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●《「核のごみ」を困窮する自治体に》…上田文雄さん《世代間の倫理としても未来に対して弁明できないほど、とてつもないことをしようとしている》

2024年05月19日 00時00分49秒 | Weblog

[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]


(2024年05月16日[木])
いつも思うのですが、足抜けできるのかねぇ…NUMOにからめとられて、カネにものをいわせて底なし沼に引きずり込まれるのでは? (こちら特報部)《上田文雄さん…は「…すきを見せた瞬間に全てをなし崩しにするのが国の常とう手段」と語る》。さらに、《「非常に姑息(こそく)と感じるのは選定地を選ぶ道筋。地域振興のアメを見せて小さな自治体に手を上げさせ自治体の意思に従ってやっているように見せるいったん手を挙げると抜け出せない悪徳商法の手法に似ている。経済的に困窮する地域を札束でひっぱたくやり方があらわになっている」》。さらにさらに、《「そもそも2000年制定の最終処分法は、10万年の管理が必要という最終処分を『地質条件に対応した人工障壁を設計すれば安全』という根拠のないことを前提にした欠陥法。多くの地質学者が指摘するように、寿都と神恵内の地層からみても適地であるはずがない」と憤る》。また、《「核のごみと対馬を考える会」の上原正行代表…「文献調査の鍵をひとたび開けてしまえば、国側はお金を使い、ごり押しで進めてくる」とし「原発を止めることもせず、何本を地層に埋めるか全体像も分からないまま進めれば、あまりに未来に示しがつかない」と語気を強めた》。

 木原育子記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「核のごみ」を困窮する自治体に…まるで「悪徳商法」 脱原発依存を貫く元札幌市長、「国のやり方」に警鐘】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/326855?rct=tokuhou)によると、《原発が出す高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」を巡り、佐賀県玄海町が第1段階の「文献調査」を受け入れる考えを表明するなど、フェーズが変わりつつある。地域の問題にとどまらない命題をどう捉えたらいいか。他地域に先駆けて調査が進む北海道で「脱原発依存」の旗印となってきた元札幌市長の上田文雄さん(75)に話を聞いた。(木原育子)》

   『●原発を動かすということ: 一握りが儲かり、日本・世界中が迷惑する話
    《核のごみ 権益守る? 最終処分場 町の一握り誘致推進 
     …二〇一一年秋、北海道北部にある人口約二千六百人の小さな町・
     幌延町(ほろのべちょう)の飲食店で、町議の佐々木忠光(62)が
     突然、「原発の事故があったばかりだぞ。何を考えているんだ」
     と声を荒らげた。町には、核のごみの最終処分技術の研究をする
     日本原子力研究開発機構深地層研究センターがある。佐々木は、
     センターの「今後を考える」会に誘われたのだった。
     「今後を考える」とは、最終処分場の誘致も視野に話そうとの意味だ》


 申し訳ないのだが、愚かな選択だと思わざるを得ない。(こちら特報部)《核のごみを巡る文献調査を受け入れた北海道寿都町神恵内村はそれぞれ、2021年度と22年度に10億円ずつ、計20億円の交付金を得たが、すでに多くを使い果たした》、《概要調査に入ると最大70億円が交付される》。佐賀県玄海町脇山伸太郎町長は交付金については関係ない、と嘯きます。関係が無いのなら、交付金など貰わなければいい。
 投票しない、または、自公お維に投票してしまうと… ➙ 空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)。
 《フィンランド処分場が建設中だが、硬く安定した地層という》…我が国では、無理。地震大国地震列島に「10,0000年」「100,0000年」に渡り地殻変動が無く、地下水と遮断できる「オンカロ」は存在しないし、存在し得ない。もともとこんな愚かな技術に頼ってはいけなかった。能登半島地震の前、2023年《昨年10月、地球科学の専門家有志約300人が処分地の選定を巡り「(国内で)地震の影響を受けない安定した場所を選ぶのは不可能」との声明を出した》(東京新聞)。ここでも、能登半島地震の「警告」を無視しようとしている。

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
        …空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます
   『●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させて
     いただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ
     増を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放出
      先どこにするのかなんてナンセンス…しかも、《被爆地の長崎》で…
    「「防人の島」の《町民の皆さんがその道を選んだ》のですか?
     足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を
     突っ込み、抜け出られなくなるのではないか。しかも、被爆地の
     ナガサキで。《改めて誘致が浮上した背景には「深刻化する人口減少、
     最近までの日韓関係の悪化、観光需要の落ち込み」があるという》
     …意味が分からない? そんな理由で死の灰を受け入れるの?」

   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●山口県上関町…《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ
     捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》
   『●《「まるで反社以下の関電」…今も経済産業省と岸田政権に守られてぬく
      ぬくと生き延びている》《関電と経産省、岸田総理は「亡国トリオ」》
   『●長崎県対馬市長、《文献調査…「市民の合意形成が不十分だ」…処分場に
     ついて「将来的な想定外の要因による危険性が排除できない」とも語った》
   『●破綻した核燃サイクル、中間貯蔵施設は最終処分場と化す…使用済み核燃料
      プールの現状は? どこを最終処分場にするかの議論の前にやることは?
   『●トイレなきマンション問題を放置し、「原発復権」「原発回帰」する
     キシダメ政権…早晩、核燃料の交換ができず核発電は動かせなくなる
   『●NUMO「文献調査」の巨額な《原発マネー》に蝟集しても、空虚な《地域
      振興》に終わるだけで、何の解決策にもならずに地域が分断されるだけ

 古賀茂明さん《四つ目は核のゴミだ。原発のゴミも適切に処分できるんですよね、と社長に聞く。社長が頷いたら、「では、1カ月以内に最終処分までの計画を出してください」と言う。それは無理だというだろうから、では1年待つと言って、議論を終わる。これで、全ての原発は動かなくなり、廃炉するしかなくなる。国民の前で、ちゃんと議論すれば止めろと言わずに止めるのは簡単だ。新政権には、是非そうした議論をして欲しい》。
 空虚な《地域振興》ではないのか? トイレなきマンションの、まずはトイレからの垂れ流しを止めてからの議論開始ではないのか?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/326855?rct=tokuhou

こちら特報部
「核のごみ」を困窮する自治体に…まるで「悪徳商法」 脱原発依存を貫く元札幌市長、「国のやり方」に警鐘
2024年5月14日 12時00分

 原発が出す高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」を巡り、佐賀県玄海町が第1段階の「文献調査」を受け入れる考えを表明するなど、フェーズが変わりつつある。地域の問題にとどまらない命題をどう捉えたらいいか。他地域に先駆けて調査が進む北海道で「脱原発依存」の旗印となってきた元札幌市長の上田文雄さん(75)に話を聞いた。(木原育子


◆「非対等性」を見せつける社会問題

     (北海道電力泊原発(2020年撮影))

 「利益を受ける人と、そうではない人。非対等性をこれほど見せつけられる社会問題はない」。上田さんが語気を強めた。もちろん原発のことだ。

 上田さんは2003年から12年間札幌市長を務めた一方、非正規労働者を対象にした労働訴訟などを扱う人権派弁護士の顔も持つ。

 原発問題との関わりも、労働問題の延長線上にあった。弁護士になりたてだった1978年、北海道電力が発電所位置を内陸部から泊海岸泊村)へと変更。労働者らが反原発運動に傾倒する中、上田さんが関わるのも必然の流れだった。


◆高レベル廃棄物施設「押しつけ」に反対

     (「核のごみ」の向き合い方について話す上田さん
      =札幌市内で)

 1980年代には高レベル放射性廃棄物の関連施設を巡る国の建設計画が活発化。北海道北部の幌延(ほろのべ)町は84年、貯蔵工学センター計画の誘致に手を挙げた。

 危機感を抱いた上田さんは86年、長崎に投下された原爆のプルトニウムが製造された米ワシントン州ハンフォードの核廃棄物処分研究施設などを歴訪。こう考えるに至った。「簡単なポンチ絵を描き、お金をどんどんつぎ込んで、過疎の村に押しつけようという企(たくら)みだとはっきり分かった」。以後は幌延問題で誘致反対運動を率いた。


◆「すきを見せた瞬間、国は全てなし崩しにする」

 潮目が変わったのが2000年。核廃棄物の持ち込みは受け入れ難い」と明記した北海道特定放射性廃棄物条例が制定された。

 幌延はといえば、中間貯蔵施設などで構成する貯蔵工学センター計画は撤回されたが、地層処分の技術開発を担う深地層研究センターができた。「放射性廃棄物は持ち込まない」と強調される中、上田さんは「警戒感を持って静観するしかない。すきを見せた瞬間に全てをなし崩しにするのが国の常とう手段」と語る。


◆「寿都や神恵内が適地であるはずがない」

 そんな中、道内で動きがあった。20年に寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村が「核のごみ」の文献調査の受け入れを表明。全国で初めて着手され、現在も続いている。

 「非常に姑息(こそく)と感じるのは選定地を選ぶ道筋。地域振興のアメを見せて小さな自治体に手を上げさせ自治体の意思に従ってやっているように見せるいったん手を挙げると抜け出せない悪徳商法の手法に似ている。経済的に困窮する地域を札束でひっぱたくやり方があらわになっている」

 そう断じる上田さんは「そもそも2000年制定の最終処分法は、10万年の管理が必要という最終処分を『地質条件に対応した人工障壁を設計すれば安全』という根拠のないことを前提にした欠陥法。多くの地質学者が指摘するように、寿都と神恵内の地層からみても適地であるはずがない」と憤る。


◆がれき受け入れ拒否でバッシングも経験

 上田さんがバッシングにさらされた時期もあった。

 札幌市長在任時の2011年に東京電力福島第1原発事故が起きると、放射性物質が付着したがれきの受け入れ拒否を決めた。この判断を巡り、市には全国から4000通超のメールが届くなど、非難にさらされた。

 「受け入れないと判断したことが、後日に歴史的に誤りだったとしても、市民の安全が守られるから、私が批判されれば済む話。逆に、受け入れが間違いだったと分かる時にはもう遅く、市民に被害が出ている。それは私にとって堪え難いことだった」


◆「北海道会議」立ち上げ「市民自身が判断を」

     (寿都町役場(右奥)の近くに立てられた看板
      =2020年撮影)

 文献調査も同じだ。全国で最も進む寿都、神恵内の2町村の次段階は概要調査だ。その可否は知事が判断する。鈴木直道知事は反対の立場だが、上田さんは「『受け入れ難い』と明記する条例が後ろ盾になっているものの、相手(国側)は非常に巧妙。理論的にも現実的にも『受け入れ難い』と言えるように知事自身で諸外国の処分計画地を実際に見聞し、正確な知識を身に付けてほしい。選定地をどう前に進めさせるか、国は北海道を試金石としてみているだろう」と語る。

 2町村が文献調査の受け入れを表明した約半年後の2021年3月には、核のごみについて多様な立場や意見を持つ人らが参加し学び合う「核ゴミ問題を考える北海道会議」を立ち上げた上田さん。「脱原発依存社会を創っていくのは、政治家ではなく市民自身市民が自立的に判断し、自分たちの生活は自分たちの考えで守る行動ができないと簡単に壊される。自治の力を上げていくことがそれぞれの生活を守ることにつながる」と説く。

 「北海道だけではない。文献調査に名乗り出た地域の問題ではなく、原発を持たない地域ももっと主体的に考えなくてはならない。世代間の倫理としても未来に対して弁明できないほど、とてつもないことをしようとしているのだから」

 核のごみ 原発の使用済み核燃料から再利用できるプルトニウムなどを取り出した後の廃液を、溶かしたガラスと混ぜ合わせて固めたもの。「ガラス固化体」とも呼ばれる。極めて強い放射線を長期間出し続けるため、国の計画では金属の容器に入れ、地下300メートルより深い岩盤に埋めて地層処分する。ただ日本の地層は軟らかく水を通しやすい上、地震や火山活動も活発で、深い地層に埋めて安全か懸念が消えないのが現状。海外ではフィンランド処分場が建設中だが、硬く安定した地層という。

   ◇   ◇ 

◆20億円を使い果たし、次は「概要調査」も

 核のごみを巡る文献調査を受け入れた北海道寿都町と神恵内村はそれぞれ、2021年度と22年度に10億円ずつ、計20億円の交付金を得たが、すでに多くを使い果たした。注目されるのが今後の動向だ。

     (新型転換炉ふげんの使用済み核燃料が保管されている
      プール=茨城県東海村の東海再処理施設で)

 寿都町では21年3月、次段階に当たる概要調査の移行可否については住民投票をすることを定めた条例が制定された。町企画課の担当者は「町民の意思を反映させていくよう仕組み化した」と話す。神恵内村は移行可否を判断する住民投票を検討中だ。村企画振興課の担当者は「投票時期は分からないが、村長は『一つの手法としてある』と話している」と明かす。概要調査に入ると最大70億円が交付されるが、移行には知事の同意が必要とされる。

 2町村に続いて今月、文献調査を受け入れたのは佐賀県玄海町だ。原発立地自治体としては初めて。4月に町議会が請願を採択し、脇山伸太郎町長が「熟考した結果」と表明した。


◆事業者が市議の「視察」旅費を負担

 同じ九州でも違った道を選択した自治体もある。長崎県対馬市だ。昨年9月に市議会が請願採択したが、比田勝尚喜市長は反対の方針を貫いた

     (佐賀県玄海町に立地する九州電力玄海原発(2011年撮影))

 同市は昨年末、核のごみを巡る「政治とカネ」の問題でも揺れた。市議13人が21年以降に北海道の最終処分関連施設などを視察した際、最終処分事業を担う原子力発電環境整備機構NUMOが旅費を負担したこと市の政治倫理条例に反すると市の審査会が判断したのだ。

 市民団体「核のごみと対馬を考える会」の上原正行代表(79)は「条例違反で済むのか」と憤る。

 そして「文献調査の鍵をひとたび開けてしまえば、国側はお金を使い、ごり押しで進めてくる」とし「原発を止めることもせず、何本を地層に埋めるか全体像も分からないまま進めれば、あまりに未来に示しがつかない」と語気を強めた。


◆デスクメモ

 核のごみは地下に埋める地層処分が想定されるが、本当にできるか断層をくまなく把握する難しさ。断層が起こすのは揺れに地盤の動きも。ズレて漏れるとなれば取り返しがつかない。能登でも浮かんだ自然の脅威。処分地選定ばかりに躍起になり、尽くすべき議論から逃げては困る(榊)


【関連記事】「核のごみ」拒否した対馬 実はカドミウム鉱害に苦しんだ歴史 それでも廃棄物の苦労をかけるのか
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●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」

2023年04月11日 00時00分02秒 | Weblog

[※ 「3.11から12 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年03月27日[月])
〝反核燃サイクル〟派…反核燃サイクルを唱えただけですが、それが、いまや「核武装」支持派になり果てて…。発送電分離(所有権分離)についてもいいこと言ってるよね、2013年3月野党自民党当時に。【電力行政の基礎をつくった自民党にも責任あり ウラで蠢く“電力族”はオモテに出て議論すべし ――河野太郎・衆議院議員インタビュー】では、《―発送電分離の議論はどのように見ているか。…発送電分離はあたりまえだ。電力利権に事故の原因があることは、国民のだれもがわかっているはずだ。所有権分離にまで踏み込むのは当然だ。そうでなければ、分離にならないでしょう。社内カンパニー制にすることはまったく意味がない。体質がそもそも問題なのだ。福島第一原発でおきた臨界事故を28年間も隠していた会社ですよ、東京電力は。》《――東京電力はどうすべきだったのか。…今のようにゾンビ企業にしないで出直させるべきだった。だいたい、資本主義の世界で、当時官房長官だった枝野氏は特定の会社を取り上げて破綻させないと言った。こんなことがあっていいのか。しかもその会社の株は、市場で自由に売り買いされている。知り合いの中小企業のオヤジさんたちは「じゃあ、うちの会社も破綻させないっていってくれよ。なんでもやるよ」と笑っている》。

   『●原発人災、犯罪者を追求すべし: 
      なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?
   『●「核の傘」の下のニッポン…オーストリア軍縮大使
        「世界で唯一の被爆国として特別な役割がある」

 『報道特集』(2017年12月2日)《核廃絶 問われる日本の姿勢》にて。河野洋平河野太郎親子の天地の違い…。息子は、大惨事アベ様内閣で入閣して以降、壊れゆく一方だ。「反核燃料サイクル派」さへかなぐり捨てていたかと思えば、外部大臣として自身の「ブログを読め」との御宣託だが、「核武装」支持派に回るとはね。あまりの情けなさ、壊れっぷりに呆れ果てた。

   『●行政改革担当相兼COVID19ワクチン接種担当相の河野太郎氏に、
     大変に名誉なことに、いつの間にかツイッターをブロックされていた…
   『●《「ブロック太郎」…過剰な自慢話は醜悪…長期にわたって新型コロナ
      ワクチン行政を混乱させた張本人が、何を血迷っているのか、と。》

 さて、西田直晃山田祐一郎両記者による、東京新聞の記事【河野太郎氏も警鐘を鳴らした使用済み燃料プールの危険性とは 原発への攻撃はウクライナ侵攻で現実化】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/232485)によると、《使用済み核燃料を巡り、貯蔵プールもろさを指摘する声は過去にもあった。「3.11で脆弱性がはっきりしたのは使用済み核燃料プール」「警備体制はどのように変わるんですか」 発言の主は河野太郎氏。今のデジタル相だ。東京電力福島第一原発事故から半年余りたった2011年11月、衆院決算行政監視委員会でこうただした。野党議員だった頃だ。翌12年9月にも自身のブログで「原子炉と使用済み核燃料プールは、テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」と書きつづった。いまも当時と同じ考えなのか。事務所を通じて質問したが、今月21日夕までに回答はなかった》。

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
     被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…
   『●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく
      控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ増
     を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…「推進」委、
       核に巣食う核「寄生」委、例外中の例外のはずが原則40年を無視
   『●東京電力核発電人災の教訓はどこに? 《一歩間違えば国全体が壊滅
     してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本》、その教訓は?

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/232485

河野太郎氏も警鐘を鳴らした使用済み燃料プールの危険性とは 原発への攻撃はウクライナ侵攻で現実化
2023年2月22日 12時00分

 ロシアのウクライナ侵攻から24日で1年。この間、原発への攻撃が世界に衝撃を与えた。日本で備えを考える時、重要になるのが使用済み核燃料の扱いだ。原子炉で役目を終えると主に貯蔵プールで保管されるが、あの団体、あの政治家が問題視するのがプールの脆弱ぜいじゃくさだ。今のままでは原発が攻撃された際に「泣きどころ」となり、甚大な被害を招きかねない。岸田政権は原発稼働ばかりに力を注ぐ場合ではない。(西田直晃山田祐一郎

【関連記事】核のごみ最終処分は「国の責任」っていうけど…大丈夫? 文献調査が進む北海道の町村で起きていること


◆ロシアは侵攻直後から原発を狙った

     (ザポロジエ原発=ウクライナの原子力企業
      エネルゴアトムの公式サイトより)

 ロシアメディアがウクライナの原発への電源供給を遮断させるため、関連施設への攻撃を提唱している—。18日、米シンクタンクの戦争研究所はそんな見解を示した。

 翌19日。ロシア軍が占拠し、軍事拠点化しているウクライナのザポロジエ原発を巡り、同国の外務省は声明を発表した。ここでは安全確保のために常駐する国際原子力機関(IAEA)の専門家の交代をロシアが拒んでいると非難した。

 原発への攻撃は早くから危惧された。昨年1月の段階でウクライナ駐日大使のセルギー・コルスンスキー氏が懸念した。悪い見立ては的中し、ロシアの侵攻直後から原発は狙われた

 攻撃は続き、使用済み核燃料の貯蔵施設付近にも着弾したという。ロシア側はウクライナ側から攻撃を受けたと主張したほか、攻撃による最大のリスクは原子炉ではなく、使用済み核燃料の貯蔵施設と訴えた。

 甚大な被害をもたらしかねない使用済み核燃料は、ウランを原料とする。原子炉内で4〜5年間使用した後に取り出される。

 原子力資料情報室上沢千尋氏によると、この状況でも発熱量や放射線量はなおも高いままだ。国内では主に原子炉建屋内の貯蔵プールに保管し、水を循環させることで発熱量などを下げている。

 保管方法は貯蔵プールだけではない。プールで5〜6年冷やした後に「乾式キャスク」という金属製の容器に入れ、空気循環で冷却するタイプもある。「安全面では頑丈なキャスクのほうが数段上と言えるが、コスト面の事情もあり、まだ普及は道半ば。欧州に比べ、乾式キャスクの普及が遅れている」(上沢氏)


◆「外部攻撃に脆弱」と指摘するのは…

 ウクライナ侵攻後、貯蔵プールの脆弱性を問題視してきたのが、笹川平和財団の小林祐喜研究員だ。

 財団のサイトでは「原子炉が鋼鉄製で、さらに格納容器に守られ、外部からの攻撃に一定の頑強さを有する」とつづった一方、使用済み核燃料の保管は「多重防護の仕組みになっていない場合が多い」「外部攻撃に脆弱」「(水が尽きるなどして)使用済み核燃料が大気にむき出しになれば、高濃度の放射線が広範囲に放出される」と訴えた。

 東京電力福島第一原発事故でも4号機で水素爆発が起きた際、使用済み核燃料の貯蔵プールで異変が起きた可能性が取り沙汰された。取材に応じた小林氏は「福島事故後も日本はどう対策していくかが定まらなかった。やや認識が甘かったとも言える」と語る。

 ちなみに笹川平和財団の名誉会長だったのは故笹川良一氏。流れをくむ別団体の「笹川保健財団」の評議員には、福島県立医科大副学長の山下俊一氏がいる。福島原発事故後の講演で「放射線の影響はニコニコ笑っていれば来ません」と楽観論を披歴した人物だ。

 笹川平和財団も警鐘を鳴らす貯蔵プールの脆弱性。前出の上沢氏も「有事の際に貯蔵プールなどが破壊されると、建屋に近付けなくなる。取り返しの付かない事態が起きる」と話す。


◆野党議員時代の河野太郎氏も「潜在的な弱点」

     (河野太郎氏=1月28日、名古屋市で)

 使用済み核燃料を巡り、貯蔵プールもろさを指摘する声は過去にもあった。

 「3.11で脆弱性がはっきりしたのは使用済み核燃料プール」「警備体制はどのように変わるんですか」

 発言の主は河野太郎氏。今のデジタル相だ。東京電力福島第一原発事故から半年余りたった2011年11月、衆院決算行政監視委員会でこうただした。野党議員だった頃だ。翌12年9月にも自身のブログで「原子炉と使用済み核燃料プールは、テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」と書きつづった。

 いまも当時と同じ考えなのか。事務所を通じて質問したが、今月21日夕までに回答はなかった。

 では、岸田政権はどう対応しているのか。

 昨年10月の衆院予算委では、立憲民主党の岡田克也幹事長が「プールにある使用済み核燃料、本当に厄介だ」「ミサイルが当たったらどうなる」と質問。使用済み核燃料は貯蔵プールから出した上、金属製容器の乾式キャスクに移すことにより、防護力を高めるよう求めた。

 これに対し、答弁した西村康稔経済産業相は「原子力規制委員会が一元的に所掌している」「経産省としては差し控えたい」と述べ、所管外と言わんばかりの姿勢が際立った


◆規制委は「事実上無理だ」

     (新型転換炉ふげんの使用済み核燃料が保管されている
      プール=茨城県東海村の東海再処理施設で)

 名指しされた規制委がどうかといえば、ウクライナ侵攻直後の昨年3月、委員長だった更田豊志氏が会見で「武力攻撃に対して堅牢(けんろう)性を持つ施設という議論は計画もしていないし、事実上無理だ」と語り「お手上げぶり」をあらわにした。その上で一般論として「使用済み燃料プールよりも乾式キャスクのほうが防御力は高まる」と語った。現在の山中伸介委員長も見解を踏襲する。

 この1年で対策は進んだのかというと、規制委の広報担当者は「原子炉等規制法は、武力攻撃を想定していないという見解に変わりはない。テロ対策として乾式キャスクへの移行を改めて規制委が指示したということはない」と明かす。

 元原発設計技術者の後藤政志さんは「各電力会社はキャスクへの移行を計画してはいるが、使用後の燃料はプールで冷やした上で移す必要がある。この時間が相当かかる」と述べ、原発を運転し続ける限り、貯蔵プールでの保管は避けられない問題だと指摘する。

 岸田政権の鈍さにはこう憤る。「事故やテロといった大きなリスクがあるにもかかわらず、発生確率が低いと見なし、有効な対応を打たずにいる


◆核燃料サイクルが破綻しているのに活用に前のめり

 日本国内で原発で貯蔵している使用済み核燃料は、膨大な量だ。およそ2万トンに上り、多くは貯蔵プールで保管する。政府は「核燃料サイクル」を掲げて再利用をもくろむが、青森県六ケ所村で建設中の再処理工場は完成が延期され続けている。再利用で減らそうにも、要の施設が機能せず、思うようにいかずにいる。

 だが、岸田政権は原発活用に前のめりだ原発の60年超運転次世代型への建て替え容認にかじを切った。脆弱なプールに貯蔵される使用済み燃料は増え続け、それだけ防護に手間も時間も要することになる

 「サイクルがずたずたに途切れているのに、政府は回っているように扱い、問題に向き合うことを避けている」。青山学院大の本間照光名誉教授(原子力損害賠償制度論)はそう語る。

 福島で原発事故が起き、ウクライナ侵攻で原発稼働に大きなリスクがあることが露呈したと訴え、こう続ける。「手に負えないリスクとコストに責任を持たないで来た。原発を動かす判断をするならば最低限、前提となるテロ対策、安全対策に手を打つべきだ」


◆デスクメモ

 原発が、使用済み核燃料の貯蔵プールが標的になる恐怖は容易に想像できる。攻撃されたときに生じる民間人の被害も。にもかかわらず、備えの議論は滞る。対して自衛隊は、防護対策として司令部の地下化まで論じられる。誰かを見捨て、誰かを守る。そんな国を愛せと言うの。(榊)
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●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ増を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》

2023年04月06日 00時00分41秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2023年03月21日[火])
足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を突っ込み…。

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
        …空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます
   『●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させて
     いただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…

 《町民の皆さんがその道を選んだ》…なんでそうなるのだろうか??

   『●《理性と良識》で判断…核発電は《「被害が大きくて」かつ「事故発生
     確率も高い」という2つが揃ったパーフェクトな危険》(樋口英明さん)
   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を

 古賀茂明さん《四つ目は核のゴミだ。原発のゴミも適切に処分できるんですよね、と社長に聞く。社長が頷いたら、「では、1カ月以内に最終処分までの計画を出してください」と言う。それは無理だというだろうから、では1年待つと言って、議論を終わる。 これで、全ての原発は動かなくなり、廃炉するしかなくなる。 国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに止めるのは簡単だ。新政権には、是非そうした議論をして欲しい》。

 空虚な《地域振興》ではないのか? トイレなきマンションの、まずはトイレからの垂れ流しを止めてからの議論開始ではないのか?

 宮畑譲西田直晃両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/核のごみ最終処分は「国の責任」っていうけど…大丈夫? 文献調査が進む北海道の町村で起きていること】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/231170?rct=tokuhou)によると、《原発活用に前のめりになる岸田文雄政権。今度は使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分に向け、国の責任で取り組む方針をまとめた。語感の頼もしさと裏腹に不信が募る。東京電力福島第一原発事故の対応でも政府は「国の責任」を強調してきたが、独断専行に傾く局面が目に付いたからだ。最終処分を巡って今後、どんな展開が待ち受けるのか。文献調査が進む北海道寿都町(すっつちょう)神恵内村(かもえないむら)にどう影響するのか。(宮畑譲西田直晃)》。

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
     被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…
   『●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく
      控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/231170?rct=tokuhou

こちら特報部
核のごみ最終処分は「国の責任」っていうけど…大丈夫? 文献調査が進む北海道の町村で起きていること
2023年2月15日 12時00分

 原発活用に前のめりになる岸田文雄政権。今度は使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分に向け、国の責任で取り組む方針をまとめた。語感の頼もしさと裏腹に不信が募る。東京電力福島第一原発事故の対応でも政府は「国の責任」を強調してきたが、独断専行に傾く局面が目に付いたからだ。最終処分を巡って今後、どんな展開が待ち受けるのか。文献調査が進む北海道寿都町(すっつちょう)神恵内村(かもえないむら)にどう影響するのか。(宮畑譲西田直晃


◆たまり続ける使用済み核燃料

 「政府一丸となって、かつ、政府の責任で、最終処分に向けて取り組んでいく」。高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定を巡り、10日にあった閣僚会議。ここで示された基本方針の改定案に冒頭の一節が明記された。現在は意見公募(パブリックコメント)の最中で、改定されれば2015年以来、8年ぶりとなる。

 使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物は「核のごみ」とも呼ばれる。現状では各原発の貯蔵プールで使用済み核燃料がたまり続け、廃液をガラスと固めた「ガラス固化体」が加工されている。

     (新型転換炉ふげんの使用済み核燃料が保管されている
      プール=茨城県東海村の東海再処理施設で)

 「核のごみ」はやっかいだ。放射能が極めて強く、寿命も長い。00年制定の最終処分法によれば、地下深くで地層処分する計画だが、安全面の問題などから具体的な道筋を描くに至っていない

 国が責任を強調するのはこの状況の裏返しでもある。最終処分法の制定以降、「手挙げ方式」と呼ばれる全国公募が始まった。07年に高知県東洋町が応募したものの、町民の激しい反対で取り下げに。現在、選定プロセスの第1段階に当たる「文献調査」を受け入れているのは、北海道の寿都町神恵内村だけだ。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、過去5年に約160回の説明会を全国で開いたが、関心を持つ地域は限定的だった。かたや最終処分場が決まった国外の例では10件程度の候補地から1件に絞った経緯がある。担当者は「調査の結果、処分地になりえないことや民意の反対もある。候補地はもっと必要」と話す。


◆政府方針に不信「本当にできるのか」

 現行の仕組みでいえば、処分地選定と処分自体を担うのは、電力会社が事業費を拠出する原子力発電環境整備機構NUMOニューモ)だ。ただ処分地選定が難航するため、国は15年に基本方針が改定された時も、適性の高いと考えられる地域を提示するなど、前面に出た。今回は「さらに一段ギアを上げようということ」(前出の担当者)になる。

 神奈川工科大の藤村陽教授(物理化学)は「原発政策は国策なのだから国に責任はある」と理解を示す一方、懸念も浮かぶ。「国が地方に力ずくでやるということになってはいけない」

 根底には国への不信がある。「福島第一原発事故後の対応で、国や電力会社は信頼されることをやってきたのか」。例えば第一原発で生じる汚染水の後始末。首相時代の菅義偉氏は「政府の責任で対応する」と述べたが、海洋放出に反対する声に耳を貸さず、処理後に放出する方針を決めた。

 国が最終処分に前のめりになっても「本当にできるのか」と疑う向きもある。

 高レベル放射性廃棄物は安全になるまで10万年を要するとされる。大阪大の平川秀幸教授(科学技術社会論)は「日本は地震国そこら中に活断層がある地中深くに移した後に問題が見つかった場合、放射性廃棄物を取り出せるのか原発関連の技術への不信はぬぐえていないまして10万年先の安全を確保できるのか」と語る。


◆調査進まないのは「選挙が控えているから」

 岸田政権が「最終処分に向けて国の責任で取り組む」と宣言した今、文献調査が進む寿都町と神恵内村の人びとは何を思うのか

 2020年11月から始まった両町村の文献調査は現在も続いている。当初は約2年の予定とされたが、NUMOの広報担当者は「想定より時間が掛かっている。調査結果を評価するための考え方を経産省のワーキンググループに尋ねているところ。いつまで、と決まっていない」と話す。

 地質図や学術論文などを用いた文献調査が終われば、地元の意向を踏まえ、地質や地盤を調べる概要調査への移行を図るという。第2段階に当たる調査だ。

 3年前に文献調査への反対を表明した神恵内村議の土門昌幸さん(69)は「2年を過ぎても調査が終わらないのは、選挙が控えているからでは」といぶかる。ここで言う「選挙」とは4月に予定される村議選のこと。賛成派の村議が多い現状を踏まえ、波風を立てたくないのでは、とみる。

 土門さんは「村民への説明が不十分なまま時間がたってしまった。概要調査は知事が『受け入れない』と明確に表明しているので、村長に歩調を合わせるように働きかけるしかない」と自らに言い聞かせる。


◆賛否分かれて人間関係も壊れた

     (寿都町役場(右奥)の近くに立てられた看板=2020年撮影)

 一方、寿都町の反対派住民グループの槌谷和幸さん(74)は岸田政権に対して「端的に言うと、腹立たしいのひと言」と語気を強める。「『最終処分は国の責任で』と強調されると『調査が進む町村で国が処分地選定を強力に推し進める』に聞こえてしまう。国の言うことは全く信用できない」

 同町では、文献調査から概要調査に移る際、住民投票を実施すると条例で定めているが、町長の決定への拘束力はない。

 重みを持つのが町議会の意向で、現在は賛否が拮抗 (きっこう) する。10月には町議選が予定され、槌谷さんは反対派候補の擁立を模索中だ。しかし「見つけるのに苦労している。この小さな町は町民のつながりが濃密で、賛否が分かれたことで人間関係が壊れた人もいる」。

 推進勢力の出方も警戒する。NUMOの担当者らによる説明会について「『対話の場』と言っても実情は違う一方の見解を言い含める場になっている」。推進派への取り込み、反対派の切り崩しが今以上に進むことを危惧する。

 岸田政権は今月10日、「GXグリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針」を閣議決定し、原発の積極活用を盛り込んだ。異論が噴出するタイミングで最終処分の基本方針案を示し、「国の責任」を強調した。


◆「地方を悩ませ、苦しませているだけ」

 長崎大の鈴木達治郎教授(原子力政策)は「最終処分場がないと一層、責められる。そうした声を意識しただけ。アピールの意味合いが強い」と述べ、批判そらしの意図を疑う。その上で「処分地選定に力を入れると言っても、実質的には電気事業連合会電事連)任せになる。特段の変化はないだろう」とみる。

 最終処分場の議論は避けては通れない一方、寿都町、神恵内村の例に漏れず、住民の納得を得ずに議論を進めるのは問題がある。

 信州大の茅野恒秀准教授(環境社会学)は「最終処分場についてはこれまでも、国主導での理解促進という言葉を多用してきたが、今の北海道の2町村を見ても見解の一致を見ておらずむしろ分断を招いている地方を悩ませ、苦しませているだけ」と断じ、こう続ける。「受け入れに対する厳しい現実を政権が直視せず、国民的理解を丁寧に得ようとしない安易な姿勢が問題。原発は安全で、電気代も下がるという技術的、経済的楽観論を捨て去るべきだ


◆デスクメモ

 原発を動かせばごみが出るしかし処分先が決まらず、たまる一方。管理に困る。置き場にも。なすべきことは明白原発を止め、ごみ増を防ぎ、その間に処分先を話し合うしかし国は稼働ありきごみが増えるほど後始末に困るのに不合理な思考に独断専行始末が悪すぎる。(榊)

【関連記事】「入学手続きに来ました」 核ごみ調査応募で北海道寿都町の片岡町長
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●環境経済研究所・上岡直見所長《「核施設の保有自体が相手側から軍事利用の意図ありと見なされ、攻撃の口実を与える」と懸念する》

2022年04月23日 00時00分14秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2022年04月10日[日])
宮尾幹成記者による、東京新聞の記事【もし東海再処理施設が攻撃されたら…廃液20%放出で死者40万人と試算 ウクライナで原発リスクが現実に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/166319)。

 《日本原子力研究開発機構の東海再処理施設(東海村、廃止措置中)が武力攻撃を受け、保管されている高レベル放射性廃液の一部が外部に放出された場合、首都圏を中心に最悪で40万人の死者が出ると試算したリポートを、環境経済研究所(東京都千代田区)所長の上岡(かみおか)直見・法政大非常勤講師が公表した。本県を含む広い範囲が立ち入り禁止や強制移住の対象になる恐れも指摘し、原子力施設が潜在的に抱える安全保障上のリスクに警鐘を鳴らしている。(宮尾幹成)》。

 《今さらながら54基もつくったバカさ加減》…《火事場ドロボー》《好戦的にオラついているバカ》どもが蠢く哀しい国・ニッポン。
 《火事場ドロボー》1号2号の《こうした主張に対し、上岡氏は「現状が既に逆シェアリングで、対立国家の核兵器をわざわざ国内に誘致しているのと同じ」と疑問視。「本質的な安全保障の第一歩は、脱原発と核物質の撤去だ」と訴える》。正論。マトモな人ならば、《日本国内に米国の核兵器を配備して日米で共同運用する「核シェアリング(共有)」の議論を求める声》など上げはしない。自公お維コミに投票した結果がこのザマだ。

 《これはとんだ大嘘だ。というのも、政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書にまとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった》《格納容器が破壊されれば最大約2万人もの市民が急性死亡し、原子炉が破壊された場合は想像を絶する事態になる──》(リテラ)。
 再度引用。東京新聞の記事【被ばく死 最悪1.8万人 原発攻撃被害 84年に極秘研究】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2015040890070728.html)。《原子炉格納容器が破壊され、大量の放射性物質が漏れ出した場合、最悪のシナリオとして急性被ばくで一万八千人が亡くなり原発の約八十六キロ圏が居住不能になると試算》……。ずいぶんと甘い見積では? いつの時代も、原発を稼働させるためなら何でもやる、といった感じかな?

   『●絶対に安全なので安心せよ!、公表義務な~し!!:
         「原発攻撃被害報告書 「福島」に生かされず…」

 絶対に安全なので安心せよ!、公表義務な~し!! 「原発攻撃被害報告書 「福島」に生かされず…」。そして今、東京電力核発電人災の《最大の戦犯》である《火事場ドロボー》1号達が狂気の暴走。《ロシア侵攻の危機に乗じて自民党の安倍晋三元首相らが「核共有」の議論を持ち出している。原発事故の当時国の首相経験者として無責任極まりない日本は核廃絶、脱原発の先頭に立つべきだ》(東京新聞)。

   『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
     エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》
   『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
     火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない
   『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
     至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…
   『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
       な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!
   『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
       「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
      政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》
   『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
      残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●《政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書に
     まとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった…》
   『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ごせる
         未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)
   『●《政府機関の地震予測「長期評価」に基づく試算から原発への大津波の
      到来は予見できた…対策の先送りを許した国…国に重大な法的責任》
   『●《武藤類子さん…が講演し、今も続く過酷な被害を訴えた。ロシアに
     よるウクライナの原発攻撃にも触れ「胸がふさがれる思い」と語った》
   『●《ひとたび制御を失った原発が、後世にどれだけの重荷を残すのか。
     …廃炉作業が遅々として進まぬ現実が、原発の巨大なリスク》を顕在化
   『●東電核発電人災…《あまりに切ない一枚です。…犬。…鎖につながれた
     まま…取り残されたわが家で、何を思いながら力尽きたことでしょう》
   『●斎藤貴男さん《ロシア軍のウクライナ侵攻をダシにした、帝国主義への
     妄執と言うべきか…日本の対米従属度が、いっそう高められるだろう》
   『●《火事場ドロボー》1号、2号、3号…を支持し、投票する人々に、
     壊憲して戦争する国になる自覚はあるのか? 予想されるその結果は?
   『●《それは「お花畑」などといって茶化される話ではなく、日本社会の
       将来を決定づける超現実的な選択なのである》(コラム 狙撃兵)
   『●「失敗から学べ」? 《火事場ドロボー》1号がよくもまぁ…《自分が
     プーチンを増長させた張本人であるという事実を消し去ろうとしている》
   『●火事場ドロボー…《このような状況で便乗型の様々なショック・ドクト
     リンが出てきている…その一つが安倍晋三元首相による「核の共有論」》
   『●「あほか」…3.11から11年、ウクライナへのロシア侵略に乗じて
     《火事場ドロボー》らがウヨウヨ、ワラワラと湧いてくる始末なニッポン
   『●《「ストップ・プーチン」に動く気が岸田にあるのなら、あらゆる
     アベ案件から直ちに撤退しなければおかしい。二枚舌は通用しない》
   『●《火事場ドロボー》ぶりがとみに異常さを増してる? 前から正気では
     ないと思っていはいたが、酷過ぎる…まずは数多のアベ様案件の清算を

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/166319

もし東海再処理施設が攻撃されたら…廃液20%放出で死者40万人と試算 ウクライナで原発リスクが現実に
2022年3月18日 07時40分

 日本原子力研究開発機構の東海再処理施設(東海村、廃止措置中)が武力攻撃を受け、保管されている高レベル放射性廃液の一部が外部に放出された場合、首都圏を中心に最悪で40万人の死者が出ると試算したリポートを、環境経済研究所(東京都千代田区)所長の上岡(かみおか)直見・法政大非常勤講師が公表した。本県を含む広い範囲が立ち入り禁止や強制移住の対象になる恐れも指摘し、原子力施設が潜在的に抱える安全保障上のリスクに警鐘を鳴らしている。(宮尾幹成

【関連記事】<Q&A>ウクライナのチェルノブイリ原発をロシアはなぜ制圧したのか?

     (東海再処理施設の高レベル放射性廃液の20%が外部に
      放出された場合のシミュレーション。1個で死者20人を示す
      ■は、実際には無数に重なり合っている(上岡直見氏作成))


◆原発制圧

 リポートは、ロシア軍のウクライナ侵攻により、一九八六年に未曽有の原子力災害を起こしたチェルノブイリ原発や、六基の大型原子炉を持つザポロジエ原発が制圧された事態を受けて作成。再処理施設の高レベル廃液貯槽は、原発の原子炉はもちろん、使用済み核燃料プールと比べても構造的に弱いとして、武力攻撃で廃液が外部に漏れるシナリオを分析した。

 東海再処理施設には、使用済み核燃料を再処理して核燃料物質(プルトニウムとウラン)を分離した残りかすの核分裂生成物(セシウムなど)を高濃度で含む廃液が大量にある。放射能は人間が近づけば即死するほど高い。

     (日本原子力研究開発機構の東海再処理施設。高レベル放射性
      廃液貯槽がある建屋は、左側に見える赤白の排気筒2本の手前
      =東海村で(本社ヘリ「おおづる」から)

 上岡氏は、廃液貯槽自体が武力攻撃で破損して人間による応急対応が不可能になり、十日間にわたって廃液の漏えいが続くと仮定。原子力規制庁が東海再処理施設のリスクを調査した二〇一三年の報告書に基づき、廃液中の放射性物質を四二〇京ベクレル(京は兆の一万倍)とし、セシウムなどが全体の20%(八四京ベクレル)放出されるケースをシミュレーションした。

 この放出量は、東京電力福島第一原発事故由来で現在も環境中に残る放射性セシウムの二十五倍ほどに相当するとみられる。

 なお、再処理施設にはプルトニウム溶液の貯槽もあるが、プルトニウムは非常に質量が大きい(重い)ため、溶液が漏れても飛散しないものと見なした。


◆最悪ケース

 試算では、これだけの放射性物質が北東から東京方面に吹く風でまき散らされる「最悪ケース」(上岡氏)を想定。拡散状況を、原子力委員会が策定した原発の安全解析のための気象指針に準拠して計算した。

 その結果を、チェルノブイリ事故後にウクライナで定められた放射能汚染地域の区分(チェルノブイリ基準)に当てはめると、茨城、栃木、千葉各県の広い範囲が強制移住(年間の予想被ばく量が五ミリシーベルト以上など)の対象に。被ばくによる人体への確率的影響の評価では、死者数の推計は人口の多い東京都心やその近郊を中心に四十万人となった。このほか、死亡に至らない健康被害も起きる。

 上岡氏は、ウクライナの原発を制圧したロシアの狙いが、自国も被災しかねない原発の破壊ではなくウクライナによる核物質の軍事利用への警戒にあるとの見方が出ているのを踏まえ、「核施設の保有自体が相手側から軍事利用の意図ありと見なされ、攻撃の口実を与える」と懸念する。

 武力攻撃の態様については、ミサイル攻撃よりも特殊部隊が携行兵器で原子力施設を狙うリスクの方が高いと指摘。仮に自衛隊などが警備を強化したとしても、相手を排除する過程で交戦が起こり、施設の破壊を招きかねないとの見解を示す。


◆逆「核共有」

 ウクライナ危機を巡っては、ロシアのプーチン大統領が核兵器の使用も辞さない構えを見せていることから、日本国内に米国の核兵器を配備して日米で共同運用する「核シェアリング(共有)」の議論を求める声が、自民党の安倍晋三元首相や日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)らから上がっている。

 こうした主張に対し、上岡氏は「現状が既に逆シェアリングで、対立国家の核兵器をわざわざ国内に誘致しているのと同じ」と疑問視。「本質的な安全保障の第一歩は、脱原発と核物質の撤去だ」と訴える。

 上岡氏の試算について、原子力機構は本紙の取材に「仮定の事象についてのリポートなので、コメントする立場にない」と回答した。

 リポートの題名は「ウクライナ原発危機と日本の原発リスク評価解説」。東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)と中国電力島根原発(島根県)の使用済み核燃料プールが武力攻撃を受けた場合の被害も試算している。全文を読みたい読者は、上岡氏にメール(sustran-japan@nifty.ne.jp)で問い合わせを。


東海再処理施設と高レベル放射性廃液 使用済み核燃料からプルトニウムや燃え残りのウランを分離する再処理の実証プラントとして、動力炉・核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)が建設。1977〜2007年に新型転換炉「ふげん」(福井県、廃炉中)や原発の使用済み核燃料1140トン(金属ウラン換算)を再処理し、18年6月に廃止措置計画が認可された。再処理に伴い発生した高レベル放射性廃液には、貯槽の冷却機能喪失による漏えい事故などのリスクがあるため、原子力機構は28年度までに全量をガラス固化処理する計画だが、ガラスを溶かして廃液と混ぜる溶融炉のトラブルで作業は繰り返し中断。現在も停止しており、再開は6月の予定だ。廃液の保管量は21年3月現在、358立方メートル。このほか、今後行われる設備本体の洗浄で追加的に60立方メートルの発生が見込まれる。
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