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●《住民を守ってくれると信じていた日本軍は、住民を壕から追い出し、食料を奪い、投降しようとした兵士を背後から射殺し、住民をスパイと…》

2023年07月09日 00時00分19秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督/最新作『沖縄、再び戦場 (いくさば) へ(仮)』製作応援のお願い (https://okinawakiroku.com/images/hero_pc_l.png)]


(20230623[])
軍事要塞化=《標的の島》々…《「集団的自衛権の行使」容認や「敵基地攻撃能力の保有」によって、沖縄が再び戦場となる危険性》が日に日に…。(琉球新報社説)《何よりも「軍隊は住民を守らない」という沖縄戦の教訓に照らしても、現在の軍備増強の動きは否定されるべきものだ》《沖縄の島々が再び戦禍に巻き込まれることがあってはならない》。

   『●軍隊は住民を守らない: 《情報保全隊…住民の調査・
       監視のほか、島嶼戦争の際の対スパイ戦任務も想定》…
   『●軍事要塞化=標的の島々…《「集団的自衛権の行使」容認や「敵基地
     能力の保有」によって、沖縄が再び戦場となる危険性》が日に日に…
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
    《青木理さん「甘い見積もりの防衛費倍増上手くいっている保険証
     なくすマイナ保険証、財源先送りの少子化対策差別増進法という
     批判があるLGBT法原発回帰の法案、難民を追い返す入管法
     そして解散権を振りかざして首相がニヤニヤ
     この国会は戦後最悪だと思います」》

軍隊は人を守らない大田昌秀さん)》、《軍隊は住民を守らない》《基地を置くから戦争が起こる島袋文子さん)》、《軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる三上智恵さん)》…。《戦争体験の継承はどうして必要》なのか? 大矢英代んは、《二度と同じ手段で国家に殺されないように、生活を奪われないように、知恵をつけること》。《「負の歴史こそが、本物の、騙されない強い未来を引き寄せてくれる力につながるということを、この人たちが私に信じさせてくれた」と著者三上智恵は書いている》。
 琉球新報のコラム【<金口木舌>地獄をもう二度と】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1733851.html)によると、《▼先日、宜野湾市立博物館が「慰霊の日」に向けて開催している企画展で逆の光景を見た。爆弾を背負って米軍に突撃しようとしたものの銃撃され、無残に息絶えた少年兵の写真だ ▼博物館の平敷兼哉館長は、中学生への平和学習でもこの写真を紹介する。同年代の子が青春を奪われ無念の死を遂げた写真は戦争のむごさを伝える ▼訓練を強制された学徒にさえも年が満たず、「根こそぎ動員で爆弾を背負い、ただ敵軍に向かって走らされる少年。どんな思いで走ったのだろうか。無謀な戦争はここ沖縄で起きた ▼沖縄を再び軍事要塞(ようさい)する動きが加速している。戦争をどう抑止するか、安全保障は確かに一筋縄ではいかない。だが、いたずらに緊張を高め行き着いた先の地獄をウチナーンチュは見た。全ての施政者に、この島々を戦場にしないと決意してほしい》。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》
   『●《岸田政権が…「軍拡路線」を推し進め…専守防衛を形骸化…その起点は
       安倍晋三政権が二〇一五年に成立を強行した安保関連法にあります》

 戦後78年「慰霊の日」の沖縄タイムスの【[社説]慰霊の日に 「平和な島」を手放すな】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1174646)によると、《沖縄戦は、幼児からお年寄りまで、あらゆる世代を巻き込んだ戦争だった。本来、保護されるべき一般住民も、逃げ場を失って戦場をさまよい、米軍の容赦ない攻撃の犠牲となった。住民を守ってくれると信じていた「友軍」(日本軍)は、住民を壕から追い出し、食料を奪い、投降しようとした兵士を背後から射殺し、住民をスパイと見なして殺害した》。
 戦後78年「慰霊の日」の琉球新報の【<社説>戦後78年「慰霊の日」 沖縄は「戦場」を拒否する】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1733780.html)によると、《貴い生命を奪う殺りくが続く。抑止力向上を名目とした軍備増強が急速に進む。平和に逆行する動きの中で私たちはこの日を迎えた。きょうは敗戦から78年の「慰霊の日」である。昨年来、平和はもろく、その回復は極めて困難であることを思い知らされてきた。平和を脅かす戦争準備に強い危機感を抱いてきた。それでも私たちは平和構築の不断の歩みを断念するわけにはいかない沖縄の島々が再び戦場となることを県民は明確に拒否する。そのためにも沖縄戦の実相を見つめ直す日としたい》。

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1174646

[社説]慰霊の日に 「平和な島」を手放すな
2023年6月23日 5:01

 沖縄戦は、幼児からお年寄りまで、あらゆる世代を巻き込んだ戦争だった。

 本来、保護されるべき一般住民も、逃げ場を失って戦場をさまよい、米軍の容赦ない攻撃の犠牲となった。

 住民を守ってくれると信じていた「友軍」(日本軍)は、住民を壕から追い出し、食料を奪い、投降しようとした兵士を背後から射殺し、住民をスパイと見なして殺害した

 当時、沖縄県庁で疎開業務に携わっていた浦崎純さんは、本島南部の戦場で、死んだ母親にすがって乳房を含んでいる幼子の姿を見た。どうすることもできなかったという。

 「そこには前線もなければ後方もなく、戦闘員、非戦闘員の区別もなかった」(『消えた沖縄県』)

 なぜ、このような凄惨(せいさん)無残な戦争になってしまったのか。

 敗戦の結果、沖縄は本土と切り離され、冷戦の最前線に置かれた。そして今、「新たな戦前ともいわれる危機の真っただ中にある。

 沖縄はきょう、慰霊の日を迎える。二度と戦争を起こしてはならないという切実な声をもっと広げ、世界に向かって伝えていく必要がある。

■    ■

 「生きて虜囚の辱めを受けず」という戦陣訓は、戦時下にあって、兵士にも民間人にも深く浸透し、行動をしばった。

 軍人は事実上、捕虜になることを禁じられた。民間人も「米兵に捕まったら女性は強姦される」などという流言にしばられ、捕虜になるより死を選ぶケースが相次いだ

 第32軍司令部は戦略持久作戦にこだわり、住民保護も適切に行わないまま、南部に撤退したが、その結果、軍民混在という最悪の状況が生まれ、住民の犠牲を多くしたのである。

 住民保護の明らかな失敗であった。

 南風原にあった沖縄陸軍病院には多くの重傷患者が収容されていた。南部に撤退する際、兵士に青酸カリが配られ、「処置されたことはよく知られている。

 退却の際、重傷者をどう扱うかは、沖縄戦のずっと前から、日本軍の中で問題にされていた。

 ここに見られるのは、ハーグ陸戦条約ジュネーブ条約など非戦闘員の保護や捕虜の取り扱いなどを定めた国際条約に対する日本の後ろ向きの姿勢である。

 ジュネーブ条約(赤十字条約)には傷病兵が捕虜になることを認める条文がある。

 硫黄島に配属された混成第2旅団野戦病院は、この条約を根拠にして米軍と交渉し、投降勧告を受け入れ、組織ごと捕虜になった。

 彼らはグアムに送られた後、米軍側の要請で沖縄に移動し、軍病院で沖縄住民の治療に当たった。日本が降伏する前の戦争中の話である。

 沖縄陸軍病院と第2旅団野戦病院のこの違いはどこからくるのだろうか。

 日本は1929年に不戦条約を批准し、国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄する、という国際法上の義務を負うことになった

 この考え方は、国連憲章や日本国憲法第9条に取り入れられている

 だが、日本を含め多くの国々がこの条約に反するような戦争を続けてきた

 ロシアによるウクライナ侵攻で、世界の光景は一変した。核大国が核使用をちらつかせて他国を威圧するということは、国際法上あってはならないことだ。

 中国や北朝鮮は軍備増強、核・ミサイル開発を続け、日本政府も防衛費の大幅増額、敵基地攻撃能力の保有を表明し、対抗姿勢を鮮明にした。

 歯車が完全に逆回転し始めているのである

■    ■

 23日の慰霊の日、糸満市摩文仁平和祈念公園では、「沖縄全戦没者追悼式」(主催・県、県議会)が開かれる。

 国籍や軍人、民間人の区別なく戦没者の名前を刻銘した「平和の礎」は、二度と戦争を起こさないという誓いのモニュメントである。

 「新たな戦争の犠牲者の名前が追加刻銘されるようなことがあってはならない
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1733780.html

<社説>戦後78年「慰霊の日」 沖縄は「戦場」を拒否する
2023年6月23日 05:00

 貴い生命を奪う殺りくが続く。抑止力向上を名目とした軍備増強が急速に進む。平和に逆行する動きの中で私たちはこの日を迎えた。きょうは敗戦から78年の「慰霊の日」である。

 昨年来、平和はもろく、その回復は極めて困難であることを思い知らされてきた。平和を脅かす戦争準備に強い危機感を抱いてきた。

 それでも私たちは平和構築の不断の歩みを断念するわけにはいかない沖縄の島々が再び戦場となることを県民は明確に拒否する。そのためにも沖縄戦の実相を見つめ直す日としたい。

 沖縄に住んでいる私たちは今、国際社会の分断と脅威論の広がりを目の当たりにしている。沖縄にとっては、いずれも平和構築の障害であり、克服しなければならない。

 ロシアによるウクライナ侵攻は無辜(むこ)の民に犠牲を強いるとともに国際社会に深刻な分断をもたらした。侵攻から1年で、双方の軍民の死者数は当局者らの公表分だけで計約2万7千人を数えた。停戦の糸口は見えないままだ。

 先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)は国際社会の分断を融和へと導く場とすべきであった。しかし、ロシアへの制裁強化を確認し、包囲網を固めたことで分断はより深まったように見える。

 ロシアに影響力を持つ中国との連携や、戦闘を続ける両国に対し中立を保つ「グローバルサウス」の国々との対話を踏まえた停戦の働き掛けが必要だ。停戦を促す国際的枠組みづくりが急がれる。先進国の取り組みを求めたい。

 ロシアのウクライナ侵攻は台湾有事という脅威論につながった。それらを背景とした防衛の「南西シフト」によって宮古石垣与那国の軍備増強が急激に進んだ。北朝鮮によるミサイル発射や衛星打ち上げも脅威論の横行に拍車をかけている。3島への地対空誘導弾パトリオットPAC3)配備は2カ月近くになる。

 これらの軍備増強は他国との緊張を高めるものでしかなく地域住民の平安な暮らしに寄与するものではない他国の標的となることへの危惧を住民は抱いている。何よりも「軍隊は住民を守らない」という沖縄戦の教訓に照らしても、現在の軍備増強の動きは否定されるべきものだ。

 「慰霊の日」に当たって沖縄が政府に求めることは、台湾有事や中国、北朝鮮の脅威をあおることではなく、緊張緩和に向けた外交努力である。防衛費増額の財源を確保する特別措置法は成立したが国民は防衛費増に否定的だ。政府は国民世論を直視し、軍備増強政策を改めるべきだ。

 きょうの全戦没者追悼式では玉城デニー知事が発表する平和宣言と合わせ、岸田文雄首相があいさつを述べる沖縄の島々が再び戦禍に巻き込まれることがあってはならない。県民の思いに沿うメッセージを求めたい。
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●《「日本復帰」51年…米占領下で県民が求めた「基地のない平和の島」は実現するどころか「軍事要塞化」が進んでいるのが実情だ》

2023年06月02日 00時00分11秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(20230517[])
(琉球新報社説)《沖縄の施政権が日本に返還された「日本復帰」から51年を迎えた。米占領下で県民が求めた「基地のない平和の島」は実現するどころか「軍事要塞(ようさい)化」が進んでいるのが実情だ》。

 《安心してください本土は 無事ですよ》でいいんですか? ダグラス・ラミスさんは《「沖縄が軍事化され、日本が受けるダメージは沖縄限定にとどめることに無意識に納得していないかそれこそ構造的差別そのものだ」とし、「日本は沖縄を再び捨て石にするのか戦争が帰ってくる…そうさせないために、国からはき出される言葉に注意してほしい。沈黙は差別への加担なのだから」と訴える》。
 沖縄タイムスの【[社説]復帰51年 進む要塞化 平和こそ島んちゅぬ宝】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1151827)によると、《本紙13日付5面の「ゼロチャンネル」に、こんな投稿があった。

 「『台湾有事は沖縄有事』 安心してください。本土は 無事ですよ
   -とにかく明るい斎藤法務大臣 
 日本国民各位
  (うるま・ごーぐち)」

批評の鋭さと、笑いを誘うユーモアに感心した》。

   『●ニッポン〝復帰〟50年…《沖縄の自然が破壊され、民意が踏みにじら
     られて軍事基地ができていく現実》、辺野古は単なる破壊「損」な現実
   『●番犬様のものじゃない…《基地負担の軽減は遠く、米軍は今も島全体を
      自由使用する。よもや「返したけれど俺のもの」と思ってはいまいか》
   『●《元山仁士郎さん…「半世紀たっても、米軍基地の押しつけは変わって
      いない」…言葉には、沖縄にずっとのしかかる負担の重さがにじむ》
   『●(沖縄タイムス)《軍事的な必要性が全てにおいて優先…沖縄は憲法が
        適用されない「軍事植民地」だった》…50年経っても変わらない
   『●《迷惑施設が自分の家の近くに来るのは嫌だという日本本土のNIMBY
       (Not In My Back Yard = ニンビー) …沖縄には基地を押し付け》
   『●《田島征彦さん…「平和憲法を持っている日本は、どんな理由が
     あっても戦争だけはやってはいけない。そのためにも平和憲法が必要」》
   『●目取真俊さん《中台危機を煽って東アジアに軍事的緊張を生み出し、日本
      や韓国に米国製の軍事兵器を大量に売り込もうという意図》がミエミエ
   『●半田滋さん《南西諸島の戦場化…住民が巻き込まれるリスクは避けられ
       ません…これを避けるには「戦争をしない」という選択しか》ない

 半田滋さん《南西諸島の戦場化…住民が巻き込まれるリスクは避けられません…これを避けるには「戦争をしない」という選択しか》ない。「基地のない島どころか、小さな小さな妥協がどんどんと大きくなり、大穴となり決壊し、いまや自衛隊駐屯地がどんどんと展開され…番犬様の基地と相まって「軍事要塞(ようさい)化」。
 琉球新報の【<社説>「日本復帰」51年 原点は「基地のない島」】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1710164.html)によると、《「一九七二年五月一五日 沖縄の祖国復帰は実現した しかし県民の平和への願いは叶(かな)えられず 日米国家権力の恣意(しい)のまま 軍事強化に逆用された」 沖縄本島最北端の国頭村辺戸岬に建つ「祖国復帰闘争碑」に刻まれた碑文の一部だ。沖縄の施政権が日本に返還された「日本復帰」から51年を迎えた。米占領下で県民が求めた「基地のない平和の島」は実現するどころか「軍事要塞(ようさい)化」が進んでいるのが実情だ》。

 沖縄の《日本復帰…米軍支配の人権抑圧から解放され、平和憲法下で共に生きる社会の実現だった》……【[大弦小弦]復帰闘争碑に刻まれた願い】によると、《「祖国復帰闘争碑」…▼碑文には「全国の、そして全世界の友人へ贈る」と題し、沖縄が日本から切り離されて米軍統治下に置かれた屈辱平和への願いが刻まれている ▼沖縄が本土と27度線の国境で分断されていた時代、多くの県民の願いは、米軍支配の人権抑圧から解放され平和憲法下で共に生きる社会の実現だった》。

 一方、木原育子記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「日本は沖縄を再び捨て石にするのか」 元海兵隊員が抱く「南西諸島」という呼び方への違和感】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/249634?rct=tokuhou)によると、《日本政府が防衛強化を進める南西諸島。鹿児島以南の島々を指すが、沖縄ではこの言葉がクローズアップされることに違和感を抱く人もいる。元海兵隊員の政治学者、ダグラス・ラミスさん(86)=那覇市在住=はその1人だ。沖縄の日本復帰51年になる15日を前に、募る懸念を聞いた。(木原育子)》

   『●日本国憲法第九条「国権の発動たる戦争と、
      武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する」
    「「戦後70年、日本は国家として他国民を誰一人殺さず、
     また殺されもしなかった。非戦を貫けたのは、戦争の放棄を定めた
     憲法9条があったからにほかならない」。一方、壊憲はどんどんと進み、
     沖縄の高江辺野古では沖縄差別、沖縄イジメ、沖縄破壊が進む。
     番組中でダグラス・ラミスさんは述べています、
     「(沖縄)…米軍基地はアメリカという帝国の単なる手段ではなく 
     米軍基地は植民地です アメリカの占領する縄張りなのです」。
      アベ様と菅官房長官らが辺野古でやっていること…
     「人権や言論の自由も軽視され、植民地支配と同じ」。アベ様、
     自公議員や翼賛野党議員が好き放題に壊憲させていていいのか?
     そんな議員に投票する人たちは、そんなに「人殺し」に行きたい
     のだろうか?、そんなに「大量殺人」に行きたいのだろうか?」

   『●沖縄でのプレ「平成の治安維持法」実験…
     《実験の結果、今の国民の無関心は国に自信を与えてしまった》
    「所詮、番犬様も、(ダグラス・ラミスさん)《米軍基地は植民地です
     アメリカの占領する縄張り》としか思っていない。デンデン王国
     「裸の王様」にとって沖縄は、米政権への「供物」程度
     としか思っていないでしょう。」

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1710164.html

<社説>「日本復帰」51年 原点は「基地のない島」
2023年5月15日 05:00

 「一九七二年五月一五日 沖縄の祖国復帰は実現した しかし県民の平和への願いは叶(かな)えられず 日米国家権力の恣意(しい)のまま 軍事強化に逆用された

 沖縄本島最北端の国頭村辺戸岬に建つ「祖国復帰闘争碑」に刻まれた碑文の一部だ。

 沖縄の施政権が日本に返還された「日本復帰」から51年を迎えた。米占領下で県民が求めた「基地のない平和の島」は実現するどころか「軍事要塞(ようさい)化」が進んでいるのが実情だ。

 復帰後、県内の在日米軍専用施設面積は、1972年5月の2万7892.5ヘクタールから、2021年には1万8483.3ヘクタールと、3割以上減少した。しかし、主要な基地の返還は実現していない。一方、自衛隊施設は166.1ヘクタールから、2021年には779.8ヘクタールと4.6倍に拡大した。

 南西諸島への自衛隊配備強化が顕著だ。政府は、反撃能力敵基地攻撃能力)の保有などを明記する新たな安保関連3文書を閣議決定した。戦後堅持してきた専守防衛から逸脱戦争ができる国へと変貌した。与那国島宮古島石垣島に陸自駐屯地が開設されるなど自衛隊増強は加速度を増している。


 この動きに合わせるように政府は米軍、自衛隊施設周辺などの土地利用状況を調査し、取引を規制する「土地利用規制法」の対象区域の候補地に、石垣、宮古、与那国など県内の39カ所を選定した。住民の権利を脅かし、重大な人権侵害を招く恐れがある

 復帰を前にした71年、屋良朝苗主席は「復帰措置に関する建議書」で、1)地方自治権の確立(2)反戦平和の理念をつらぬく(3)基本的人権の確立(4)県民本位の経済開発―を骨組みとする新生沖縄像を描いた。県民は米軍の圧政から逃れ、日本国憲法の下に復帰し、基地のない平和な島の実現を望んだ。しかし、復帰闘争碑の碑文のように「国家権力の恣意のまま 軍事強化に逆用されたのが実態ではないか。

 先の大戦で、沖縄は日本防衛の「捨て石」とされ、敗戦で日本国から切り離された。復帰から51年、依然として軍事の「要石」であり続けている沖縄を、再び「有事」の「捨て石」にしてはならない。沖縄の地理的特性を軍事面ではなく、人間の安全保障に生かし、平和の要石とするよう政府に求めたい。同時に、沖縄に基地の重圧を強いることで成り立つ安全保障体制をいつまで続けるのか国民全体にも問わなければならない

 屋良氏は復帰式典のあいさつで「復帰とは、沖縄県民にとってみずからの運命を開拓し、歴史を創造する世紀の大事業」と強調した。沖縄が抱える課題の解決に向けた自主主体性の発揮を県民に求めたのである。

 復帰51年を迎えるにあたり、復帰の意義を振り返り、原点である「基地のない平和の島の実現に取り組まなければならない。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/249634?rct=tokuhou

こちら特報部
「日本は沖縄を再び捨て石にするのか」 元海兵隊員が抱く「南西諸島」という呼び方への違和感
2023年5月13日 12時00分

     (危機感を募らせるダグラス・ラミスさん=那覇市内で)

 日本政府が防衛強化を進める南西諸島。鹿児島以南の島々を指すが、沖縄ではこの言葉がクローズアップされることに違和感を抱く人もいる。元海兵隊員の政治学者、ダグラス・ラミスさん(86)=那覇市在住=はその1人だ。沖縄の日本復帰51年になる15日を前に、募る懸念を聞いた。(木原育子

 5月上旬、那覇市の首里城周辺。木のつえを突き、大地を踏みしめるような堂々とした足取りで、ダグラスさんが現れた。


◆沖縄の危険性が見えなくされている

 「つまり琉球ってことでしょう。なぜ沖縄と言わず、南西諸島とぼかしているのか」。防衛関係を伝えるニュースで、「南西諸島で防衛強化」「南西シフト」と連発して報じられることへの違和感を口にした。「南西諸島」との言葉を多用することで、沖縄の危険性が見えなくされているように感じるからだ。


 「沖縄は本土の捨て石にされたという強烈な記憶が残る。沖縄がまた戦場になる可能性をわかりやすく示すと、抵抗感が再び大きくなる。そうさせないために南西諸島という言葉で、国にとっての不都合をごまかし、曖昧にしていないか

 ダグラスさんは米サンフランシスコ生まれ。1958年に海兵隊に入隊し、60年4月から1年間、返還前の沖縄でキャンプ瑞慶覧(ずけらん)(宜野湾市など)に駐留した。その後除隊し、平和運動を続けながら政治学者として発信を続けてきた。

 ダグラスさんは、「言葉の分析は大事だ戦争と言わず、有事と言い換えることもだ」と語る。


◆進む自衛隊の「南西シフト」

 南西諸島を巡っては、民主党政権が2010年、中国の軍事力強化を背景に防衛大綱で「自衛隊配備の空白地域」と位置づけ、自衛隊配備を明記。自民党政権の大綱でも「南西シフト」の方針は続いた。16年には沖縄県の与那国島に駐屯地が開設され、同県の宮古島、鹿児島県の奄美大島も続いた。

 今年でいえば、鹿児島県の馬毛島で自衛隊基地の本体工事が始まり、敵の艦艇の接近を阻止するために「12式地対艦誘導弾」が沖縄県の石垣島に設置された。宮古島、奄美大島にもミサイル部隊は配備され、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の設置も進む。


◆沖縄の軍事化は「構造的差別そのもの」

 確かに「南西シフト」は進むものの、基地負担という点で考えれば、米軍基地を含めた沖縄への比重はやはり大きい。そんな沖縄にダグラスさんはなぜ、傾倒してきたのか。

 それは沖縄に駐留した経験が大きい。大卒後に入隊すれば学費が免除になる米国の制度があり、家計を助けるために海兵隊員に。

 ある時、訓練で泥だらけになった服を毎日洗濯してくれた沖縄女性のため、「感謝の思いでもっと多くの給与を払いたい」と願い出たことがあった。結局認められなかったが「沖縄のためにと思っても、こちら側にいる限り対等にはなれず、どこかで沖縄を差別している差別に参加する構造からどうやっても抜け出せない」。植民者側という事実に愕然(がくぜん)としたという。

 共同通信の世論調査では、防衛力強化の増税方針を「支持する」は19%で、「支持しない80%を占めた。一方で、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有は「賛成」が61%で、「反対」の36%を大きく上回る。

 ダグラスさんは「沖縄が軍事化され、日本が受けるダメージは沖縄限定にとどめることに無意識に納得していないかそれこそ構造的差別そのものだ」とし、「日本は沖縄を再び捨て石にするのか戦争が帰ってくる…そうさせないために、国からはき出される言葉に注意してほしい。沈黙は差別への加担なのだから」と訴える。

【関連記事】南西諸島を戦地にしたくない 映画監督・三上智恵さんが公開前の映画素材をDVDで無料貸し出し【インタビュー詳報あり】
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●自公政権が続く限り、ヅボヅボ党の誰が首相になろうが地獄は続く。道は、政権交代しかない…《議会政治、財政民主主義が崩壊した戦時体制》

2023年01月21日 00時00分37秒 | Weblog

(2023年01月07日[土])
自公政権が続く限り、ヅボヅボ党の誰が首相になろうが地獄は続く。道は、政権交代しかない。金子勝さん《まさに、議会政治、財政民主主義が崩壊した戦時体制に酷似した状況だ。…日本の敗戦は近い》。(長周新聞)《そもそも際限なく国民の予算を米軍産複合体に垂れ流し、不必要な武器ばかり買い込んで配備し続けてきたことが、近隣諸国との軍事緊張を高めていく最大の要因である。このような血迷った権力者を即刻退陣させることが、日本やアジア諸国の平和や安全にとって真の日本国民の責任」といえる》。

 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/広島サミットを花道とし、岸田さんは降ろされる運命なんじゃない?】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/316831)によると、《サミットを花道とし、岸田さんは降ろされる運命なんじゃない?「変わった」というより、最後まで「聞く力」で、ヌルヌルと自民党内のその案を承諾するつもりなんじゃない? サミットにかける熱意も『最後の俺の見せ場やで』みたいなもんで? それでええんか。》…ホントに、それでいいのですかね?

 一方、異次元の少子化対策だってさ。お金に色はついていないので、消費税増税し、間接的に軍事費倍増に回すわけね?
 日刊ゲンダイの木【岸田政権「児童手当の恒久財源化」本当の狙いは消費税引き上げ? ネットで憶測が広がる】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/316849)によると、《本当の狙いはさらなる消費税増税なのか。それとも「防衛費の増税隠し」なのか。》、《…ネット上で様々な憶測が出ている。《防衛費増税のために所得税や法人税の引き上げや、東日本大震災の復興特別税からの転用案が出ていたが、さらに少子化対策の増税をするわけ? 消費税を引き上げる口実か》《庶民から一体どれだけ税金を搾り取るのか。国会議員の歳費削減は? 月額100万円の「文書通信交通滞在費」(調査研究広報滞在費)の見直しはどうなったの?》《少子化対策と言っているが、実は防衛費増税の財源を探しているのだろう。おそらく狙いは消費税の引き上げ裏を返せば防衛費増税隠しということだ》》。
 どこまで姑息なのか? 軍事費倍増せず、未曽有の「異次元の少子化」問題に対して、その対策費等に充てればよいだけの話。一体どんな「政」をやっているのか?

   『●「FMSは武器取引を通じて、米国が他国を
     従属させるシステムでもある。日本の対米追従は強まる一方だ」
   『●対外有償軍事援助FMS…《アメリカからの援助》? アメリカへの
                  「援助」、狂気な「思いやり」の一種?

 誰の声に耳を傾けたか、〝検討使〟のはずが、国葬モドキや軍事費倍増だけは異常に素早く決断。後者については、番犬様への気遣いか。《米側の言い値で兵器などを買わざるを得ない対外有償軍事援助FMS)」は現代の不平等条約》なのに、ホシュを自称する皆さんは平気なのね。(長周新聞)《武器買わされ戦場にされる選択 岸田政府の防衛費43兆円と大増税 米軍需産業のカモにされる日本》《米国政府との「不平等条約」である兵器購入契約・FMS(有償軍事援助)は直近6年間だけで2・6兆円に達し、「兵器ローン」(後年度負担)の支払額は約6兆円に迫る大赤字状態だ。…国民から集めた税金を米国の軍需産業に際限なく垂れ流す売国的な本性をあらわにしている》。増税してまで軍事費倍増…現実は、「盾」に徹することを止め、「鉾」となることで、《米国の覇権を維持…。まず弾よけ、いずれは鉄砲玉の運命》(斎藤貴男さん)なニッポン、哀れ過ぎはしまいか? ホシュを自称する皆さん、それでいいの? ニッポンに「主権」は本当に在るのかね? 未来に投資することなく、増税して軍事費倍増。どこぞの隣国の「先軍政治」そのもので、軍事国家ニッポンを目指してどうする? 食糧やエネルギー自給率から考えて、輸入がストップすればお終い。核発電所の原子炉あるいは使用済み核燃料プールが《標的》とされたら、3.11東京電力核発電所人災の比ではない…。
 さらに、(長周新聞)《実際にFMSで調達したF35戦闘機の価格変動は日本政府を侮蔑しきった米国側の対応を象徴的にあらわしている。…1機が78億円だった。つまり米国政府を通してロッキード・マーチンが日本にF35を売るとき、1機当り164億円ものマージンをつかみどりしていく構図である》。ドキュメンタリー映画『シャドー・ディール ビジネスの闇』そのもの。

   『●《絶望的な内容に打ちのめされました。武器産業がいかに巧みに
     政治をコントロールし、戦争を作り、暴利を貪っているか。歴史は古い》
    《「テロとの戦い」や「正義」を掲げて世界で繰り返される戦争が、
     権力者と軍事企業武器商人らとの武器取引から生まれている実態を
     描いたドキュメンタリー映画「シャドー・ディール ビジネスの闇」…》

 勝手に軍事費倍増を決めるな。マスコミはなぜ批判せず、財源へと視線をズラすのか?
 この記事を読むとアタマがクラクラする ――― 歴代自民党政府の無能さ、ニッポンの主権の無さ、番犬様からの侮蔑さ具合、ニッポンだけがカモにされて「たかられている」凄惨な現状に。長周新聞の記事【武器買わされ戦場にされる選択 岸田政府の防衛費43兆円と大増税 米軍需産業のカモにされる日本】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/25321)によると、《高齢者の介護や医療費、教育費など国民に不可欠な生活関連予算を無慈悲に削り続ける一方で、岸田政府が今までよりさらにばく大な国家予算を投じて米国製高額兵器を買い込もうとしている。米国政府との「不平等条約」である兵器購入契約・FMS(有償軍事援助)は直近6年間だけで2・6兆円に達し、「兵器ローン」(後年度負担)の支払額は約6兆円に迫る大赤字状態だ。それなのに2023年度防衛予算の概算要求は過去最多額(5・6兆円+事項要求)を計上し、来年以後5年間で43兆円もの軍事費をつぎ込むため、国民に大増税をかぶせる方針を決定した。岸田首相は、モリ・カケ、桜統一教会問題、コロナ対策、ウクライナ戦争にともなう物価高、あいつぐ閣僚の辞任等、何一つみずからの責任で解決したためしがない。だが防衛費をめぐっては「今を生きる国民が自らの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきだ」と豪語し、国民から集めた税金を米国の軍需産業に際限なく垂れ流す売国的な本性をあらわにしている》。

   ●琉球新報《納税者のあずかり知らない防衛力強化を前提に、金額や財源を
     論じることは…許されない…生産力向上に寄与しない防衛費の負担増…》
   『●増税して軍事費倍増…《安全保障というより、米国の覇権を維持…。
      まず弾よけ、いずれは鉄砲玉の運命》(斎藤貴男さん)なニッポン
   『●キシダメ (当時) 外相、辺野古破壊を《クリントン国務長官 (当時) に
     事実上約束》、そして、今、軍事費倍増と《1兆円強を増税で賄う方針》
   『●増税してまで軍事費倍増 ――― 金子勝さん《まさに、議会政治、財政
     民主主義が崩壊した戦時体制に酷似した状況だ。…日本の敗戦は近い》
   『●《下々のカネを、富める者と巨大資本にシフトさせたい本音があからさま》
        …《新しい資本主義》ならぬ、〝新しいトリクルダウン理論〟か?
   『●閣議決定って何? アベ様が編み出した、なんでも内閣の一存でやれる
     システム? 自公お維コミに言わせれば、国会や選挙は不要ということか?
   『●《標的》となり、《鉄砲玉》となる愚…《ことさら攻撃能力について
     興奮して議論している様について、バカではあるまいか?》(狙撃兵)

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https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/25321

武器買わされ戦場にされる選択 岸田政府の防衛費43兆円と大増税 米軍需産業のカモにされる日本
政治 経済 2022年12月22日

 高齢者の介護や医療費、教育費など国民に不可欠な生活関連予算を無慈悲に削り続ける一方で、岸田政府が今までよりさらにばく大な国家予算を投じて米国製高額兵器を買い込もうとしている。米国政府との「不平等条約」である兵器購入契約・FMS(有償軍事援助)は直近6年間だけで2・6兆円に達し、「兵器ローン」(後年度負担)の支払額は約6兆円に迫る大赤字状態だ。それなのに2023年度防衛予算の概算要求は過去最多額(5・6兆円+事項要求)を計上し、来年以後5年間で43兆円もの軍事費をつぎ込むため、国民に大増税をかぶせる方針を決定した。岸田首相は、モリ・カケ、桜統一教会問題、コロナ対策、ウクライナ戦争にともなう物価高、あいつぐ閣僚の辞任等、何一つみずからの責任で解決したためしがない。だが防衛費をめぐっては「今を生きる国民が自らの責任として、しっかりその重みを背負って対応すべきだ」と豪語し、国民から集めた税金を米国の軍需産業に際限なく垂れ流す売国的な本性をあらわにしている

 岸田政府は2023年度から2027年度まで5年間の防衛費を総額43兆円と勝手に決め新たに必要な増額分17兆円を国民への大増税や建設国債などで賄う方針をうち出した。このうち増税では5年間で約1・2兆円捻出する方向だ。その内訳は法人税=約8000億円、所得税=2000億円、たばこ税=2000億円となっている。

 所得税は東日本大震災の復興財源ですべての国民から徴収する「復興特別所得税」の仕組みを転用するという。現在の「復興特別所得税」は所得税の税額に2・1%上乗せし、2012~2037年の25年間で約7・5兆円の「復興財源」を確保すると告知していた。ところがこの期間を延長したうえで税率は1%に下げ、それを防衛財源にあてる目的税に変えるというものだ。

 たばこ税は加熱式たばこの税額を5年かけて段階的に引き上げ、1本当たりの税額を3円引き上げる方針。法人税は「9割の中小企業は増税対象外になる」と主張し、5%課税するとしている。

 「建設国債」では5年間で約1・6兆円規模の確保を想定している。これまで歴代政府は戦前に戦時国債を発行して軍事費を拡大した反省から、建設国債を防衛費にあてることはしていない。だが、岸田政府はこの「禁じ手」を用いて「防衛財源」を増やそうとしている。「建設国債」は道路など将来にわたって恩恵が及ぶときに認められる国債だが、これを自衛隊の弾薬庫など軍事施設整備にあてる内容だ。

 加えて国民生活にかかわる予算を徹底的に削る「歳出改革」で約3兆円確保し、歳入と歳出の差額である「決算剰余金」で3・5兆円捻出する方向だ。同時に税外収入などによる「防衛力強化資金」を創設し、約4・6兆円確保する方針もうち出している。「防衛力強化資金」は外国為替資金特別会計、財政投融資特別会計、コロナ対策の不用分、商業施設大手町プレイスの売却収入などをあてる。それは国民への大増税と徹底した予算削減、さらには予期しなかった余剰資金をすべて防衛財源に回すことで、総額43兆円もの軍事費を確保するという内容である。

 だがこうしてかき集めた43兆円の使い道がとんでもない内容だった。主だった用途をみると、敵の射程圏外から攻撃できるスタンド・オフ防衛能力」の分野に約5兆円、戦闘機や軍艦の維持整備に約9兆円、自衛隊施設の改修整備に約4兆円、弾薬や誘導弾の購入に約2兆円と物騒な項目が並ぶ。無人機(1兆円)、宇宙分野(1兆円)、サイバー分野(1兆円)にも巨額投資をおこなう方向だ。

 コロナ禍や物価高で経営状態が悪化した飲食店や小売店が行政窓口へ行き、切実に支援を求めても財政が厳しいので…」と追い返されるが、「財政が厳しいのは財源が足りないからではない。国民がきちんと収めた税金を政府が国民のために使わず、別のことに流用ばかりすることが最大の原因といえる。


トマホーク等も大量に 攻撃型無人機も

 日本側が発表する武器購入費の資料は極めて難解だ。一つの装備品購入の内容を数年間で分割したり、部品購入費と組み立て費を分けたり、装備品研究費を防衛費とは別の予算に組み込んだり、姑息な小細工が施してあり、全貌を把握するのは至難の業だ。

 その点ではアメリカ議会調査局の方がずっと明快といえる。同調査局の報告では2016年段階で日本への売却額として「総額2兆円の武器セールス」と明記し、そこでの契約装備は、空中戦を想定したF35ステルス戦闘機42機(ロッキード・マーチン)、離島侵攻に使用する垂直離着陸輸送機オスプレイ17機(ベル、ボーイング)、空母に搭載するE-2ホークアイ早期警戒機4機(ノースロップ・グラマン)、滞空型無人偵察機グローバルホーク3機(ノースロップ・グラマン)、戦闘機にもヘリにも空中給油可能なKC46Aペガサス3機(ボーイング)など【表参照】。総額2兆円ですべて米軍需産業の装備だった。

 これに加えて近年は「いずも型護衛艦」改修による国産空母の配備を進め、垂直離着陸が可能な空母艦載機F35B戦闘機も買い込み、国産空母による攻撃体制を完備。さらに12式地対空誘導弾高速滑空弾、極超音速誘導弾など攻撃を想定したミサイル配備も進めてきた。イージスアショア配備計画は中止したものの、すでに支払っていた関連費277億円はむしりとられ、来年度以後は「スタンド・オフ防衛能力」と称してトマホーク(米国製)等の長射程ミサイル、攻撃型無人機を大量に買い込む動きを見せている。


際限ない日本側の負担 不平等なFMS契約

 そして問題はこの米国製兵器購入に適用している不平等なFMS対外有償軍事援助)契約である。FMSはアメリカが「軍事援助をしている」という位置づけで、同盟国に武器を買わせるシステムだ。このFMSについて米国の武器輸出管理法は、①契約価格も納期もすべて米側の都合で決める、②代金は前払い、③米政府は自国の都合で一方的に契約解除できる、と規定している。

 実際にFMSで調達したF35戦闘機の価格変動は日本政府を侮蔑しきった米国側の対応を象徴的にあらわしている。2012年の契約当初は1機96億円だったのに、翌13年は開発費などの増加を理由に140億円に値上げし、14年には159億円に値上げした。その後もアメリカは値上げを続け、16年には181億円と提示した。そして2020年7月に米国務省が追加分105機(F35A=63機、F35B=42機)の売却を承認したときの1機の価格は242億円だった。

 ちなみに2019年10月に米国防総省がロッキード・マーチン社と合意した478機の調達価格は1機が78億円だった。つまり米国政府を通してロッキード・マーチンが日本にF35を売るとき、1機当り164億円ものマージンをつかみどりしていく構図である。

 しかもF35の整備は軍事機密であるため、部品は米国から調達し、技術指導者や技術者はみなアメリカから呼び寄せて整備する。その渡航費や滞在費をみな「技術支援費」として日本側が負担しなければならない。こうして試算されたF35戦闘機にかかる維持整備費は、1機当り約307億円30年間)に達する。それはF35戦闘機1機当り最終的に約471億円もかかることを意味する。加えてF35戦闘機は最先端のデータリンクシステムは搭載しているが、機体が重いため40年以上前に開発されたF16戦闘機に模擬戦で負けるようなレベルでとても「最新鋭の万能戦闘機」といえる装備ではない。

 それでも米国に「買え!」といわれれば147機も買い込む契約を交わし、「真面目」に2・4兆円規模のピンハネ料と4・5兆円に上る維持整備費の支払いに勤しんでいるのが岸田政府にほかならない

 オスプレイの17機購入も、防衛省は当初、5機で計611億円(1機当り122億円)としていたが、総経費はまったく違っていた。その後判明したのは機体購入費=1681億円と維持整備費=4394億円(20年間)が必ず必要で、最終的には合計6075億円になるというもので、結局1機当り357億円も払わされる羽目になった。しかもオスプレイは速度が速く航続距離が長いだけで、墜落事故は多く輸送能力も低い。そのため最初は米陸軍も海兵隊も採用しなかった。このような欠陥装備を「最新兵器」「国防に有効」と騙して日本に高く売りつけカモにしているのが米国である。

 FMSで日本が買い込んだ水陸両用車AAV7(BAEシステムズ)も米国では生産中止になった「骨董品」だった。ベトナム戦争時に開発され、大型で狙われやすく装甲はアルミで防御力も低いという評価だったが、そんな兵器を1両7億円で52両(364億円)も売りつけている

 このFMS契約は米軍のリサイクル兵器や欠陥装備を新品以上の価格で売りつけるだけではない。「前払い」だけさせて武器を実際に収めない「未納入」が常態化している。2007年から2016年までの10年間で、未納入額合計は2481億円にのぼる。2000億円をこす売買契約を交わしておいて、商品を納入しないのは詐欺行為であり処罰対象である。だが日本政府はそれを米国にはっきり指摘することもできず、「未納入・未精算の縮減に向けて取組を推進していくことで一致した」と令和4年版防衛白書に記載しただけである。

 そのうえこうした詐欺まがいのFMS契約を減らすどころか、急拡大してきたのが自民党政府だった。FMS調達額は、第二次安倍政府登場前の2011年は431億円だった。ところが2013年には1179億円計上し、2017年度予算では3596億円へ増額した。そして2019年度予算では7013億円計上した【図参照】。その額は直近の6年間だけでも2兆5764億円に達している。


増える「兵器ローン」 ツケは次世代に

 こうした高額兵器の支払いをするため防衛予算を前借りし、すでに6兆円規模の大借金体質に変えたのも自民党政府だった。そのなかで2018年11月には、防衛省が国内軍事関連企業62社に装備品代金の支払延期を求める事態になった。このとき防衛省は「追加発注をするかわりに、2~4年後に今年度の代金も含めて一括払いする」と説明し丸く収めようとしたが、資金繰りに困る企業側が猛反発して表面化することになった。この「支払延期」を招いた原因こそ、戦闘機やミサイルなど高額兵器を買い込む場合に適用する「兵器ローン」(後年度負担=複数年度に分けて装備代を払う)が増えすぎていたことだった

 国家財政に責任を持つ政府であれば、いくら米国が「武器を買え!」と迫っても、支払いができないほど巨額な兵器購入契約を結ぶという無謀なことはしない。しかし歴代首相は自分がいかに米国に対して忠実かを示すために、「台湾有事」や「北朝鮮のミサイル」を煽り立てて現行の防衛予算額では賄えない額の兵器売買契約を結び、ツケはすべて後継者に押し付ける「場当たり的な対応」を続けた。こうした「防衛費の前借り」を続けた結果、いくら返済額を増やしても追いつかない事態になっている。

 2012年以前の新規兵器ローン契約は年間1・7兆円規模だった。それが安倍政府になって以後2・5兆円規模に拡大している。そのため防衛予算で毎年過去最高を計上しても、毎年数千億円規模のローン未払いが蓄積する事態になっている。第二次安倍政府発足前の2012年段階は「兵器ローン」(新規ローンと既定ローンの合計)は3兆1583億円だった。それが2017年に4兆8726億円になり、2022年には5兆8642億円に達している【グラフ参照】。

 このような無謀で無計画な兵器購入計画を続けてきた歴代首相がなんの責任もとらないまま「国民の責任」といって国民や喫煙者や兵器製造と関係のない企業にまで大増税を押し付けるのは、岸田首相自身がいかに無責任かを自己暴露するものでしかない。


米軍駐留費負担も増額 たかりたい放題

 こうした攻撃型兵器買い込みに加えて大幅増額の動きを見せているのが「在日米軍駐留経費負担」(思いやり予算、HNS)である。

 「思いやり予算」については、事前に米国政府と合意していた特別協定を今年3月の国会で与党と立憲民主党などが賛成多数で可決・承認し、4月1日から発効させている。これは米国側の要求に基づいて五年ごとの総額を決める仕組みで、2022~26年度の5年間で日本側が1兆551億円(前期比で年間約100億円の増額)を米軍に貢ぐ内容となった。しかも今回から呼び方を同盟強靭化予算と変え、今後の大幅増額をにらんで日米共同訓練費や日米共同使用施設整備費を肩代わりする「訓練資機材調達費」の項も新設している。

 今特別協定で新設した「訓練資機材調達費」は米側から「日本側負担をもっと増額せよ!」と迫られ、日本側から逆提案した「できるだけ反発を招かない形で増額を実現する手法」だ。それは批判の強い米軍基地の光熱水費負担を減額し、国民のなかでイメージがわきにくい「訓練資機材調達費」という新項目を設置し、この意味不明の項目の予算を際限なく増やしていく手法だった。

 そのため在日米軍基地の光熱水費は現行規模(234億円)を段階的に減らし、2025~2026年度は年133億円にする。その一方で「訓練資機材調達費」として5年間で200億円計上し、仮想空間で人工知能(AI)によって仮想敵を相手に訓練する最新システム等を購入する方針を決定した。こうすれば高熱水費を約100億円減額する目くらましで、200億円の機材調達費を確保し、100億円日本負担を増やすことができる。同時にこれは今後、もっと高額な訓練資機材を「日米同盟強化に必要な施設」と主張し、日本側に押しつけていくための地ならしにほかならない。

 さらに「訓練移転費」に「アラスカへの移転費」を加えたのも特徴だ。この「訓練移転費」はもともと「在日米軍の約七割が集中する沖縄県の負担軽減」を予算計上の理由にしており、在沖米軍の訓練のグアム移転を対象にしてきた。しかし実際は、グアムへの訓練移転経費だけにとどまらず、米海兵隊の「グアム移転経費」と称してグアムにある米軍基地整備費まで日本側が負担してきた。それを今度はロシアと国境を接する米アラスカ州にも拡大し、年間約114億円負担することを明らかにしている。

 加えて在日米軍基地の機能強化に直結する「提供施設整備費」は5年間で総額1641億円とし、年間平均では約100億円増額した。思いやり予算を規定した特別協定の「日米合意」は、同盟国を盾にして中国に対峙させる米国の軍事戦略の具体化である。

 この「思いやり予算」は1978年に在日米軍基地で働く日本人の一部労務費を日本側が負担(60に億円)したのが始まりだ。だが翌年に隊舎や施設整備費の負担が加わり、1987年からは基地従業員の手当も日本負担にした。それ以後は光熱水費(1991年)、訓練移転費(1996年)まで加え、現在の在日米軍駐留経費負担は2056億円(2022年度予算)となった。それは開始当初の負担額の33倍以上に膨れ上がっている

 しかも日本が負担する米軍関係費は「思いやり予算」以外にも米軍再編関係費、基地周辺対策費、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)経費等があり、防衛省管轄の経費だけで約8000億円規模になる。それ以外にも基地交付金等防衛省予算外の日本負担(約2000億円分)がある。これらを合計すると日本側はすでに年間1兆円規模の在日米軍関係費を貢いでいる。この日本側負担に加えて、さらに今後、増えていく可能性の高い「訓練資機材調達費」まで新たな負担項目に追加したというのが中心的な合意内容だった。

 もともと在日米軍基地は米軍が日本全土に残虐な爆撃を加えて日本から力ずくで奪った基地であり、「すべて返せ!」というのが日本国民として当然の要求である。ところが歴代日本政府は基地撤去を要求するどころか「米国が日本を守ってくれている」と主張し、日本国民の税金を米軍基地関連経費に貢ぎ続けている。しかも岸田政府は日本が米国から散々たかられてきたにもかかわらず、まだ貢ぎようが足りないと、今度は国民から増税で巻き上げ、さらに米国から大量の兵器を買い込み、挙句のはては日本列島全体が米本土防衛のための巨大な地雷、もしくは機雷にさせられかねない危険な事態を引き寄せている。

 そもそも際限なく国民の予算を米軍産複合体に垂れ流し、不必要な武器ばかり買い込んで配備し続けてきたことが、近隣諸国との軍事緊張を高めていく最大の要因である。このような血迷った権力者を即刻退陣させることが、日本やアジア諸国の平和や安全にとって真の日本国民の責任」といえる。
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●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙われるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》

2021年04月17日 00時00分29秒 | Weblog

[※ 辺野古は破壊「損」 【米軍飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市の海岸】(東京新聞 2020年4月3日)↑]


(20210402[])
沖縄タイムスの【社説[安保法施行5年]米軍との一体化を危惧】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/729089)。
琉球新報の【<社説>安保法制施行5年 平和外交にこそ力を注げ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1294794.html)。
沖縄タイムスの【<社説>安保法施行5年 違憲性を問い続けねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/94430?rct=editorial)。

 《安全保障関連法が施行されてから5年たった。憲法解釈を変更して、歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権の行使を可能にした法律だ。他国軍への後方支援の拡大や、国連が統括しない国際連携平和安全活動への隊員派遣も可能になった。集団的自衛権の行使につながる活動は、これまでのところない。ただ、自衛隊の任務は大幅に広がり、日米の軍事一体化が加速している》。
 《憲法学者から違憲との指摘がある集団的自衛権行使を可能にし、日米の軍事一体化を進めるなど、さまざまな課題をはらむ安全保障法制は、29日で施行から5年を迎えた。この間、自衛隊と米軍の一体運用は常態化し、太平洋に面するオーストラリアだけでなく、欧州を含めた形で軍事的な連携が際限なく広がる。海洋進出を図る中国や弾道ミサイルを発射した北朝鮮など、東アジアの安全保障環境に懸念は絶えない。しかし軍事的な力に頼るばかりの安全保障策でよいのか》。
 《安倍前内閣が成立を強行した安全保障関連法が施行されてきょう二十九日で五年。この間、自衛隊の米軍防護が増えるなど米軍との一体化が確実に進むが、同法の違憲性を解消し、地域の緊張を緩和する外交・安全保障政策にこそ、知恵を絞るべきではないか。米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は、バイデン政権の閣僚として初めての訪問先に日本を選んだ。このことは、アジア・太平洋地域の情勢が依然、厳しいことを物語る。その視線の先にあるのは、軍事的台頭が著しい中国にほかならない》。

 〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙われるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》(琉球新報社説)。自公お維には、(他所んちの)子や孫を戦場に送り、戦争をやりたくてしょうがない父母や祖父母がいるらしい。悍ましくてしょうがない。
 《国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ》…違憲な〝戦争法〟など、早く廃案にしなければ、危険極まりない。

   『●立派な「戦争法案」!: 後方支援=兵站「武力行使と
      一体不可分の中心構成要素」、「リッパな戦闘行為」
    「女性議員には「早く質問しろよ」!、と言えても、志位氏には
     それを言う勇気もないヘタレなアベ様。福島瑞穂さんの「戦争法案」
     にはレッテル貼りと言えても、志位氏には何も言えない情けなさ。」

   『●自衛隊員の「息子に迷惑をかけぬよう、
    「縁を切った」上で」、戦争法案に反対する平和子さん
   『●要《戦争絶滅受合法案》!: 憲法9条第2項抹殺…
       戦争したくてしょうがないアベ様ら自公与党議員達
   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/729089

社説[安保法施行5年]米軍との一体化を危惧
2021年3月29日 06:50

 安全保障関連法が施行されてから5年たった。

 憲法解釈を変更して、歴代政権が認めてこなかった集団的自衛権の行使を可能にした法律だ。他国軍への後方支援の拡大や、国連が統括しない国際連携平和安全活動への隊員派遣も可能になった。

 集団的自衛権の行使につながる活動は、これまでのところない。ただ、自衛隊の任務は大幅に広がり、日米の軍事一体化が加速している。

 自衛隊が他国の艦艇や航空機を守る新任務「武器等防護」は2020年、過去最多の25件あった。対象はいずれも米軍。17年に初めて2件実施されて以降、18年に16件、19年14件と増加傾向にある。

 政府は当初「可能な限り情報を公開する」と説明していた。だが、実際に公表されている情報は限定的だ。

 「米軍の運用に直結する」として日時や場所、自衛隊がどの部隊を出したのかは明らかにしていない。活動内容も「情報収集・警戒監視」「共同訓練」など大くくりで示すのみだ。

 安保法は、後方支援の対象を安保条約を結ぶ国に限定していない。日本の連携強化の相手は欧州やオーストラリアに拡大しつつある

 活動が、なし崩し的に広がり、歯止めが利かなくならないか、懸念が拭えない。国会が十分検証できるよう情報開示を徹底すべきだ。

 「駆け付け警護」の任務が付与された南スーダンPKOでは、日報の隠蔽(いんぺい)が発覚した。このような事実隠しも二度とあってはならない。

■    ■

 安保法は名護市辺野古の新基地建設ともつながる。それを象徴する「事実」が判明した。

 陸上自衛隊と米海兵隊が、辺野古新基地に陸自の離島防衛部隊「水陸機動団」を常駐させること極秘に合意していた、というのだ。

 計画は一時凍結されているというが、このままなら新基地が自衛隊と共同使用されるのは目に見えている。

 自衛隊は中国の動きをにらんだ「南西シフト」を鮮明にし八重山や宮古、沖縄本島、奄美へと配備を着々と進展させる。

 一方で県内では既に日米の一体化が目に見える形で進む。航空自衛隊は今月、米軍嘉手納基地で地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の機動展開訓練を実施した。

 政府が唱える「負担軽減」は掛け声だけとなっている。その裏で進む基地機能の強化を受け入れることはできない。

■    ■

 歴代の法制局長官や多くの憲法学者が成立前に訴えたように、安保法は違憲の疑いが濃厚だ。にもかかわらず放置している政府の責任は重い。

 米中対立が激化する今、日米軍事一体化は、かえって米中の戦争に巻き込まれかねないというジレンマを抱える。政府が「抑止力」に頼りすぎなのも危うい。

 必要なのは冷静に物事を見極め、バランスの取れた安保政策を議論することだ。中国との間で太いパイプをつくる、といった一見すると遠回りに見える外交努力が、地域の平和を築く上で求められている
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1294794.html

<社説>安保法制施行5年 平和外交にこそ力を注げ
2021年3月29日 06:01

 憲法学者から違憲との指摘がある集団的自衛権行使を可能にし、日米の軍事一体化を進めるなど、さまざまな課題をはらむ安全保障法制は、29日で施行から5年を迎えた。

 この間、自衛隊と米軍の一体運用は常態化し、太平洋に面するオーストラリアだけでなく、欧州を含めた形で軍事的な連携が際限なく広がる

 海洋進出を図る中国や弾道ミサイルを発射した北朝鮮など、東アジアの安全保障環境に懸念は絶えない。しかし軍事的な力に頼るばかりの安全保障策でよいのか。

 有事となれば真っ先に狙われるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄であるのは疑いない。76年前、軍民混在の地上戦を経験した県民は「軍隊は住民を守らないという教訓を得た。

 政府は違憲の疑いが濃い安保法制を見直すだけでなく、国民を守るため平和外交にこそ力を注ぐべきだ

 安保法制で可能になった任務では、集団的自衛権の行使こそなかったが、平時に他国軍の艦艇などを自衛隊が守る「武器等防護」は19年に14件、20年に25件実施している。防衛省は件数と概要のみ公表し、詳細は明かしていない。

 現状は米軍だけを対象にしているが、菅義偉首相はオーストラリアのモリソン首相との昨年11月の会談で、オーストラリア軍も「武器等防護」の対象に追加するよう調整を進めることで合意した。

 「武器等防護」は地理的制約がなく自衛隊が世界中で活動できる。しかし詳細な情報を公開せず、国会も十分関与できない。これでは自衛隊を統制できない

 当時の安倍晋三首相は国会と国民に説明責任を果たすと語ったはずだ。「抑止力」を名目にした自衛権が際限なく広がれば国民が知らないうちに戦争に巻き込まれる可能性がある。

 国民に重要な情報を開示しない中で各国軍隊との訓練が日常化すれば、沖縄を拠点とする米軍の活動もさらに激しくなる。沖縄は現状でも過重な負担を強いられている。最近では米軍の低空飛行や物資つり下げなど危険な訓練も常態化する。自衛隊の先島配備も着々と進みつつある。

 法そのものの問題も多いが、成立過程で残した立憲主義や法治主義の否定は現在にもつながる。集団的自衛権行使を違憲とする専門家の声に耳を傾けず、政権の意に沿う人物を登用し「法の番人である内閣法制局の見解さえも変えてしまった

 安倍前政権が残した負の遺産は、政権に異議を唱える学者を排除するという点で、現政権の日本学術会議任命拒否問題とつながっている。

 法的安定性を損ない、違憲とする国民からの疑念も絶えない安保法制は、本当に必要なのか。現状では隣国との摩擦の種にしかならない

 政府は、違憲との指摘がある安保法制を根幹から見直すべきだ。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/94430?rct=editorial

<社説>安保法施行5年 違憲性を問い続けねば
2021年3月29日 07時31分

 安倍前内閣が成立を強行した安全保障関連法が施行されてきょう二十九日で五年。この間、自衛隊の米軍防護が増えるなど米軍との一体化が確実に進むが、同法の違憲性を解消し、地域の緊張を緩和する外交・安全保障政策にこそ、知恵を絞るべきではないか。

 米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は、バイデン政権の閣僚として初めての訪問先に日本を選んだ。このことは、アジア・太平洋地域の情勢が依然、厳しいことを物語る。その視線の先にあるのは、軍事的台頭が著しい中国にほかならない。


◆増える米軍の防護任務

 今月十六日に開かれた日米両国の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)後の共同発表では、海洋進出の動きを強める中国を名指しで批判し、「日米同盟」をさらに強化する決意を表明した。

 自衛隊と米軍の防衛協力はこれまでも、自衛隊の役割拡大という形で、緊密化が進んできた。

 その度合いを一層強めたのが、安倍晋三前首相が二〇一五年九月に成立を強行し、翌一六年三月に施行された安保関連法である。

 「一体化」ともいえる自衛隊と米軍との緊密な協力関係は、数字にも表れている。自衛隊が昨年一年間、安保法に基づいて実施した米軍の艦艇や航空機の防護は一九年の十四回から増え、二十五回を数えた。初めて実施した一七年以降で最も多い。

 内訳は弾道ミサイル警戒を含む情報収集・警戒監視活動による艦艇警護が四回、共同訓練の際の航空機警護が二十一回。法律上は米国以外の軍隊も対象だが、安保法施行後の五年間で自衛隊が防護したのは米軍だけだ。

 「アジアで最も強力な二つの軍隊の統合が進んでいることの表れだ」。米CNNは、自衛隊による米軍防護の増加をこう報じた。


◆軍事衝突の引き金にも

 安保法の施行以前、自衛隊が平時に武器を使って防護できる対象は自衛隊の武器や施設に限られていたが、同法の施行で「日本の防衛に資する活動」を行う米軍など外国軍隊の武器や施設が対象に加えられた

 しかし、いくら日本の防衛に資する活動をしているといっても、米艦などの防護活動中に攻撃や妨害行為があった場合、阻止するために自衛隊が武器を使用すれば、紛争の引き金を引きかねない。

 しかも、防護活動の時期や場所は米軍の部隊運用に関わるとして発表されず、情報に乏しい。

 安倍前首相が安保法案の国会審議で、米艦などへの防護活動について「国会および国民に対する説明責任を果たすため、可能な限り最大限の情報を開示し、丁寧に説明する考えだ」と、情報公開を約束したにもかかわらずだ。

 安倍前内閣は法案提出に当たって、歴代内閣が堅持してきた「集団的自衛権の行使」を憲法違反とする解釈を一内閣の判断で強引に変更し、一部とはいえ行使容認に転じた。

 安保法を巡り、各地で違憲訴訟が提起されたのも当然だろう。

 安保法でさらに進んだ自衛隊の任務、装備両面での強化や米軍との一体化が、戦争放棄や戦力不保持を定めた憲法九条に合致するのか。施行から五年を経ても、その妥当性を問い続けねばなるまい。

 今年は一九九一年に湾岸戦争が勃発してから三十年の節目の年でもある。振り返れば、この戦争を契機に日本の国際貢献策として自衛隊の海外派遣が始まり、イラク戦争や「テロとの戦い」など国際紛争の度に、自衛隊は海外での活動範囲や役割を拡大してきた。

 そして私たちが今、直面するのが、中国の著しい台頭だが、これまでと全く違うのは中国が日本にとって地理的、経済的に極めて近い関係にあることだ。

 もし、米中両国が日本周辺地域で軍事的衝突に至れば、日本も無傷ではいられまい。米国が日本に対し、日米安全保障条約に規定された以上の、さらなる軍事的協力を求めてくるかもしれない。


◆「したたかな外交」こそ

 もちろん「平和」と口にするだけで、日本の平和と安全を保つことはできないが、日米の軍事的一体化を進めることで逆に、地域の緊張を高める「安全保障のジレンマ」に陥らないだろうか。

 日本は憲法が許す範囲内で自国の守りを固める一方、地域の警察力としての米軍の存在を認め、米軍への基地提供という安保条約上の義務は誠実に果たす。

 その上で、権威主義に大きく傾く中国とは対話を通じて自由や民主主義、人権を重んじ、国際社会の責任ある一員として責任を果たすよう促す。そんな外交戦略を描き、果敢に展開するしたたかさが必要とされているのではないか。

 対立をあおり、封じ込めに固執することを、賢明な外交・安全保障政策とはとてもいえない
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●《中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるの》か?

2019年05月26日 00時00分47秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の社説【陸自離島配備 住民の理解なしでは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019050602000186.html)。
沖縄タイムスの吉田央記者によるコラム【[大弦小弦]負担を沖縄に封じ込める構図は、脈々と続いている】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/417117)。
東京新聞の社説【沖縄復帰47年 真に憲法の仲間として】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019051302000145.html)。

 《南西諸島への陸上自衛隊配備を巡り、防衛省による不誠実な住民対応が目立つ。配備は中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるのだろうか。防衛省への住民の不信が噴出しているのが、沖縄県宮古島市だ》。
 《米国務省の元幹部が、1993年に在沖米海兵隊の本土移転を望んだが、日本政府がまったく耳を傾けなかったと本紙に証言…▼当時は社会党も参加した8党連立政権。今の自公政権、「最低でも県外」を掲げた民主党政権を含め、歴代政権がことごとく沖縄駐留に固執する。なぜか ▼…。最も核心的だと思った説明は「要するに、沖縄にいま海兵隊がいるからだ」》。
 《沖縄は十五日、本土復帰四十七年を迎える。しかし、沖縄の人権や自治は今なお、日本国憲法のにある状況ではないか。復帰の意味を問い直すときだ…憲法九条の碑。「日本國(こく)民は正義と秩序を基調とする國際平和を…」。旧字体で条文を刻んだ金属板が埋め込まれ、柱の上には植物の萌芽(ほうが)のごとく九条の精神が世界に満ちるように、との願いを込めた彫刻が掲げられている》。

   『●辺野古破壊という大愚を続行…民意無視、
     《地方自治や民主主義、県民の尊厳をどう考えるか…自身の見解を》
   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…
      「国を相手にケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
   『●与那国島や石垣島、《沖縄は名護市辺野古だけでなく、
          宮古島もまた国防のために政府に翻弄されている》
   『●虚偽説明…《宮古島では、島民の基地負担は
      ますます重くなっている。政府がやってるのはいじめそのもの》
   『●沖縄イジメ…《この74年間、沖縄戦以来、陸兵が軍服を着て
                 宮古島を闊歩する姿など誰も見たことはない》
   『●「沖縄は米国の植民地ではない。私たち沖縄県民は、
        米国民との友好は望むが、服従は望んでいない」――。
   『●《支持者と反対者が排他的に対立》…
     排他的に対立させているのは、与党自公や癒党お維の側ではないのか?
   『●辺野古破壊《移設方針は揺るがないとの政府の姿勢》…
        アベ様や最低の官房長官らの無為無策・無能ぶりの表れ

 地域を分断し、「標的の島」となることを押し付ける。
 辺野古破壊と壊憲…アベ様という独裁者が種々のクダラナイ理由を持ち出して壊憲を叫ぶ今ごろになって、《保守系の翁長雄志那覇市長》のこの言葉の意味を痛感させられる…「憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復だ」……『●沖縄の「屈辱の日」を祝う神経』。

 《漁師達が知らずに漁をしていた》…無茶苦茶である。沖縄では、《こんな風に、住民はあっけなく危険にさらされるのか》。 
 沖縄タイムスの記事【米空軍、被ばく恐れ沖縄の離島未調査 1995~96年鳥島での劣化ウラン弾誤射 2010年9月まで実施せず】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/417133)によると、《1995~96年に米軍機が鳥島射爆撃場(沖縄県久米島町)で劣化ウラン含有弾を誤射した事故の後、米空軍が兵士の被ばく懸念から少なくとも2010年9月まで鳥島での動植物の生息状況や水質などを調べる通常の環境調査を実施していなかったことが分かった》。
 《劣化ウラン含有弾を誤射》《兵士の被ばく懸念》…沖縄の市民の命は?

 東京新聞の記事【筆洗】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019050802000146.html)によると、《小林一茶の<痩蛙(やせがえる)まけるな一茶是(これ)に有(あり)>…▼そのカエルの両生類は40%超が絶滅の危機にあるらしい。国連の科学者組織が六日に公表したショッキングな報告書である。これによると世界で百万種の動植物が絶滅の危機にひんしており、その速度は過去一千万年の平均と比較し数十倍から数百倍に上るそうだ▼百万種類の動植物を絶滅に追いやろうとする犯人はだれかといえば、もちろん、人間である。人間の活動が森を消し、陸地を変え、海に影響を与えた結果である。世界の陸地の75%が人間によって、改変された》…。
 《生物多様性の生きた教科書》や美ら海を破壊する愚かな国である。

 そして、森や海に加えて、《次代に残すのは「不戦」》でしょうに、この国は…。

   『●「対馬丸」生存者…「あの戦争が頭から離れない。
       もう二度とごめんだ」…「九条の碑」早期建立を呼び掛け
    「「対馬丸」…《あの戦争が頭から離れない。もう二度とごめんだ》、と。
     そして、沖縄県7ヵ所目、大宜味村内での「九条の碑」早期建立を
     呼び掛けておられます。《「戦争の前にまず教育がおかしくなる」と指摘し、
     教育の戦前回帰」を懸念する》、本当にそうです。ハタやウタを子供たちに
     強制し、教師の内心をかき乱す…。洗脳するが如く、幼児や幼子に
     「教育勅語」を暗唱させる…。
      壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」といった
     こを許していいのか? その先にある、緊急事態条項創設をも。
     《沖縄は全国の半数を占める。住民を巻き込んだ地上戦を経験し、
     平和憲法への思いは強い。「未来ある子孫への贈り物」。大宜味村の碑は、
     そう刻む予定だ。次代に残すのは「不戦。メッセージは明確だ》。
     《不戦を誇る国であれ》と願う」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019050602000186.html

【社説】
陸自離島配備 住民の理解なしでは
2019年5月6日

 南西諸島への陸上自衛隊配備を巡り、防衛省による不誠実な住民対応が目立つ。配備は中国の海洋進出への対抗策というが、住民の安心をないがしろにして、地域の平和を守るといえるのだろうか

 防衛省への住民の不信が噴出しているのが、沖縄県宮古島市だ。

 三月下旬、陸自駐屯地が開設され約三百八十人の警備隊が発足した。ところがないはずの弾薬庫が敷地内に造られ多目的誘導弾(ミサイル)迫撃砲が搬入されていたことが判明した。弾薬保管なしを条件に、反対から容認に転じた周辺住民にとっては「だまし討ち」だろう。

 四月、隊旗授与式に訪れた岩屋毅防衛相は「説明不十分だった」と謝罪。陸自は誘導弾などを島外に搬出した。駐屯地には来年以降ミサイル部隊も加わる。同部隊のミサイルなども含め、島内の別の地区に造る弾薬庫が完成次第集約する計画だが、その現地でも地区が弾薬庫整備に反対している。

 防衛省は住民軽視を猛省し抜本的に対応を見直さねばならない。

 沖縄県石垣市では、島の中央部に地対艦・地対空誘導弾部隊など五百~六百人の駐屯地を設けるための用地造成が三月に始まった。

 地元四地区が、軍事標的化や希少動植物の生態系への影響を懸念し反対する中での着工だ。住民側は、四月以降なら義務付けられる環境影響評価避けるため着工を急いだのではとも指摘している。

 事実上容認の姿勢だった中山義隆市長は三選後の昨年七月、受け入れを正式表明した。しかし、反発する住民は民意は定かではないとし、有権者の四割の署名を集めて住民投票を請求。投票実施のための条例案は今年二月の市議会で賛否同数の末、議長裁決で否決されるも、際どい結果に論争は収まらない。市側はもう一度慎重に住民の意思を見極める必要がある。

 政府は二〇一三年の防衛大綱で南西地域の防衛体制強化を打ち出し、沖縄本島のみの配備だった陸自を他の沖縄三島と鹿児島県奄美大島へ展開する方針を決めた。ただ、離島を結ぶ軍事拠点化が地域の安全保障に役立つのか

 沖縄では中国人観光客の増加が著しい。政治的にも日中関係は改善の兆しが見える。そんな一帯の融和感に水を差すことにならないか。冷戦終結で北方対処の任を終えた陸自が、組織維持のため南西地域に役割を求めたとも読める状況である。何より、狭い島内での自衛隊活動は住民の理解抜きに成り立たないと心得るべきだ。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/417117

[大弦小弦]負担を沖縄に封じ込める構図は、脈々と続いている
2019年5月8日 07:21

 負担を沖縄に封じ込める構図は、脈々と続いている。米国務省の元幹部が、1993年に在沖米海兵隊の本土移転を望んだが、日本政府がまったく耳を傾けなかったと本紙に証言した

▼当時は社会党も参加した8党連立政権。今の自公政権、「最低でも県外」を掲げた民主党政権を含め、歴代政権がことごとく沖縄駐留に固執する。なぜか

▼東京支社で外務省、防衛庁を担当した2005年から数年間、政治家や官僚に聞いて回った。最も核心的だと思った説明は「要するに、沖縄にいま海兵隊がいるからだ

▼本土に移転しようと思ったら地元の同意が必要だが、難しい。だから、いま海兵隊がいる沖縄に我慢してもらう-という趣旨だ。「海兵隊を受け入れてくれ」と言われ「それは結構なお話ですな」と言う首長などいない

▼沖縄では名護市の住民投票で政府職員を選挙運動に送り込んだり、知事の埋め立て承認を得るため3千億円台の予算を10年保証したり、ありとあらゆる手を使う。この熱意を、県外移転に傾注してはどうか

▼新基地建設は大浦湾側に軟弱地盤が見つかり、難航が必至だ。建設後も地盤沈下のおそれがある。施設の安定使用を望む米側、海兵隊の駐留を望む日本側、建設に反対する県民。だれの利益にもならない計画突き進んでいないだろうか。(吉田央)
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019051302000145.html

【社説】
沖縄復帰47年 真に憲法の仲間として
2019年5月13日

 沖縄は十五日、本土復帰四十七年を迎える。しかし、沖縄の人権や自治は今なお、日本国憲法の外にある状況ではないか。復帰の意味を問い直すときだ。

 沖縄県読谷村(よみたんそん)。太平洋戦争末期、米軍が沖縄本島で最初に上陸した村の役場前に高さ三メートルほどのコンクリート柱が立っている。

 憲法九条の碑。「日本國(こく)民は正義と秩序を基調とする國際平和を…」。旧字体で条文を刻んだ金属板が埋め込まれ、柱の上には植物の萌芽(ほうが)のごとく九条の精神が世界に満ちるように、との願いを込めた彫刻が掲げられている。


◆輝かしい命

 建立は戦後五十年に当たる一九九五年。「沖縄の人々にとって日本国憲法は輝かしい命そのものだった人間が大事にされ、戦争をしない国になるという希望を与えてくれた。戦後の米国統治下の沖縄の復帰運動は、日本国憲法の下への復帰を目指すものもありました」。当時読谷村長だった山内徳信(とくしん)さん(84)=元社民党参院議員=は、建立の背景を振り返る。

 五二年発効のサンフランシスコ講和条約で、沖縄は正式に米国の施政権下に置かれた。米側は沖縄に日本の「潜在主権」を残すことは認めたが、日本側は六五年、政府統一見解で日本国憲法の適用はないと宣言した。

 沖縄には米国憲法も適用されない。軍人の高等弁務官を頂点とする米国民政府が軍事的必要性を最優先に行政、立法、司法上の権力を行使。基地拡大のための土地の強制収用をはじめ政治家の弾圧、表現の自由の規制、事件事故を起こした米兵の無罪放免-などが繰り返された。

 人々が、基本的人権の尊重国民主権平和主義を基本原理とする憲法下での生活を求めたのは言うまでもない。山内さんによると、若者たちは鉛筆で条文を書き写しながらその日を夢見ていた


◆戦争と隣り合わせ

 七二年五月、沖縄の復帰は実現する。しかし「日本国憲法への復帰は決してかなえられたとはいえない。悲運の発端は、広大な基地の継続・維持が盛り込まれた日米間の沖縄返還協定である。

 返還交渉中、日本政府は基地の扱いについて「核抜き本土並み」と表明し縮小に期待を持たせたものの、復帰前に沖縄本島面積の20%を占めた米軍基地は今なお14・6%と取り組みは進んでいない

 基地は復帰まで、共産圏をにらむ最前線として最大約千三百発もの核が配備され、ベトナム戦争の出撃拠点となった。冷戦終結後も湾岸戦争、イラク戦争などに空軍や海兵隊を送り出してきた

 日本は戦後一度も他国と戦火を交えていないのに、沖縄は米国の戦争と隣り合わせの状態に置かれ米軍機の事故や米兵、米軍属による事件が繰り返される。在日米軍の特権を定め、翁長雄志(おながたけし)前沖縄県知事が「憲法の上にある」と嘆いた日米地位協定もそのままだ。

 沖縄県や県警のまとめでは、復帰後二〇一七年末までに、県内で発生した米軍航空機関連の事故は七百三十八件(うち墜落は四十七件)、米軍人などによる刑法犯罪は五千九百六十七件(うち凶悪事件は五百八十件)生命、生活、財産が脅かされる日常は法の下の平等に大きく反する

 その上で、名護市辺野古で進められる新基地建設に県民が重ねて反対の意思を示すのは、当然すぎる行動だ。政府は米軍普天間飛行場の移設・返還のためというが新基地完成のめどは立っていない。その矛盾をどう解消するのか。

 新基地建設を巡ってはことし一月、国内の主な憲法研究者の約四分の一に当たる百三十一人が連名で「憲法の重要原理を侵害、空洞化する」との声明を発表した。解決には「何よりもまず沖縄の人々の人権問題」を考え工事を即時中止すべきだとする。

 「民主主義や地方自治の在り方が問われている点で、日本国民全体の問題」ととらえようとの提起は極めて重要だ。

 沖縄の地元紙琉球新報が、本土復帰に関して五年ごとに行っている県民世論調査がある。復帰して「とても良かった」「どちらかと言えば良かった」との回答の合計は、復帰から三十五年の〇七年には82・3%だった。四十周年の一二年にはちょうど80%。さらに五年後の一七年には75・5%と幅を広げながら低下している。


◆「自己決定権」を希求

 一方、同紙の別の県民意識調査では、今後の沖縄の立場について自治州や連邦制への移行、または「独立」を望む声が一一~一六年の五年間に二割から三割超に急増した。自己決定権」の希求。裏を返せば、復帰の本意をかなえないままの「日本」不信の表れだ。

 沖縄を真に憲法の下の仲間とする-。中央の政治はもちろん本土側の国民も、あらためて当たり前のことを行いたい。
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