【政界地獄耳・07.24】:おめでたい「ミッション型内閣」野党には“制度疲労”をリセットする気概ないのか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・07.24】:おめでたい「ミッション型内閣」野党には“制度疲労”をリセットする気概ないのか
★自民党は組閣のたびに、「なぜこの人がこの役所の大臣になるのか」ということがある。無論、無名ながらも専門性の強い議員もいるが、多くは引退間近ながら入閣経験なく最後に“思い出入閣”する議員もいる。当然、答弁も不安定で与野党から失笑が漏れるが、その程度でも政権は維持される。霞が関の官僚と自民党が支えれば、そんな大臣でも国民は慣れてしまったのか怒らなくなった。この程度でいいなら、どんな内閣ができても国民は受け入れるのか。
★立憲民主党代表・泉健太が春先から提唱している「ミッション型内閣」。多くの国民は知らない。野党各党で一致できる施策だけを共通政策にし、その実現に絞った連立政権を作るという。外交・防衛、社会保障などの根幹を担う政策は自民、公明両党の政権の政策を踏襲するという。つまり第2自民党亜流内閣を野党で作ってみるというプランだ。これで政権を取ろうというのだからおめでたい。これでは外交・防衛、社会保障を各委員会で議論しても政府与党の政策に野党は反対しないということだろう。だったら閣僚も自民党でいいではないか。選挙を含めた野党間の連携強化のための誘い水だが、それで集まる他の野党がいるのだろうか。野党にはもう1つの日本、今までの日本の“制度疲労”をリセットするという気概や覚悟はないのだろうか。絶えず政府与党の政策をチェックしながら全く違う発想のプランを考えてみようと思わないのだろうか。逆に外交・防衛、社会保障の政策を持たない野党政権に誰が興味を持つのだろうか。
★野党がまとまることに注力したり、国民に嫌われないようにするより、戦後政治に染み付いた慣例や慣習をぶち壊し、めんどくさがる官僚をも着手せざるを得ぬような、現政権や国民をあっと驚かす政策をぶち上げて国民をその気にさせてほしい。貧困な政治家の貧困な政策に興味はない。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年07月24日 07:12:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。