【政界地獄耳・07.04】:大ベテラン船田元の声は自民党に届くか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・07.04】:大ベテラン船田元の声は自民党に届くか
★1日、自民党衆院議員総会長・船田元は公式サイトに「(今国会で)政治資金規正法の改正案を成立させることができた。しかし政治活動には一定のお金がかかり、それを確保しなければならないという現実の課題と、あくまで政治資金は透明でなければならないという理想のはざまで苦しみ、自民党の改革案は提出も遅れ、中身も十分ではなかった」と記した。
★続けて船田は「ところが国会終了後、岸田総理に対して身内から退陣を迫る発言や、その責任を問う発言が飛び出したが、それは9月の自民党総裁選挙をにらんだ、アドバルーンを挙げるという意味合いを持つ。しかし私が見たところ、岸田総理は、一連の政治改革の動きの中で、常に率先して動いてきたと思う。政治改革案の取りまとめでも公明党や維新の会との交渉に汗をかき、自らの派閥である名門・宏池会を真っ先に解散。政治倫理審査会にも率先して出席し、5人組の出席を促すきっかけを作った。政治改革に不熱心であるとか、責任をとってないとの批判は当たらない」と岸田責任論を唱える前首相・菅義偉らをけん制し、「岸田総理は、実はこれまでに相当な成果を挙げている。防衛予算の大幅増額は歴代内閣がなしえなかったこと。子ども・子育て予算の増額、経済安全保障の枠組み構築もしかりである」と岸田の功績をつづった。
★船田は当選13回の大ベテランだが、閣僚経験は宮沢内閣で最年少入閣となった経企庁長官のみ。野党に転じたこともあるが、自民党内にいながら党への苦言が多く、時の幹部から「党に批判的」と思われてきた。だが、それがベテランとしての誇りだった。国民の声を拾い、保守政治の王道を歩もうとする先人にならった発言だ。ブログの文末には「せっかく政治改革法案が通ったのだから、それを着実に実行するための仕組みや組織をつくること。また、残された課題について与党内や各党間で議論検討の場を設けることを着実にやり、信頼回復のための一歩を踏み出すべきである」とある。自民党こそが船田の声に耳を傾けるべきではないか。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2024年07月04日 08:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。