東京新聞の「筆洗」を2つ。
HIROSIMA、NAGASAKI、それにつづきFUKUSIMAという名前が世界の記憶に残る地名となってしまいつつあります。何故こんなことになってしまったのか・・・。
繰り返しになるが、これまで原発を推進してきた者達はどう責任を取るつもりなのか? 結論としては、明らかに責任の取りようがないのだが、せめて、浜岡原発や伊方原発、建設強行中の上関原発は当然として、あらゆる原子力関連施設を停止すべきではないのか? それが責任の第一歩だ。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011031702000034.html】
筆洗
2011年3月17日
目には見えない。においもしない。音も立てずに近づいてくる。風に乗って飛んでくる放射性物質は、実に手ごわい相手である。心理戦も得意だ。最悪の事態ばかり想像させる▼首都圏のスーパーなどで食料品やトイレットペーパーなど生活必需品の買いだめが起きている。これも、原発事故をはじめ、停電、余震という「見えない敵」におびえたパニックの一種なのだろう▼品切れになっているコメやパンの国内の在庫は十分にある。流通が回復すれば品不足はやがて解消されるのに、このまま買いだめが進めば、本当に物資を必要としている被災地に届かなくなってしまう。少し頭を冷やしたい▼メールでデマを流す輩(やから)もいる。義援金募集を装った詐欺などカネ集めに奔走する恥知らずな連中もいる。善意を食い物にする悪意を見破る賢明さも、こんなときだからこそ必要だ▼被災地には雪が舞い、真冬並みに冷え込んでいるという。三寒四温の「三寒」がこんなに恨めしい年もない。福島第一原発では、現場の作業員が危険を顧みず、悲壮な覚悟で原子炉の制御と格闘している。彼らの家族は無事を祈りながら、見守っているはずだ。同じ思いを共有したい▼「見えない敵」と闘っていくためには、政府と東京電力が正確な情報を迅速に提供することが欠かせない。たとえ、それが不安を募らせる悪い事実であっても。
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011031602000067.html】
筆洗
2011年3月16日
一億分の一秒で核分裂連鎖反応を起こし、一気に温度を上げて爆発させるのが核爆弾。同じ物理現象を利用、ゆっくりとコントロールしながらエネルギーを得る装置が原子炉である▼原理上は両者を区別できない。原発の運転中に生成されるプルトニウムが原爆の材料になり、原発を持つ国は、核兵器をつくる潜在的な能力を持っている(山田克哉著『核兵器のしくみ』)▼「平和利用」という名目で地震列島に原発を設置してきた私たちは今、初めて経験する危機に直面している。被災した福島第一原発の原子炉が制御困難となり、高濃度の放射能が漏れ出したのだ。放射性物質は風に乗って広がる。計測される放射線濃度は下がってきているが、家庭や学校、職場では、最悪の事態にも備えてほしい▼原発に近い被災地では、放射能の被ばくの恐怖とも闘っている。そんなときに、石原慎太郎都知事は津波を「天罰」と言った。翌日、撤回、陳謝したが、何万人もの安否が不明なのに、想像力を欠いた言葉を吐く人物に首都の防災を任せられない▼エレベーターがなければ暮らせない超高層のマンション、二十四時間営業のコンビニエンスストア…。気が付けば私たちは、無尽蔵に電気を使えると錯覚しながら生活していた。それを「豊かさ」と思い込み…▼FUKUSHIMAの名は今、歴史に刻まれようとしている。
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次に、森住卓さんのWP(http://mphoto.sblo.jp/)の3月17日の記事(http://mphoto.sblo.jp/article/43881965.html)です。
現場で命を賭している方々に何という言葉をおかけすれば良いのか。どうか一人の作業員の方の命が脅かされることなく作業を終えていただきたいと切に祈ることしかできない。
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【http://mphoto.sblo.jp/article/43881965.html】
福島第一原発作業員へのインタビュー
3月16日
福島第一原発のある大熊町の人々は現在いくつかの避難所に避難している。
その中の一つで、大熊町在住で福島第一原発のメンテナンスをしている人にインタビューを行った。(匿名で後姿だけ撮影、音声を変えることを条件にインタビューに応じて下さった。)
「地震発生時には施設内にいましたが、発生後すぐに屋外に出ました。その後、施設内の事務所に全員集まり、私は自宅待機を言い渡されました。避難指示後、家族とここに避難してきました。もし招集がかかれば私も当然行きます。それが私の仕事ですから。その時は最悪の事態も覚悟しています。現在、施設内では千人から数百人が決死の覚悟で作業をしています。今後、この原発事故をどう収拾させることができるかは誰にもわかりません。最悪の事態も考えられます。炉心溶融も考えに入れておかなければならないと思います。」
現在は地元出身者以外で作業をしているとのこと。彼らの決死の作業に数百万の命がかかっている。彼らは、これまで安全だと言い続けてきた政府や電力会社の尻拭いをさせられている。
(本日はネット環境の関係で写真を掲載できません。)
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最後に、ポット出版(http://www.pot.co.jp/)の「及川健二のパリ修行日記」に以下の記事(http://www.pot.co.jp/oikenparis/20110318_203031493922724.html)が出ていました。
政策決定者や電力会社上層部、学者、マスコミは誰も耳を貸さず、というよりも意識的に無視し・・・そして、FUKUSIMAにしてしまった訳です。
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【http://www.pot.co.jp/oikenparis/20110318_203031493922724.html】
別冊宝島『これから起こる原発事故』(2000年1月15日発行)を読み返して(1)
石橋勝彦・神戸大学教授(肩書きはすべて当時)は福島原発について次のように指摘しています。
98年4月福島県の海岸の真下で発生した太平洋スラブ内の地震はM5.4という小さな地震で深さが93キロと深かったにもかかわらず、福島東部に75ガル(地表での揺れの強さを表す加速度の単位)以上の揺れをもたらしました。
もしM7.4なら、地震現象の一般法則から、揺れ幅は約30倍になるので、控えめにみてもゆうに1000ガルを超えると推定されます。
ところが福島原発などのS2(*)は370~380ガルの最大加速度しか設定されていないのです。
石橋先生の慧眼には脱帽です。
S2とは「およそ現実には起こりそうもない”設計用限界地震”」による揺れを指します。
2011-03-18 20:30 [及川健二]
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