Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●最高裁「原発安全性」研究会、過去の反省なくして意味をなさず

2012年09月02日 00時00分52秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012083102000111.html)。

 裁判所には危機感はあるようだが、司法を変える気はあまりないようだ。過去の反省や、責任の所在を明らかにする気など、全くない。
 「裁判官の独立は憲法で保障されている」のは当たり前だが、「最高裁は「研究会は裁判官の研さんが目的で、個々の判断を縛るわけではない」」と言っており、見せ掛けだけの研究会に止まりそうだ。
 これまでさんざん原発推進側に肩入ればかりしてきた。原発の危険さを判断できないほど推進側の論理が破綻しているのであれば、安全側(反原発側)に判断しておけばよかったのだ。3.11東京電力原発人災の相当の責任は、裁判所、特に最高裁にある。「戸謙一元裁判官は、原発に危険性が無いことは電力会社側に立証責任がある、という正論を述べられている。」

   『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」・・・・・・いま、その〝少年〟は?
   『●改めて冷温停止「状態(「準」、「みたいな」、「なんちゃって」)」宣言と原発再稼働
   『●志賀原発訴訟第二ラウンド: 裁判所は信頼を回復できるか?
   『●原発裁判はどれも完敗: 井戸謙一元裁判官と小出裕章さんの対話
   『●そりゃぁ、東京電力原発人災以降を見ただけでも、「司法」にも絶望するよな
   『●井戸謙一元裁判官再び: 最高裁は常に国側に、そして、努力は無駄に
   『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官

 さらに、3.11後に変わったのかといえば、全く変わっていない。例えば、これ:

   『●東京電力、「お前のモノだろう!」

 「サンフィールドが、東電が他人の土地の上に放射性物質を付着させ、土地の利用に制限をかけていると主張したのに対し、東電側は放射性物質は誰の所有にも属さない「無主物」であって、飛んでいる虫のようなものだから除去する責任を負わないと主張した」。こんなふざけた主張を裁判所が支持するのだから、どうしようもない。「無主物」なんていう言い草が通用する世界って、一体なんだ?

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012083102000111.html

原発安全性「本格審査を」 最高裁研究会 裁判官に改革論
2012年8月31日 朝刊

 最高裁が開いた原発訴訟をめぐる裁判官の研究会で、国の手続きの適否を中心としてきた従来の審理にとどまらず、安全性をより本格的に審査しようという改革論が相次いでいたことが三十日、共同通信が情報公開請求で入手した最高裁の内部資料などで分かった。 
 裁判所はこれまで原発訴訟のほとんどで「手続き上適法」などとして訴えを退けてきた。改革論が浮上した背景には、東京電力福島第一原発事故を踏まえ、このままでは司法の信頼が揺らぎかねないとの危機感があるとみられる。原発訴訟の審理の在り方に変化が起きる可能性がある。
 最高裁は今年一月二十六、二十七の両日、全国各地の裁判官三十五人を集めて特別研究会を開催。裁判官は自分で問題を設定して対応策を記した報告書を提出、議論のたたき台にした。
 原発訴訟について報告書を出した七人のうち五人が、これまでの訴訟の在り方について問題を提起したり、安全審査を進める具体的手法について意見を述べた。研究会の関係者は、裁判所が安全性の審査により踏み込む必要性については、ほかの参加者にも異論はなかったとしている。
 内部資料によると、ある裁判官は「放射能汚染の広がりや安全審査の想定事項など、福島事故を踏まえ、従来の判断枠組みを再検討する必要がある」と提案。安全性の審査・判断を大きく改めるべきだとの考えを示した。国、電力側の提出した証拠の妥当性をこれまで以上に厳しく検討する狙いとみられる。
 別の裁判官は「原子炉の安全性を審理判断するに当たり、専門的・科学的知見をどのような方法で取り入れていくべきか」と問題設定した上で、証人調べは「一方に有利になることは避けられない」と指摘し、「複数の鑑定人による共同鑑定が望ましい」と述べた。専門家が裁判官を補佐する専門委員制度の活用の提案もあった。
 裁判官の独立は憲法で保障されている。最高裁は「研究会は裁判官の研さんが目的で、個々の判断を縛るわけではない」としている。
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●借金と死の灰、どちらが本当の負の遺産なのか?

2012年08月18日 00時00分17秒 | Weblog


今頃から廃炉の研究なんて、なんて無責任な人たちなんだ、という東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012081302000081.html)。

 赤字国債なんてなんのなんの、こちらこそ真の意味での子や孫の世代への負の遺産。低レベル放射性廃棄物で300年、高レベル放射性廃棄物、つまり核廃棄物・死の灰では、子や孫どころではなく、10,0000年100,0000年。一体何世代やら?
 東京電力原発人災の炉が冷温停止「状態」なんて、現実からほど遠い。原発再稼働や輸出、建設再開なんて、絶対にダメだ。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012081302000081.html

福島廃炉で研究チーム 産官学連携し技術開発
2012年8月13日 朝刊

 政府は、民間の原発関連会社や大学などの研究機関と連携し、東京電力にも協力を求め、福島第一原発の廃炉処理に向けた技術開発を進める研究チームを九月にも発足させる方針を固めた。福島のように炉心溶融(メルトダウン)した原子炉を廃炉にする技術がないのに加え、今後は老朽化した原発の廃炉処理が相次ぐため、政府主導で技術を確立させる必要があると判断した。政府は廃炉の財政支援も検討する。
 ただ、福島第一原発の廃炉費用は数兆円に上る見通し。東電は自力で賄うのが困難になった場合、新たな支援を政府に要請するとしている。政府は、福島の復興には廃炉処理が不可欠として理解を求めていく考えだが、技術開発を進めるうちに、なし崩しに国民の税金で廃炉費用を負担する仕組みができる懸念もある。
 経済産業省など関係省庁は、技術確立の研究費として二〇一三年度予算案の概算要求に約一億円を計上する。民間も資金を出し、総額は数億円。研究チームは一三年度予算の成立を待たず、先行して民間資金で運営する。
 研究チームが開発を目指す技術は、炉心溶融した核燃料を取り出す機械や、高い放射線量下でも誤作動しないコンピューターなど。日本では現在、廃炉技術を持つのは東電などに限られており、民間の技術を政府に集積する狙いもある。
 廃炉費用については、今の法律では政府が直接支援できない。政府は国策として原発政策を進めてきた経緯を踏まえ、廃炉処理に関与できるようにすることも含め、廃炉手続きを定めた原子炉等規制法の改正や新法制定を検討する。
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●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である

2012年08月07日 00時50分34秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0805/OSK201208050030.html)と社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20120806.html)。

 個人的に「教育産業」とか「シルバー産業」という言葉が大嫌いです。そいうところで、金儲けしようというのが嫌だ。「水ビジネス(水商売)」についても「水=コモンズ」「水へのアクセス=基本的人権」という視点で、水道を民営化私企業化し、オカネ儲けの手段に使うことに非常に大きな危機感を感じます。一方、「原子力ビジネス」・・・・・・、「死の商人=戦争屋の一翼を担うビジネス」が言い過ぎならば、核開発と通じる「原子力=核」発電に巨費を投じることによって、(準)公共事業でカネを儲けようとたくらむ電力ビジネスだろうか? 「原子力=核」なのに、電力会社に「原子力ビジネス」でカネ儲けをさせててよいのだろうか。
 消費税増税のドサクサに紛れて、「原子力の憲法」改悪までして、「全保障」などという言葉を滑り込ませている。「「安全保障(セキュリティー)」の言葉を使えば「平和利用に限る、軍事には使わないという原則を日本は放棄するのではないか」といった疑念や拡大解釈の余地を国際社会に与えてしまうおそれがある。しかも、福島原発事故の後であり、朝鮮半島や西アジアなど核をめぐって世界情勢が緊張する中、あまりに無神経だ」・・・・・・というか、第2自民党・元祖自民党・第3自民党が十分に意識的に謀ったのだと思う。

    『●原発再稼働ごり押しの陰で、消費税増税のドサクサに紛れて姑息な「憲法」改正


 (根源は社主)読売新聞は大嫌いなので、例えネット上でも、ましてや、わざわざ社説を読むことなどありませんが、(リ)ツイートで以下の文章を知りました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
孫崎 享@magosaki_ukeru

8日読売社説批判・原発:どこまで無神経。原爆忌位原発推進論止めてくれ。「大量殺りく兵器と原子力の平和利用とを同列に論じるのはおかしい。原発事故は、安全対策をしっかり講じれば防ぎ得る。事故の教訓を生かし、世界の原発の安全性向上に貢献することが、むしろ日本の責務ではないのか」嘘。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 

 核兵器やその開発と、原子力の「平和」利用を同列に論じてはいけないそうだ。特に読売新聞の社説は社主の意向が大きく左右するはずなので、これは渡邊恒雄ナベツネ氏のご意向なのだろう。さすがは「独占的な通信網欲しさから原発を日本に持ち込み、田中角栄は利権目的で原発を利用した」「「原発の父」と呼ばれる正力松太郎」氏の読売新聞の社説だ(『●原発の父・正力松太郎のくだらない〝理由(わけ)〟』)。
 でも、原理的には「原子力=核」ではないのか? 物理的には、原爆も原発も同じはずです。「原発=原爆」。「安全神話」に支えられた原子力の「平和」利用としての原子力発電の推進の裏に、核燃サイクルなどを通した「核開発」の意図が無かったなんて考えられません。主に小出裕章さんに関する以下のブログで、その点に触れています。

   『●核燃サイクルという幻想、推進ありき
   『●悪の枢軸国〟の核開発: イヤ~御尤も、でも言えた義理か
   『●つまらんことにメンツをかけて、結果が東京電力FUKUSIMA原発人災では・・・
   『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点
   『●いまさらながら「倫理」がキーワード?(1/2)
   『●被爆国が核兵器を持つことが〝大国〟・〝一流国〟の証なのか?
   『●広島・長崎の教訓を活かせない日本
   『●社説:核廃絶と脱原発
   『●吉永小百合氏の原発廃止発言
   『●核の軍事利用と原子力の平和利用
   『●恥ずかしいから、引っ込んでてくれ
   『●Mr.風見鶏: 反原発をお前が言うか!?
   『●IAEAの二つの顔
   『●FUKUSIMAとなってしまった、その前に想いを馳せておくべきだったのに・・・
   『●悪「夢の原子炉」』 


 前書が長くなりました。最後に、核開発との接点にまでは触れませんでしたが、「「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する御意見の募集(パブリックコメント)」に以下のコメントを発送しました。原発輸出や建設再開・新規建設などについてのコメントも忘れてしまいました:

++++++++++++++++++++++++++++++++++
 「より積極的な原発0%案」を支持する。
 再稼働中の大飯原発も含め、すべての原発を即座に停止・廃炉にすべきである。高速増殖炉もんじゅや核燃サイクルも即時廃止。
 昨年に続き、本年も十分に電力は足りている。原発は不要であることは、実証された。多くの原子炉が活断層の上にあり、危険極まりない。即座に廃止すべきである。全国での意見聴取会でも、7割近くの人々が「原発0%案」を支持した。
 福島に至っては、ほぼ全員が「原発0%案」を支持している現実を政府、電力会社、国会議員は良く考えるべきだ。2011年3月11日の東京電力原発人災以降、何も問題が解決していないにもかかわらず、冷温停止「状態」宣言し、野田首相の責任で大飯原発を再稼働するなど、福島で被災・被曝した人々に失礼極まりない行為を繰り返している。いまもそこで苦しんでいる人々が居るのにもかかわらずである。まず、議論の前提は、全原発廃炉・核燃サイクル廃止であり、それが議論の出発点であるべきだ。
 非常時だけでなく、恒常的に労働者を被曝させなければ原子力発電は成り立たない。しかも、それは電力会社の幹部ではなく、下請けや孫請けの弱い労働者である。「たかが電気のために」、このような誰かの被曝という犠牲でしか成り立たないような発電方式を選択することは誤っている。
 省エネに努め、今ある電力でわれわれは十分に心豊かに暮らせる。『暗闇の思想』に学ぶべきだし、『浪費なき成長』は可能である。
++++++++++++++++++++++++++++++++++


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http://www.asahi.com/national/update/0805/OSK201208050030.html

2012年8月5日21時4分
はだしのゲン「生きろ 麦のごとく」 元安川の水面に

 広島市中区の原爆ドーム前を流れる元安川の水面に5日、漫画家中沢啓治さんの代表作「はだしのゲン」の主人公中岡元の姿が映し出された。6日、広島は被爆67年を迎える。

 水面への映写は9回目。当初は原爆ドーム(旧広島県産業奨励館)の復元映像だったが、東京電力福島第一原発事故後は、福島県などの被災地に向けた復興の願いを表現。今年は「生きろ 麦のごとく」とのメッセージを添えた。現場を訪れた中沢さんは「制御できない原発はなくすべきだ。被災地の人は踏まれても麦のようにまっすぐ生きてほしい」と話した。(倉富竜太)
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http://www.asahi.com/paper/editorial20120806.html

2012年8月6日(月)付
核廃絶と脱原発破滅リスクのない世界へ

 広島はきょう、長崎は9日に、被爆から67年を迎える。
 核時代に入った第2次大戦の後、世界戦争は起きていない。それは核抑止の戦略が有効だったから、との意見が根強い。
 だが実は、世界は何度も、核戦争へ転がり落ちそうになったことがある。
 そのひとつが、1983年に起きた。旧ソ連軍の早期警戒システムは、米国が5発の核ミサイルを発射したとの情報を探知した。
 担当官は、米国の先制攻撃なら何百発も飛ばすはずで、誤報の可能性が高いと思った。悩んだすえ、自分の判断を信じ、情報を上部に報告しなかった。後にやはり誤報とわかった。
 米ソが緊張関係にあった冷戦時代だけに、彼の機転がなければ、旧ソ連は核発射ボタンに手をかけたかも知れない。
 放射能禍をもたらした福島での原発事故の背後には、本当に深刻な事態を「想定外」とする慢心があった。核兵器も同じで、そのリスクの軽視は、破滅につながりかねない。
 だからこそ、原爆と原発事故を体験した日本には、歴史的使命がある。核エネルギーによる両方の惨事を知る身として、そのリスクを世界からなくしていく役目である。

抑止にも「安全神話」
 核兵器がある方が世界を安全に保てる。そんな核抑止の「安全神話」に潜む落とし穴を直視したい。
 判断ミスによるリスクに限らない。核拡散が進むいま、地域紛争で使われる恐れもある。
 核武装したインドとパキスタンは、領土やテロ問題などで対立している。パキスタンは政情も安定しない。
 中東では、イスラエルが事実上の核武装国である。敵対するイランが核を持った場合、地域紛争で使われるリスクは南アジアを上回る事態も予想される。
 北東アジアでは北朝鮮が核実験をしている。独裁体制の崩壊などの有事に、自暴自棄や、軍の暴走などで核使用に動く心配は消えない。
 こうしたなか、被爆地からの言葉が、核抑止のプロたちにも、響き始めている。
 核の恐怖をなくす唯一の方法は核をなくすことだ、というメッセージである。
 世界各地の政府や軍の元幹部らによる国際NGO「グローバルゼロ」は、2030年までの核廃絶を提唱する。それを具体化するために、米国の元核戦力部隊指揮官らが、米ロは10年以内に核兵器を8割減らすべきだと提言をまとめた。
 核は、安全保障上の利益より危害の方が大きいからだ。

■隠せぬNPTの限界
 原発利用を核拡散から切り離せるという「安全神話」も、極めて疑わしくなっている。
 世界は、核不拡散条約(NPT)を足場に、核保有国を増やさない政策を重ねてきた。
 核保有国に軍縮義務を課す一方、その他の国には保有を禁じる。非核を堅持すれば、原発など原子力利用で協力を受けられる。これが、約束の基本だ。
 確かにNPTは核拡散の防止で重要な役割を果たしてきた。だが肝心の核軍縮は期待ほどに進んでいない。保有国が核抑止にこだわり続けるなか、同様の力を持とうとする国が相次ぐ。
 NPTのもとで原子力を利用する権利が強調され、これがまた拡散リスクを高めている。核燃料のためのウラン濃縮、プルトニウム抽出施設は軍事目的に転用できるからだ
 典型例がイランだ。NPT加盟国であることを盾にして、核武装につながりかねないウラン濃縮を進めている。
 核軍縮は進まず、核拡散もなかなか止められない。NPTの限界が見えるなか、原子力利用国を増やすことが得策なのか。悪くすると、NPTが原子力利用を正当化するだけの条約になりはしないか。

■新しい平和と繁栄
 脱原発をグローバルな潮流にする試みが、核不拡散、核廃絶の双方にプラスとなる。そこにもっと着目すべきだ。
 いまこそ、発想を変えるべきときである。
 核兵器を持たず、しかも脱原発を選ぶ国を、再生可能エネルギーや効率的な天然ガス利用などで国際的に支援する。
 非核でいることのメリットを、原発ではない電源による国づくりへと切り替えていく。それを通じて、核廃絶と地球温暖化防止の一挙両得をねらうのである。
 非核国の原子力利用を制限する以上、核保有国は軍縮を加速する責任が一層、強まる。原発を多く使う国は、原発依存からの脱却を急がねばならない。
 軍事用であれ民生用であれ、核エネルギーへの依存をできるだけ早くなくすことで、リスクのない平和と繁栄の姿へと変えていく。
 そうした未来像を、核惨事を知る日本から発信してこそ、世界は耳を傾ける
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●3.11東京電力原発人災は何も解決していない

2012年08月03日 00時00分29秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012080101002073.html)、コラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012080202000107.html)、社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012080202000104.html)。

 会議後、細野環境大臣に詰め寄る福島の人たちの姿をご覧になりましたか? 3つのエネルギーシナリオのうち、大半の人が原発0%を支持している、その姿をご覧になりましたか? 東京電力原発人災の一体何が解決したというのでしょう。ムダ首相らの唱える冷温停止「状態」が聞いて呆れます。福島に居る誰がそんな「状態」を信じているでしょうか。大飯原発再稼働など、福島で今も苦しみ続けている人たちに、あまりに失礼だ。

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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012080101002073.html

発言者ほとんどが原発「0%」 福島で意見聴取会
2012年8月1日 20時36分

 政府は1日、東京電力福島第1原発事故を受けた今後のエネルギー・環境政策について直接国民から意見を聞く意見聴取会を福島市で開いた。意見表明したほぼ全員が、2030年の原発依存度について「0%」の選択肢を主張し「県民99・9%の願いだなどの意見に会場から大きな拍手が起きた

 聴取会は一般傍聴者も含め参加者は福島県在住者か、事故後に県外へ避難した人に限定、約150人が参加。発言者の人数を他会場の12人から30人に増やし、開催時間も1時間延長して約3時間とした。政府のエネルギー・環境会議が示した原発依存度0%、15%、20~25%の三つの選択肢に縛られないようにした。

(共同)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012080202000107.html

【コラム】
筆洗
2012年8月2日

 原子力発電はコストが高く、経済的に見合わなくなる-。脱原発派の主張ではない。原子炉メーカー世界大手の一角を占めるゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルト最高経営責任者が最近、英紙フィナンシャル・タイムズに語った内容である▼発言の背景にあるのは「シェールガス革命」だ。地中深い岩盤から採取されるシェールガスの増産が進み、天然ガス価格はここ十年来の安値水準を続けている▼イメルト氏は原発はコストが高いと指摘、「(経済的に)正当化するのが非常に難しい」「天然ガスが非常に安くなり、いずれかの時点で経済原則が効いてくる」と述べて、天然ガスと風力、太陽光の組み合わせに向かっている世界の趨勢(すうせい)を語っている▼ドイツの巨大企業シーメンスは昨年九月、独政府が原子力エネルギーからの脱却を決めたことを受け、原発事業から撤退する方針を明らかにした。原発をもはや時代遅れのエネルギーとみる視点が広がっている▼将来のエネルギー政策について政府が国民の声を直接聞く意見聴取会がきのう、福島市内で開催された。発言した三十人のうち二十八人が二〇三〇年の原発依存度「0%」を主張した▼事故を起こしてしまった時の想像を絶するコストを考えれば、市場原理から見て原発に未来はない。「リアルな原発のたたみ方」を熟議する時期が来ている。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012080202000104.html

福島怒りの聴取会 政府不信一色
2012年8月2日 朝刊

 東京電力福島第一原発事故で計り知れない打撃を受けた福島県で一日、将来の原発比率をどうするか、県民の意見を政府が聴く会が開かれた。将来0%どころかすべての原発の即廃炉を求める声が相次いだ。政府は事故収束宣言や原発再稼働など県民の心を逆なでしてきたため、政府への不信感や怒りの声に染まった

 これまでの会は、二〇三〇年の原発比率を0%、15%、20~25%とする三つの選択肢から選び、それぞれに意見を述べる形式だったが、福島ではとても受け入れられないことから、政府は発言希望を募るだけにした。インターネットで発言希望を出した九十五人の中から無作為抽出された三十人全員が一人五分で意見を表明した。

 聴取会は四時間に及び、原発比率の議論より、政府の姿勢を疑問視する声が目立った特に、昨年末の「事故収束」宣言や、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働、さらには原子力規制委員会の人事といった一連の政府の対応がやり玉に挙がった

 福島県の各地では、数多くの人が避難生活を余儀なくされ、放射能の影響も広く残っている。そんな中で政府が「サイト(原発)内に限っては」と前置きをしようと、収束宣言は切り捨てと映ったようだ。「政府ではだれも事故の責任を取っていない」「何の根拠があって収束宣言したのか」など次から次へと批判の声が出た。

 再稼働問題はほぼ全員が問題視した。「あれだけの事故があったのに、もう再稼働させてしまった。失礼」「山も森も放射性物質。そんな中で再稼働に踏み切った政府に憤りを感じる」などの意見が出た。

 規制委人事でも「また原子力ムラで固めるつもりなのか」と疑問が出されると、会場から「ふざけるなの声が一斉に上がった

 こうした聴取会が単なるガス抜き、アリバイづくりではないかと、根深い不信感を口にする人も多かった

 全国各地に大量に残る使用済み核燃料の処分や放射性廃棄物の処理方法が決まっていない問題を指摘する意見も目立った。
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●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」・・・・・・いま、その〝少年〟は?

2012年07月20日 00時00分50秒 | Weblog


asahi.com(http://www.asahi.com/paper/editorial20120718.html)と東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012071701002196.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012071802000109.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012071890071406.html)。

 北陸電力 志賀原発の真下に活断層が存在する可能性が指摘された。とんでもないところに原子炉が立っているわけだ。あの因縁の志賀原発である。金沢地裁での井戸謙一元裁判官の判決の妥当性が推定できる。至極真っ当な判決であることが分かる。

   『●改めて冷温停止「状態(「準」、「みたいな」、「なんちゃって」)」宣言と原発再稼働
   『●志賀原発訴訟第二ラウンド: 裁判所は信頼を回復できるか?
   『●原発裁判はどれも完敗: 井戸謙一元裁判官と小出裕章さんの対話
   『●そりゃぁ、東京電力原発人災以降を見ただけでも、「司法」にも絶望するよな
   『●井戸謙一元裁判官再び: 最高裁は常に国側に、そして、努力は無駄に
   『●金沢地裁原発差し止め判決: 井戸謙一元裁判官

 大飯原発でも断層の調査が求められており、にもかかわらず、3号機の再稼働を強行し、さらには、4号機まで臨界に達した。こんなことを強行する政府や関西電力に呆れる。「地元」民の命など二の次で、原子力ムラの将来が安泰であれば良い訳である。お目出度い人たちである。電力が足りないって? 「たかが電力のため」に「地元」民の命を懸けるなどあまりに愚かな行為だし、実際には、火力発電所を停止するほど電力は余っている。再稼働の目的は反対派の「地元」民には無く、賛成派の原子力ムラ住人にとっては、再稼働すること自体が目的になっている。

 さて、以下は、東京電力FUKUSIMA原発人災後(3月31日)の綿井健陽さんの記事を紹介したブログである。

   『●何がメルトダウンしたのか?

「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かな暮らし」・・・・・・双葉町に掲げられている標語である。
 「原子力明るい未来のエネルギー」を考えた大沼〝少年〟は、いま、自ら25年前の標語を訂正したそうである。「原子力  破 滅  未来のエネルギー」と。いま、どんなお気持ちだろう。忸怩たる思いではないだろうか。記事は、「原発事故で故郷を奪われることが二度とあってはならない。日本に原発はいらない」という〝少年〟の言葉で結ばれている。再稼働反対の「声」が耳に入らぬムダ首相やムダノ経相には、この〝少年〟の言葉も届かないのだろうか?

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http://www.asahi.com/paper/editorial20120718.html

2012年7月18日(水)付
大飯4号機―再稼働は本当に必要か

 きのう関東甲信や東海、近畿、中四国で梅雨が明け、各地で最高気温が35度を超えた。夏本番、猛暑の到来である。
 電力事情が最も厳しい関西電力管内では、需要がピークの午後4時台で約2500万キロワットと供給力の89%だった。余力は約300万キロワット。原発約3基分に相当する。
 この夏、関電管内で需要が2500万キロワットを超えたのはきのうが初めてだ。昨年は同じ17日段階で5回あった。
 7月以降のピーク時の使用率も、おおむね供給の80~90%にとどまった。
 ここ半月ほどをみれば節電効果は着実にあらわれている。企業だけでなく家庭でも、人々が電気の使い方に気を配っている結果といえるだろう。
 こうしたなか、関西電力は18日、大飯原発4号機を再起動する。フル稼働になるのは早くて今月25日だという。
 すでにフル稼働している3号機とあわせ、計236万キロワットが原発から送られる。
 10~20%の余裕があるのに、当たり前のように再稼働を進めることには抵抗感がある。
 需給が最もひっぱくするのは、梅雨明けから4号機がフル稼働するまでの間だといわれている。だが、関電の予想では24日までの使用率は82~89%、その後も27日まで最大で82%だという。現状では計画停電なしですむ水準だ。
 一方、電力使用量がピークになるのは8月に入ってからだ。火力発電所がトラブルを起こすリスクも考慮する必要がある。
 だとしても、関電は節電意識が浸透しつつある現実に目を向け、需給予想を不断に見直すべきだ。そのうえで本当に4号機再稼働が必要か、最新情報をもとに考えるべきではないか。
 16日、東京・代々木公園では脱原発を訴える「さようなら原発10万人集会」が開かれ、全国から約17万人(主催者発表)が集まった。
 政府が大飯原発の再稼働を決めた6月以降、脱原発を求める声は全国に広がり、毎週金曜に首相官邸周辺である抗議行動の参加者も急速に増えている。
 この抗議行動の盛り上がりと軌を一にして、人々の節電意識も高まっている。それが猛暑下の電力の余裕につながっているのだろう。
 この夏の関西の需給状況は、政府による他の原発の再稼働判断にも影響を及ぼす。野田首相は「原発を止めたままでは日本社会は立ちゆかない」と言った。本当にそうなのか、政府は立ち止まって考えるべきだ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012071701002196.html

再稼働の大飯、断層調査へ 志賀原発も、専門家から要望続出
2012年7月18日 06時20分

 再稼働で注目される関西電力大飯原発(福井県)と、北陸電力志賀原発(石川県)の敷地内を走る断層の活動性を検討する経済産業省原子力安全・保安院の専門家会議が17日開かれ、委員から現地での再調査を求める意見が続出再調査が避けられない状況となった。保安院は「意見は重く受け止める」としており、近く対応を決める。
 大飯原発は3号機が今月1日に原子炉を起動、9日にフル稼働になった。4号機は18日に原子炉を起動する予定。
 会議では、大飯原発内の破砕帯と呼ばれる軟弱な断層について「活断層の可能性を否定できる情報が出されていない」として、再調査を求める意見が相次いだ。

(共同)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012071802000109.html

志賀原発直下「典型的な活断層」 「不適格廃炉可能性
2012年7月18日 朝刊

 北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)の直下を通る断層が活断層であると指摘されている問題で、経済産業省原子力安全・保安院は十七日、専門家会議を開き、断層の断面図などを再検討した結果、「典型的な活断層の特徴がある」などの意見が相次いだ。保安院が再調査に踏み切る見通しになった。 
 原発の耐震安全審査指針では、活断層の真上に原発の重要施設を建てることを禁じており、再調査の結果によっては、志賀1号機は「立地不適格として廃炉を迫られる可能性がある
 志賀原発1号機原子炉建屋の南西角には、「S-1断層」と呼ばれる断層が走る。北陸電力は「浸食の影響などでできた断層で、地震とは関係ない」と従来の考え方を説明したが、三人の専門家が「典型的な活断層だ。あきれてものも言えない」と、地震で動く可能性を指摘した。
 一方、再稼働の準備が進む関西電力大飯原発(福井県おおい町)4号機の建屋直近の断層についても、再検討された。関電は新たに3、4号機増設の安全審査に使った写真を提出したが、いずれも断層の様子が分かりにくく「資料が不十分で安全と断定できない。さらに調査が必要だ」との意見が相次いだ。
 会議後、保安院の黒木慎一審議官は「複数の専門家から指摘を受けた。重く受け止める。月内に保安院の対応を決める」と発言。両原発の再調査が確実になった。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012071890071406.html

26年目の訂正 「原発はいらない」 双葉町の標語考えた少年後悔
2012年7月18日 07時14分

 「原子力明るい未来のエネルギー」。福島県双葉町の中心街の入り口に掲げられた看板の標語だ。二十五年前、当時小学六年の大沼勇治さん(36)が町のコンクールに応募し、選ばれた。大沼さんは、一年四カ月の避難生活で「脱原発」を確信した思いを伝えたいと、今月十五日、一時帰宅した際、自ら標語を「訂正」した
 大沼さんは東京電力福島第一原発の事故後、身重の妻せりなさん(37)と地元を離れ、現在は愛知県安城市で避難生活を送る。町が原子力標語を公募したのは一九八七年。原発が町の未来をつくると信じた言葉が入選。第一原発から約四キロの自宅近くに鉄製の看板が電源立地交付金で建てられ、誇らしかった
 大学を出て就職などし、二十九歳で帰郷。不動産会社に勤める傍ら、看板の横にある土地にオール電化のアパートを建てて、東電社員にも貸していた。ずっと町の発展が原発とともにある「安全神話」を疑わなかった
 しかし事故後、町は警戒区域となり、全町民が避難。「平穏な暮らしが町ごと奪われた現実にさいなまれ、テレビで標語が紹介されるたびに胸を痛めた自らを責め悔いる日々から「原発の現実を話す権利はある」と考えた。脱原発を行動で示し、その姿を長男勇誠ちゃん(1つ)に将来伝えたいと思った。
 夫婦が一時帰宅した今月十五日、記者も同行した。防護服姿の大沼さんはまず、標語にレッドカードを突き付け「退場と叫んだ。その後、看板の手前で持参した画用紙を高く掲げた。すると、そこに書かれた「破滅の二文字が「明るい」に重なり新しい標語が読み取れた。「原子力破滅未来のエネルギー」。二十六年目の訂正の瞬間だった。
 大沼さんは「原発事故で故郷を奪われることが二度とあってはならない日本に原発はいらない」と話した。 (野呂法夫、写真も)

(東京新聞)
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●改めて冷温停止「状態(「準」、「みたいな」、「なんちゃって」)」宣言と原発再稼働

2012年07月08日 00時04分58秒 | Weblog


videonews.comの映像(http://www.youtube.com/watch?v=1zz-_eWtbMM&feature=relmfu)。

 Youtubeのこの映像を改めて見直してみて、改めて非常に腹立たしい思いをした。この野田首相の回答や、細野原発「人災」担当相の回答のいい加減さである。神保哲生さん的には「誠実に答えている」とのことだが、空っぽの原子炉の温度を議論していったい何の意味があるのか? 原子炉や格納容器の状態が分からないのに、拙速に、冷温停止「状態(「準」、「みたいな」、「なんちゃって」)」を宣言したか? 「ありえない」「悪い冗談」。「政治的」に宣言したわけで、原発再稼働や原発輸出への布石だった訳だ。
 司法も頼りにならない、というお話はココ(『●東京電力、「お前のモノだろう!」』)。志賀原発について、出世をあきらめた?井戸謙一元裁判長の金沢地裁判決(『●志賀原発訴訟第二ラウンド: 裁判所は信頼を回復できるか?』)の画期的であった点は、(安全な原発などないので矛盾しているが)原発の安全性を立証すべきは電力会社である、として点。

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http://www.youtube.com/watch?v=1zz-_eWtbMM&feature=relmfu
          ・・・ブログ主: すいません画像を貼らせていただきました

政府の「冷温停止状態」は単なる「推定冷温停止」だった


videonewscomさんが 2012/01/03 にアップロード

http://www.videonews.com/
ニュース・コメンタリー (2011年12月24日)

政府の「冷温停止状態」は単なる「推定冷温停止」だった

 野田佳彦首相の16日の事故収束宣言以降、首相や原発担当相の発言を通じて、ようやく政府の主張する「冷温停止状態」や「事故収束」の真意が見えてきたが、しかしそれは実­際の冷温停止や収束とは程遠いあくまで「推定冷温停止」の域を出ないものであることが明らかになった。
 野田首相は16日の記者会見で、福島第一原発の1~3号機の原子炉が「冷温停止状態」にあるとし「事故収束」を宣言した。その記者会見でビデオニュース・ドットコムは、原­子炉内の核燃料がどのような状態にあるかも分からない状況でなぜ収束などと言えるのかを首相に問うたが、明確な回答を得ることはできなかった・・・・・。

カテゴリ:
ニュースと政治

タグ:

冷温停止
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収束
神保哲生
宮台真司
ビデオニュース・ドットコム
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●記念すべき原発の無い2012年のこどもの日、未来永劫に

2012年05月07日 00時00分34秒 | Weblog


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0505/TKY201205050356.html)と東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012050690070746.html)。

 原発が〝消えた〟2012年のこどもの日、各地での集会・デモの様子。原発の無い世界への再出発のための第一歩。FUKUSIMA原発人災を経験した我が国で、再び原発を稼働させてはならない。

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http://www.asahi.com/national/update/0505/TKY201205050356.html

2012年5月5日21時6分
「次世代へ、原発ゼロの未来を」各地で集会・デモ

 5日は札幌や東京、大阪、名古屋など各地で原発の再稼働に反対を訴える集会やデモがあった。永久の原発ゼロへ――。「こどもの日」に重ね、次世代への脱原発の思いを語る参加者も多かった。

 東京都内では、脱原発への政策転換を求める1千万人の署名運動の一環で「さよなら原発5・5集会」が開催され、主催者の集計で約5500人が参加した。

 「今日の原発停止は再稼働への準備。社会を転換させないと本当の意味での原発ゼロはやってこない」。呼びかけ人の一人、経済評論家の内橋克人さんが「次の世代のため、今日がスタート地点だ」と呼びかけると、拍手がわき起こった。

 作家の落合恵子さんは参加者に「原発ゼロがずっと続くよう一人一人が約束しましょう。これから生まれる子供たちの未来も含め、ここから再び一歩を始めたい」と語りかけた。

・・・・・・。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012050690070746.html

原発ゼロ未来へつなぐ」 泊3号機停止 立ち上がるこどもの日
2012年5月6日 07時07分

 北海道電力泊(とまり)原発3号機(北海道泊村)は五日午後十一時三分、定期検査のため運転が止まり、国内に五十基ある原発が一九七〇年以来四十二年ぶりにすべて停止した。原発が運転再開するめどは立っておらず、昨年三月の東京電力福島第一原発事故を経験した日本は、発電量の三割を占める原発の運転ゼロが続く前例のない時期に入った。原発の安全性に不信感を抱く市民グループは「原発ゼロ」を脱原発に向けた一歩と位置付け、全国各地で集会やデモを開いた。

 泊3号機は午後五時、核分裂の連鎖反応を抑える制御棒を原子炉に挿入。出力を徐々に下げ、六時間後の午後十一時三分、ついにゼロになった。七日午後には原子炉内の温度が一〇〇度以下の冷温停止状態になる予定。

 北海道電は「泊原発は電力の安定供給にとって重要な基幹電源。安全確保を徹底し、一日も早い発電再開を目指す」とのコメントを発表した。

 原発から四キロ離れた対岸のフェリー埠頭(ふとう)には脱原発の市民団体のメンバーら百人が集まり、停止の瞬間を待った。停止が確認されると、照明でオレンジ色に輝く原発に向かって一斉に手を振り「さよなら原発」と声を張り上げた。

    ◇

 東京都港区の芝公園では午後一時から「原発ゼロの日 さようなら原発5・5(ゴーゴー)集会」が開かれ、約四千人(警視庁調べ)が参加した。区内の旧芝離宮恩賜庭園まで約一キロを「原発いらない」などと訴えながらデモ行進した。

 ルポライターの鎌田慧さんや作家の沢地久枝澤地久枝)さん、落合恵子さんらが呼びかけ、市民グループなどが企画。こどもの日にちなんで「さよなら原発」などと書かれた大きなこいのぼりが泳ぎ、「子どもを放射能から守ろう」と記したのぼり旗も掲げられた。

 鎌田さんがマイクを手に「原発が全て止まる歴史的な瞬間。子どもに地球、日本を残す責任がある」と訴え。東京・霞が関の経済産業省前で、脱原発を訴え続けている福島市の椎名千恵子さん(65)の音頭で、参加者らが「ノーモア原発」「ノーモア」とシュプレヒコールをし、こいのぼり形の小旗を振った。

 泊3号機の地元、北海道では午後一時、四十の市民団体が札幌市の大通公園で集会を開き、雨の中、四百五十人(主催者発表)が集まった。福島第一原発事故で福島市から札幌市に家族で避難した中学二年の渡辺刀麻君(13)は「事故で福島の絆はずたずたに切り裂かれた」と訴えた。札幌市の高校一年の池沢加那さん(15)は「重荷を背負うのは私たち子どもです。原発は本当に必要なのですか」と疑問を投げ掛けた。

 東海地方でも、名古屋市中区の繁華街で二百五十人がデモ行進。参加した愛知県小牧市の会社員船橋憲秀(のりひで)さん(64)は「またどこかで大震災が起きる前に原発をなくさないと」と話した。

(東京新聞)
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●世界に向けて恥の発信=破滅への過程

2012年04月09日 00時00分47秒 | Weblog


asahi.comおよび東京新聞の一連の記事(http://www.asahi.com/politics/update/0403/TKY201204020672.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012040201002068.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012040401002190.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012040590070545.html)。
 さらに、浜岡についての東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012040302000133.html)。とどめは、こちらのgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/135946)。最後に、山岡俊介さんのアクセスジャーナルの記事(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、4月6日付)。
 〆は、東京新聞のコラム(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012040702000135.html)。

 ここまでの一連の経過を見て、私は、とても恥ずかしい。世界に向けて恥をさらしている。あ~、このまま本当に再稼働する気だろうか? 本気で、世界を破滅させたいらしい・・・・・・。

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http://www.asahi.com/politics/update/0403/TKY201204020672.html

2012年4月3日8時9分
大飯原発の再稼働、判断先送り 近隣府県の反発に配慮

 野田政権は2日、定期点検で停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させる政治判断を先送りする方針を固めた。福井県に隣接する京都府や滋賀県などの反発が強く、慎重に見極める。政権がめざす4月中の再稼働も厳しい情勢になった。

■枝野経産相、反対を明言
 野田佳彦首相は3日夕、枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚と大飯原発の再稼働について協議。安全性の確認をするが、結論は見送る見通し。当初はこの段階で再稼働可能と判断し、地元を説得する方針だった。
 枝野経産相は2日の参院予算委員会で、社民党の福島瑞穂党首の質問に「地元をはじめ国民の一定の理解が得られなければ再稼働はしない」と答えたうえで、「現時点では私もいま再稼働に反対だ」と明言した。
 理解を求める「地元」の範囲は、「日本全国に福島(第一原発)の事故は直接、間接の影響を及ぼしている。そういう意味では『日本全国』が地元だ」と指摘。大飯原発から30キロ圏内に一部が入る京都府や滋賀県の知事が再稼働反対の意向であることを踏まえ、「2人の理解が得られないと地元の理解は得られたことにならない」と述べた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012040201002068.html

首相、大飯原発再稼働3日に協議 京都、滋賀の理解前提と枝野氏
2012年4月3日 00時30分

 野田佳彦首相は3日、枝野幸男経済産業相ら関係3閣僚と関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働をめぐり協議する。東京電力福島第1原発事故以来、世論を二分している再稼働問題に対する政治判断のプロセスが始まる。枝野氏は2日の参院予算委員会で大飯原発立地の福井県に加え、京都府の山田啓二、滋賀県の嘉田由紀子両知事の理解が前提になるとの認識を示した。
 両知事とも再稼働には慎重・反対の意向を経済産業省原子力安全・保安院に伝えており、説得は難航必至だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012040401002190.html

首相、大飯再稼働8日にも要請 暫定基準は週内決定
2012年4月5日 05時52分

 野田佳彦首相は4日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向け8日にも枝野幸男経済産業相を同県に派遣し、西川一誠知事に協力を要請する方針を固めた。東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえた暫定的な安全基準を週内に決定。西川氏には暫定基準を満たせば再稼働の安全性は確保されると説明する。政府関係者が明らかにした。
 夏場の電力需給の逼迫を見据え、経済停滞や市民生活への影響を回避するため、安全性確保を前提条件に再稼働は必要と判断した。

(共同)
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2012040590070545.html

フィルターや免震施設除外 早期再稼働へ政府暫定基準
2012年4月5日 07時05

 政府は四日、関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働問題で、格納容器の圧力を下げるベント(排気)時に放射性物質を取り除くフィルターの設置など時間がかかる対策は、再稼働の是非を判断する暫定基準に含めない方針を固めた。非常用電源車の配備や建屋内の浸水対策などが進んでいることを強調し、フィルターなどは中期的に取り組むことを説明することで、理解を求めていく。
 暫定基準は、大飯原発がある福井県やおおい町が要望しており、野田佳彦首相が三日の関係三閣僚との会合で策定を指示。藤村修官房長官は四日の記者会見で、基準の策定について「一日二日、相当鉢巻きを巻いてやる」と話し、経済産業省原子力安全・保安院が検討を進めている。
 保安院は、東京電力福島第一原発事故を踏まえ、全電源喪失や冷却設備の機能喪失にならないよう三十項目からなる報告書をまとめている。基準はこれがベースになる。
 再稼働の条件となる安全評価(ストレステスト)の一次評価が進む大飯原発や四国電力伊方3号機は比較的新しい上に、福島第一原発に比べると格納容器が大きく、圧力が高まりにくいため安全性は高いとされる。非常用電源車の配備や、炉心への代替注水機能の確保などの対策も既に終わっている。ただ、ベントフィルターの設置や緊急時に大量の作業員が寝泊まりできる免震施設の建設など時間がかかる対策も残っている。これらをすべて満たすには「少なくとも三、四年はかかる」(保安院幹部)という。
 フィルター設置なども暫定基準に含めてしまうと、再稼働の時期が大幅に遅れることになる。このため、政府は三十項目のうち多くの安全対策が進んでいることを確認し、残る対策も計画が進んでいることをアピールしていく考え。
 ただ、原子力安全委員会が「一次評価だけでは不十分」と疑問を投げかけ、免震施設の重要性を強く訴えている。こうした中、骨抜きとも受け取れる基準で政府が再稼働を認めようとすれば、地元を含め広く反発が出る可能性もある。

(東京新聞)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012040302000133.html

「21メートル津波対応を」 浜岡原発 保安院、中部電に指示
2012年4月3日 朝刊

 経済産業省原子力安全・保安院は二日、内閣府の有識者会議が中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)に二一メートルの津波が来る可能性を指摘したことを受け、これを想定した対策を取ることが急務だとの見解を示した。
 保安院は中部電に対し、東海沖から四国沖にかけて延びる「南海トラフ」で巨大地震が起きて二一メートルの津波が襲った場合、現在の対策ではどのような被害が出るのか、十六日までに調べて報告するよう指示した。
 中部電は、東京電力福島第一原発事故を受けた中期的対策として、海抜一八メートルの防波壁を建設中で、年内の完成を目指している。
 ただ、この防波壁は一五メートル程度の津波を想定しており、二一メートル級なら壁を突破して敷地内に津波が押し寄せる。1、2号機は廃炉作業中、3~5号機は冷温停止しているが、安全性がおびやかされる。
 保安院の森山善範原子力災害対策監は二日の記者会見で「不十分なら見直してもらう」と述べた。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/135946

野田は原発再稼働を決めている
2012年4月3日 掲載

枝野の反対は芝居
 野田首相が急ぐのは、増税法案だけじゃない。関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させる動きが急なのである。2日の国会で枝野経産相が「私は再稼働に反対」と表明したが、今夜、3閣僚で協議。順調にいけば、4月中旬にストレステスト(耐性評価)合格第1号として稼働するというのだ。

   「野田と枝野は、役割分担をしているだけ。産業界が再稼働を
    せっついてるんだから、野田が断れるわけがない。一方の枝野は
    東電を国有化して、後見人の仙谷に“料理”させたい思惑があるから、
    再稼働推進の姿勢は見せにくい。ちょっと慎重派を装っていますが、
    官邸が再稼働を決めれば、折れますよ」(官邸事情通)

 野田が再稼働に前のめりなのは、増税法案を後押しする勢力が再稼働推進派であることが一番だが、もう一つの理由があるという。

   「野田首相を焦らせているのは原油高。それにつられて物価が
    どんどん上がりかねない。そうなると、支持率はさらに下がるし、
    これからの国会で増税審議もやりづらい。原発再稼働で、
    原油高と電気料金値上げをなんとか食い止めたいのです」
    (全国紙政治部記者)

 アメリカのオバマ大統領が、ガソリン価格の上昇で支持率を急落させたのを見て、さらに焦り始めたらしい。自分を米大統領と比較するあたり、サルマネを通り越して、完全に自信過剰症に侵されている。
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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、4月6日付】

2012/04/06
大飯原発の再稼動をやめろ!」--首相官邸前に1000人以上の市民が結集、怒りの声あげる

 関西電力・大飯原発(冒頭写真。福井県大飯郡)の再稼動に向けた動きが野田政権内部で進んでいる。本日(4月6日)、野田首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は、運転再開を判断するための安全基準を最終決定した。週明けにも再稼動をするかどうか、政治判断すると見られている。
 こうした再稼動に向けた動きに強い危機感を抱いた市民らが、インターネットで情報交換し、本日午後6時、首相官邸前の歩道に詰めかけた。
 福島から避難してきた主婦、高校生、サラリーマン、主婦、フリーター、反原発活動家など様々な層の市民がマイクを握り、アピールを開始。

「5月5日、泊原発が停止したら、日本で運転している原発はなくなります。これこそ、子どもの日にふさわしい、子どもたちへの最高のプレゼントではないですか」(主婦)

福島第一原発の事故、誰が責任をとりましたか責任をとれるはずがない責任をとれないことは、もうすべきじゃない」(福島出身の女性)

「日本は地震、火山、津波の国。原発は本来、あってはならない」(反原発の活動家)

「安全対策は、まったくおきざりにされている。大飯原発は、電源車を用意したというが、地震で道路が通れなくなったらどうする。ベントのフィルターも付いていない。さらに、免震重要棟がない。放射能漏れが起きたら対処できない」(反原発の活動家)

「おれたちは、説得したり、お願いするためにきたわけじゃねえ。再稼動はふざけるな、いいかげんにしろ。もう一回、地震と津波が来たらどうする」(20代男性)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012040702000135.html

【コラム】
筆洗
2012年4月7日

 映画やテレビの世界には<セッシュする>という言葉があるらしい。ツーショットなどで、他の俳優と背丈が釣り合うよう身長の低い俳優を台の上に立たせることだという▼二十世紀初頭にハリウッドで活躍した日本人俳優早川雪洲(せっしゅう)は、長身の米国人女優と比べると背が低かったため、撮影ではよくその手が使われた。それが由来だとどこかで読んだ覚えがある▼大相撲の元力士舞の海さんにも、これに通じる話がある。新弟子検査の際、身長の規定に満たなかった。そこで苦肉の策、頭部にシリコーンを注入して何とか通ったのだそうだ▼首相ら関係閣僚が昨日、関電の大飯原発(福井県)3、4号機の再稼働の前提となる暫定安全基準を決定した。だが、重要だが時間のかかる対策は、「再稼働後」に実施する工程表を電力会社が示せばOKという内容なのだからあきれる▼<セッシュ>や<シリコーン>は、長身俳優の背丈や身長規定に届かせようとする涙ぐましい努力だろう。だが政府は、そうした姿勢を電力会社の安全対策に求めるのではなく、逆に、基準の方を下げてしまった印象が強い▼背丈といえば、ギリシャ神話に、捕まえた旅人の体を寝台の大きさに合わせて切ったり伸ばしたりする強盗プロクルステスが登場する。政府も似たり。「まず再稼働」という“寝台”に合わせ安全基準の“身体”を切るとは
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●原発人災、犯罪者を追求すべし: なぜ自民党議員は口を閉ざし、マスコミは黙り込むのか?

2012年03月28日 00時04分56秒 | Weblog


CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-March/015491.html)で知りました。DIAMOND on lineのココ(http://diamond.jp/articles/-/16547)に4頁の記事のリンクあり。

 FUKUSIMA原発人災を引き起こした、歴代自民党議員の責任について、なぜ自民党議員は口を閉ざすのか? それについてマスコミは黙り込むのか? 言葉は悪いが、くだらないことにはバカ騒ぎするのに、このことに触れないのはなぜだ。政府は冷温停止〝状態〟だというのだから、そして、〝収束〟したというのだから、ならば、東電幹部や、電力会社幹部は当然として、原子力ムラに従事してきた歴代自民党議員の責任を問うべき時期に来たのではないか? 小泉純一郎氏が自然エネルギーを唱えるなんて、御笑いである。中曾根中曽根)氏らの責任を問うべき、その時期である。風見鶏ぶりを許してはならない。

   『●どんだけ面の皮が厚いんだか!!
   『●Mr.風見鶏: 反原発をお前が言うか!?

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http://list.jca.apc.org/public/cml/2012-March/015491.html

[CML 015654] 河野太郎のインタビューの紹介
・・・・・・

2012
3 13 () 09:29:43 JST
・・・・・・。

立川の岩下です
河野太郎のインタビュー「電力行政の基礎をつくった自民党にも責任あり」が載っていますので転送・紹介します。

地域独占、発送電一体総原価方式決めた「責任」を、自民党・河野が率直に認めていることは当然です。
新味があるのは、計画停電の批判。趣旨は・・・

①大企業との需給調整契約は、「いざというときは電気を止める」という契約
 (だから大企業は自家発電装置を持っている・・・岩下の注)

②代わりに電気代を安くしている・・・河野の調査で最安例は7円/kwhで一般家庭の1/3以下だという
 (発電の原価レベルだ。電力会社は利益は一般家庭からむしり取っている  ・・・岩下の注)

③だからまず大企業から停電にすべきで、「計画停電」は不要だった
 実際には超大口需要家の停電は行わなかったのは問題・・・という主張。

いま「原発がないと電気が足らず日本の産業がつぶれる」というデマが流されていますが、河野の需給調整契約に関するコメントは、デマの批判になっています。

・・・・・・。
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http://diamond.jp/articles/-/16547に4頁の記事のリンク】

電力行政の基礎をつくった自民党にも責任あり
ウラで蠢く“電力族”はオモテに出て議論すべし
――河野太郎・衆議院議員インタビュー


自民党議員として長年、原子力などエネルギー政策について取り組む河野太郎・衆議院議員。震災直後の原子力事故対応の稚拙さについては菅政権を批判するが、その電力行政の基礎を作ったのは、半世紀以上にわたって政権を担ってきた自民党に一定の責任があると認めている。現在、党内でかつて自民党が深く関わった原子力行政の仕組みついて検証するプロジェクトチームを立ち上げ、そこでも厳しく自民党の取り組みを検証している。そんな河野議員に、東日本大震災から1年経って電力行政や事故対応について、次世代に申し渡すべき事項、電力システムをどう変革すべきかについて聞いた。
(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)


最低限やるべき
データ取得もできなかった


――震災によって引き起こされた原発事故について、どのように見ているか。

 やるべきことはデータをきちんと取ることだった。それができなかったことは一番の反省点だろう。どれだけの放射線による汚染を、人間と自然に与えたのかをきちんと把握するべきだった。そもそも起きてはいけない事故で、そのこと自体反省すべきだが、記録を取ることさえもできなかった。極めて不完全だった。
 記録が取れれば、放射能の怖さや知見を後世に残すことができた。極めてお粗末な対応で、教訓としてそれも残すことができなかった。教訓さえも得られていないというのが、一番ダメな点だ。
 スピーディSPEEDI:緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)によるデータが活用されないなど、政府による情報の公開も不完全だった。学者や原子力関係者は、「直ちに深刻な事態にはなりません」と言っていた。しかし、後になってみるとメルトダウンは起きているし、深刻な放射の汚染が広がっている。もう、国民は政府と原子力関係者の言うことなんて、まったく信用していない信頼はゼロだ。

―― 原子力行政の仕組みを作ったのは、過去、政権を半世紀以上にわたって取っていた自民党だ。

 地域独占、発送電一体、総括原価方式等、こうした利権が今回の事故の温床だ。学者もメディアもみんなグルだった。原子力行政のトップである経済産業大臣は代々、自民党から出してきた。事故の対応は菅政権がマズかったが、そうした仕組みを作って来たのは自民党だ。これは誰も否定することはできない。
 先日、自民党として長年取り組んで来た原子力行政の検証チームが立ち上がった。政治献金をいくらもらってきたか、そういったことを公開していくことが最初にやることだ。また、東京電力の副社長をやった人間を参議院で擁立候補として出して、彼に原子力行政の何をやらせてきたのかも検証する。

自民党としての提言はあるが
電力族の抵抗にあっている


――党内では、そうした検証チームの動きはどうみられているのか。

 私は、昔からエネルギーや原子力について取り組んで来た。「原子力では変わっているよね」と言われ続けて来たが、昨年の3月11日で周囲はまったく変わった。今は電力システムの改革派と守旧派でせめぎあっている。去年までは私一人だった。驚天動地変わっている。
 しかし、抵抗はある。自民党としては原子力規制庁は完全に独立した形で設置すべきだと言っている。自民党として、電力行政全体の案もまとめたのだが、これの発表は守旧派の抵抗で止まってしまっている。

――その抵抗には、どう対処するつもりか。

 電力族がウラで動いている。オモテに出てこないんだよ。これは執行部の力で、なんとしてもオモテで正々堂々議論しようということにしなければならない。

――今後、原子力行政はどう変わるべきか。

 まず、電力業界の根本を変えることだ。独立した送電網の確立、総括原価方式の撤廃、地域独占もやめる。電力業界を普通の業界にしなければならない。
 民主党は環境省に原子力規制庁を作ると言っているがまったく理解できない。環境省は「地球温暖化対策で原発を」と推進していた。その下に規制庁をつくってしまっては、経済産業省のなかに、推進役のエネルギー庁と規制役の原子力安全・保安院があった構図と一緒だ。どうして、それで原子力行政が変わるのか。完全な独立した組織を作ることは、IAEAのスタンダードなんですよ。

――河野議員は早くから計画停電は必要なかったと言っていた。

 去年の計画停電はまったく必要なかった。計画停電で信号が止まって、その影響で交通事故による死亡者が出ている。これはほとんど殺人だ
 計画停電しなければ電力が足らない、だから原発の再稼働が必要だ、となる。こうした動きをたださないといけない。
 需給調整契約は、「いざというときに電気を止めますよ。だから安い単価でいいですよ」というものだ。しかし今回、私が調べたところ、需給調整契約は実行されていない。需給調整契約で、私が聞いた中で一番安い料金は、1kW/hあたり7円というのがあった。普通の家庭の三分の一以下だ。
 ところが、計画停電で、需給調整契約を結んでいるところと一般家庭を同じように扱った。なかには混乱を避けるために、需給調整契約を結んでいながら超大口需要家は計画停電の範囲から外しているこんなこと、ありえないでしょう。本来なら、安い単価で電気を使っているんだから、需給調整契約を結んでいるところから切っていくのがだ。

自由化と言っておきながら
中部電力は都庁に電力供給しない


――守旧派は、電力市場は自由化されていると反論する。

「自由化されていて、相対取引だから需給調整契約の電力単価は公表できない」という言い訳に使われている。
 また、自由化と言っておきながら、東京都が中部電力に電力供給を要請しても、中部電力と東京電力のテリトリーを超えた入札はいっさいやらない。
 福田内閣のころ、自民党で事業仕分けをやった。そのとき、北海道の刑務所や東北刑務所、東京刑務所のワンパックにして、いくらになるか入札をすべきだということを提案した。複数の電力会社をまぜこぜにして、入札するということだ。そうしたら、電力族がでてきて、それはダメですと。あっさり、提案は却下された。

――電力族は産業界、政界に深く根を張っている

 紛争審査会も、日本エネルギー法研究所から委員が来ている。こうした団体にはかなりのカネが電力業界から流れているはずだ。電事連もそう。しかし、両団体は任意団体だから、財務内容がわからない。今後の電力行政を考える場にそうした人たちが来ていていいのか。彼らは完全に癒着している。

――発送電分離の議論はどのように見ているか。

 発送電分離はあたりまえだ。電力利権に事故の原因があることは、国民のだれもがわかっているはずだ。所有権分離にまで踏み込むのは当然だ。そうでなければ、分離にならないでしょう。
 社内カンパニー制にすることはまったく意味がない。体質がそもそも問題なのだ。福島第一原発でおきた臨界事故を28年間も隠していた会社ですよ、東京電力は

――東京電力はどうすべきだったのか。

 今のようにゾンビ企業にしないで出直させるべきだった。だいたい、資本主義の世界で、当時官房長官だった枝野氏は特定の会社を取り上げて破綻させないと言った。こんなことがあっていいのか。しかもその会社の株は、市場で自由に売り買いされている。
 知り合いの中小企業のオヤジさんたちは「じゃあ、うちの会社も破綻させないっていってくれよ。なんでもやるよ」と笑っている。

立地自治体の財政問題は
原発誘致時からわかっていたこと


――今後の電力供給体制はどのようにあるべきか。

 一番簡単なのはコンバインド・サイクルの天然ガスによる発電所を増やすことだ。二酸化炭素を大量に排出する石炭火力は減らすべきだ。原子力発電に関しては、何基再稼働が必要なのかを政府は示す必要がある。いずれにしても、電力会社や電力供給システムの改革を行うことが、なによりも先だ。

――原発の立地自治体は財政の半分程度を原発マネーに頼り、雇用も頼っている。日本では今後、原発は減っていく。立地自治体は困難に直面する。

 少なくとも原発の雇用が廃炉の雇用に変わることになる。原発が止まるからといって、すぐに雇用がなくなることはない。
 地方財政と経済の中心となっているのは分かる。しかし、原発マネーを何に投資するかを決めて来たのは、地元の首長であり議員であり、その人たちを選んだ住民達だ。電源三法交付金は、使い道が決まっているから柔軟な使い方ができないと言ったって、それははじめから分かっていたことだ。将来につながる投資ができなかった、ということだ。もっとも、これは原発立地自治体すべてに共通する問題だ。
 こういう原子力の制度を設計したのは自民党だ。もし、国民の皆さんに自民党が政権を取ったら、これまでのような原子力行政を続けると思われていたら、自民党は政権を取ることはできないだろう。電力、特に原子力行政については社会保障や消費税と並ぶ争点となっている。
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●デタラメ!! 「首相は原発〝安心〟教教祖、〝暗然〟委員会委員は〝安心〟教会神父」

2012年03月14日 00時00分36秒 | Weblog


どこぞやの〝ト〟教委〝ト〟知事がさぞかし喜びそうな、たかが〝旗〟やたかが〝歌〟で内心を冒そうとしているバカなお話、つまり、国歌斉唱をめぐって大阪のおイヌ様校長が大阪元〝ト〟知事のご機嫌をうかがった話を書きたかったのだが、『●犬がワンと鳴き、飼い主が喝采する、というお話』は明日に。この高校の生徒の心の声を聞いてみたいよ、ホントに。この新市長に投票した方たちにも、今の気持ちを聞いてみたいものだ。)


asahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0313/TKY201203130417.html)。出すタイミングを逸したが、asahi.com(http://www.asahi.com/politics/update/0308/TKY201203080236.html)と東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012031202000027.html)の記事も。

 いったい何を考えているのやら。野田首相は、どうやらFUKUSIMA原発人災は解決したと思っているらしい。なにせ、冷温停止「状態」などと、恥ずかしげもなく事故「収束」宣言できるのだから。メルトダウンし、お釜の底が抜けてどこに炉心があるのかわからないのに、空のお釜の温度で議論することに何の意味があるのか。4号炉の宙ぶらりんの使用済み燃料プールの問題もどう解決したのか? FUKUSIMAの現状を見ても、記事のような発想や発言ができる神経って一体なんだ? 前首相の「脱原発社会宣言」は何だったのか、単なる個人的な発言で片付ける政党ってなんだ??
 関西電力の大飯原発を再稼働しようとしている〝安心〟教教祖様。youtube映像『刑事司法の欠陥を全てさらけ出した布川事件(解説:青木理氏)』(http://www.youtube.com/watch?v=KJ8ikAOGW38)の一部は、原発の「安全と危険」の議論を「安心と不安」の議論にすり替えたという話が出てくる。その意味で、首相は狂った原発〝安心〟教教祖、それを支える〝暗然〟〝安心〟委員会委員は教会神父である。後藤政志さんらの外部委員の貴重な意見を何ら斟酌する訳でもなし、単なるアリバイ作りであり、最初から「原発再稼働」の結論ありき。茶番だ。ストレステストについては、当初、1次評価と2次評価云々の議論があったはずであるが、どこかに吹っ飛んでいないか。所詮、計算ゴッコであり、〝安心〟教信者に怪しげで危うい〝安心〟を安売りする紙っキレだ。本当にこんなことを許していいのか!! わずか1年程で、原発再稼働を許すようなニュースが流れることなど、許されていいのか? マスコミも反対キャンペーン・原発廃止に向けてのキャンペーン報道を張るでもない。本当に恥ずべき国の姿だ。こんな言葉は使いたくはないが、「正気なのか」? この分では、当初予想の通りではあるが、浜岡さへも再稼働してしまう勢いだ。思い起こしてみると、泊原発玄海原発など着々と外堀を埋めていた訳。暴走しているのは原子炉だけでなく、この国自体だ。

  1年前の2011年3月13・14日のブログ:
     『●お見舞い申し上げます・・・
     『●福島第一原発3号炉はプルサーマル・・・

1年前のこの時期に立ち返って、原発人災絡みのニュースに多くの人々が釘付けになていたあの頃に立ち帰って、FUKUSIMA原発人災の結果を見直しても、このまま原発再稼働を許しても良いという〝安心〟教信者の方ばかりならば、もう呼びかける言葉もない。以下の3つの記事を読んでもまだ何も感じないのか??

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http://www.asahi.com/politics/update/0313/TKY201203130417.html

2012年3月13日17時24分
大飯原発再稼働、政治判断へ 耐性評価、安全委が確認

 定期検査で停止している原発の再稼働の条件とされるストレステスト(耐性評価)について、内閣府の原子力安全委員会の検討会は13日、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の1次評価で経済産業省原子力安全・保安院が妥当とした審査書の確認作業を終えた。安全委は近く、審査の内容に問題はないとする確認書を出す。
 安全委による確認作業は大飯3、4号機が初めて。今後、原発の再稼働について、野田佳彦首相や関係閣僚が是非を判断することになる。
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http://www.asahi.com/politics/update/0308/TKY201203080236.html

2012年3月8日16時1分
原発再稼働、地元合意前に国が判断 野田内閣が方針

 定期検査で停止中の原発について、野田佳彦首相と関係閣僚は、地元合意に先立って再稼働の是非を判断する方針を固めた。これまでは地元の理解を再稼働の前提としてきたが、国の責任を明確にすることで地元を説得するねらいがある。
 藤村修官房長官は8日午前の記者会見で、「原子力安全委員会の結論が得られた段階と、最終的に地元の理解を得られているかを含めて再稼働の判断を行う段階で、それぞれ(首相を含めた)4大臣で判断を行う手順だ」と述べた。
 政権が早期の再稼働をめざす関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)は、原子力安全委員会が近く、ストレステスト(耐性評価)の妥当性を確認する見通し。これを踏まえ野田首相と藤村氏、枝野幸男経済産業相、細野豪志原発相が安全性を確認して再稼働の是非を判断。そのうえで地元の理解を得たのち、再稼働を最終決定する。
 政権はこれまで「地元の理解や国民の信頼が得られているかという点も含めて最終的に(判断を)行う」(藤村氏)と説明してきた。だが、地元からは「国から明確なメッセージがない」(西川一誠福井県知事)と不満が出ていた。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012031202000027.html

原発再稼働  先頭に立つ」 首相、自ら地元説得意向
2012年3月12日 朝刊

 野田佳彦首相は十一日、東日本大震災から一年を受けて首相官邸で記者会見し、定期検査中の原発再稼働に関する地元への対応について「政府を挙げて説明し、理解を得る。私も先頭に立たなければならない」と述べ、再稼働を妥当と判断した場合、自ら地元の説得に乗り出す意向を表明した。
 首相は、再稼働を判断する手順について、まずは自身と藤村修官房長官、枝野幸男経済産業相、細野豪志原発事故担当相の四人が国の原子力安全委員会による安全評価(ストレステスト)の一次評価の妥当性を確認すると説明。「(原発再稼働の)安全性と地元の理解をどう進めるかを確認する」と述べた。
 政府は首相らが一次評価の妥当性を確認した後、地元の同意を得る方針を藤村氏が明らかにしている。関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)については、原子力安全委による一次評価の審査が大詰めを迎えている。
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●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う

2012年03月11日 01時38分45秒 | Weblog


NPO法人 九州・自然エネルギー推進ネットワーク様の記事(http://nonukes.exblog.jp/15363070/)。末尾に、「「その日」に合わせて・・・」に関しての綿井健陽さんの記事(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08)も。
 引用はしませんが、ポット出版http://www.pot.co.jp/)のWPにある、「松沢呉一の黒子の部屋」の「お部屋2367/セシウム牛を食べる会」(http://www.pot.co.jp/matsukuro/20120308_082355493927832.html)は必読です。是非、読んでみてください。

 あの3・11から1年。あの時、個人的な事情もあり、こと(原発人災)の重大さに全く気付いていなかったし、ブログにも何も書いていない。2日後からようやく、それについて書き始めている。刻一刻と人災の側面が浮き彫りになり、いまに至っても、解決したと言える側面はほとんど無いといって過言ではない。メルトダウンした原子炉についても、冷温停止「状態」という言葉遊びで糊塗している。原発内部の状況はつかめていないし、知ることもできないのに。何が一体事故「収束」宣言なのか。ストレステストという計算ごっこでお茶を濁し、その〝計算された〟結果を易々と受け入れる原子力ムラお抱えの委員会。マスコミやネット、市民が騒ぎ過ぎる、不安を煽りすぎるという大御所〝ジャーナリスト〟子供にとっては20倍のリスクでは収まらないであろう年間20ミリシーベルトどころか、笑っていれば100でもオッケーと嘯く学者。市民、特に、罪なき子供達の側に立とうともしない司法。ジャーナリズムの根本としての批判精神なきマスコミ。その結果として、原子力ムラの望む原発再稼働・原発建設再開原発輸出に向けて着々と進んでいる。

 小出裕章さんの云う「たかが電気のために・・・」をよく考えるべきである。この1年目の節目に再度、松下竜一さんの「暗闇の思想」を想う。

   『●いま「暗闇の思想」を: 朝日新聞(地方版?)社界面トップ


 再々度?、しつこく、再掲(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/e1b263002193a77c5f47ca07c54ff5f2)。『松下竜一 未刊行著作集4/環境権の過程』より。

《「電気需要増加は必至ではないかという問いかけ・・・。・・・現在の電力に頼りきった文化生活そのものへの反省と価値転換であり、少数の被害者には目をつぶって成り立つ多数の幸福という暗黙裡の差別的発展への懐疑であり、さらに大きく根本的には、電力をとめどなく食いつぶしてやまぬ高度経済成長政策の拒否である」(p.107)。「・・・だれかの健康を害してしか成り立たぬような文化生活であるのならば、その文化生活をこそ問い直さねばならぬと。/じゃあチョンマゲ時代に帰れというのか、と反論が出る。必ず出る短絡的反論である。・・・今ある電力で成り立つような文化生活をこそ考えようというのである。・・・/・・・ただひたすらに物、物、物の生産に驀進して行き着く果てを、私は鋭くおびえているのだ。/「一体、物をそげえ造っちから、どげえすんのか」という素朴な疑問は、・・・開発を拒否する風成で、志布志で、佐賀関で漁民や住民の発する声なのだ。・・・/・・・都会思考のキャッチフレーズで喧伝されるのなら、それとは逆方向の、むしろふるさとへの回帰、村の暗がりをもなつかしいとする反開発志向の奥底には、〈暗闇の思想〉があらねばなるまい」(pp.116-117)。
 内橋克人さんの〈浪費なき成長〉につながる〈暗闇の思想〉。》

  ブログ『ちあの散歩道』様によると(http://blog.goo.ne.jp/cheer_001/e/61113af9db921e05758daf32b04a4dc6)、松下竜一さんを偲ぶ今年6月16日の「第8回竜一忌」のゲストは小出裕章さんだそうです。すごい!!

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http://nonukes.exblog.jp/15363070/

松下竜一暗闇の思想館プレオープンします
脱原発市民による市民資料館を開設します

私たちの師であった中津の作家、松下竜一氏が亡くなって今年で8年目になります。松下竜一氏は私たちと一緒に大分の地で脱原発運動をチェルノブイリ原発事故以後、行っていました。氏は1972年に「暗闇の思想を」という文章を朝日新聞に書きました。その翌年に朝日新聞に同名の単行本を出しました。氏はなぜこの文章を書いたのかという説明を1991年に話しています。以下はその内容です。

   「暗闇の思想」という文章の中で私が書きましたことは、
   たいへん単純なことでありました。要するに「今(一九七二年時点の
   ことですが)のような、とめどない電力需要を続けていれば、
   これはもう本当に、とどまるところがないんじゃないか。
   新たな発電所を建てれば、その建てた発電所によって、
   またしても電力需要が喚起されていく。だから、もうここらで
   立ち止まるべきだ」ということを言ったに過ぎないわけですね。
   それは七〇年代、全国の色んな反開発運動、あるいは反公害運動が
   実感的にそういうことを主張していたわけです。
   皆さんもよくご存じの、非常に有名な言葉として、四日市公害の被害を
   受けた人々が、「汚れた空の下でビフテキを食べるより、きれいな空の下で
   梅干しを食べたい」と言っていましたし、あるいは、大分県の臼杵
   この近くの風成という所で、漁村のお母さんたちが目の前の湾が
   埋め立てられることに反対して、大変激しいたたかいを展開しましたけれど、
   そういう中で、風成の人たちが「もうこんなにモノ、モノ、モノを作り出して
   どうするんでしょうな」ということを私に訴えていました。要するに、
   高度経済成長の弊害面が際立って出てきたのが七〇年代の初めだったわけですね。

「暗闇の思想」資料館の資料収集にご協力をお願いいたします。

そのような思いから、私たちは当NPOに松下竜一「暗闇の思想館」を開設する準備を行っています。3月にオープンの予定ですが、そこには元慶応大学の藤田祐幸氏の慶応大学時代の資料も搬入済みです。そのほかにも自然エネルギー関係の資料や映像やグッツなども集める予定です。皆さんのご協力をお願いいたします。なお、この資料館はペレットストーブの展示室も兼ねています。写真のストーブはシモタニ製のコンコードです。ぜひ皆さんも一度お越しください。

by nonukes | 2012-02-01 20:46 |
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 一方、綿井健陽さんの『逆視逆考PRESS』に以下の記事(http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08)あり。前述の松沢呉一さんの記事も是非どうぞ

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http://watai.blog.so-net.ne.jp/2012-03-08

Twitterまとめ投稿 2012/03/08

wataitakeharu「…から1年」という“メディア・カレンダー”から逃れることは、結構困難なことです。それがマスメディアでも、ミニメディアでも、ミドルメディアでも。何せ私もこれまで、「その日」に合わせて、いろんなことをしてきた身です。それで、張り切ったときあり、待ち構えたときあり。身過ぎ世過ぎです03/07 18:00

wataitakeharu「絆」「復興」「再生」「がんばろう日本」「心ひとつに」……どれも嫌な言葉です。特に今週末は従いたくございません。「不謹慎」で、「いかがわしく」て、「破たん」して、「ボロボロ」で、「ズタズタ」で、「最悪」で、「終わってる」……「が、しかし」「それでも」というものに惹かれております03/07 17:26

wataitakeharuあの日の、あの時間に合わせて、眼を閉じて、手を合わせて、頭を垂れて、涙を流して…という写真や映像とは、「違うもの」は何なのかということを考えている。今週末の3・11の日のテレビニュース映像や新聞写真が早くも眼に浮かぶので、「…じゃないもの」を探している。この選択って、間違ってる?03/07 16:54

wataitakeharuしかし……みんながみんな、今週末の日曜日の日に、何かしなければならないのだろうか?みんな同じ時間に「追悼」する必要があるのだろうか?周りからの強迫観念のようにも感じてきて、だんだん憂鬱になってきたので、逆に一人で別のことをしようかという気もしているが、それもまた「居心地の悪さ」03/07 16:35
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●再・東京電力原発人災「事故収束宣言」という詐欺的行為

2012年01月07日 00時24分56秒 | Weblog


gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/134341)。

 以下でも述べた通り。

 『●東京電力原発人災「事故収束宣言」という詐欺的行為
  (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/34c43b3e4598634a3fb561f8b8ad3016

 冷温停止「状態」を疑問なしに垂れ流すマスコミ。やはりとんでもないことだ。政治もダメ、検察や警察もダメ、企業もダメ、司法もダメ、一体どうすりゃいいの!? 

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http://gendai.net/articles/view/syakai/134341

福島原発「廃炉30年」の大ウソ
20111222 掲載

まだ国民をだますのか

「何を寝ボケたことを言っているのか」――。政府と東電の中長期対策会議が発表した福島原発「廃炉」の工程表案に対し、早くも懐疑的な見方が広まっている。
 21日発表された工程表案によると、2年以内に1~4号機の燃料貯蔵プールにある燃料の取り出し作業に着手。炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機の燃料は10年以内に取り出し作業を始め、施設を解体撤去する「廃炉」を30~40年後に完了するという。しかし、86年に起きたチェルノブイリ事故の「廃炉」作業がいまだに続いている状況を見れば、コトはそう簡単じゃない。

   「最大の問題は、メルトダウンした燃料の取り出し作業です。
    工程表案では、まず、水漏れしている格納容器を補修し、
    原子炉内を水で満たす『冠水』を実施。その上で、圧力容器の
    ふたを開け、圧力容器と格納容器に溶け落ちた燃料を回収する計画です。
    しかし、今も格納容器のどの部分が壊れているのか不明だし、
    何よりも溶融燃料が今どんな状態で、どこにあるのかさえ
    分かっていないのです。現場の放射線量も場所によっては
    近寄れないほど高い。そんな状況で『廃炉』も何も
    あったものじゃありませんよ」(科学ジャーナリスト)


 原子炉格納容器を設計していた元東芝技術者の後藤政志氏もこう言う。

   「工程表案では、どこにあるか分からない溶融燃料を引っ張り上げる
    
――との計画も示されたようですが、マンガみたいな話です。
    そもそも『廃炉』作業は、事故が起きていない原発1基で
    30~40年かかるのです。福島原発は3基で爆発事故が起き、
    格納容器が壊れてメルトダウンした。30~40年で作業が終わる
    とは思えません。政府は『努力している』というポーズだけで、
    
見込みを語っているだけなのです」

 これが専門家の「常識的」な見解なのだが、細野豪志環境・原発事故担当相は「廃炉完了時期の前倒しの可能性もある」と言うから、どうかしている

   「福島原発事故の影響で先送りされていたヨルダンやロシアなど
    4カ国との原子力協定の承認案が今国会で可決され、来年にも原発輸出
    再開されます。政府としては、各国に対して『事故にも万全な対応が
    取れる』ということをアピールする必要があるのでしょう」
    (前出の科学ジャーナリスト)


 当初から予想されていたが、福島原発がチェルノブイリ化するのは間違いない

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●原発輸出のその上をいく、武器輸出への道

2012年01月03日 00時00分31秒 | Weblog


asahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20111225.html)。しかし、この社説も奥歯に物が挟まったような言い草だな・・・。「承知」してていいのか。「米国の期待や、国内の防衛産業の強い要請」があるのでそれにも応えないといけないとも読み取れてしまい、まったく嫌になってしまうのだけれども。「拙速に三原則を緩める時ではない」というのは、ゆっくり議論さえして、市民の理解が得られればやってよいようなことなのか?

 知らなかった。いや~タマゲました。武器輸出あるいはその緩和なんて、(どの時期でも反対だけれども)今頃やるべきことなのか? 東京電力原発人災でFUKUSIMA周辺の人たちが被災・被爆して苦しんでいるこの時期に。冷温停止「状態」で問題が解決したとでも言うのだろうか。民主党政権は一体何を考えているのか全く分からない。原発再稼働でも呆れ、原発輸出でも本当に心底呆れたのに、ここまでイカレてるとは思わなかった。原発を推進してきた自民党政権に戻るなんてとんでもないし、現政権もこの体たらく。この国の政治はどうしようもない。先の侵略戦争の反省やヒロシマ・ナガサキの教訓、東京電力原発人災の反省・教訓なんて何もない、カラッポで空疎な国だ。なんとかこんな政治から脱却できないものか・・・。

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http://www.asahi.com/paper/editorial20111225.html

20111225日(日)付
武器輸出―三原則を緩和するな

 野田政権が、武器の輸出を原則として禁じる「武器輸出三原則」を緩和しようとしている。週明けに、官房長官談話の形で発表する見通しだ。
 しかし、なぜ、こんな年末のどさくさに紛れるように見直しを急ぐのか。不見識であり、容認できない。
 三原則は、専守防衛に徹し、他国への脅威とはならないという、戦後日本の抑制的な防衛政策の主要な柱のひとつである。
 この平和国家のブランド力の意義、重みを、首相らはどう考えているのか。
 もともと、民主党政権は昨年末にも緩和を図っていた。
 だが国会運営で協力してほしい社民党への配慮から、先送りした経緯がある。そのときも、私たちは時間をかけた慎重な対応を求めた。
 あれから一年、国会でどれだけ議論したのか。国民への説明は、いつやったのか。
 いま、緩和論が浮上する理由は承知している。
 武器のハイテク化に伴い、1国だけでは開発、生産を担いきれなくなってきている。複数の国が連携する共同化が、国際的な潮流になりつつあり、日本も同盟国の米国に加えて他の友好国とも幅広く協調したい、ということだろう。
 米国の期待や、国内の防衛産業の強い要請もある。
 だが、日本はこれまでも、三原則を堅持しつつ、必要であれば、一件一件を吟味し、歯止めを講じながら、「例外」を認めてきた。
 米国への武器技術の供与も、北朝鮮のミサイルを迎撃するシステムの米国との共同研究・開発も、そうやってきた。
 今回の緩和は、武器の共同開発・生産などで、一定の基準を満たすものは、一律に例外扱いする方針のようだ。
 要するに、例外を設けやすくする「例外の普遍化」を図ろうというのだ。
 だが、手がけた武器が、なし崩し的に第三国に輸出される可能性がある。
 一律に例外とする方式では、日本として一貫した方針に基づいて、有効な歯止めをかけられなくなる。
 いま、中国やロシア軍の急速な近代化に対抗する形で、アジア・太平洋地域の軍拡が進んでいる。日本の三原則緩和に関係国の疑心を招けば、この流れを助長しかねない。
 日本外交が優先的に取り組むべきは、不断の対話と相互依存の深化を通じて、地域の信頼醸成に努めることだ。拙速に三原則を緩める時ではない。
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●東京電力原発人災について汚染物質流出抑止「状態」

2011年12月30日 00時00分04秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011121690070643.html)。一方、十分に控えめな試算だと思いますが、asahi.comの記事http://www.asahi.com/national/update/1218/TKY201112170581.html)。

 冷温停止「状態ならぬ、汚染物質流出抑止「状態」。こういう詐欺的なことばかり続けていて、本当に大丈夫でしょうか? 世界の信頼をどんどんと無くして行っています。FUKUSIMAで被爆し、被災した人たちはどう感じておられるでしょうか? 経済産業省 原子力安全・保安院の人々が東京電力 福島第一原発の周囲で働き、暮らしすべきではないでしょうか、そいう「状態」に本当にあるのなら。
 核燃料が無くなっているのだから炉心の温度を測っても100℃を下回る「状態」にあるのは当たり前。「サンデーモーニング」(12月18日)によると、原子炉直下の温度は400℃近いという。格納容器の底部の温度はいくらなのか? 測ることさえできない「状態」ではないのか? 冷温停止状態にありメルトダウンという緊急事態が回避されたかの如く言い、一方汚染水については緊急事態なので放出しても法的に構わないと言う。


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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011121690070643.html

保安院 海への汚染水 ゼロ扱い
20111216 0706

 福島第一原発事故で、何度も放射性物質を含む汚染水が海に漏出したが、経済産業省原子力安全・保安院は「緊急事態」を理由に、法的には流出量は「ゼロ」と扱ってきたことが本紙の取材で分かった。今後、漏出や意図的な放出があってもゼロ扱いするという。政府は十六日に「冷温停止状態」を宣言する予定だが、重要な条件である放射性物質の放出抑制をないがしろにするような姿勢は疑念を持たれる。

 原子炉等規制法により、電力事業者は、原発ごとに海に出る放射性物質の上限量を定めるよう決められている(総量規制)。福島第一の場合、セシウムなどは年間二二〇〇億ベクレルで、年度が変わるとゼロから計算される。

 しかし、四月二日に2号機取水口近くで高濃度汚染水が漏出しているのが見つかり、同四日には汚染水の保管場所を確保するため、東京電力は建屋内のタンクに入っていた低濃度汚染水を意図的に海洋に放出した。

 これら二件の漏出と放出だけで、原発外に出た放射性物質の総量は四七〇〇兆ベクレル(東電の試算)に達し、既に上限値の二万倍を超える

 試算に対しては、国内外の研究機関から「過小評価」との異論も出ている。

 今月四日には、処理済みの汚染水を蒸発濃縮させる装置から、二六〇億ベクレルの放射性ストロンチウムを含む水が海に漏れ出した。

 さらには、敷地内に設置した処理水タンクが来年前半にも満杯になる見込み。この水にもストロンチウムが含まれている。東電はできるだけ浄化して海洋放出することを検討している。漁業団体の抗議を受け、当面は放出を見送る方針だ。

 保安院は本紙の取材に対し、事故への対応が最優先で、福島第一は損傷で漏出を止められる状態にない「緊急事態」だった点を強調し、総量規制を適用せず、四七〇〇兆ベクレルの漏出をゼロ扱いする理由を説明した。

 「緊急事態」に伴う特例扱いは「事故収束まで」続くとも説明したが、具体的な期間は「これからの議論」とあいまい。

 今後、仮に放射性物質を含んだ処理水を放出したとしても、ゼロ扱いを続けるという。
(東京新聞)
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http://www.asahi.com/national/update/1218/TKY201112170581.html

2011121832
ストロンチウム、462兆ベクレルが海に流出

 東京電力福島第一原発から事故後、海洋に放出された放射性ストロンチウムの総量は、少なくとも約462兆ベクレルになることが朝日新聞の試算でわかった。水産庁は魚介類への蓄積を調べるサンプリング調査の強化を検討している。

 試算は東電などが発表した資料をもとに行った。4月に2号機、5月に3号機から流出した放射能汚染水については、流出源である両号機の建屋内のたまり水に含まれる放射性ストロンチウムの濃度を、流出した水の体積にかけて算出。これらに、今月4日に流出が確認された処理水に含まれていたと見られるストロンチウムの量を足し合わせた。大気から海への降下量は含まれていない。

 東電は4~5月に海に流出した汚染水中の放射性ヨウ素とセシウムの総量を推定約4720兆ベクレルと発表した。ストロンチウムの量はその約1割に相当する。
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●東京電力原発人災「事故収束宣言」という詐欺的行為

2011年12月19日 00時00分59秒 | Weblog


東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011121702000054.html)。大手新聞でこのスタンスというのは東京新聞ぐらいなのかな? 「あきれ返る」とまで、よく言ったと思う!
 山岡俊介さんのアクセスジャーナルの12月17日の記事も(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/)。

 いや~、本当に呆れかえります。いったい何が達成され、何が解決したというのでしょうか? いまだに水を〝かけ流し〟で、周辺の海や地下水を汚しまくっているのに。大気や土壌を汚したままなのに。「事故収束宣言」をFUKUSIMAの人たちはどう思うだろう? 世界に向けては、これは詐欺的行為ではないだろうか? 腹立たしい限りだ。恥ずかしい限りだ。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2011121702000054.html

事故収束宣言 幕引きとはあきれ返る
20111217

 福島第一原発の「事故収束」を野田佳彦首相が宣言した。放射性物質の放出や汚染水の懸念も残り、絶対安全の保証はどこにもない。廃炉までの長き道のりを考えれば、幕引きとはあきれ返る

 「原子炉は冷温停止状態に達し、事故そのものが収束に至った」と述べた野田首相の言葉に誰もが耳を疑ったことだろう。

 原発建屋内ではいまだに高い放射線量が計測され、人が立ち入れない場所もある。さっそく現場作業員から「政府はウソばかり」と批判の声が上がったほどだ。

 そもそも「冷温停止」という言葉は正常運転する原発で用いられる。「状態」というあいまいな文字を付けて宣言にこだわる姿勢は、幕引きありきの政治的な思惑からだろう。

 廃炉へ進める節目とすることや、「いつ戻れるのか」という避難住民を少しでも安心させようという狙いがあろう。全国の原発の再稼働はむろん、世界へ原発輸出を進める底意もうかがえる。

 だが、福島第一原発は「収束」どころか、溶け出した核燃料が格納容器内でどうなっているかもつかめず、ただ水を注ぎ込み、冷却しているにすぎない。

 循環注水冷却システムが正常に機能すればいいが、大きな地震が襲えば、再び不安定化する心配はつきまとう。綱渡り状態なのが現状ではなかろうか。

 放射能汚染水処理も難題だ。建屋への一日四百トンもの地下水流入は続いており、保管タンクはいずれ満杯になる。むろん海への放出など、漁業者や国際的反発などから安易に考えるべきでない

 廃炉となると、核燃料取り出しに「十年以内」、炉の解体など最終的に「三十年以上」かかる見通しだ。その過程で放射能漏れなどの事故が起きる可能性もある。要するに課題山積なのだ。

 原発から半径二十キロ圏内の警戒区域と北西に延びる計画的避難区域を新たに三つの区域に再編する予定だ。年間放射線量が二〇ミリシーベルト未満を「解除準備区域」、二〇ミリシーベルトから五〇ミリシーベルトを「居住制限区域」、五〇ミリシーベルト以上を「長期帰還困難区域」に分ける。

 「解除準備区域」では除染とともに住民が戻れるようにするというが、子育て世代が安心して帰還できるだろうか。社会インフラの機能回復も見通せないままだ。

 収束宣言の内実は、原発事故の未知領域に足を踏み入れる「幕開け」といった方がいい。
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http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/、12月17日の記事】

2011/12/17
緊急連載:政府関係者激白「原発事故は収束」は大嘘
執筆者
: Yamaoka (8:20 pm)

 この連載に続き、福島原発事故について政府関係者A氏の証言をさらに紹介しよう。(冒頭写真=「毎日」1217日記事)

 政府は1216日、原子力災害対策本部(本部長・野田佳彦首相)を開き、東京電力福島第一原発の原子炉が「冷温停止状態」になったと発表。大手マスコミは何ら検証せず、それをそのまま報じた
 だが、連載で見たように、実際のところ、メルトスルーした核燃料はどこにあるのか誰もハッキリとは確認できていないのだ。格納容器内に止まっていると東電などがいうのはあくまで推測希望的観測でしかなく、そんな状況が「冷温停止」のわけがないではないか。

    「いいですか。『冷温停止』の定義は3つあって、(1)圧力容器底部温度が
     100
未満(2)原子炉の放射性物質の管理・抑制が出来ている
     (3)放射性汚染水を原子炉の冷却水に再利用する
     循環注水冷却システムの安定運転の維持が出来ている、この3つが
     揃って始めていえることなんです。

      いまの福島第一は(1)がかろうじて出来ているだけ。だから、
     冷温停止のわけがない。それなのに、勝手に定義を変え、そうだという。
     否、正確にいえば、『冷温停止』ではなく、『冷温停止状態』と
状態
     付いているが、現状はそんな状態に近くすらない完全にウソデタラメ
     いわざるを得ない」(A氏)


 それどころか、もし、1~4号機の1つでも原子炉格納容器内の核燃料が漏れ出ていれば(メルトスルー)、未だ首都圏崩壊の懸念さえあるというのだ。

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