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●東電核発電人災、仙台高裁上田哲裁判長に続き、国の責任も認めた東京高裁白井幸夫裁判長による逆転勝訴判決―――この判決の意義とは?

2021年03月17日 00時00分13秒 | Weblog

[※ ↑号外【国の責任認める/東京高裁 千葉地裁判決覆す/原発避難集団訴訟 東電にも賠償命令】 (福島民報 2021年02月19日)]


(20210228[])
海渡雄一さんによる、レイバーネットの記事【最高裁で確定させ国としての脱原発を確実に〜「千葉避難者訴訟」逆転勝訴の意義】(http://www.labornetjp.org/news/2021/0223kaido)。

 《さる2月19日に千葉避難者訴訟について東京高裁(第22民事部 白井幸夫裁判長)が、東電と国の責任を認める判決を言い渡しました。この判決の推本の長期評価の信頼性と国の責任に関する判示部分は、私が被害者代理人としてかかわっている東電刑事裁判、原告代理人としてかかわっている東電株主代表訴訟の帰趨に大きく影響するものです。この裁判の一審判決では、国の責任を否定する判決が出されていましたが、東京高裁で見事に逆転勝訴判決を勝ち取られた原告団と弁護団に敬意を表したいと思います。この弁護団の団長は福武公子弁護士です。福武弁護士は、私も加わったもんじゅ訴訟弁護団の事務局長でした。以下、この判決の内容を紹介し、この判決の意義について述べたいと思います。(海渡雄一)》


 《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や国が「原状回復」してみせてくれよ。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれです。
     「あれだけの事故を起こして被害を出してだれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業なりわいを返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
      「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
       国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる
    「民事裁判では、地裁に続き高裁レベルで、《国と東電に損害賠償などを
     求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き
     両者に賠償を命じ》ました。仙台高裁上田哲裁判長によるものです。
      「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」という訴えが、
     一部認められました。

      国や東京電力が責任を果たす方法は明確で、簡単です。《原状回復
     して見せてくれればよいのです。もう10年が経とうとしています。
     さっさとお願いします。
      …出来ない、不可能というのであれば、やるべきことは一つしかない
     でしょ? 《国や東電は被災地を事故前の状態に戻すことができない
     現実を直視し》、何を為すべきですか?」

   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決
   『●《「国に法的責任はある」原発事故で千葉県に避難した人々が起こした
        訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》


 仙台高裁・上田哲裁判長に続き、国の責任も認めた東京高裁・白井幸夫裁判長による逆転勝訴判決 ――― この判決の意義とは?
 白井幸夫裁判長は、《防潮堤の設置などの措置を講じていれば「津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかった」と認定。国が規制しなかったことと事故との間に「責任を認めるに足りる因果関係がある」として「規制権限を行使しなかったことは国家賠償法上、違法だ」とした》そうだ。真っ当な司法判断。

 責任をもって東電や国が「原状回復」して見せてくれよ! 10年が経ってしまいましたよ。いつになったら元の姿に戻してくれるの? 元の姿に戻してくれれば、皆さん喜んで福島に帰り、生業を取り戻すはずですよ。
 東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。

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http://www.labornetjp.org/news/2021/0223kaido

最高裁で確定させ国としての脱原発を確実に/「千葉避難者訴訟」逆転勝訴の意義

最高裁で確定させ国としての脱原発を確実に〜「千葉避難者訴訟」逆転勝訴の意義
海渡雄一(弁護士)

 さる2月19日に千葉避難者訴訟について東京高裁(第22民事部 白井幸夫裁判長)が、東電と国の責任を認める判決を言い渡しました。
 この判決の推本の長期評価の信頼性と国の責任に関する判示部分は、私が被害者代理人としてかかわっている東電刑事裁判、原告代理人としてかかわっている東電株主代表訴訟の帰趨に大きく影響するものです。
 この裁判の一審判決では、国の責任を否定する判決が出されていましたが、東京高裁で見事に逆転勝訴判決を勝ち取られた原告団と弁護団に敬意を表したいと思います。この弁護団の団長は福武公子弁護士です。福武弁護士は、私も加わったもんじゅ訴訟弁護団の事務局長でした(私は事務局次長)。2003年1月に名古屋高裁金沢支部で川崎和夫裁判長によって「もんじゅ設置許可無効」の逆転勝訴判決を勝ち取った原動力は福武弁護士と原発反対福井県民会議の小木曽美和子さん、そして毎回の法廷に私たちを支えるために出廷して下さった二人の原子力の専門家、久米三四郎さんと小林圭二さんでした。
 この判決は昨年九月の仙台高裁生業判決につづいて、高裁で二例目の住民勝訴判決となりました
 福武先生、おめでとうございます。そして、本当にありがとうございます。
 以下、この判決の内容を紹介し、この判決の意義について述べたいと思います。


第1 はじめに

 2021年2月19日東京高裁(白井幸夫裁判長)は、千葉の避難者が提起していた東電と国に対する損害賠償について、国の責任を認めなかった地裁判決を破棄し、いずれに対しても請求を認める判決を下した。
 その判決要旨は次のとおりとされている。

長期評価
 国の地震調査研究推進本部が平成14年7月に公表した「長期評価」は、三陸沖北部から房総沖の領域で、過去400年にマグニチュード8クラスの大地震が3回発生しているとし、約133年に1回の割合で同様の地震が、この領域内のどこでも発生する可能性があるとする。長期評価の信頼度は「やや低い」とされていたが、過去の地震データが少ないことによるもので、長期評価の基礎となっている科学的知見の信頼性が低いことが理由ではない。
 経済産業相は、土木学会が14年2月に策定して公表した「原子力発電所の津波評価技術」の知見によって規制権限行使の判断をしていた。長期評価と津波評価技術は、いずれも専門家が議論を重ねて得た見解で、科学的信頼性は同等といえる。新たな知見が示された場合、それまで判断の基礎としてきた知見と少なくとも同程度の科学的信頼性があると評価できるのに、新たな知見を判断の基礎としないのは著しく合理性を欠く。
 経産相は、長期評価が公表された後のしかるべき時期に東電に依頼するなどして、福島県沖で発生する可能性のある地震による津波の評価をしていれば、20年の推計結果と同様に、福島第1原発に敷地の高さを大きく超える津波が到来する危険性があることを認識し得た。敷地内が浸水して重大な事故が発生する恐れがあり、福島第1原発が技術基準に適合しないと判断することができる状態にあった。

規制権限不行使
 経産相は、事業者に技術基準適合命令を発するに当たり、事業者が講じるべき措置を想定している必要がある。津波の到来による原発の全電源喪失という重大な事故を防ぐため、防潮堤の設置やタービン建屋などの水密化を想定すべきだった。想定すべき対策が講じられていれば、津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかったと認めるのが相当だ。
 長期評価の公表から遅くとも1年後には技術基準適合命令を発することができたと認められ、それから地震発生までの約7年半を費やせば、技術基準に適合させるための措置を講じることは可能だった。規制権限の不行使と事故には因果関係が認められ、違法だ。

国と東電の責任
 事故は国の規制権限不行使と東電による原発の運転などが相まって発生したと認められる。国と東電は原告らの損害についてそれぞれ責任を負う。国の立場が二次的・補完的であるとしても、国の賠償責任の範囲を限定するのは相当ではない。

損害
 避難生活を余儀なくされた者は、不慣れな場所での生活による不便や困難を甘受しなければならなくなった上、生活の本拠に戻れるのかどうかなどの不安感や焦燥感を抱くことになり、精神的苦痛を被った。
 避難を余儀なくされ、生活物資の調達や周辺住民との交流、伝統文化の享受といった経済的、社会的、文化的な生活環境が基盤から失われた場合や、ある程度復興しても生活環境が大きく変容した場合は、慣れ親しんだ生活環境を享受することができなくなり、精神的損害を被ったといえる。
 暫定的な生活本拠での生活を続けるか、元の居住地への帰還を断念するかの意思決定をしなければならない状況に置かれることや、生活の継続や帰還の断念による精神的損害もある。」
 この訴訟の争点は、東電役員の法的責任をめぐる刑事裁判、株主代表訴訟の争点と、重なり合う点が多い。本稿においては、この判決の判示内容を確認し、これらの事件でも鋭く争われている推本の長期評価の信頼性に関する判示部分を中心に紹介し、長期評価には早期の津波対策の必要性を基礎づける高い信頼性があったことについて、原告の主張を補充的することとする。


第2 異論があったうえで、コンセンサスでまとめられた長期評価には高い信頼性が認められる

長期評価策定の目的

 判決は長期評価の策定の目的について次のように認定している。

「長期評価は,その取りまとめの主たる目的が,国民の防災意識の向上や,広く関係機関により地震防災対策に活用されることにあり,津波評価技術のように,原子炉施設の設置時に想定すべき地震や津波の評価等といった特定の施設や地域について地震や津波を評価する目的を持ったものではなく,想定津波の評価手法を示したものでもない。もっとも,原子炉施設も地震防災対策を要する施設であることはいうまでもなく,長期評価は,そのような施設のーつとしての原子炉施設の地震防災対策に活用されることも目的に含まれていたということができる。」(判決127ページ)


2 長期評価策定時における、海溝型分科会における様々な議論について

 判決は、推本策定時に、海溝型分科会において交わされた様々な議論についても詳細に認定しつつ、異論がありながら、これが多くの専門家によるコンセンサスでまとめられていった過程を、正確に認定している。
「例えば,慶長三陸地震については,メカニズムがよく分からない地震で,資料も少なく波源域も得られていないなどとの意見がある中で,明治三陸地震と同じ場所で起こったとして矛盾がないと整理がされたり,どこでも津波地震が起こるという考え方と明治三陸地震の場所で繰り返しているという考え方のどちらがよいかとの疑問に対して,慶長三陸地震がよく分からない以上,明治三陸地震の場所をとるしかないとの意見が出されたりした。また,延宝房総沖地震については,慶長三陸地震以上に震源域が明らかでなく,プレート問地震ではなく,プレート内地震であるとの指摘もあるとの意見が出るなどした。その後,慶長三陸地震,延宝房総沖地震,明治三陵地震が日本海溝沿いで発生した津波地震であるとして整理する案が示された際には,延宝房総沖地震を入れることへの異論が出るなどし,延宝房総沖地震を津波地震とする見解と津波地震でないとする見解の両論を併記してはどうかとの意見も出たが,その上で波源域が明らかとはいえない慶長三陸地震を入れるとこれが明らかになっているように見えてしまうなどの意見もあった。」
「このようなさまざまな意見が交わされる議論を経て,海溝型分科会では,最終的には,三陸沖で地震が起きる確率を示すことが重要であるなどの見解もあったことから,不確実であることは明記することなどとして,上記三つの地震を三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄りの領域で過去400年間に発生した津波地震として扱うこととされたものであり,このような形で公表すること自体への異論が示された形跡はない。」(判決128ページ)


3 長期評価は法に基づき設置された国の機関である地震本部の地震調査委員会として公表されたものである

 そして、判決は、長期評価が法に基づき設置された国の機関である地震本部の地震調査委員会として公表されたものであることを正確に認定している。
 「三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄りの領域について,これを一つの領域として扱い,この領域で過去400年に3回の津波地震が生じた可能性があるとする内容の長期評価をとりまとめるに当たっては,海溝型分科会の委員が,それまでの科学的知見を整理しながら,どのように過去の地震を評価するかについての議論を重ね,科学的知見が熱していない点については,異論も示されるなどした中,最終的に,専門家集団である海溝型分科会としての意見として集約したので、あって,それは,長期評価部会及び地震調査委員会に諮られ,法に基づき設置された国の機関である地震本部の地震調査委員会として公表することとされたものである。」(判決129ページ)


4 さまざまな異論の検討を経てまとめられた見解は、「科学的信頼性が高められているともいうことができる」

 そして、結論として、長期評価が、さまざまな異論の検討を経てまとめられたものであり、このような経過自体から、「科学的信頼性が高められているともいうことができる」と、きわめて常識的で、良識に沿った判断が示されている。
 「長期評価は,上記(イ)のとおり,国の機関である地震本部に設置された地震調査委員会において,地震学,津波学等の専門家による種々の議論を経て取りまとめられ,公表されたものであって,その内容も,過去の大地震に関する資料に基づき,それまでの研究成果等を整理し,専門的・学術的知見を用いて将来の地震の発生についての見解を形成したものであることに鑑みれば,相応の科学的信頼性を有するものと評価することができる。
 なお,長期評価の主たる目的が,国民の防災意識の向上や,広く関係機関の地震紡災対策への活用にあることは前記のとおりであり,国民一般に地震発生の可能性を分かりやすく示し,いわば警鐘を鳴らすという観点がとりまとめの方法に反映されている面があり,長期評価自体において言及されているとおり,その後の精度の向上が期待されているものであることは否定できないが,それによって,長期評価の科学的信頼性が大きく減殺されるものではない。
 また,上記(イ)のとおり,とりまとめに向けた議論の過程で,三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄りという領域で過去に3回の津波地震が発生したと整理することについては,いくつかの異論が示されたのであるが,長期評価の策定から現在に至るまで,地震や津波の発生メカニズムの解明は未だ十分でなく,その進展の途上にあるのであって,そのような状況の下では,異論が示されることは不可避で、あり,また自然なことというべきであって,そのような異論がある中で,過去の知見が整理され取りまとめられたという点においては,その科学的信頼性が高められているともいうことができる。」(判決129-130ページ)


第3 津波評価技術と長期評価の関係について

1
 津波評価技術とは何のためのものか

 判決は津波評価技術と長期評価の関係について判示をしている。しかし、津波評価技術は、津波の波源を設定した後の、津波高さの評価のための方法を示したものであり、津波波源について、検討を経て一定の見解を示したものではない。
 判決では、このことが誤解されている。
 判決はまず、津波評価技術の位置づけについて判示する。
 「津波評価技術は,原子力発電所の設計津波の設定を目的として策定されたものであり,既往津波の断層モデルを設定し,想定津波を選定して設計津波水位を検討するという手法を提示するもので,論理的,分析的であるだけでなく,設計津波水位を検討する過程で、の想定津波の波源領域区分の設定は,地震地体構造の知見に基づいており, 『これまでに培ってきた知見や技術進歩の成果を集大成して,現時点で確立しており実用として使用するのに疑点がないものを取りまとめたもの』とされているとおり,それまでの科学的知見を集約したものであるということができる。」としている。
 このまとめは、津波評価技術が「既往津波の断層モデルの設定」だけを目的とするように読み取れる点は疑問であり、津波評価技術も、七省庁手引きなどと同じように既往津波が特定されない場所での「想定津波」を想定すべきとしていた。この点を除けば、この認定は正しい。
 続いて、次のとおり、「その策定に関与した専門家や議論の過程,そしてそれを公表した主体のいずれにおいても,科学的信頼性の観点からみて,一方が他方に比して優位であるということはできない。」として、津波評価技術によって長期評価の信用性を低めることはできないと判示し、結果として国として長期評価に基づく検討が必要であったとの結論を導いており、結論においてはこの判断は正しいといえる。
 「津波評価技術と長期評価のいずれについても,地震学,津波学等の相当数の専門家を含む構成員が議論を重ね,しかも双方の議論に関与した専門家もある中で,その議論の結果として得られた見解を,一方は土木学会という学術的権威のある学会が,他方は地震本部という国の機関が公表したものであり,その策定に関与した専門家や議論の過程,そしてそれを公表した主体のいずれにおいても,科学的信頼性の観点からみて,一方が他方に比して優位であるということはできない。」


2 土木学会の津波評価技術は福島沖の日本海溝沿いの津波地震の可能性を検討して出されたものではない

 この判決は、土木学会の津波評価技術が、福島県沖における津波地震の可能性について検討し、福島沖で津波地震が起きないと判断していたことを前提としたうえで、二つの見解を比較している。
 判決78ページは、この前提について「福島第一原発付近の設計想定津波」との表題の下に、「津波評価技術では, 日本海溝沿いの海域において,北部では海溝付近に大津波の波源域が集中しており,津波地震・正断層地震も見られる一方,南部では,1677年の延宝房総沖地震を除き,海溝付近に大津波の波源域は見られず,陸域に比較的近い領域で発生していると整理された(丙ロ112・2-26頁)。
 この結果,津波評価技術では,福島県沖(日本海溝寄り)においては,1938年の福島県東方沖地震のみが既往の地震であり,福島県沖の日本海溝沿いでは津波地震が発生していないとし,福島県東方沖地震に基づくMw 7. 9の断層モデルを基準断層モデルとして設定したが,福島県沖の日本海溝沿いの領域には,津波の波源が設定されなかった(別紙12 「津波評価技術日本海溝沿い及び千島海溝沿いのプレート境界付近の断層モデル」参照) (丙7・1-59頁,丙112・2-29頁)。」
 この「福島県沖の日本海溝沿いでは津波地震が発生していないとし,福島県東方沖地震に基づくMw 7. 9の断層モデルを基準断層モデルとして設定したが,福島県沖の日本海溝沿いの領域には,津波の波源が設定されなかった」との認定は、東電と国の主張にもとづく認定であるが、前提を欠く議論である。
 土木学会では福島沖で津波地震が起きるかどうかの検討などはされていないのである。
 このことは、次に紹介する群馬訴訟の控訴審において、実施された津波評価技術の策定の中心人物であった東北大学の今村文彦氏による最新の証言記録や千葉訴訟における地裁段階での佐竹証言で明らかにされてきたところである。このことが踏まえられていないことは残念である。


3 添田氏による群馬訴訟控訴審における今村証言の紹介

 この点については、以下のジャーナリストの添田氏による群馬訴訟控訴審の公判報告を紹介する(2018年12月18日 添田孝史 「土木学会で安全確認実は検討していなかった。」ウェブサイト レベル7への投稿
 「土木学会で安全確認」実は検討してなかった - level7 (level7online.jp))。
 「福島第一原発事故で、避難した住民が東京電力と国に損害賠償を求めた群馬訴訟の控訴審第4回口頭弁論が12月13日、東京高裁(足立哲裁判長)で開かれ、国が申請した今村文彦・東北大学教授(津波工学)が証言した。
 今村教授は、土木学会が原発の津波想定(土木学会手法)を2002年にまとめた時の中心メンバーだ。その際、福島沖の日本海溝沿いに将来津波が起きるのかどうかについてどう考えていたのか問われ、「詳細な検討はしていない。今後(2003年以降)の検討課題だった」と証言した。
 「土木学会手法は、福島第一の沖合の日本海溝で津波は起きないと判断していた」と国や東京電力は裁判で主張している。しかし、土木学会では、検討さえしていなかった事実が明らかになった。法廷では、福島沖の津波予測について、以下のようなやりとりがされた。

原告側・久保木亮介弁護士
 (土木学会第一期1999年〜2001年で)既往地震やこれまでの知見のレビューをした。ただ、日本海溝沿いの、過去に大地震の発生が確認されていない領域に、将来の大地震を想定するか否かの詳細な検討はしてない。こういう理解でいいですか。
今村教授
 はい、第一期では。
東電側弁護士
 土木学会手法はあくまで技術的なシミュレーション方法のみを示したもので、これに当てはめる波源は検討していない、持ち越しになったという主張もあるのですが、その点について証人のご認識は
今村教授
 第一期についてはそのとおり。第二期(2003年〜05年)以降で将来の可能性についても確率的に検討した。
東電側弁護士
 第一期では、土木学会手法を検討しています。その策定の過程で、確定論としてどこまでの津波を取り込むか、そういう検討もしていないのでしょうか
今村教授
 当時の研究のレビューはしました。しかし起きていないところにどういう地震津波が起きるかどうか、そういうところの議論は、第二期以降になります。

 (千葉訴訟に関する東京高裁判決も引用している-引用者注)土木学会手法が示している波源域(地図1、赤線は筆者による)で、福島沖の日本海溝沿いは波源が示されていない。これは、検討していないから白いのであって、将来津波が起きないと判断して白くしていたわけではないことが証言でわかった。
 国や東電は、「原発に標準的に用いられてきた土木学会手法は、福島沖の日本海溝沿いで大津波を想定しない。だから福島第一原発に巨大津波は予測できなかった」「福島県沖の海溝沿いについては波源が設定されていないのは、地震地体構造等をふまえて検討した結果、将来津波は発生しないと判断されていたからだ」などと主張してきた。
 一方、政府の地震調査研究推進本部は、2002年7月に、福島沖を含めて日本海溝沿いのどこでも巨大な津波を引き起こす地震が起きうると予測していた(地図2、オレンジ色の領域)。十数人の研究者が議論して、とりまとめている。これにもとづいて計算すると、福島第一で津波は高さ15.7mになることがわかっていた(東電による2008年の計算結果)。
 これについて、国や東電は「地震本部の長期評価は信頼性が低く、土木学会手法の方が優れている」と述べてきた。ところが、今回の今村教授の証言で、土木学会手法は、福島沖に将来起きる津波について、詳しい検討をしていなかったことが示された。
 同じく土木学会手法の策定に関わった佐竹健治・東大教授も千葉地裁で国側の証人として証言した際、「そもそも土木学会の津波評価部会では、個別の地域で地震発生可能性というようなことを議論はしておりません。それは(地震本部の)長期評価部会でやっていること」(2015年11月13日)と述べている。
 土木学会手法の波源設定の信頼性について、国側や東電のこれまでの主張は、国側の証人によって、説得力を失ってしまったようだ。
 口頭弁論で、原告側と、国や東電側、双方からの質問に対し、ほとんどの場合は「そうですね」と肯定し続けた今村教授。しかし、福島沖で将来予測をしたかどうかについては、東電の「検討していたのではないか」という問いをはっきり、繰り返し否定した。
 東電側の弁護士は三度にわたって表現を換えて質問し、「福島沖も検討していた」という発言を今村教授から引き出そうとしていたが、今村教授の答えは変わらなかった。」
 このように、土木学会の津波評価技術が福島沖では津波地震が起きないという見解に基づいているという、千葉訴訟東京高裁判決の認定には根拠がない。しかし、この点の誤りは、判決の結論に影響を及ぼさないし、むしろこの誤りを正すことで、この判決の正当性は著しく強化されるといえる。


第4 国は、長期評価に基づく対策を命ずるべきであった。

国の規制権限行使のための要件

 東京高裁判決は以上のとおり、津波評価技術の位置づけ、判断された事項の範囲について、東電・国の主張に引きずられた誤解があり、このような誤解は東電・国による誘導の結果である。
 しかし、このことは、判決の結論には影響を与えていない。むしろ、この誤りが正されれば、その論理はより強固なものとなるといえるであろう。
 そして、判決は、以下のように判示し、国は長期評価に基づく津波対策を講ずるように東電に命ずるべきであったと判示している。
 すなわち、判決は、「原子炉施設についての技術基準適合命令の発令という規制権限を行使する要件の具備,すなわち,当該原子炉施設が技術基準に適合しているか否かの判断については,その権限主体である経済産業大臣のその時点での科学的,専門技術的知見の下における専門的な判断に委ねられており,その判断をするに当たってどのような科学的知見を基礎とするかについても,規制機関である経済産業大臣の専門的な判断に委ねられているというべきである。そして,その判断が著しく合理性を欠き,規制権限行使の要件の具備の判断に当たってその基礎とすべき知見を基礎とせず,そのために,経済産業大臣において技術基準適合命令を発する要件が備わっていることを認識し得たにもかかわらず,これを認識せず,同命令を発しなかったときは,これを発しなかったことは,許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くこととなると解される。」と判断の基準となる考え方を定立する(判決134ページ)。この考えは伊方最高裁判決にもとづいたものである。
 このように,科学的知見の採否は規制機関の専門的判断に委ねられているものではあるが,原子炉施設についての規制権限の目的が,ひとたび事故等により放射性物質の大量放出という事態が生じれば,極めて深刻な被害を広範囲かつ長期間にわたってもたらす危険性がある原子炉施設について,万全の安全対策を確保することにあることに鑑みれば,規制機関がある科学的知見を基礎として原子炉施設に対する規制権限行使の要件の具備について判断してきたが,その科学的知見とは異なる新たな知見が示された場合において,その新たな知見に,それまで判断の基礎としてきた知見と少なくとも同程度の科学的信頼性があると評価することができるようなときは,規制機関が,当該新たな知見を規制権限行使の要件の具備の判断の基礎としないとすることは,著しく合理性を欠くこととなるというべきである。」(判決134ページ)と、事故の重大性という伊方最高裁判決にも示されていた事情にもとづいて、国の裁量判断に厳しい枠はめを求めている。この点も、きわめて常識的で、最高裁の判断を意識したものと言えるだろう。


2 本件に対するあてはめ

 続いて、判決は、以上に定立した規範を事件に次のように当てはめている。
 すなわち、「これを本件についてみると,規制機関である経済産業大臣は,相応の科学的信頼性を有する知見である津波評価技術については,原子炉の設置許可処分に先立つ審査の際に津波評価技術の考え方と同様の考え方を用いて津波に対する安全性を確認するなどの方法でこの知見に依拠して規制権限行使の要件具備の判断をしていたのであるが,長期評価に示された見解については,上記のとおり,津波評価技術と少なくとも同等の科学的信頼性を有していたのであるから,それにもかかわらず,原子炉施設についての規制権限行使の要件の具備の判断においてこれを基礎としないとすることは,いかなる科学的知見を基礎とするかが規制機関の専門的判断に委ねられていることを考慮しても,著しく合理性を欠くというべきである。」と判断しているのである(判決134-135ページ)。
 そして、具体的には国・原子力安全保安院には次のような行動が求められていたと判示する。
 「そうすると,規制機関としては,福島第一原発についての規制権限行使の要件の具備の判断に当たって,長期評価に示された見解を基礎として福島第一原発に到来する可能性のある津波を評価すべきであったのであり,それによって,福島第一原発が津波による損傷を受けるおそれがあることを認識し得たと認められる場合には,技術基準に適合しないと判断し得たこととなる。」
 「津波地震の発生領域を設けて震源域を設定し,津波のシミュレーションを行うことは,津波評価技術において示された科学的信頼性を有する手法であるから,具体的には,規制機関としては,まずは,長期評価に示された見解,すなわち,三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄りの領域において, M8クラス, M t (津波マグニチュード) 8. 2前後の津波地震がどこでも発生する可能性があり,その発生する津波地震の震源域については,明治三陵地震についての震源モデルを参考にして想定することができるとした見解に依拠して,上記領域内の福島県沖についても,明治三陸地震を参考にした震源域を設定して津波のシミュレーションを行うなどし,それにより想定される津波が福島第一原発に及ぼす影響の有無や程度を調査,検討すべきで、あったということができる。」(判決135-136ページ)


3 国には結果を予見することが可能であり、津波対策を命じてこれを回避することもできた

 以下、判決は東電の津波対策を放棄してきた姿勢を時間を追って詳細に認定しつつ、結論として、次のようにこの部分の結論をまとめている。
 「経済産業大症としては,長期評価が公表された後のしかるべき時期に,一審被告東電に依頼するなどして,長期評価に示された見解に依拠して福島県沖で発生する可能性のある地震による津波の評価をしていれば,福島第一原発に敷地高(0. P. + 10m) を大きく超える波高の津波が到来する危険性があることを認識し得たということができる。そして,そのような津波が到来すれば, ドライサイトコンセプトを採っていた福島第一原発の敷地内に大量の浸水が生じ,全電源喪失などにより重大な事故が発生するおそれがあるのであるから,福島第一原発は省令62号に定める技術基準に適合していないこととなり,規制機関である経済産業大臣は,そのような判断に達し得る状況にあったといえる。(判決138ページ)」
 この判示も結論は正しいが、東電が「ドライコンセプトを取っていた」という認定は東電の主張ではあるが、実際の事実とは若干異なる。東電内では機器の水密化などの他の津波対策も検討されていたことは、本件で原告が提出した東電と日本原電の津波対策に関連する数多くの証拠によって裏付けられている。そして、この判決も結果回避措置としてとるべきであった措置として、防潮堤の設置やタービン建屋、重要機器室などの水密化を想定すべきだったとし、想定すべき対策が講じられていれば、津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかったと認めるのが相当であると判示しており、ドライコンセプトが徹底されていて、それ以外の対策が取れなかったとは判断していない(判決143ページ以下)
 そして、判決は、結論として次のように述べる。

「防潮堤等により福島第一原発の敷地内への津波の浸入を防ぐ措置に加え,タービン建屋の水密化及び重要機器室の水密化が,規制機関において,平成14年当時においても想定することができた措置であったと認められる。そして,平成20年推計の後に一審被告東電においてさまざまな対策を検討していることからみても,これらを組み合わせることによる効果を十分に検討し,具体的措置を実施すれば,平成20年推計による津波と同等の津波,すなわち福島第一原発の敷地南側にO.P.+15.7m程度の波高の津波が到来した場合においても,全電源喪失等の重大な事故を回避することは可能であったということができる。」


第5 結論

1 判決の画期的な意義

 以上に述べてきたとおり、千葉訴訟についてさる2月19日に東京高裁が言い渡した判決は、推本の長期評価に津波対策を基礎づける高い信頼性を認めたものです。そして、国が事故の結果を予見することができ、防潮堤の設置やタービン建屋・重要機器室の水密化の措置を講ずることにより、事故の結果を回避することができたことを明確に認定しています。
 推本の長期評価に基づいて、速やかに津波対策を講ずることなく、土木学会における検討に委ね、何らの対策も講じないで、原子炉の運転を続けていた東京電力とその役員である被告らの対応が許されないものであったことも、本判決によって明らかになったといえると思います。


2 事故の真実を明らかにすることが脱原発の闘いである

 まもなく福島原発事故から10年が経過しようとしています。脱原発をめぐる闘いの最前線は、全国での再稼働をめぐる闘いと事故の真実を明らかにし、どのように語り伝えるかをめぐる闘いの二つが主戦場となっています。福島原発事故に関してはたくさんの事柄が隠されてきました。東電と国による津波対策の方針転換に関する情報の多くは2011年夏には検察庁と政府事故調の手にあったはずです。しかし、これらの情報は徹底して隠匿されたのです。私たちの闘いは原子力ムラの情報隠蔽を打ち破ってきました。この隠蔽を打ち破ったのが、検察審査会の強制起訴の議決であり、株主代表訴訟における証拠の開示であり、東電刑事裁判における指定弁護士による果敢な立証活動であったといえます。
 政府事故調と検察が真実を隠ぺいしたことはあきらかです。これらの情報はなぜ隠されたのでしょうか。考えられる推測はただひとつです。
 原子力推進の国策を傷つけるような事実は、隠ぺいするしかないと、政府事故調と検察のトップは、どこかの時点で決断したのだろうと思います。このことは、福島原発事故そのものに匹敵するほどの、行政と司法と検察をゆるがせる「もう一つ」の福島原発事故真相隠ぺい事件が起きていたのです。その背後では官邸による検察庁に対する強力なコントロールがなされていたとみることができるでしょう。
 いま、刑事裁判で明らかになっていることは、検察が起訴できるだけの証拠を集めていたということです。にもかかわらず、なぜ検察は起訴できなかったのでしょうか。
 不起訴の決定後に東京地検と福島地検で、告訴人に対して異例の不起訴理由説明会が開催されました。私たち弁護団も同席しました。その場では激しい言い争いになりました。
 当時、私たちの告訴によって、これだけの証拠を検事が集めているとは、思っていませんでした。一線の捜査検事たちは、起訴し有罪に追い詰めることができるだけの証拠固めをしながら、不起訴とせざるを得なかったのでした。説明会で、「私たちはやれるだけのことをやったのです」と述べて、私たちの前で涙ぐんだ検事もいました。事故から10年、いま、彼らはどのようにこの事件のことを思い返しているでしょうか。あのとき検察内部で起きたことを知りたいと思います。


3 司法を通じて真実を語り伝える責任

 私は、東電役員の告訴、検察審査会、刑事公判のすべての過程に関わった弁護士として、明らかにすることのできた証拠と事実を、社会に広く知らせていく責任があると考えて、「東電刑事裁判 福島原発事故の責任は誰がとるのか」を書きました。
 いま、日本の司法は危機的な状況にあるといえます。しかし、仙台高裁では、昨年9月国と東電を断罪する判決が下されました。大阪地裁では、昨年12月規制委員会による原発の規制に誤りがあることが指摘され設置許可が取り消されました。そして、2月19日には、本稿で詳しく紹介した東京高裁で再び国と東電を断罪する判決が下されました。司法はまだ生きているのです。良心を失っていない裁判官は残っているのです。
 私たちは、東電刑事裁判の東京地裁の判決では敗れましたが、同じ証拠を駆使して仙台高裁上田コート、東京高裁白井コートは、東電と国の責任を認め、その対応を厳しく断罪する判決を下してくれたのです。大飯の設置許可取り消し判決を書いた森鍵裁判長も含めて、この3人の裁判官には重要な共通点があります。いずれも最高裁で仕事をしていた経歴を持っているという点です。


4 最高裁で国の責任を確定させ、国としての脱原発を確実に

 我々が刑事裁判の控訴審で勝利することができれば、株主代表訴訟で役員の゛帰任を認めさせることができれば、仙台高裁高裁判決と前橋避難者訴訟と千葉避難者訴訟の東京高裁判決の上告審の審理にも直結することになるでしょう。
 東電の役員の刑事責任を問う刑事裁判、東電の役員の民事責任を問う株主代表訴訟と全国で闘われている避難者損害賠償訴訟との緊密な連携が求められています。
 刑事裁判の証拠内容を最高裁にきちんと理解させることができれば、我々は、最高裁でも必ず勝利することができるはずです。
 そして、最高裁における我々の勝利は福島原発事故の真実を後世に語り伝え、脱原発の国民的な合意を形成することにつながることでしょう。千葉訴訟の東京高裁白井判決によって、私たちはそのための重要な足掛かりを得ることができたのです。
 最後にあらためて、逆転勝訴判決を勝ち取ってくださった千葉避難者訴訟の原告団と弁護団に心から感謝して、結びの言葉といたします。

Last modified on 2021-02-23 20:06:34
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●《経団連を引き連れての俯瞰する外交の破綻》…日立製作所も断念、アベ様による原発輸出が《全て暗礁》…

2018年12月27日 00時00分05秒 | Weblog


日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/安倍政権、責任は生ずるが責任取らず】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201812080000182.html)。
日刊ゲンダイの記事【孤立する日本の原発ビジネス…トルコ断念でもやめない理由】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/243066)。

 《★国内政治はさして審議もせず、強行採決で法案が可決。既に議会は不要だ審議も議論も不要なんでも政府与党が可決する国民はスピード可決に安心だ。…官民は結構だが、税金投入して失敗は責任が生ずるもの。この政権は責任は生ずるが取らない》。
 《政府と三菱重工業が共同で進めるトルコへの原子力発電所の建設計画。建設費が想定の2倍となる5兆円に膨らんでトルコ政府と折り合えず、4日計画を断念する方向で調整に入った》。

 まず、現代の徴用工・奴隷制問題。その後の辺野古破壊に向けた土砂投入にしても同様ですが、「独裁」、アベ様の人治主義国家…酷いものである。

   『●「掲げた政策の大半が失敗」を反省せよ(金子勝さん)…
          「3本の矢…女性活躍…1億総活躍…働き方改革」
   『●現代の徴用工・奴隷制…外国人労働者の 
      この悲惨な現状を何とかしてから出入国管理法改正案を出せ!
   『●《歴代で最低の外相》だけではない、「最低」「最悪」だらけ
               …貧困な「政」なあまりに不幸な国・ニッポン
   『●適菜収氏《安倍政権の実態は新自由主義の売国グローバリズム路線
                        …首相は保守の対極に位置する政治家》
   『●《69人死亡》を知らないのならば無責任、知っていたのならば冷酷
                        …《お寒いほどのスカスカ》法案を可決
    《山本太郎議員が抵抗し、“言論の府の死亡だ”“自殺行為”などと訴えたが、
     安倍政権はまたも国会を踏みにじったのだ》
    《これを「独裁」「大暴走」と言わずして何と言うか。本日、参院では
     入管法改正案と漁業法改正案をめぐり、安倍政権が暴挙のかぎりを尽くした
    《議長自ら演説中の議員を「つまみ出してしまえ」と命令する──
    《森議員の演説を実力で止めさせるため、10名余りの衛視が隊列を作って
     壇上に向け行進を始めていた。異様な光景だった
    「《森議員に対し、「ルールを守れ!」のヤジを大合唱》…もう笑う・嗤うしかない。
     与党・自公や癒党・お維キトは何処まで自己チュウなのか。
     《ルールを守》っていない代表格は、民主主義を破壊する
     「選挙妨害を暴力団に発注する」人・アベ様ではないか。モリカケ問題等々も
     同様。《立法府の長》を気どる、「三権同一」(目取真俊さん)なアベ様が
     《ルールを守》ってから、言ってくれ。森ゆうこ森裕子)さんの叫びを聞け!」

   『●山本太郎さん「(法案に)賛成する者は、2度と『保守』と名乗るな!。
                    保守と名乗るな、『保身』だ!」
   『●《ルールを守》っていない代表格は、民主主義を破壊する
               「選挙妨害を暴力団に発注する」人・アベ様


 《…官民は結構だが、税金投入して失敗は責任が生ずるもの。この政権は責任は生ずるが取らない》。日立製作所もよ~く考えた方がいいのではないか? 自公政権や経産省に従って核発電「麻薬」に溺れていたら企業は破滅。
 ………と思っていたら、【日立、英原発計画を凍結へ 安倍政権輸出案件、全て暗礁に】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018121601001420.html)だってさ。当たり前の結果。

   『●原発推進のために何でもする人たち
    《「民間提言」に経産省が関与 原発の再稼働や輸出求める
     電力会社や原発メーカーのトップらでつくる「エネルギー・原子力政策懇談会」
     (会長・有馬朗人元文部相)…提言は「責任ある原子力政策の再構築」と題し、
     有馬会長を発起人とする有志名で出した。有志に電力会社トップはいないが、
     日立製作所など原発メーカーや大手商社のトップ、元経産次官の
     望月晴文氏(日立製作所社外取締役)ら29人が名を連ねる》

   『●政治献金という名の「賄賂」: アベ様達は原発産業と「ズブズブ」の関係
    《原発産業9社から自民党に献金100億円、“安倍隊長”のもとで進む原発推進、
     消費増税、法人減税三宅勝久…自民党の資金団体「国民政治協会」に
     1977年以降17億円もの政治献金を行なった原発メーカー「日立製作所」。
     原発の監督機能を骨抜きにした「原子力安全保安院」生みの親といわれる
     望月晴文・元経産事務次官は、震災後に役員待遇で天下った》

   『●「恥」と共に原発による人権侵害までも輸出=
       「輸出先が加盟国なら、日本製の原発でもメーカーは免責」
   『●トルコ原発、「責任」を持って「死の灰」は
      日本に逆輸入してあげるのですか? 日本で10万年管理??
   『●「死の商人」経団連会長人事…《安倍首相は「儲からない」
             原発輸出に国民の血税を投入してバックアップ》
    《東芝の失敗を顧みることもなく、安倍首相がとんでもない原発政策を
     ぶちあげた。日立製作所がイギリス・アングルシー島で進めている
     原発輸出にかんし、政府系の日本政策投資銀行などが出資、
     三菱東京UFJ、三井住友、みずほ銀行の3大メガバンクなども
     総額1.5兆円規模の融資をおこない、そのメガバンクの融資全額を
     政府が債務保証するというのだ…しかも、こうした政府による公的資金を
     使った優遇を受ける日立の中西宏明会長は、安倍首相と極めて距離が
     近い財界人として有名だ》

   『●「3本の矢」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」「人づくり革命」
                             …そんなものを有難がってる…
    《さらに、「成長戦略」の柱として何度も「セールス外交」を行った
     「原発輸出」は、次々に頓挫している。ベトナム、台湾は建設中止
     リトアニアは建設凍結、イギリスは事業費が3兆円に膨張し、大手銀行の
     融資に政府保証をつけても立ち往生。トルコも事業費が4兆円に倍増し、
     伊藤忠が撤退。この5年間、安倍政権の「成長戦略」で成果を上げたものは、
     ほとんど見当たらない

   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
                核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
   『●《地球温暖化対策を名目に、経済産業省が新たな小型原発の開発》
                       …「海暖め装置」でホントに温暖化防止?

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201812080000182.html

政界地獄耳
2018年12月8日9時0分
安倍政権、責任は生ずるが責任取らず

国内政治はさして審議もせず、強行採決で法案が可決既に議会は不要だ審議も議論も不要なんでも政府与党が可決する国民はスピード可決に安心だ。ところが、政府鳴り物入りで進めている原発輸出は失敗続き。政府や三菱重工業などの官民連合で進めていたトルコの原子力発電所の建設計画は断念することになった。

★首相・安倍晋三は20年の東京オリンピック(五輪)誘致の時「フクシマについてお案じの向きには私から保をいたします。状況は統御されています。東京にはいかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも及ぼすことはありません」とアンダーコントロールを強調していたが、世界がそれを信頼しているのならば日本と並ぶ世界有数の地震国・トルコの原発輸出は何の問題もなかったのではないか。安全基準の強化を受けた事業費の高騰で原発は採算をとるのが極めて難しくなったという。安全対策を整備するには採算が合わない経団連引き連れての俯瞰(ふかん)する外交の破綻だ。

★その経団連会長・日立製作所会長の中西宏明は日立製作所が英国で進めてきた原発建設計画が暗礁に乗り上げていると認めた。こちらも原発の安全対策で事業費が膨らむなど事業の採算性に疑問符が付いている。日本と原子力協定を結んで売り込んだ国はベトナムリトアニア台湾カザフスタンヨルダンアラブ首長国連邦インド。どれも進んでいるとは言い難い。政権は原発輸出をアベノミクスの成長戦略と位置付けていたが、世界の潮流とも逆行しているといえる。問題はこれを失敗と認めず交渉途中と言い張るところだ。「最近も首相が米トランプ大統領に売り込んでいた官民ファンドで進めるJR東海の子会社が主導するテキサス新幹線構想。これも進んでいない」(財界関係者)。官民は結構だが、税金投入して失敗は責任が生ずるものこの政権は責任は生ずるが取らない。(K)※敬称略
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/243066

孤立する日本の原発ビジネス…トルコ断念でもやめない理由
2018/12/06 06:00

     (トップセールスも大失敗(会談前に握手するトルコの
      エルドアン大統領と安倍首相)/(C)共同通信社)

 政府と三菱重工業が共同で進めるトルコへの原子力発電所の建設計画。建設費が想定の2倍となる5兆円に膨らんでトルコ政府と折り合えず、4日計画を断念する方向で調整に入ったことが分かった。

 トルコへの原発輸出は、安倍首相がトップセールスで売り込んだもの。2013年に合意し、黒海沿岸のシノップに原発4基を建設する計画だった。当初、事業費は2兆5000億円の予定だったが、福島第1原発の事故を受け、安全対策で費用が高騰した。

 現在、国内で原発建設の新規案件はなく、日本がらみでは日立製作所が英西部に原発2基を新設する計画だけ。

 ここでも当初1兆5000億円だった建設費が2倍の3兆円に膨らみ、今年8月に米企業が中核的な立場からの撤退を決めるなど、順調とは言い難い状況だ。

 核燃料サイクル計画でも先月29日、フランスのマクロン大統領が、日仏が共同で進めていた高速増殖炉「もんじゅ」に代わる次世代原子炉開発の凍結を宣言世界が脱原発の潮流の中で、日本だけが取り残されている

 経産省の作業部会は3日、「もんじゅ」の後継となる高速炉の運転を開始する時期について「21世紀半ばごろ」を目標と定めた。

 あくまで原発をやめる気はないようだが、それには理由がある。

 「原子力規制を監視する市民の会」の阪上武氏はこう言う。

   「原発をやめてしまうと、使用済み核燃料の再利用ができなくなり、
    どこに保管するのかという問題が発生します。政府はこの問題を
    避けるため、ますます原発に拘泥しているのでしょう」

 原発ビジネスの行き着く先は袋小路だということを認め、方針を改めるべきだ。
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●「死の商人」経団連会長人事…《安倍首相は「儲からない」原発輸出に国民の血税を投入してバックアップ》

2018年03月17日 00時00分58秒 | Weblog


日刊ゲンダイの記事【政府が公金で債務保証 日本の原発輸出に英国現地の反応は】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220921)。
リテラの記事【また! 日立原発輸出を公金支援のトンデモ政策は“アベ友優遇”だ! 安倍ベッタリの中西会長は経団連次期会長に】(http://lite-ra.com/2018/01/post-3730.html)。
日刊ゲンダイの記事【高野孟 永田町の裏を読む/またアベ友…経団連会長人事は安倍政権の新スキャンダル】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/224612)。

 《日立製作所が英国で進めている「原発新設プロジェクト」で、政府が債務保証すると報じられた問題。三菱東京UFJ、三井住友、みずほの国内金融機関3行と、国際協力銀行(JBIC)が英国での原発事業費の半額にあたる約1.5兆円の融資を行う予定というが、貸し倒れのリスクに備えて、政府全額出資の日本貿易保険(NEXI)が3行の債務保証をする。さらに政府系の日本政策投資銀行が出資するため、国が抱えるリスクは莫大だ》。
 《東芝の失敗を顧みることもなく、安倍首相がとんでもない原発政策をぶちあげた。日立製作所がイギリス・アングルシー島で進めている原発輸出にかんし、政府系の日本政策投資銀行などが出資、三菱東京UFJ、三井住友、みずほ銀行の3大メガバンクなども総額1.5兆円規模の融資をおこない、そのメガバンクの融資全額を政府が債務保証するというのだ…しかも、こうした政府による公的資金を使った優遇を受ける日立の中西宏明会長は、安倍首相と極めて距離が近い財界人として有名だ》。
 《日立製作所の中西宏明会長が日本経団連の次期会長に内定したというのは、それ自体、安倍政権の新しいスキャンダルである。中西は安倍のお友達。…日立は本来、偉大なる田舎企業で、経団連に副会長は出しても、会長を出したことはないし、政治とのニアミスを侵したこともなく、それがある意味、健全さの証しであった。ところが、…――という、あからさまにベッタベタの官民人事交流に染まっていって…》。

核発電「麻薬」中毒患者達は彼の地域を「原状回復」したのか?

   『●室井佑月さん、「責任が誰にあり、どう取るのかを見届けたいのだ。
                 そこまでできて、やっと次の段階に…」
   ●「原発事故で奪われた生業と地域を返せ」… 
      人災を起こした東京電力や政府は「原状回復」してみせたのか?
   ●「原子力ムラの言いなり」原子力「寄生」委員会の
        救い様の無さと、アベ様の「危険な丸投げ・無責任体制」
   ●東電原発人災…《「失敗の本質」とその責任を問》うた上で、
                核発電「麻薬」中毒患者に「原状回復」させよ

   『●「怒りの塊…袋の数は九百万超。黒い袋がそこかしこに
             墳墓のごとく積み上げられている異様さ」(筆洗)
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                   人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」

 アベ様や電力会社、原子力「寄生」委員会…止まらぬ核発電「麻薬」中毒。
 そして「死の商人」な日本経団連の会長《財界総理》に、核発電メーカー「日立製作所」中西宏明会長が就任するそうだ。露骨。

   『●経団連は、「プルトニウムをつくる装置」再稼働を後押し。
              そして、国家戦略としての「武器輸出」を推進!

 《経団連の榊原現会長は昨年の衆院選後に「国民の痛みを伴う思い切った改革」を安倍首相に求めたが、中西会長の就任によってそうした大企業優遇策が強化され、さらに庶民の暮らしや労働環境が悪化していくのは目に見えている日立の原発輸出への血税投入は、その序章にすぎない》…そして核発電所再稼働の推進と核発電輸出。自公政権、根幹から腐っている。

   『●原発推進のために何でもする人たち
    《「民間提言」に経産省が関与 原発の再稼働や輸出求める
     電力会社や原発メーカーのトップらでつくる「エネルギー・原子力政策懇談会」
     (会長・有馬朗人元文部相)…提言は「責任ある原子力政策の再構築」と題し、
     有馬会長を発起人とする有志名で出した。有志に電力会社トップはいないが、
     日立製作所など原発メーカーや大手商社のトップ、元経産次官の
     望月晴文氏(日立製作所社外取締役)ら29人が名を連ねる》

   『●政治献金という名の「賄賂」: アベ様達は原発産業と「ズブズブ」の関係
    《原発産業9社から自民党に献金100億円、“安倍隊長”のもとで進む原発推進、
     消費増税、法人減税三宅勝久…自民党の資金団体「国民政治協会」に
     1977年以降17億円もの政治献金を行なった原発メーカー「日立製作所」。
     原発の監督機能を骨抜きにした「原子力安全保安院」生みの親といわれる
     望月晴文・元経産事務次官は、震災後に役員待遇で天下った》

==================================================================================
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220921

政府が公金で債務保証 日本の原発輸出に英国現地の反応は
2018年1月10日

     (都内で開かれたFoE Japanの会合(C)日刊ゲンダイ)

日立製作所が英国で進めている「原発新設プロジェクト」で、政府が債務保証すると報じられた問題。三菱東京UFJ、三井住友、みずほの国内金融機関3行と、国際協力銀行(JBIC)が英国での原発事業費の半額にあたる約1.5兆円の融資を行う予定というが、貸し倒れのリスクに備えて、政府全額出資の日本貿易保険(NEXI)が3行の債務保証をする。さらに政府系の日本政策投資銀行が出資するため、国が抱えるリスクは莫大だ。

 言うまでもなく、万が一に事故が起きた場合、大損害を被るのは国民だ。そんな英国の原発輸出問題について、9日、国際環境NGO「FoE Japan」が都内で会合を開き、「日立によるイギリス・ウィルヴァ原発建設は実現するのか」と題して昨年11月の現地調査について発表した。

   「イギリスでは1995年以降、原発新設はありません。フランス電力が
    イギリスで建設予定のヒンクリー・ポイント原発は2017年に
    稼働開始予定でしたが、26年稼働に延期され、30年までに建設予定の
    イギリス国内の原発12基は、いまだにひとつも完成していません。
    (日立が計画する)ウィルヴァ原発は19年の着工を目指していますが、
    これから一体いくらの事業費がかかるのかは不明なのです」
    (FoE Japanの深草亜悠美氏)

 日立の原子力事業子会社(ホライズン・ニュークリア・パワー)が英国で開発を進めるのは、福島第1原発と同型の「沸騰水型」である。

   「建設予定地のアングルシー島(英国ウェールズ)では、新設の原発が
    福島原発と同型という理由で、反対する声がある。雇用創出の点で
    建設賛成派が多いですが、人口約7万人の島に安価な労働力が
    流入することや環境破壊を懸念する声も出ています」(深草氏)

原発が「安全」ならわざわざ政府が税金で民間事業者のケツを持つ必要はない福島原発事故後の事故処理もままならない中で、なぜ、海外に原発を輸出するのか理解不能だ
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http://lite-ra.com/2018/01/post-3730.html

また! 日立原発輸出を公金支援のトンデモ政策は“アベ友優遇”だ! 安倍ベッタリの中西会長は経団連次期会長に
2018.01.11

     (日立製作所HPより)

東芝の失敗を顧みることもなく、安倍首相がとんでもない原発政策をぶちあげた。日立製作所がイギリス・アングルシー島で進めている原発輸出にかんし、政府系の日本政策投資銀行などが出資、三菱東京UFJ、三井住友、みずほ銀行の3大メガバンクなども総額1.5兆円規模の融資をおこない、そのメガバンクの融資全額を政府が債務保証するというのだ。

 福島第一原発の事故以降、安全規制の強化から世界的に建設コストは高騰。2016年には日本が原発建設を受注していたベトナムが白紙撤回したように、原発はリスクが高い上に採算に合わないものという認識が広がっている。にもかかわらず、安倍首相はそうした流れに逆行し、国内での成長が期待できなくなった原発の利権を海外に舞台を移そうと原発建設を必至にセールス。さらに、東芝が国策として進めていたアメリカの原発事業で巨額の損失を出したことが日本経済を揺るがす大問題に発展したというのに、安倍首相は「儲からない」原発輸出に国民の血税を投入してバックアップするというのである。

 しかも、こうした政府による公的資金を使った優遇を受ける日立の中西宏明会長は、安倍首相と極めて距離が近い財界人として有名だ。

 中西会長は、「安倍首相の後見人」とも呼ばれるJR東海の葛西敬之代表取締役名誉会長が主催する、安倍首相を後押しする経済人による「四季の会」および、その流れを汲む「さくらの会」の一員。安倍首相と葛西氏は親米保守という思想面でもがっちり結びついており、第一次安倍政権時には葛西氏が国家公安委員や教育再生会議委員を歴任するなど昵懇の関係だ。中西会長は、この葛西氏を媒介にするかたちで安倍首相に接近。現に、首相動静を確認すると、葛西氏や、葛西氏と同様に安倍首相とベッタリの関係にある古森重隆・富士フイルムホールディングス会長らと安倍首相が会食する際には、中西会長が同席していることも多い。


日立原発バックアップは、加計問題リニア公金投入と同じ“お友だち優遇”

 このように安倍首相との距離を縮めてきた中西会長だが、一方の安倍首相も中西会長を目にかけてきた。実際、中西氏は2013年に安倍首相が議長の「総合科学技術・イノベーション会議」の有識者議員に選ばれ、現在もやはり安倍首相が議長の「未来投資会議」の議員を務めている。

 安倍首相は自分の味方である「お友だちを身のまわりに固めて政治をおこなってきただけではなく、加計学園問題でも露呈したようにお友だちには権力を使って優遇してきた。事実、不正入札事件が大きな問題となっているリニア中央新幹線にしても、リニア計画は葛西氏の悲願の事業であり、当初は自己資金でおこなう予定だったこの事業に安倍首相は2016年の参院選公約で官民合わせて“5年で30兆円の資金を財政投融資する”と宣言。実際に昨年7月までに3兆円が貸し出されている

 つまり、今回のイギリスへの原発輸出も、「国策」としての側面に加え、お友だちの中西会長を務める日立への優遇、という見方もできるのだ。

 そして、今後こうした優遇はさらに強まっていくだろう。というのも、9日、中西会長は日立出身者としてははじめて経団連の次期会長となることが正式に発表されたからだ。無論、中西会長が経団連の次期会長に決定した最大の理由は、中西会長が安倍首相と強いパイプをもつことだった。

 しかも、経団連の現会長の榊原定征氏は東レ出身だが、東レとは違い日立は原発や新幹線といったインフラ輸出に直接関わる企業であるため、さらに密着度が高まることは確実。たとえば、2016年5月に安倍首相がイギリスを訪問した際には、当時のキャメロン首相とともにロンドン近郊にある日立の鉄道車両整備施設を視察、その場には中西会長が立ち会っている。このように安倍首相の外交に中西会長は同行してきたが、今後は経団連会長として密着関係が強固となり、日立を利するかたちの国策事業の展開が待っているだろう。


安倍政権と経団連が進める庶民切り捨て大企業優遇政策がますます強化へ

 いや、問題は日立への優遇だけではない。安倍首相と距離の近い中西会長が「財界総理」となることで、安倍政権による大企業優遇政策がこれまで以上に加速するはずだ。

 安倍政権はこれまで法人税率を下げつづけ、2018年度には29.74%にまで下げることを決定しているが、これも経団連が求めている25%まで引き下げられることが考えられる。また、22日に召集される見通しの通常国会では「働き方改革関連法案」が提出される予定だが、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度」について、経団連は以前「年収400万円以上を対象」と主張。法案が通れば、今後この要件は引き下げられていくだろう

 経団連の榊原現会長は昨年の衆院選後に「国民の痛みを伴う思い切った改革」を安倍首相に求めたが、中西会長の就任によってそうした大企業優遇策が強化され、さらに庶民の暮らしや労働環境が悪化していくのは目に見えている日立の原発輸出への血税投入は、その序章にすぎない。

(編集部)
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/224612

高野孟
永田町の裏を読む
またアベ友…経団連会長人事は安倍政権の新スキャンダル
2018年3月8日

     (日本経団連の次期会長に内定した
      日立製作所・中西宏明会長(C)日刊ゲンダイ)

 日立製作所の中西宏明会長が日本経団連の次期会長に内定したというのは、それ自体、安倍政権の新しいスキャンダルである

 中西は安倍のお友達。葛西敬之JR東海名誉会長や古森重隆富士フイルム会長らと共に「さくら会」というインナーサークルに入って、銀座で会食をするなどしてきた。

 日立は本来、偉大なる田舎企業で、経団連に副会長は出しても、会長を出したことはないし、政治とのニアミスを侵したこともなく、それがある意味、健全さの証しであった

 ところが、中西が社長・会長を務めた2010年代前半からおかしくなった。①古川一夫元社長が経産省主管の「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」の理事長に②入れ替わるように、経産省の原子力マフィアの望月晴文元次官が日立の社外取締役に③川村隆元社長が経産省のたっての頼みで東京電力の会長に――という、あからさまにベッタベタの官民人事交流に染まっていって、その揚げ句がこの経団連会長内定である。

 裏側で働いているのは、安倍晋三首相が最も信頼する側近の今井尚哉総理秘書官を管制塔とする原発を何としても生き残らせようという陰険な戦略である。

 今井ら経産省の原発ルネッサンス派の官僚は、東芝には米ウェスチングハウス社の買収をけしかけて、結果的に東芝滅亡の原因をつくったのだが、同じ時期、日立に対しては英ホライズン社を買収して英国での原発ビジネスに参入するよう促していた。ビジネス的には成り立たないことが分かっていても、日英両政府が官民で3兆円を投融資し、日立は実質1500億円の負担で済むからやってくれという国賊的なプランを描いたのは今井だといわれている。

 なぜこんなバカバカしい話がまかり通ったのかといえば、今井らは、3・11にもかかわらず原発推進路線は間違っておらず、その証拠に日本の原発技術は、こんなに世界各国に歓迎されていて巨大な利益を生む可能性があるのだという「幻覚を日本国民に植え付けたかったからに違いない。

理論的にも現実的にも先行きがないことが分かり切っている原発ビジネスに、東芝はダメでも日立をのめり込ませようというこの今井路線は一体何なのかと、某参院議員に問うと「役人は国が滅んでも企業が潰れても自分のメンツだけは救いたいという下劣なやつらです」と、にべもない答えだった。
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●政治献金という名の「賄賂」: アベ様達は原発産業と「ズブズブ」の関係

2015年01月08日 00時00分36秒 | Weblog


My News Japanに出ていた三宅勝久さんの記事【原発産業9社から自民党に献金100億円、“安倍隊長”のもとで進む原発推進、消費増税、法人減税】(http://www.mynewsjapan.com/reports/2109)。

 「第二次安倍政権が発足した2012年12月以降、献金額は激増しつつあり、2013年は、三菱重工の3千万円を筆頭に、9社とも前年比1.5倍~3倍に自民への献金額を増やした。「汚染水はコントロールされている」などと真っ赤なウソをついてまで原発推進にやっきとなり、法人税減税と消費増税で原発メーカーを喜ばせようとする安倍政権の不誠実ぶりは、もはや度し難いところまできている」。
 アベ様達は原発産業とズブズブ」の関係政治献金?? これを「賄賂」と呼ばずして、何と呼ぶ? 政党交付金導入の主旨は一体どこに?? 「完全にブロック」「アンダーコントロール」と称して原発再稼働、原発推進、原発輸出を進める自公議員たち・・・・・・2014年12月衆院選でアベ様達は「信任」されたそうです。「狂」、「恥」、「了」・・・・・・。そんな自公議員に投票できたり、50%の「眠り猫」な人たちのなんとお目出度いことよ。完全にブロック」「アンダーコントロール」されているのはマスコミと自公支持者、そして、「眠り猫」な民様達だったとさ。

   ●書籍紹介: 三宅勝久さん『日本を滅ぼす電力腐敗』

   『●世界に向けて
     「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ・・・・・・
   『●放射能汚染で「太平洋は終わり」との声が出るほどの
            重大事故だというのに、この国は・・・・・・

   『●「S」で「D」なアベ様と麻生副首相は「政治資金」で
        夜な夜な一体何をしているのか? それでも支持??


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http://www.mynewsjapan.com/reports/2109

原発産業9社から自民党に献金100億円、“安倍隊長”のもとで進む原発推進、消費増税、法人減税
20:38 12/13 2014
三宅勝久

     (自民党の資金団体「国民政治協会」に1977年以降17億円もの
      政治献金を行なった原発メーカー「
日立製作」。原発の
      監督機能を骨抜きにした「原子力安全保安院」生みの親
      といわれる望月晴文・元経産事務次官は、震災後に
      役員待遇で天下った(右下・ユーチューブで公開されている
      日本記者クラブでの講演より)。)


 主要な原発産業9社(三菱重工・三菱電機日立製作東芝鹿島建設大林組清水建設・竹中工務店・大成建設)から自民党の政治資金団体「財団法人国民政治協会」に対する政治献金の額が、過去37年間で100億円を超すことが、政治資金収支報告書の調査・集計でわかった。第二次安倍政権が発足した2012年12月以降、献金額は激増しつつあり、2013年は、三菱重工の3千万円を筆頭に、9社とも前年比1.5倍~3倍に自民への献金額を増やした「汚染水はコントロールされている」などと真っ赤なウソをついてまで原発推進にやっきとなり、法人税減税と消費増税で原発メーカーを喜ばせようとする安倍政権の不誠実ぶりは、もはや度し難いところまできている。(末尾で「原発主要メーカー4社の自民献金リスト」「原発を支える主要ゼネコン5社の自民献金リスト」ダウンロード可)


【Digest】
◇2013年になって大企業献金が大幅増
◇原発メーカーも献金を増額
◇原発部門献金王は日立の16億
◇ 三菱重工は14憶円、三菱電機12憶
◇ 東芝は14億円、4社合計で56億円
原発産業栄えて民は放射能におびえる「美しい国」
◇ 原発産業天下り総リスト
◇日立には「原子力安全保安院」生みの親が天下り
◇東芝には震災後に外務2人と通産1人が再就職
◇原発金主の日本政策銀からゼネコンに天下った大蔵官僚
◇2013年になって大企業献金が大幅増


 11月28日、2013年分政治資金収支報告書が公表された。自民党の財布である資金団体「財団法人国民政治協会」をみて気がついた。収入額は約28億2290万円。前年(約19億8200万円)より大幅に増えた。28億円のうち、団体献金は19億5000万円。前の年より、ざっと6億円の伸びだ。

 1千万円以上の献金をしている大企業は、45社。業界団体は15団体にのぼる。大口献金企業45社のうち、前年よりも献金額が減ったところは、皆無だった。前年と同額にとどまった会社は、わずか3社で、残りの42社はすべて増えていた。

 折しも今年9月、日本経団連は、献金あっせんの再開を公表した。佐川急便事件などで「政治とカネ」に批判が高まり、旧経団連が献金あっせんを中止したのが1993年。それから20年を経て、「政治とカネ」は大きな転機を迎えたといえる。政党交付金導入は企業献金に対する批判から導入されたはずだが、いまや、交付金をもらいながら企業献金もはばかりなく受け取るという、カネまみれの政治になろうとしている。

 この動きと歩を一にするように、安倍自公政権は、法人税減税と消費増税を進めようとしている。自民党の選挙公約にも、法人税の大幅減税が掲げられている。経団連に加盟する大企業が要望するとおりの政策である、円安とインフレを進めて労働者の実質賃金を下げ、派遣法の改正でクビを切りやすい非正規労働者を固定化し、法人税も減税する。大企業の経営者や大株主からみれば、笑いが止まらないことばかりである。


 カネをくれたから要望を聞いてやる。国民の苦労などどうでもよい――そういわんばかりの、殺伐とした乱暴な政治風景に、今の日本はなってしまった。

 さて、大口献金企業の顔ぶれをみてみよう。2013年でもっとも多い献金をしたのは、トヨタ自動車の6400万円(前年5140万円)、次がキヤノンで4000万円(同2500万円)だった。さらに、住友化学3600万円(同2500万円)、・・・・・・・・・。
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●海渡雄一さんの原子力「規制」委員会人選批判

2012年08月29日 00時00分32秒 | Weblog


原子力規制委員会の人選についてのvideonews.comの記事(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002495.php)。

 かなり予想外の人選で、異常な人選。いろんな法律違反(事前情報漏れ、欠格事項など)があるにも関わらず、この人選で押し切ろうとする異常さ。弁護士の海渡雄一さんが詳しく説明。
 規制どころか、原子力「推進」委員会になりそう。最近の金曜日の首相官邸デモや首相との直接面談でもこの人選に反対である旨が伝えられているはずなのに、この人選を閣議決定してしまういい加減さ。どこまでもダメダメな人たち。

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http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002495.php

ニュース・コメンタリー (2012年08月11日)
原子力規制委員会の委員人事は違法
ゲスト:海渡雄一氏(弁護士)

 福島第一原発事故で原子力行政の機能不全が明らかになったことを受け、新たな行政機関として起ち上がることになっている原子力規制委員会の人事案が、あり得ない展開を見せている。
 先の原発事故は、本来規制官庁であるはずの原子力安全保安院が原子力推進省庁の経産省資源エネルギー省傘下にあるために、事実上「原子力村」と呼ばれる原子力の利害当事者の一部と化してしまい、規制機関としてほとんどまともに機能していなかったことを露呈した。そのため、新たな規制委員会はいかに「原子力村」の影響力を排除するかが最大の争点だった。
 ところが現在、国会にかけられている原子力規制委員会の人事案では、原子力規制委員会設置法が定めた原子力規制委員会委員長及び委員の欠格要件に明らかに該当する者が委員5人のうち2人以上含まれていることが、日弁連を始めとする複数の団体などから指摘されている。
 日弁連の前事務総長で弁護士の海渡雄一氏は、「ここまで積み上げてきた議論をすべて無視したあり得ないような人事が行われようとしている」と憤りを隠さない。
 原子力規制委員会設置法はその第7条第7項の3で、規制委員会の委員長及び委員について、「原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置する者はその資格を有さないことが明記されている。現在、5人の委員候補の一人に挙げられている更田豊志(ふけたとよし)氏は、現在、独立行政法人日本原子力研究開発機構の副部門長だが、同機構は高速増殖炉もんじゅを設置し、東海再処理工場を保有する原子力事業者であり、この条文が定める欠格者の条件に明確に該当すると海渡氏は指摘する。
 また、もう一人の委員候補の中村佳代子氏は、公益社団法人日本アイソトープ協会のプロジェクトチーム主査の地位にある。同協会は、研究系・医療系の放射性廃棄物の集荷・貯蔵・処理を行っており、「原子力に係る貯蔵・廃棄」の事業を行う者であることから、これも先の条文に該当すると海渡氏は言う。政府は同協会が文部科学省の管轄下にあるということで、経産省傘下にある原子力事業者ではないと説明しているようだが、文科省の原子力関連部門も、設置法の施行後は原子力規制委員会の規制・監督対象となることから、設置法第7条第7項第の3が定める原子力事業者等に該当すると、海渡氏は言う。
 また、委員長候補の田中俊一氏は、原子力事業者である日本原子力研究開発機構の副理事長を務めていたことに加え、最近まで高度情報科学技術研究機構の会長職にあった。同機構は収入の7割以上を、日本原子力研究開発機構から得ている同機構の関連法人であるため、田中氏の資格についても、直接法律の条文に触れるまではいかないが、委員長職という職責の重みを考慮に入れると、法的には十分疑義があると海渡氏は指摘する。
 当初政府は上記の条文について、規制委員会の委員及び委員長に就任段階で該当機関を退職していれば問題ないとの見解で乗り切ろうとしていた。しかし、その後の国会審議などでその問題を指摘され、過去3年間それらの機関に在籍していたり、一定額の資金を当該機関から受け取っていた場合は、これに該当するとするガイドラインを策定し、発表していた。ところが、今になってそのガイドラインの3年ルールが適用される団体は、原発事業者つまり電力会社に限られるとの立場を取っているため、上記の3人は欠格条項に該当しないと政府は説明していると言う。
 今後この人事が国会で承認されれば、正当性に疑義を抱えたまま委員会は発足することになる。
 事故から1年半もかけ、難産の末ようやく9月1日に起ち上がろうとしている新しい原子力規制組織を骨抜きにしかねない委員の人事問題について、弁護士の海渡雄一氏とジャーナリスト神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。

プロフィール
海渡雄一 かいど ゆういち
(弁護士)
1955年兵庫県生まれ。79年東京大学法学部卒業。81年弁護士登録。日本弁護士連合会(日弁連)刑事拘禁改革実現本部事務局長、国際刑事立法対策委員会副委員長、共謀罪立法対策ワーキンググループ事務局長、事務総長などを歴任。著書に原発訴訟』、『監獄と人権』など。
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●本当に大飯原発を再稼働させて良かったのか?

2012年07月27日 00時00分57秒 | Weblog


元記事はvideonews.comで、大飯原発直下の活断層についてのTHE JOURNALの記事(http://www.the-journal.jp/contents/jimbo/2012/07/post_153.html)。関電社長の厚かましい高浜原発再稼働用要求についての東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012072501001245.html)。最後に、下請けや孫請け原発労働者は、被爆量でも差別的待遇を受けているというasahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0726/TKY201207250872.html)。

 活断層である可能性を知りつ大飯原発を再稼働しておいて、その後こっそり火力を停止。さらにはぬけぬけと高浜原発再稼働要求って、関西電力社長の厚かましさ、厚顔さ。東京電力 FUKUSIMA原発人災直後から「すぐには問題ではない」とさんざん喧伝したことに何の恥じらいも、責任も取っていないムダノ経済産業相が、これまたぬけぬけと関電社長を批判するポーズをマスコミの前でとって見せることに、関電社長以上に気分が悪い。原発推進に向けて、二人で猿芝居でもしているのではないかと勘繰りたくなる

 誰も被爆などしてもらいたくない。誰かの犠牲の上に成り立つ社会システムの下で、生活などしたくはない。大飯原発の幹部らがのうのうと生活し、逆に原発下請や孫請け労働者が差別的に過剰に被爆させられている。これは原発人災のような非常時だけでなく、恒常的にそういう状態にあることが想像され、やはり原発を再稼働するなどあってはならなかったのではないか。大飯原発再稼働をきっかけに、高浜原発や川内原発伊方原発美浜原発などの名前が上がり、実に腹立たしい思いだ。

   『●非常時だけでない、恒常的な被爆労働・犠牲でしか
                         成り立たない原発という特殊な発電システム


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http://www.the-journal.jp/contents/jimbo/2012/07/post_153.html

大飯原発直下の活断層を直ちに調査せよ

マル激トーク・オン・ディマンド
587回(20120714日)
大飯原発直下の活断層を直ちに調査せよ
ゲスト:渡辺満久氏(東洋大学社会学部教授)

 夏の電力不足への懸念から、野田総理自らが責任を取ると明言した上で今月9日に再びフル稼働状態に入っていた大飯原発3号機の直下に、活断層が存在する疑いが浮上している。なぜ今になってと思われる向きもあろうが、12日には国会議員108人の連名で首相と枝野経産相に、大飯原発敷地内の活断層の再調査の要望書が提出されるなど、現実に事態は広がりを見せている。
 今回のゲストの渡辺満久東洋大学社会学部教授(変動地形学)は、2006年頃から日本各地の原発施設付近の活断層調査を行い、危険なものについては警鐘を鳴らしてきた。そして、先月27日に、有志議員らと大飯原発の施設に実際に入って観察をした結果、現在稼働中の原発の直下に活断層が存在する疑いが非常に高くなったと言う。2日後の29日、枝野経産大臣は、この問題を専門家会議で確認する考えを示しているが、7月3日の会議(「地震・津波に関する意見聴取会」)では、関西電力側が、関係資料が見当たらないとして、検討が次回聴取会へ持ち越されるなど、そもそも現行の原子力行政システムで、この問題にまともに対処できるかどうかさえ、疑わしい状況となっているのだ。
 大飯原発については、3、4号機を建設するための設置許可申請の際に、関電から保安院に提出されたとされる地質調査結果の「スケッチ」の中に明らかに活断層の存在が疑われるデータが含まれていた。しかし、当時の原子力安全・保安院も原子力安全委員会もこれを問題にせず、3、4号機の建設許可は降りてしまった。今回の福島第一原発の事故を受けて、再稼働を前にストレステストやバックチェック審査が行われたが、その審査には問題となった「スケッチ」は提出されていなかったことも、保安院と市民団体(グリーンアクションら)との間の交渉の中で明らかになったと言う。
 要するに審査をする側、すなわち保安院と安全委員会の監視機能も働いていなければ、審査を受ける側、つまり関電からも適切な情報提供が行われていないために、建設段階で活断層の存在が見過ごされたばかりか、今回の事故を受けたバックチェックでもその問題は浮上すらしなかったというのが、実情のようなのだ。
 言うまでもないが、断層とは地層の「ずれ」のことで、プレートがぶつかり合う圧力によって生じる。そのうち比較的最近「ずれ」が生じたと推定される断層を「活断層」と呼び、再びずれが起きる可能性が否定できないものと位置づけられる。現在の原発に関する安全指針では、過去約12.5万年以内にずれがあった断層を、再びずれが起きる可能性がある「活断層」と認定している。
 断層のずれが地震の原因であることはよく知られているが、活断層の真上に建造物があった場合、単に地震の揺れによる破壊では済まされない問題が生じると、渡辺氏は言う。地震による破壊には「揺れ」による破壊と「ずれによる破壊があり、仮に地震の揺れには耐えられる建造物であっても、それが立つ地盤が上下や左右に「ずれ」てしまえば、建造物へのダメージは単なる揺れよりも遙かに大きくなるというのだ。つまり、例え原子炉が強い揺れに耐えられるよう設計されていたとしても、それが立っている地盤そのものが隆起したり捻れたりすれば、原子炉やその他の原発関連施設が損傷を受けたり破壊される可能性が否定できないのだ。
 しかし、それにしてもなぜよりによって活断層の上に原発が建設されてしまうのだろうか。確かに日本は地震国で活断層は日本中至るところに広がっているのは事実だ。しかし、自らを「反原発派ではない」と語る渡辺氏は、活断層のない場所に原発を建設したければ、それが可能な場所はいくらでも存在すると指摘する。例えば、若狭湾周辺は日本でも最も活断層が多く集中する場所だが、そこが同時に日本の原発の3割近く(50基中14基)が集中する原発銀座であることはよく知られている。これではあたかも活断層が多い場所を選んで原発を建設しているようにさえ見えてくる。実際渡辺氏は、日本のすべての原発のうち、玄海原発を除くほとんど全ての原発が活断層の「上」または付近にあるのが現実だと言う。
 原発行政に不信感をお持ちの向きは、そろそろどこに問題の本質が隠れているかにお気づきのはずだ。日本のほとんどすべての原発が活断層の上に建設されてしまう理由は、渡辺氏が「普通の地質学者が常識的に見れば明らかな活断層」といえる断層が、電力会社の調査では見つからなかったとして報告されていなかったり、報告されていても、それを審査する側の原子力安全保安院、原子力安全委員会側の専門家たちが、それをそのままスルーしているからなのだ。そして、保安院、安全委員会の下でこの問題を審査する「有識者」らからなる専門委員会は、ほぼ例外なく電力会社や原子力産業との間で利益相反問題を抱える委員が多数を占めていたり、実質的に彼らによって牛耳られているのが実情であり、「とにかくいろいろ背負っている人が多すぎる」と渡辺氏は笑う。
 情報隠蔽+御用学者+利益相反=危険な原発。この問題は原発が内包する構造的問題をあまりにもくっきりと浮かび上がらせている教科書的事例であると同時に、その問題が3・11の事故を経験した後も、いまだに続いていることを示唆しているという意味で、われわれはあらためてこれを深刻に受け止める必要があるのではないだろうか。
 しかし、嘆いてばかりもいられない。直下に活断層が存在する可能性高い大飯原発は既に臨界状態でフル稼働している。関電や政府はボーリング調査には何ヶ月もかかるとの理由から今のところ調査には前向きではないようだが、渡辺氏は活断層の存在は1日や2日の調査で十分確認ができると言う。もちろん原発を止めることなく調査はできるのだそうだ。であるならば、一刻も早く大飯の調査を早急に行った上で、信頼できる新しい原子力行政の下で、全国の原発の活断層調査を早急に行う必要があるだろう。衝撃的な事実を淡々と指摘する孤高の地質学者渡辺氏に、ジャーナリストの神保哲生と哲学者の萱野稔人が、原発の活断層問題とその背景にある問題構造を聞いた。

今週のニュース・コメンタリー
•最高裁判決
児童ポルノ画像の掲載とリンクを「同視」してはならない理由

<ゲスト プロフィール>
渡辺 満久(わたなべ みつひさ)東洋大学社会学部教授
1956年新潟県生まれ。80年東京大学理学部卒業。90年東京大学大学院理学系研究科地理学専攻博士課程修了。理学博士。東洋大学社会学部助教授などを経て2002年より現職。共著に『活断層地形判読』、『活断層詳細デジタルマップ』など。

投稿者: 神保哲生 日時: 2012年7月14日 23:14
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012072501001245.html

関電社長、次の原発再稼働に言及 「国は早く審査を
2012年7月25日 12時37分

 大飯原発4号機がフル稼働に達した25日、関西電力の八木誠社長が、“次の再稼働”について「高浜3、4号機が最有力」と発言した。時期は明言しないものの「(国には)できるだけ審査を早くしてもらいたい」とも口にし、電力会社トップの前のめりな姿勢を見せた。

 関電は、大飯原発3、4号機を含め八つの原発の安全評価(ストレステスト)の1次評価結果を経済産業省原子力安全・保安院に提出している。

 福井県おおい町で25日午前に取材に応じた八木社長は「電力需給ではなく、わが国のエネルギーセキュリティーを考え、安全性を確認できたプラントはできるだけ早く動かしていきたい」と強調。

(共同)
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http://www.asahi.com/national/update/0726/TKY201207250872.html

2012年7月26日7時8分
原発下請け被曝、電力社員の4倍 より危険な業務に従事

 原発で働く電力会社社員に比べ、請負会社など社外の作業員の放射線被曝(ひばく)が平均で約4倍の線量にのぼることがわかった。全体の9割近くが社外の作業員であるため、総被曝線量では約30倍になる。安全教育の水準に差があることに加え、より危険な業務に下請け作業員を当たらせたためとみられ、「下請け任せ」の実態を映し出している。

 電力各社は毎年、各地の原発で作業員が被曝した線量の分布を「社員」と「その他」に分けて経済産業省原子力安全・保安院に報告している。「その他」はメーカーや下請けなど「協力会社」の請負作業員らだ。

 最新の報告によると、福島第一、第二を除く国内すべての原発で、2010年度に放射線業務をしたのは延べ6万2961人で、被曝線量は平均1ミリシーベルト(総線量61シーベルト)だった。このうち、88%の5万5260人が「その他」で、平均1.1ミリシーベルト(総線量59シーベルト)。「社員」の平均0.3ミリシーベルト(総線量2シーベルト)を大きく上回った。

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●こんな国に大飯原発を再稼働させて大丈夫か?

2012年06月22日 00時00分07秒 | Weblog


東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012061202000090.html)と朝日新聞の記事(http://www.asahi.com/politics/update/0618/TKY201206170453.html)、山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、6月19日、20日)。

 住民が被爆しようがどうしようがお構いなしというわけだ。FUKUSIMAで被爆してしまった皆さんはあきれ果て、怒りの言葉を発することにも疲れ果てておられるのではないか。では、おおい町や周辺自治体の人たちが、「地元」住民が怒りの声を上げ、原発の再稼働を阻止すべきではないだろうか。「この公園は「株式会社おおい」が管理・運営しているが、代表取締役を時岡忍・大飯町長がつとめる」こういう現実を「地元」の人たちは何も感じないのか?
 こんな国に、原発の再稼働や原発の輸出など絶対にさせてはならない。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012061202000090.html

SPEEDI 住民に公表前、測定活用 浪江の高線量地把握
2012年6月12日 朝刊

 福島第一原発事故が発生した四日後の昨年三月十五日、文部科学省が緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)による予測結果を基に、原発の北西約二十キロの福島県浪江町に職員を派遣し、実際に高い放射線量を測定していたことが十一日、分かった。

 SPEEDIによる放射性物質の拡散予測が事故後初めて公表されたのは昨年三月二十三日で、住民避難に役立てられなかった予測を、政府は公表前から活用していたことになる。

 政府の住民軽視の姿勢があらためて浮き彫りになった。

 文科省によると、同十五日夕に福島県入りした同省職員から測定地点の指示を求められ、文科省はSPEEDIの試算結果を基に場所を指定。同日午後九時前、毎時三三〇マイクロシーベルトと高い数値を実際に測定し、翌十六日未明に公表した。

 同省は原発から一ベクレルが放出したと仮定し、風向きなどの気象条件から、どの方角に放射性物質が拡散しているか把握する試算を同十一日夕に開始。同十五日は、原発から南向きに流れていた風が昼ごろから夕方にかけて時計回りに回転し、北西向きに変化していたことが判明しており、この予測を基に職員に測定地点を指示したという。
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http://www.asahi.com/politics/update/0618/TKY201206170453.html

2012年6月18日5時0分
米の放射線実測図、政府が放置 原発事故避難に生かさず

 東京電力福島第一原子力発電所の事故直後の昨年3月17~19日、米エネルギー省が米軍機で空から放射線測定(モニタリング)を行って詳細な「汚染地図」を提供したのに、日本政府はこのデータを公表せず、住民の避難に活用していなかったことがわかった。放射性物質が大量に放出される中、北西方向に帯状に広がる高濃度地域が一目でわかるデータが死蔵され、大勢の住民が汚染地域を避難先や避難経路に選んだ

 政府の初動対応では、汚染の広がりを予測する緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)の試算結果の公表遅れが問題となった。同システムの予測値と決定的に違うのは、米エネルギー省のデータが放射能の拡散方向を示す実測値だったことだ

 米エネルギー省は原発事故直後の昨年3月17~19日、米軍機2機に、地上の放射線量の分布を電子地図に表示する空中測定システム(AMS)と呼ばれる機材を搭載して、福島第一原発から半径約45キロの地域の線量を計測した。

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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、6月19日、20日】

2012/06/19
大飯町テント村、再稼働反対運動の拠点へ――再稼働阻止福井バスツアー同行記<その1>
執筆者: Yamaoka (2:40 pm)

 野田佳彦首相は6月16日、4閣僚会合で関西電力・大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働を決めた。前日には首相官邸前を1万人を越える市民が集まり、諸々の世論調査でも過半数が再稼動に反対するなかで行なわれた決定だ。民主主義の基本から考えても、「暴挙」といえる政治決断だろう。
 17日には福井県庁にほど近い、福井市中央公園で再稼動に反対する集会が開かれ、約2200人が集まった。再稼動に同意した西川一誠・福井県知事に対し、地元福井だけでなく、全国から反原発団体・個人が結集。福島の被災者をはじめ、80人にのぼる個人や団体が次々に登壇しアピールをおこなった(写真は福井集会の全景と、タレント千葉麗子が音頭によるシュプレヒコールの様子)。
 さて集会後、東京からバス6台でかけつけた「再稼働阻止福井バスツアー」の一団は、「ここまで来て大飯町にいかないわけにはいかない」と有志を募り、大飯現地にまで足を伸ばすことに。記者も急遽、同行取材することにした。
 その有志30数人は、「福島の女たちの会」(写真)、日本山妙法寺の住職、大学教員、敦賀原発で働いた経験のある方、あるいは最近反原発デモに参加したばかりの若者など様々。放射線量が高いため一時休校となった「沢入国際サーカス学校」(群馬県みどり市)の生徒の姿も。
 夕方、一団を載せたバスはおおい町へ。電源三法交付金によって作られたハコモノを眺めながら、おおい町総合運動公園に到着。この公園は「株式会社おおい」が管理・運営しているが、代表取締役を時岡忍・大飯町長がつとめる

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012/06/20
原発に雇用と行政を握られたおおい町にも、変化の兆し――再稼働阻止福井バスツアー同行記<その2>
執筆者: Yamaoka (1:00 pm)

 翌朝(6月18日)、ツアー団有志はバスに乗り、一路、大飯原発をめざす。文字通り「一路」、国道241号線という一本の道しかない。大飯原発のある大島半島と、小浜湾をまたがり本土とを結んでいる橋も一本しかない。しかも老朽化で大地震には耐えられないという。つまり大地震が起き、橋が崩落したり一本道が不通になれば、大島半島の住民は逃げ場を失う。そこで放射能もれの事故が発生したら・・・。
 さらに、変動地形学が専門の渡辺満久・東洋大教授は、大飯原発敷地内の断層は活断層の可能性があると指摘している。その指摘を受けても、原子力安全保安院は調査もせずに「問題はない」と再稼動を認めた
 大飯原発の再稼動は、やはりあまりにも無謀だ。
 さてバスは大飯原発のゲート前に到着。トンネルを越えた所に原発はあり、ここから見ることはできない。トンネル手前のPR館「エル・パーク おおい」も今日は休館。一週間前に新たに設置されたフェンスとガードマンが、入り口を塞いでいた。
 バスから降りた参加者は口々に訴えた。「原子力で火遊びをしないでくれ」「若狭湾は涙が出るくらい美しい。ここを福島の海のようにしたくない」「私は敦賀原発の定期検査で働いた。原発作業員がいちばん原発の危険性を身にしみて感じているはず」。抗議している間にも、関西電力や関連企業の乗用車、工事用車両が頻繁に出入りする。7月からの稼動開始に向け、急ピッチで準備作業が行われている模様だ。
 ある女性はガードマンに近づいて語った。「あなた方を責める気はありません。まっさきに被曝するのは作業員とあなた方です。原発を動かす電力会社の幹部は被曝しないところにいる」。そして小出裕章・京大助教の講演録などを手渡そうとした。ガードマンはやや困った表情で受け取りを拒んだが、やがて受け取った。
 トンネル前での抗議行動を終え、大飯町役場に移動。時岡忍・おおい町長に宛てた申し入れ書「人類に禍根を残さぬよう再考を」を手交するためだ。

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●第二の突破口

2011年08月13日 00時28分53秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011081101000748.html)より。

 北海道電力泊原発3号機の営業運転か?(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011081101000748.html)。九州電力の一連のごたごたで玄海原発がダメなら、では、泊原発を突破口に、ということで必死だ。ここを突破すれば、あとはなし崩し的に、次から次に再開するつもりでしょう。既成事実が積み重ねられ、FUKUSIMA以前に再び戻るのでしょう。
 そうなるかどうか、ここでの道知事の決断は重い・・・。一時期の佐賀県知事玄海町長のように軽く決断して大丈夫なのか。道知事の「地元軽視」、微妙な発言だ・・・。  

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011081101000748.html

泊3号機、営業運転先送り 経産相「知事判断待つ」
2011811 2326

 北海道電力泊原発3号機の営業運転再開について、原子力安全委員会は11日、経済産業省原子力安全・保安院が報告した「安全基準上の問題はないとの最終検査結果を了承した。ただ海江田万里経済産業相は地元に配慮し、検査終了証の交付を見合わせる意向を北海道の高橋はるみ知事に伝達。11日からとみられていた営業運転は数日遅れることになった。

 再開すれば、定期検査からの営業運転入りは東京電力福島第1原発事故後、初のケース

 知事はこれまでの国の手続きに「地元軽視」と反発。北海道によると10日夜、経産相が「知事判断は大切で、再開は待ちたい」と電話で知事に伝えた。
(共同)
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 Web Iwakamiには北海道電力泊原発3号機の〝運転〟再開に反対する関連映像(http://iwakamiyasumi.com/archives/11825)。ストレステストをめぐる首相・政府と経済産業省の間で何があったのか?
 「作動中なので再開」でないのならば、「定期検査中に運転」してていいのか? 年間1ミリシーベルト以内問題と同様、これは法的にオッケー?


 最後に美浜の会による告発(http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-August/011134.html)。

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-August/011134.html

[CML 011266] 泊3号/緊急報告:原子力安全委員会の二重チェックは嘘だった(美浜の会HP8.11)
2011 8 12 () 03:24:26 JST

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美浜の会HPより転載します。
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                                                           2011年8月11日
                                  福島老朽原発を考える会(フクロウの会)
                      美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会(美浜の会)
                                                   国際環境NGO FoE Japan

           緊急報告:原子力安全委員会の二重チェックは嘘だった
         「保安院が報告させてくれ」と言ったから議題にのせただけ
                 ~泊3号の営業運転再開は認められない~

本日、泊3号の営業運転再開をめぐる政府交渉が開かれました。
交渉の席上、原子力安全委員会は、泊3号の営業運転再開に関して保安院と安全委員
会による二重チェックが行われるとされていることに関して、「原子力安全委員会は
、法的に、判断する立場にはない」と発言しました。

14時から開催された安全委員会においては、泊3号については、保安院からの総

合負荷性能検査について15分ほどの説明が行われ、その後、10分程度、簡単な質疑が
行われただけでした。5名の委員のうち、一言も発言しない委員もありました。斑目
委員長は、「泊3号の安全性、定期検査については、保安院がしっかりとやるもので
す。今日の議題にあげたのは保安院が報告したいからと言ったからです」と述べまし
た。傍聴人からは、「安全委員会は、きちんと審議して見解を述べるべき」「二重チ
ェックではない」「こんなお手軽な会議で、泊を動かしてよいのか」「道民はこれで
は納得できない」などの怒りの声があがりました。3時頃、委員長が休憩と宣言し、
3時40分ごろに再び委員長が登場し、「今日はこれで閉会とします」と述べて閉会と
なりました。

その他、本日の政府交渉により、以下が明らかになりました。

・7月8日、保安院は、泊3号の最終検査を受けるよう北海道電力を指導した。こ
のことは、経産省の緊急安全対策だけでは「十分な理解が得られているとは言い難い
状況にある」との政府見解と食い違うものである。

・調整運転を行っているにしろ、定期検査中である泊3号は、他の定期検査で停止
中の原発と同じであるのにもかかわらず、泊3号だけは、通常の定期検査のみで他の
停止中の原発よりもはるかに軽い条件で運転再開をするのはなぜかという質問に、保
安院は明確な答えを示さなかった。

・原子力安全保安院は、「北海道の了承なしに、泊3号を動かすことはない」と発
言した。

市民側は、「北海道の市民に説明会を開くこと」「原子力安全委員会の冒頭に、原子
力安全委員会の議論は、"チェック"ではないことを委員長が明確に述べること」「泊
3号を停止させること。本格運転再開を認めるべきではないこと」を要請しました。

このような状況の中で、泊3号の本格運転の再開など、許されるものではありません


                                                                    以上
                                                           (11/08/11UP )
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転載元:美浜の会HP
http://www.jca.apc.org/mihama
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