人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

教育論

2005-01-31 00:40:40 | 読者からのリクエスト
Mさんからの(少し昔の)リクエストです。

人は楽しかったり、理解できたり、想像できることであると現在していること・読んでいることを持続したいと思うものです。マンガは5冊連続しても読めるのに、国語辞典となると5ページと続きませんよね。大人の間に最近、算数や国語のドリルが流行っていますが、理解できて楽しいと思うからこそ(昔はあんなに嫌がっていたのに)自分から進んで問題を解こうと思うわけです。

「まず子供に、学習の楽しさを教えることが大事」と良く言われます。学ぶことが楽しいと思えるのは素晴らしいことです。しかし、「学習の過程」を楽しむ人は少数です。

反面、「学習の結果」を楽しむ人は大多数を占めるといえます。とすれば、その「学習の結果」をより楽しませる方法があれば、必然的にその前提となる「学習の過程」についても積極的になれるのではないでしょうか。とすれば問題点として、子供の「やる気のなさ」より、まずその知識を使う場の欠如を挙げるべきではないでしょうか。

たとえば、高校の試験勉強のため「膵臓」(すいぞう)「鰤」(ぶり)「薔薇」(ばら)という漢字が書けるようになる必要があったとしましょう。無関係かつ複雑な漢字なので、3つならともかく、これが30もあったとしたらこれらを暗記するのはつまらない作業でしょう。

しかしこれらを覚えた翌週のデートで、偶然「鰤の薔薇の蕾和え」というメニューがあり、「膵臓の機能を高める効果がある」との説明が付記してあったとします(なんだそりゃ)。その場で漢字の知識をアピールし、相手の女の子に「わぁー、すっごーい☆」と言われたら漢字を覚えてよかったと思えますよね。更に漢字を覚えよう、と思うのではないでしょうか。

このように、学習は長期に及ぶものですが(大学卒業まで、幼稚園を含めば19年!)、人はやはり短期的な結果を求めてしまうもの。子供ならなおさらで、明日ケーキ2つもらうより今日ケーキ1つもらった方が喜んでしまうこともあるでしょう。だとしたら、試験など以外にも、学習の結果をアピールする場を作ることが大事なのではないでしょうか。

具体的な方法は学生によって異なりますが、学校が考えてくれないのなら学校外で考えるしかない。子供がいる方々は、独自に「勉強の結果を披露させてあげる方法」を考えてみてください。そして自分の学習についても、モチベーションを保つためにも、好奇心を増幅させるためにも、そのような場を積極的に探してみてください。

2 コメント

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Unknown (MT)
2005-01-31 10:55:26
なるほど。納得。「学習の”結果”を楽しむからこそ、過程を楽しめる」とはかなり納得!これまで、学習の過程を楽しむなんてキレイ事じゃないの?という気がしてましたが。

高校時代、大学入試を目的に勉強してしまい、その内容が全く記憶に残っていないんですよね。同じ勉強するなら、”知ってることが多いほうが人生が楽しくなる"という長期的視点のようでいて実は短期の視点を持つとやる気がわきそうです。
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好奇心 (M)
2005-02-08 17:21:43
たっく、リクエストに応えてくれてありがとう☆



"学ぶことは最高のエンターテイメントだ"と言った人がいます。これが理由で、本屋さん、文化センター、各種勉強会に通う人が絶えないのでしょうか。



「学習するとこんなにも楽しいんだっ!」っていう気持ちでいっぱいになる場を、たくさん、たくさん作りたいですね。



  
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