【衆院選】:政権の試金石、3補選告示まで1か月…自民擁立1選挙区のみ・野党「政治とカネ」攻勢
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【衆院選】:政権の試金石、3補選告示まで1か月…自民擁立1選挙区のみ・野党「政治とカネ」攻勢
衆院東京15区、島根1区、長崎3区の3補欠選挙(4月28日投開票)の告示まで16日で1か月となる。自民党派閥による政治資金規正法違反事件後、初めての国政選挙となり、岸田政権の今後を占う試金石となる。逆風を受けて2補選で候補者擁立に至っていない自民に対し、野党は「政治とカネ」を巡る問題で攻勢を強める構えだ。
■島根1区補選、政治資金問題で自民に逆風…立民は幹部投入で「牙城」に攻勢
◆公明注視
公明党の石井幹事長は15日の記者会見で「大変厳しい状況だ。まずは自民党が3補選にどう臨むのかを見守りたい」と述べた。連立政権を組む自民の対応を注視する考えを示したものだ。
![](https://www.yomiuri.co.jp/media/2024/03/20240315-OYT1I50185-1.jpg?type=large)
東京15区は柿沢未途・前法務副大臣(自民を離党)の議員辞職、島根1区は細田博之・前衆院議長の死去、長崎3区は同法違反事件で有罪が確定した谷川弥一氏の議員辞職を受けて、それぞれ実施される。自民が擁立を決めたのは島根だけで、東京と長崎では対応が決まっていない。
自民内では「3補選で全敗すれば、岸田首相の求心力低下は避けられない。首相の衆院解散戦略や9月の自民総裁選にも影響するだろう」(中堅)との声がもっぱらだ。このため、党公認候補の擁立を見送ったり、あえて「不戦敗」を選んだりすることで、自民の「負け」を減らす必要があるとの意見が出ている。
東京15区では、小池百合子東京都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」と相乗りする案も取り沙汰されている。自民幹部は「自公と都民ファの3者で連携できる態勢を作ることができれば、勝利の可能性がある」と語る。
長崎県内では、衆院小選挙区の「10増10減」で小選挙区数が次期衆院選で4から3に減る。新1~3区の自民候補がすでに決まっていることもあり、主戦論は影をひそめている。
■島根1区補選、政治資金問題で自民に逆風…立民は幹部投入で「牙城」に攻勢
自民は、保守王国の島根1区で議席を死守したい考えだが、「政治とカネ」の問題が直撃する。党島根県連関係者は「どこに行っても有権者の反応が厳しい」とこぼす。
◆衆院選にらみ
これに対し、野党各党は「政治とカネ」を争点化し、議席奪取を目指す。
立憲民主党の岡田幹事長は15日、補選について「政権に対する評価でもあり、しっかり結果を出していきたい」と党本部で記者団に語った。立民は島根と長崎で公認候補を擁立し、東京も選考作業を進めている。
これに先立ち、岡田氏は連合の芳野友子会長との会談で、「首相は6月中に起死回生の(衆院)解散を打つ可能性はかなりある」と指摘した。次期衆院選に向け、日本維新の会を含む野党候補を一本化すべきだとの認識も示した。立民は今回の補選で勝利し、次期衆院選にも弾みをつけたい考えだ。泉代表は新型コロナウイルスに感染したため、この日の会談を欠席した。
東京と長崎に独自候補を立てる維新の馬場代表は15日、鳥取市内で記者団に「(補選は)新しい政治を作っていくために自分たちの考えを訴えていく」と語り、補選での野党候補の一本化を否定した。共産党は東京と島根で候補を擁立する予定だ。
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元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政局・選挙・衆院東京15区、島根1区、長崎3区の3補欠選挙(4月28日投開票)】 2024年03月16日 07:18:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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