強食を否定して共存共栄の平和の象徴がここにも刻まれております。 

 拝殿の麒麟(きりん)と白沢(はくたく)は探幽の作とされ、善政のシンボルだそうです。

 また彩色はぼかしをつかい、金箔を張って盛り上げて立体感を出しています。

 原色の絵の具を混ぜ合わせないので、色の鮮度と明度が高くなるのは、西洋のルノワールなどの印象派が用いた技法と一緒ですね。 

 色は混ぜ合わせればあわせるほど、にごっていきますから、遠くから見たときにそれぞれの色が混じるように、混ぜ合わせない色で点状に描写したのが印象派です。

 陽明門をくぐる手前の左手には「鳴き龍」でおなじみの本地堂があります。

 そしてその家光は死後も家康公にお仕えすると遺言を残し、輪王寺に東照宮の方向に面して祀られております。



 他にも日光には、中禅寺湖、いろは坂、華厳の滝、戦場ヶ原・・・と、とても日帰りでは回りきれません。

 さすがに世界遺産に恥じない日本の宝だと思います。

 まさしく「日光を見ずして、結構というなかれ」(これもオヤジギャグっぽいなあ

美しい国日本の観光

2006年02月20日 14時01分10秒 | Weblog
 僕はここまで皇居→国会議事堂を通るコースで通勤しております。 

 「皇居」から「赤坂御所」、「神宮外苑」、「明治神宮」にいたるエリアはまさに世界遺産級だなと感じております。 

また建物の美しさも素晴しい。

まずはレンガ造りとして「東京駅」、
そして日によって皇居の南のEnde&Böckmannによる「法務省旧本館」か北の「東京国立近代美術館工芸館」を楽しみ、
それから「国会議事堂」や有名な岡田新一氏の設計によるめちゃくちゃかっこいい「最高裁判所」に目を奪われ、
丹下健三氏設計の「赤坂プリンス」を抜けて、
「カナダ大使館」のピラミッドを見て、
少し足を伸ばせば神宮外苑の「絵画館」や赤坂離宮の「迎賓館」、
また帰りのコースをライトアップされた「明治安田生命館」の隣を抜け、
「三井本館」や「日銀」コースにしてみたり、
「歌舞伎座」を通ってみたり。

 日本の建造物の美を感じながら。

 ただし思うに、観光の外国人が少なすぎますよねえ・・・。

 どうしたのでしょう、経済産業省、国交省、そして特に外務省の外交官の方は? 

 例え小さな政府にするにしても、日本にも観光省があったほうがいいくらいじゃないでしょうか。


 最近になってようやく、アジア人の観光客がぽつぽつと増えてきたような気がしますが。

 残念なことに皇居周辺で金髪の観光客はほとんど見かけません。 
 皇居前の広~い松の木の広場(和田倉噴水公園~楠 正成像までの皇居外苑広場:環境省所管)も、もう少しやりようがないのかなあ?

 何もない空間も贅沢だけれども、もう少し子供相手の楽しいことや観光客をひきつける催し物があってもいいような気がします。

 たとえば、
観光客や家族連れやカップルが東京駅で降りて、
丸の内の新しいビルの洒落たカフェでお茶をして
二重橋まで観光客専用道路(浅草のように両わきに土産物屋があってもいい)をゆっくり散歩をして、
そこから一日かけて皇居の周りを散策する。
すべての皇居の門に順番と特色をつけて、楽しみながら門を回れるようにする。
そしてその合間に法務省旧本館や国立近代美術館、最高裁判所を見学して、途中でランチを取りながら
千鳥が淵や北の丸公園の皇居の自然を探索できるようにして、
みんなで楽しめる憩いの場所になればいいと思います。 

 どう見ても排気ガスのために健康に有害そうで、体に悪いジョギングをしている方たちしか拝見いたしません。


 それ以外にも日本には京都・奈良をはじめ、日光、富士山、瀬戸内海、北海道、沖縄・・・これら世界に誇るべき観光資源がたくさんあるのに、どうして海外から、そして国内でも観光客を呼べないのでしょうか? 

 国内旅行より、グアム・ハワイのほうが料金が安いというのですから、国民からすればパラドックスです。 

 何かが間違ってはいませんか? 

 まさに観光後進国です。 

 何度も言っておりますが、若者と女性に人気のない文化はすたれてしまいます。

 どうして成田や羽田から直接ディズニーランドに直通電車を走らせ、海外からの観光客や国内のお客様をじゃんじゃん輸送できないのでしょうか? 

 ドラスティックな国家事業にする必要はないのでしょうか?
 
 浅草~お台場までにしても、せっかく日本情緒豊かな川くだりがあるのに、外国人が少なすぎると思います。

 屋形船も規制か何か知りませんが外に出れないし、外の景色がみづらすぎです。

 芝浦方面の水上バスの船着場のその後の公共交通手段のアクセスも悪いと思います。その上日本人の僕でさえ、船着場がわかりにくい。

 外国人観光客向けに、はとバスを使わなくても、「能→歌舞伎→浅草→大相撲(相撲の稽古を見学つき)→ちゃんこの格安セット」とか、国内航空運賃の外国人旅行者向けの低価格パックをつくって、知床から沖縄まで国内の世界遺産を全部見ていただくツアーの開発とかできないものでしょうか。 

 京都にしたって個人じゃ回りにくいことったらありゃしません。

 駐車場はないし。 

 西洋人は団体旅行なんかしませんよ。個人主義ですから 

 ガイドさんにピッピー笛吹かれて高い料金は払いません。

 レンタカーか電車で次はあっち行って、こう行けば回れますよ、こういうコースだと効率がいいですよ、みたいな案内や情報、看板が少なすぎだと思います。

 外国人がちょっと寺院で修行の体験ができるツアーや、仏教美術や国宝ももっと開放してわかりやすくするとか。

 海外からの観光客への真のサービスを本気で考えた方がいいですよね。

 東京歩いていても外国人に道すら尋ねられないもん。

 その点フランスやスペインをはじめヨーロッパでは観光客がたくさん街中にいるじゃないですか?

 よっぽど中国の方がしたたかで戦略的じゃないでしょうか?

 やっと小泉首相がブッシュを京都に招いて、金閣寺を見せていましたが、国際会議はどんどん京都でやった方がいいですよね。 

 世界にじゃんじゃんアピールして欲しいですし、それに足る美しい国ですよ、日本は。

 ゴルフ場にしても、スキーにしてもアジアの暑い国、寒い国からどんどん旅行客を呼ぶべきだと思うのです。

 日本人もどんどん積極的に海外からのお客様に街なかで接するべきで、そうすれば日本人に対するアジアからの偏見も取れていくと思うのです。



 先日、千葉の外房に行く機会がありましたが、こちらも開発の余地があるように感じました。 

 伊豆や箱根と比べても訪れたくなるような宿泊施設や郷土料理の話が聞こえてきません。 

 九十九里は色々な規制がありそうですが、観光との共存は可能だと思います。

 手つかずの自然は確かに大切ですが、あくまで共存を計画すれば。 

 その点を日本のお家芸にできないものでしょうか?

 そして千葉県はせっかくの温暖な気候なため、道端に育つ花がとっても色鮮やかなのですから、県全体で「花の国千葉」を目指せばどうでしょうか? 

 そのために各家庭に助成金を出して、自宅に花を植えていただき、道路にもたくさん花を植え、お花畑を増やして、首都圏からの旅行客を集めるのです。

 リタイアされた方のご協力を仰いでもよいと思います。

 地元の方もやりがいが出ると思います。 

 あれだけの海があるのに、都心から海水浴にも行きづらい印象があります。

 そのためには道路や列車のアクセスをもっと便利にして。

 最近のスキー場のように駅からすぐ海やホテルってわけにはいかないのでしょうか。 

 大規模なリゾート開発を行って、きれいなホテルを整備し、温泉でも掘って、遊園地つきでゴルフ場もあり、子供から大人まで、また成田から直通で海外からも集客する。

 「常磐ハワイアンセンター」を見習ってみてはどうでしょうか?

 堂本知事いかがでしょうか、僕のアイディアは・・・?

 言われなくても分かっているって??

マハティールの美学

2006年02月19日 17時35分03秒 | Weblog
 僕たちと同じアジアにマレーシアがあります。 

 最近では老後に移住、という日本人も多いようです。

 僕は残念ながら訪れたことはありませんが、マレーシアに色々興味があります。

 ひとつには、ポルノ禁止という点です。 

 以前に日本のポルノに対する意識がルーズすぎることを書きました。

 あってもいいと思いますが、大人として区別は毅然と行うべきだという趣旨です。 

 ところがマレーシアでは一切禁止です。 

 入国の際、少しでも裸の載っている週刊誌を持ち込むだけで没収となり恥をかくそうです。


 ふたつ目にはマハティール首相という人物です。 

 よく石原慎太郎本に出てきますが、知力と勇気と行動力を持った方だと思います。 

 一度マレーシアがジョージ=ソロスという一投機家の策略で通貨危機に陥り、国家破産の危機を迎えました。 

 一投機家が株の操作で一国を破産させるなんて、人情としては絶対に許せません。 

 違法性が仮になくても人間としてあるまじき行為だと思います。どうかしてるよ。 

 彼はポンドの売り浴びせでイングランド銀行を叩き潰したり、アメリカの証券会社のソロモン・ブラザーズの背後で動いて、日本市場のバブルを意図的に膨らませてはじけさせ、東京大暴落を招いた挙句に自分は数兆円を手にした人です。 

 アメリカはマレーシアに対してアジアの政治腐敗や人権問題や経済的不公正を攻撃し、IMFの管理下に入るよう例のごとくごり押ししてきましたが、なんとマハティールはつっぱねたのです。 

 アメリカこそ自分のことしか考えていないと断固譲らず、アメリカとソロス氏の裏のつながりを主張し反撃しました。 

 そして欧米の説得に応じずになんとIMFと反対の政策をとり、欧米から国家破滅の予想を受けさんざん叩かれながらも、自力で見事に財政を建て直して勝利したのです。 

 勝利した根拠である一番のお客さんはやはりアメリカであるという矛盾も抱え微妙ですが、マハティールさんもそれを自覚しながらアメリカ批判をしているそうです。詳しくは下記をご参照ください。

http://tanakanews.com/990721mahathir.htm

 
 日本人としてどうお考えになられますか?

 今後マレーシアは不動産バブルの影響が出てくるかもしれませんが、大人が毅然としている国はうらやましくも思えます。


 また、日本では評価の低い中国共産党ですが、本当にそうでしょうか? 

 民主主義が盲目的に礼賛されますが、果たしてこれがベストなのでしょうか?

 近年の中国の台頭を見ていると、アメリカの言うことを聞かないからこそ、あそこまで伸びたとも言えはしないでしょうか?

 アメリカの言うことを受け入れてしまった日本以外の国はことごとく失敗しております。 

 共産・社会主義や独裁政治はごめんですが、民主主義がすべて正しいのだというおごりはないでしょうか? 

 あるいはキリスト教社会のおごりはないでしょうか? 


 かつてイギリスのチャーチルは言いました。

 「民主主義は最低の制度だ、ただしその他のすべての制度を除いては」と。

 民主主義を否定するわけではありませんが、これを信仰のように信用しすぎて、自分たちの思考を停止することはよくないと思うのです。 

 民主主義や言論の自由という旗を振れば、他の人が大切にしているものを、おとしめて傷つけたり無理やり奪うことも許されると勘違いをしてはいないでしょうか? 

 デンマークの風刺漫画とイスラムの対立を見ていてそう思うのは僕だけではないでしょう。 

 暴力はいけないし、政教分離は至極当然だし、言論・表現の自由がない社会はいやですが、だからといって相手を恕(じょ)することなく、傷つけることを承知で言い放つのはどうなのでしょう。

 相手をおもんぱかる気持ちに欠けてはいないでしょうか? 

美しきアルハンブラ宮殿

2006年02月18日 21時33分47秒 | Weblog
逢坂 剛という作家がおります。

 この作家のスペインオタクぶりがまたすごい。 

 本当に日本人ですか?ってくらいのオタク、まさにお金の取れるオタク。

 直木賞作家であります。

 彼のスペインものに「カディスの赤い星」「斜影はるかな国」「イベリアの雷鳥」「遠ざかる祖国」「燃える地の果てに」「熱き血の誇り」・・・その他スペインものではない「あでやかな落日」「クリヴィツキー症候群」「カプグラの悪夢」「しのびよる月」「さまよえる脳髄」等々を読みましたが、はずれもあるけど面白いです。 

 「カディスの赤い星」はお薦めです。 

 スペインを一度だけ訪れたことがあるのですが、天才が育つ土壌とはまさにこの地のことだと実感しました。

 ハマる理由も理解できます。

 スペインの歴史は非常に複雑です。


 アルタミラの赤い牛の絵で有名なクロマニョン人の故郷であり、そもそもは北アフリカのイベリア族とケルト族による発祥ですが、そこにフェニキア人、ギリシア人が加わり、ローマ帝国の支配を受けラテンの血を引きます。 

 そこにゲルマン系の西ゴート族が侵入し、なんと8世紀から15世紀までの長きに渡りアラブ人(イスラム教)の支配を受け、1333年に有名なアルハンブラ宮殿が建設されます。

 以前NHKでこの美しき古城のアルハンブラ宮殿の特集があったときにも、逢坂剛さんが出演されておりました。

 まあこんだけ詳しいのですから。

 そのアルハンブラ宮殿に関しアメリカ公使館書記官のワシントン=アーヴィングが書いた「アルハンブラ物語」~講談社文庫~は時が止まったかのようにロマンティックで美しく一読の価値ありです。 

 月光を浴びる美しい宮殿の幻想や静寂、有名なライオンの中庭、築いたムハマド・アブ・アルアマール王ばかりではなく、最後の王ボアブディルの悲運についても追求され、土地の方が語る美しい話を散りばめ、そして外交官らしく知的に根拠をつきつめ・・・。

 クラシックギターでの美しい調べも有名ですよね。


 やがて北からキリスト教徒による国土回復運動(レコンキスタ:パレスチナでもあり)が南へと進みます。

 ちょうどその頃南部のアンダルシア地方のセビリアやグラナダからジプシーによってフラメンコが発生します。 

 ジプシーという呼び名は差別的な意味合いがあり、現在はロマという呼称が使われますが、インド北西部から西へと流れた民族です。


 1492年(コロンブスのアメリカ発見の年)にイスパニア王国がグラナダを陥落させ、その後16から17世紀は「黄金の世紀」といわれ「太陽の沈まぬ帝国」を迎えました。 

 ベラスケスが有名な「ラスメニーナス」を描いたのもこの頃です。

 許されることではありませんが、悲しいことにピサロがインカを滅ぼし、コルテスがアステカを征服しました。

 スペイン無敵艦隊がアルマダの海戦でイギリスに敗れ、イギリスはその後大英帝国として繁栄していきます。


 それからハプスブルグ家が隆盛し、1808年にはナポレオンに侵攻されました。

 ゴヤの有名な「モンクロアの銃殺」はこのときの絵。

 よく見ると無実の象徴である白い服を着た男性はキリストの象徴である手に丸い傷があり、左端の女性はマリア様といわれております。 

 他の芸術家にはバルセロナがあるカタルーニャ地方出身のピカソ、ガウディ、ダリがいます。


 さらにその後共和制と王制が繰り返され内戦へ突入、ドイツのヒットラーとイタリアのムッソリーニの支援を受けたフランコによる独裁を経て、フランコの死後王制復古し民主化が進みました。

 現在でもスペイン東北部とフランスにまたがるピレネー山麓のバスク地方に住むバスク民族では民族運動が行われ、「バスク祖国と自由 (ETA)」という急進派があり、バスク地方に自治権が付与されております。


 スペインの世界遺産は33もあるそうです。 

 サッカーはあんなに強いのにワールドカップではまだ優勝がありません。


 スペインを訪れた際に、ピカソの「ゲルニカ」の実物を見ました。

 昔からお気に入りでポスターを部屋に貼ったりしていたのですが、本物を見て仰天!! 

 あんなに大きいとは。

 これはみなさんご存知のように、フランコの要請でナチスドイツがスペインの平和な宗教の町「ゲルニカ」を空爆したことに怒りをこめて、ピカソが描いた20世紀最大の文化遺産と呼ばれる作品です。

 ピカソは「スペインに公共の自由が確立したときに」スペインに返すという条件をつけたために、フランコの死後返還されました。

 下記を参照してください。

http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/000408.htm


 これらをかる~く頭に入れてから、逢坂剛やアルハンブラ物語をお読みになられると、より楽しめると思います。
 
 僕が学生時代にスペインを訪れたときにも、当然フラメンコを見に行きましたが、街なかで少しやばめのおっさんに僕が肩を組まれて捕まってしまい、どこ行くんだみたいなことを聞いている様子だったので、フラメンコだと答えたところ、ポン引きでも襲撃でも無く、地元の人が良く行くぼったくりの無い安心な店まで親切に案内してくれました。 

 また、闘牛を見に行ってコーヒーを屋台で頼んだら、屋台の親父が何やら怒っているので、チップが足りないのかと思って慌てたら、そうではなくてチップが多すぎると言ってお金を返してくれました。 

 闘牛場で見た夕日の大きいこと、きれいなこと。 

 キャバレーでは舞台に上げられてしまい、ダンサーの人のアシスタントをやらされる羽目に・・・。 

 タクシーの運転手さんはずっと歌を歌いっぱなしだし、ラテンな人たちは楽しいです。 

 あの時はアルハンブラまでは行けなかったので、ぜひ今度は訪ねたいと思います。

理系の美意識

2006年02月16日 14時17分23秒 | Weblog
 当院ではにきび治療をメインのひとつにしておりますので、大学生もたくさん通院しておられます。 

 拝見しておりますと、女子学生、文系男子学生、理系男子学生にカテゴライズされそうです。

 女子学生はもっとも現実的で成熟しており、卒後の就職活動も積極的です。

 自己分析をしっかり行い、希望の就職先も決まっていて、大学の2年生くらいから先輩の会社訪問などを行い、面接やその他の準備に余念がありません。

 本当にしっかりしており感心します。 

 文系男子学生も大学生活をとっても謳歌したからなのか、卒後の就職にはそれなりに下調べも行い敏感です。

 さて、理系男子学生は(僕もそうですが)・・・?

 一番のんびりしていて夢想家が多く、専門知識以外にはどこか頼りなくうぶで、逆に僕としてはわかりやすいです・・。 

 もっと世間ずれしろよ、とも思いますが・・

 長所でも短所でもありますね。

 この時期、男女間の精神年齢差は非常に大きい。



 栃木県の茂木ツインリンクというサーキット場に、ホンダの展示場(?)があります。

 そこにASIMO君という有名なロボットがおります。 

 最初テレビCMで見て、僕はびっくらこきまくりました。 

 それまでロボット市場でホンダの名前は知らなかったのですが、いきなりの登場でCGかと思ってしまいました。

 本物を見てさらにびっくり!! 

 もっと小型化され、階段歩行やダンスから後方進行まで。そのうち走ってジャンプしそうです。

 ホンダの技術力に驚嘆するとともに、日本のものづくり会社のポテンシャルに感動しました。

 「ちっちっち、HONDAがちょっと本気を出せばこの通りだぜ」っていうような余裕シャクシャクみたいなインパクトを感じました。 

 一方SONYではAIBO君が生産中止になるそうで、ちょっとさびしく思います。

 また慶応大学では、学生が主体となって電気自動車のEllicaを開発しております。 

 これがまたスゴイ!! 

 時速190kmはクリアし、なんと時速400kmに挑むとのことです。 

 しかも100円で100km走行させようとしているらしいですから、まさに夢の車ですね。

 コンセプトはヨットのカタマランかあ。

 たまらんぜ。 

 今から25年近く前の話ですが、ラジコン電動カーでタミヤのタイレルフォードというのがあり、それが6輪でメカメカしくてかっこいいなと思いましたが、これは8輪です。

 でもスタイルはちょっと虫っぽいしカッコ悪いぞ! 

 検討の余地があると思いますが、HPを参照してください。

 また理系が作るHPなのでカッコイイ。

http://www.eliica.com/

 すべての大学生の皆さんにエールを送りたいと思います 

 学生が元気だと社会に活気が出ます 

 君たちに期待しています 

 でも大学は勉強するところだぞ(社会勉強は必要だけれど、コンパとバイトのためにあるのではないからね

 今は大学受験も文系の方が人気があるそうですし、メーカよりも他の文系企業の方が勢いがありますが、理系も元気だと同じ理系としてはうれしくなります。 

 理系のうぶな学生および技術系の諸君も頑張れ! 

 日本のものづくりの一部は君たち夢想家の双肩が担うのだ。

ラピスラズリの美

2006年02月15日 16時42分04秒 | Weblog
 フランス人作家のクリスチャン=ジャックは、超ワンパターンなエジプト物を得意としております。 

 「太陽の王ラムセス」「ピラミッドの暗殺者」「光の石伝説」「自由の王妃アアヘテプ物語」があります。 

 しかしこっれがねえ、ハマるとやめられませ~ん。 

 めっちゃくっちゃ面白いですよ 

 同じような手法としての世界的ベストセラーに、ドラマティックでワールドワイドな展開なのにさらりと易しく読めるシドニー=シェルダンや、女性検死官ケイ=スカーペッタを主人公とする連載物語のパトリシア=コーンウェルがいますが、僕はひと通り読んではみましたがハマれませんでした。 

 前者は展開がダイナミックすぎて逆に軽薄に感じたり、あまりに現実離れしており、また心理描写が少ないこと。

 後者は僕の好きな陰鬱さと異なる暗さ(ただただ暴力的で残虐的な暗さ・・現実的過ぎる暴力)がなじめないのです。 

 中学高校時代にも同じような体験があり、星 新一氏のショートショートがはやりましたが、僕はハマれず小松左京氏や筒井康隆氏、半村 良氏にハマって読み漁っていました。 

 星 新一さんって、星薬科大学の創立者の息子さんで東大出身なんですよね、確か。

 お坊ちゃんだから健全すぎてハマらなかったのかあ。 

 でもクリスチャン=ジャックの書くエジプト物も、別段暴力的でもないし、狂人でもないし(僕が好むものにしては珍しく)、偏狂的でもなくこれはいたってノーマル。 

 勧善懲悪の水戸黄門のようです。

 やっぱり古代遺跡オタクがハマる要素なんでしょうかねえ。

 ラムセスⅡ世はとってもカッコイイ。

 このかっこよさにはハマりますよ~。 

 なんたって5巻もあるのですが、読んでいて段々残りが少なくなってくると、終わってしまうのがもったいなくて、わざと読むペースを落としたくなるくらい面白い。 

 カタカナがまるでダメな母親に読ませたけれども、やはりハマったらしい。

 非常に痛快でたまりません。

 ぜひみなさんもハマってみてください。



 この小説にも何度も出てきますが、ラムセスを色にたとえるとアフガニスタン原産の「ラピスラズリ」が連想されます。 

 この青はたまらない青さです。 

 ツタンカーメンのマスクの青でも有名ですが、イスラムのモスクにも多数使われております。

 オシリスというエジプトの天空と冥界の神の石とされております。

 この石を砕いて使った顔料を「ウルトラマリン」と呼びますが、非常に高価だったため、聖母マリア様の服の色に使われたので、「マドンナブルー」と呼ばれることもあります。 

 日本名は「瑠璃(るり)」。

 そのぐんじょう色は青が集まる色(群青)。

 仏教では7宝のひとつ。

 日本では今でも最高の青のはずです。

 下記をご参照されると楽しいですよ。

http://www.cromagnon.net/whatsnew/topics/stn_lapis.htm

銀幕の美男子

2006年02月14日 11時53分48秒 | Weblog
 男性がこのブログの話題上ることが多いですけれども、僕は別段、男色家ではありません、ちなみに。

 今日もまた男の話題で恐縮ですが、銀幕の世界でのカッコイイ、美しい男としては、アラン=ドロンとアル=パチーノをあげたいと思います。

 アラン=ドロンは古典的な「美男子」ということばがぴったりです。

 特に出世作の「太陽がいっぱい」では、大変美しい景色と、とっても美しい音楽と、とってもいかがわしいアラン=ドロンの組み合わせが抜群ですよね。 

 僕が大好きなカミュの「異邦人」を連想させるんだよなあ、なんとなく。 

 そして大御所ジャン=ギャバンとの共演、「地下室のメロディ」では、若い新参者のくせにむしろジャン=ギャバンを食ってしまうほどの冷たい冷たい存在感。 

 ジャンが演じているのに、部屋の片隅にアラン=ドロンが入ってくると、もうそこはアラン=ドロンのいかがわしい世界に。

 この映画も音楽が抜群。 


 やはり詐欺師とかマダムを誘惑するうさん臭い小悪党をやらせたら、彼の右に出るものはいません。 

 彼も銀幕にデビューする前は、外人部隊に入隊してアジアに来ていたり、放浪したり、拳銃不法所持でパクられたり・・・ 

 そうでしょう、そうでしょう。 

 その後もさまざまなスキャンダルで世間をにぎわせておりましたが、まさにスターの典型ではないでしょうか?



 アル=パチーノはやっぱりぎりぎりのかっこよさです。これ以上いっちゃうとただの悪趣味になっちゃう一歩手前のかっこよさ。 

 コッポラ監督の「ゴッド ファーザー」は言うまでもなく、ギャング映画としては最高の、いやアメリカ映画No.1と言ってもいいかもしれません。 

 特に1作目の馬の頭は強烈でしたよね。

 そしてあの哀愁漂う音楽もいい。

 アル=パチーノ演じるドンの息子としての苦悩も渋い。 

 ブライアン=デ=パルマ監督とのコンビでの「スカーフェイス」や「カリートの道」で見せる、やすっぽいチンピラぶりもたまらなくカッコイイ。 

 せっかくのデニーロとの共演だったのに「ヒート」は二人の演技上の駆け引きや心理描写の演出が少なくいまひとつでしたが。 

 ジーン=ハックマンとの「スケアクロウ」は秀逸です。


 こういう枯れた不良おじさんを目指したいものです。

企業倫理という美徳

2006年02月13日 16時47分12秒 | Weblog
 当院の2軒隣りで青山一丁目駅の交差点のとこに、白いホンダの本社ビルがあります。 

 みなさん、今度当院に来られる際に、このビルを良く見てみてください。 

 窓にバルコニーのようなものが各階それぞれ取り付けられているでしょ?

 これ、何でだかご存知ですか?

 これは創始者の本田宗一郎氏が、「企業たるもの一般市民にご迷惑をかけてはならない」と、万が一地震が起きた際に窓が壊れて直下の通行人を直撃することがないような配慮だそうです。 

 昔この話を耳にして、すごい方だと感心したものですが、先日真偽のほどをたまたま社員の方が当院を受診されたのでお伺いしたところ、「いや~、知っているのは当社の社員だけだと思ってましたよ。」と言っておられたので間違いなさそうです。

 また、氏は「車屋が交通渋滞を起こして世間様に迷惑をかけてはいけない」と、「自分の葬儀を社葬にするな」と命じていたそうです。 

 さらには「社長なんて包丁盲腸と一緒だ、単なる命令系統上の記号に過ぎない」としれっとしていたそうです。 

 彼は自分の作ったバイクで命を落とす若者を気に病んで、二輪よりも四輪に情熱が移っていったそうです。

 その際、官僚に反対されましたが、あくまで氏は自由競争こそが産業発展の道であり、官僚による保護政策ではダメだ!とつっぱね、天皇といわれるほど権力を持っていた当時の通産省事務次官に「ホンダが四輪で成功したら切腹しろ!」とたんかをきったそうです。 

 おそらく当時の官僚は今のように私利私欲や天下り先の確保のためではなく、純粋に海外企業に負けないための官僚主導による日本独自の経済政策として、保護政策を画策したのでしょうけれども。それにしてもすごい。 

 ホンダの社員の方々は現在でも、よく観察していますと奉仕活動として、当院の周辺の道路を子供たちと一緒にお掃除をしています。

 氏のDNAがちゃんと根付いております。 

 こういう良い所をマスコミはきちんと報道して欲しいものです。



 川崎製鉄の西山弥太郎氏も日本経済発展に寄与した偉大な社長です。

 学校では教えてくれませんでしたが。 

 彼の行った千葉に高炉を作る計画は法王と呼ばれた日銀総裁をはじめ、各方面から「蛮勇、無謀」のレッテルを貼られましたが、緻密な計算と大胆な胆力で成功させたのです。 

 まさに日本の高度成長の礎を築いた偉人です。



 また経営の神様と言われる松下電器、ナショナル、パナソニックの創始者、松下幸之助氏は私財を投じて有名な松下政経塾を開校しました。 

 ご存知のように、松下塾出身の政治家はざっと見渡しても、逢沢氏、野田氏、高市氏、前原氏、原口氏、松沢氏、中田氏・・・衆議院議員28名と、今やあの早稲田大学雄弁会と双璧をなし、選挙に勝つための塾と揶揄されるほどに躍進しております。 

 ここにも社長の精神が引き継がれ、今でも社会的責任を果たし続けております。



 さらにはこんなに便利になったクロネコヤマトの宅急便の創始者の小倉昌男氏の行動力も素晴しい。

 まだまだ知名度は高くありませんが、後世評価は高まることでしょう。 

 「サービスが先、利益は後」を合言葉に、官僚の嫌がらせにも屈せず、管理行政を相手どって裁判を行うという前代未聞の反逆を行った末、今日取りに来てもらって出した荷物が明日届くという、郵便では考えられなかった便利さを僕たちは利用できるようになったのです。



 優れた企業家の優れた胆力は次代に引き継がれ、確実に根ざすものです。 

 当院に通勤するたび、このホンダビルを見上げ、誠に尊敬すべき偉人であり企業家であり、そういう企業は企業倫理が徹底しているものだ、と思うのです。

カリブの青と河津桜の美

2006年02月12日 13時50分37秒 | Weblog
 ブログが青になり、読みやすくなったとご連絡を頂戴しました。

 それを機に、少し季節はずれなのですが、今までで一番びっくりした「青色」について。

 僕は大学時代にヨット部でした。 日本海でディンギーに乗っていました。 日本海の海は「エメラルド色」。 

 風を受けてディンギーで海を滑っていると、高中正義さんの「blue lagoon」がぴったり。 

 何年たっても名曲ですね。 

 イントロがざっパーンと波しぶき 

 すぐにギターの主旋律が風をとらえ海を滑り 

 途中の間奏では音符がすばしっこいカラフルな熱帯魚となり 

 後半のギターソロではイルカか人魚が楽しそうに泳いでいるかのごとく、文字通りギターが泣きまくり、まるでメロディが生きているようです

 ディンギーは乗ったことのない方には伝えにくいのですが、本当に気持ちが良くて、本来痛いくらい暑いはずの真夏の日差しが、波しぶきで濡れて風を受けるためまったく暑く感じないのですよ。 

 最近はまったくヨットに乗らなくなりましたが、海が嫌いなはずがありません。 

 ハワイや沖縄の海はきれいだなと思いますが、どちらかといえば「透明な青」。初めて見たカリブ海の色にびっくりしました。腰抜かすかと思うくらい衝撃的でした。 

 あの青さは何なのでしょうか? 

 怖気づくくらい青くて美しかった。 

 「青が青よりも青い」のですよ!! 

 チャン=イーモウ監督の色彩の魔術のように 

 海の色の見え方は、サンゴと砂の色や深さ、大気の状態や空の色などで変わるのでしょうが・・・

 誰か教えてください!「色」好きの僕にはたまらない青さでした。

 さらに、その青に中南米の独特の鮮やかな色使い。あまりにカラフル過ぎて、日本人の僕には目がしびれ脳が溺れそうになりましたが。

 

 2月に満開になるので有名な伊豆、河津桜の「ピンク色」も言葉が要らないくらい素晴しい。 

 通常の染井吉野より、ピンクの色が濃く、ちょうどセレッソ大阪のような色。これが満開の菜の花の黄色とともに咲き誇り、これにもびっくり!! 

 川沿いに、「ピンク」、「黄色」、「黄緑色」の大行進。 

 道端の木々には野生のメジロがさえずります。そしてあちこちに名物吊るし雛が。 

 あの時期あの場所は桃源郷ですね。 

 母親を連れて行けたので、いい親孝行ができたと思います。 

 お勧め、太鼓判!下記をどうぞ参照されてください。
http://www.kawazuzakura.net/html/sakurafaq.html



 さらに色で言えば、ハワイ島の溶岩の「こげ茶」と海の「青」の組み合わせ。これがねえ、また絶妙です。 

 真っ黒じゃなくて、限りなく黒に近い茶色に、あのblueのコントラストが美しいんですよね。 

 それにあの独特の「ホーロロ」って鳴く鳥の鳴き声と波の音、独特の甘いにおい、ほほに感じる涼風、そしてあの太陽の組み合わせ。 

 あー五感いっぱいの極楽。 

 ちなみにハワイにはセミはいないのかなあ・・。日本のじとーっとした夏には、あのセミの鳴き声が暑さを助長し、まあそれはそれで風流なもんですが、聴いたことが無いなあ・・。