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日々の日記など

東京オトナ大学 佐々木常夫氏講演会

2013-11-04 | 講演会
三連休最終日の今日の最後のイベント。
東京駅のサピアタワーで開催されている、
東京オトナ大学での講演会に参加です。

これは、2011年はJAXAの川口淳一郎教授
2012年はサイエンスライターの竹内薫氏と行われてきて、
今年は、東レ経営研究所特別顧問の佐々木常夫氏。
そう言えば、いつも、GW頃に行われていたんですが、
今年はなかったので、どうしたのかな?と思っていたのでした。

タイトルは『これからの時代の経営とリーダーシップ』。

佐々木氏といえば、家族にも様々な課題を抱えながらも、
家庭と仕事の両立を実現した方。
冒頭、その家庭のお話がされました。
佐々木氏の本は読んだことが有ったので、
ご家庭にいろんな課題が有るということは認識していましたが、
それ程までの大変な課題だったかとは思っていませんでした。
物事をきちんと把握していませんでしたね。
ここに詳しくは記しませんが、それはそれは壮絶。
自分だったら、両立出来ないなぁと思ってしまいました。

で、佐々木氏が効率的に仕事を進めざるを得なかったのは、
そう言う家庭の事情も多分にあったんですよね。
もちろん、元々優秀な方だったのは間違いではないと思いますが、
それだけで、先の壮絶な状況は過ごせないと思います。

佐々木氏の著書の写真には、にこやかに笑った写真ですが、
話を聞くと、経営の一線で闘われた厳しい経営者の言葉そのものでした。
そりゃそうだよね。
そうじゃなきゃ、あそこまでの実績は出せないよね。

佐々木氏の言っていることは、極めて常識的、しかし、
中々、我々凡人には実現できていないことです。
一例を上げると

  • 計画主義と重点主義(仕事は計画を立てて、重要なものから行うと言う事)
  • 効率主義(最短のコースで)
  • 結果主義(仕事は結果が全て)
  • シンプル主義(事務処理、管理、制度、資料、会話はシンプルを持って秀。仕事ができない人は話が長い、仕事が出来る人は話がシンプル)
  • 常に上位者の視点(自分より上位者の視点で発想)<これについては、最近のプレイングマネージャーに対するアンチテーゼだと思います。
  • 自己主張の明確化(他人の意見をよく聞くこととも言っていたので、アサーティブコミュニケーションですかね)
  • 自己研鑚
  • 自己中心主義(自分を大切にするということは人(他人)を大切にするということ)

取り立てて、初めて聞くようなことではないと思うんですが、
逆に、基本を基本通りとして行うのが難しい、あるいは、
基本を蔑ろにしている事が多いということなんですかね。
耳が痛いです。

あと興味深かったのは、
『読書の価値はほんの数ではない。多読家に仕事の出来る人は少ない。本は選べ』
と言う事。
これは目から鱗。
本を読んだだけではNGなんですね。
それを理解して、どう自分の行動に結びつけるのかが重要ということで、
単に知識として知っているだけでは、意味が無いということ。
耳が痛いです。

あと、ワークライフバランスについても言及していました。
これは、前々から私もそう思っているんですが、
ワークライフバランスとは、仕事とプライベートが50:50
と言う意味ではないんですよね。
仕事とプライベートが90:10でバランスが取れるのであれば、
それもよしだし、佐々木氏が言っていたのは、
「これまで、午後9時まで仕事をしていたのが、
午後6時で終わるということは、ワークライフバランスとは、
3時間分仕事を効率化する必要があるという、
仕事の効率化の問題だ。」
と言う事。
(自分を棚に上げますが)そのとおりだと思います。

あと、上司は上手く使えというようなことも言っていました。
曰く、あまりそりが合わない上司が居たらしいのですが、
そりが合わないので、逆に、何度も話を聞きに行くようになって、
それが故なのか、その上司が異動する度に、その上司の下に、
呼び寄せられるようになってしまったそうです。
これは、なるほどと思いましたね。
自分の肝に銘じます。

最後に、レジュメにあった『働く気味に贈る25の言葉』からの
抜粋を引用します。

  • 「目の前の仕事に」真剣になりなさい
  • 欲を持ちなさい 欲が磨かれて志になる
  • 強くなければ仕事はできない 優しくなければ幸せにはなれない
  • 気味は人生の主人公だ 何ものにもその座を譲ってはならない
  • 自分を偽らず素のままに生きなさい
  • 逆風の場こそ君を鍛えてくれる
  • 信頼こそ最大の援軍
  • 人は自分を磨くために働く
  • 「それでもなお」と言う言葉が君を磨き上げてくれる
  • 人を愛しなさい それが自分を大切にすることです
  • 運命を引き受けなさい それが生きるという事です


東京オトナ大学 http://www.otonadaigaku.jp/

東京都美術館 ルーヴル美術館展記念講演会 『古代エジプト美術入門』

2013-08-18 | 講演会
先週に引き続き、今日も、東京都美術館で開催中の
『ルーブル美術館』の記念講演会にGOしてきました。
先週とほぼおなじ頃(12:40頃)に会場に到着してみたんですが、
待っている人数は先週の半分ほど。
ちょっと拍子抜けです。

今回のテーマは、「古代エジプト美術入門」で
講師は、ルーヴル美術館研究員のジャン=リュック・ボヴォ氏。
ルーブル美術館にお勤めの日本人職員の方の逐次通訳での講演。

英語での講演とか、プレゼンは何度か聞いたことが有るんですが、
フランス語での講演は初めて。
英語ならねぇ、少しは何とかなりますが、
フランス語ではチンプンカンプンですから、通訳頼りです。

まずは“ルーブル美術館とは?”から始まったのですが、
通訳を見ていると、通訳の方自身もルーブル美術館の職員なので、
意訳というか、自分の知識経験も交えて、通訳しているような気がしました。

エジプト美術には、ちゃんとルールが有るとか、
体系立てて、論理的に講演してくれたので、
いや、講演というよりも、講義と言った方が
良いような気もしましたが、いい勉強になりました。

東京都美術館 ルーヴル美術館展記念講演会 『ルーヴル美術館と地中海』

2013-08-10 | 講演会
今日は、上野の東京都美術館で開催されている
『ルーヴル美術館展』の記念講演会にGO!

記念講演の聴講には、
ルーヴル美術館展のチケットが必要ですが、
使用済み半券でもOK。
別に検印される訳でもないので、数回予定されている
記念講演会に何回でも参加可能の様です。

13時に整理券配布ということなんですが、
12:40に到着してみると、既に100人くらいの待ち。
いやぁ、人気がありますねぇ。
前に東京藝術大学大学美術館で行われた、
契丹展記念講演会(vo.1vol.2)の時は、
全然、そんな事はなかったのに・・・。
ルーヴル美術館、人気ですね。

今回のテーマは、「ルーヴル美術館と地中海」。
講師は、今回のルーヴル美術館展に学術協力をした、
大原美術館館長・東京大学名誉教授の高階秀爾氏。

展示作品を中心に、今回は展示されていないものも含め、
当時の地中海文明・文化の広がりなどを講演していました。
時折、ギリシャ神話orローマ神話とも絡めた話は、
中々面白かったですねぇ。
って言うか、地中海文明を語る時は、
神話は避けて通れないんですが。
今回の講演で、いままでよく判っていなかった神話の世界が、
少しだけ理解できた気がします。

ところで、講演中、バシバシ写真を撮っている人が複数。
主に、スライドを撮っていたんですが、良いんですかね?
この手の講演に有りがちな「録音、撮影はお止めください」
と言う注意がなかったんで、良いのかな?

途中で若干落ちてしまいましたが、結構、面白い講演でした。

「星新一賞」創設記念シンポジウム 『発想立国の作り方 ~イマジネーションと日本のポテンシャル~』

2013-08-08 | 講演会
昨夜(2013/08/07)は会社をちょっと早退して、
日経ホールで開催の
星新一賞」創設記念シンポジウム
『発想立国の作り方 ~イマジネーションと日本のポテンシャル~』
に行って来ました。

プログラムは、以下。

  1. 19:00 開会

  2. 19:00~19:05 オープニングスピーチ
      星 マリナ 氏(星新一氏次女)

  3. 19:05~19:50 基調講演
      「やれる理由を見つけて挑戦することが独創をかなえる」
        川口 淳一郎 氏 (宇宙航空研究開発機構[JAXA] シニアフェロー)

  4. 19:50~20:00 休憩

  5. 20:00~21:30 パネルディスカッション
      「インスピレーションから生まれる日本の競争力」
       パネリスト:
        川口 淳一郎 氏 (宇宙航空研究開発機構[JAXA] シニアフェロー)
        浦沢 直樹 氏 (漫画家)
        朝倉 啓 氏 (IHI 常務執行役員 経営企画部長)
        松原 仁 氏 (公立はこだて未来大学 教授)

  6. 21:30 閉会


21:30が閉会と、水曜なのに結構遅くまでやりますね。
金曜とかなら、わかりますが。

シンポジウムは、星新一の次女の星マリナさんの
オープニングスピーチで始まります。
星新一の川柳を紹介していました。
メモを取る暇がなくて、具体的にどう言う川柳であったかは
示すことが出来ないんですが、ショートショート同様、
中々、スパイスの効いた川柳でした。

実は今回のシンポジウム聴講の最大の目的は、
JAXA川口教授の基調講演を聞くこと。
川口教授の講演を聴くのは、これで何回目かな。
blogに書いていないものも含め3回は聞いています。
なので、これで4回目かな。

その川口教授の今回の講演ですが、
当初「はやぶさ・イカロスに秘められた独創力」
と言うタイトルだったんですが、
「やれる理由を見つけて挑戦することが独創をかなえる」
と言うタイトルに変更されていました。

講演では、
「国家防衛の観点から、この機械には何の価値もない」
と言われたことに対して(当時は冷戦期だった)、
「加速器はわが国の防衛に、直接には何の関わりも持ちませんが、
わが国を守るだけの価値のあるものにする事ができます」
と言うフェルミ研究所のロバート・ウィルソンの名言を
引用していました。
いま川口教授は、政府の宇宙開発戦略本部の事務局長をしているので、
なんか、予算関連で、苦労していそうだと言う事がわかります(苦笑)。
「二番じゃダメなんですか!」と言う、
歴史的な迷言も言っていましたしね。

あと、やっぱり、独創的な事を研究するには、
過去を振り返ってはダメだということも言っていました。
教科書に書いてあるのは過去のことであって、
イノベーションは全く書いていないと。
イノベーションの為に大切なのは、明るい展望を見出だせる事だそうです。
なるほど!

それにしても、やっぱり、話がうまいですねぇ。
今回も、シャレ、ちょっぴりの皮肉交じりの非常に面白い講演でした。
時間ピッタリに終わるっていうのは、すごい技術だと思います。
話をするべきことが整理されていて、しかも、時間の状況を理解する
状況把握能力が高い証拠ですよね。

約10分の休憩を挟んで、パネルディスカッションに移行。
パネルディスカッションの場合、冒頭、各パネラーの
ポジションを明確にするため、自己紹介などをするんですが、
やっぱ、IHIは堅いね。
まぁ、常務執行役員の経営企画部長が、
いい加減な話はできないかもしれませんが、
その直前が、浦沢直樹さんの自己紹介だったので、
より、その話の硬さが目立ってしまいました。

あと意外に、公立はこだて未来大学の松原教授が、
話が面白かったですねぇ。
人工知能を研究されているそうなんですが、
たぶん、企業との関わりも多いので、
話術が磨かれたのではないかと思います。

って言うか、今回の発端の「星新一賞」の応募対象者に
“人間以外(人工知能等)の応募可”と言う条件が入っているのは、
実は、松原教授の研究テーマと関連しているそうです。
つまり、将棋とかサッカーとかは、人工知能の研究テーマとして
結構有名ですが、いま人工知能で小説を書こうとしているそうなんです。
2017年に達成したいと言っていました。

あと、浦沢直樹さん。
個人事業主というか、自由業というか、他のパネラーの産業界(IHI)、
学術界(JAXA、未来大)とは一線を画した業界からの参加。
浦沢直樹さんが呼ばれたのは、PLUTOを書いたという所が有るみたいです(?)。
たぶん、学者やサラリーマンだけだと、堅~い雰囲気になるんで、
わざと自由業を意識した話の仕方をしていたような気がします。
話を聞いていて“大人だな”と思いました。

あと言っていたのが、こう言うクリエイト系の職業の人って、
「充電」と称して、仕事を休むことがありますが、
浦沢直樹さんは、むしろ逆に、休んだら書けなくなりそうと
思っているそうです。
この話に、川口教授は「仕事は、忙しい奴に任せたほうが進む」と言う
サラリーマン業界ではよく言われる話をしていました。
確かに、休むと頭が休んでしまって、何も出ないかもね。
忙しい=いつも考えているだと思いますね。

それと、浦沢直樹さんは、ツイッターはやっていないと。
それは、そういう所でネタを小出しにしてしまうと、
仕事ができなくなるとも言っていました。
日常の思いとか、考えていることを重視するのが浦沢直樹さんの
スタイルみたいですね。
上記の「充電」にも繋がるんですが、「このことを知りたい」と
思って、本を読んだり、色々調べたりすることはあるそうですが、
ネタ探しという観点で、特に目的もなく、観劇するとか、
何かを見に行くということは無いようです。

終わりが21:30と、結構遅めの時間になってしまいましたが、
中々、面白いシンポジウムでした。

東京藝術大学 契丹展記念講演会 『唐と契丹 華麗なる金銀器』

2012-08-11 | 講演会
今日の上野での“ヤボ用”は、
東京藝術大学大学美術館で行われる記念講演会。

前回は、「契丹! 草原王朝はこんなに凄かった」と言う
テーマでの講演でしたが、今回のテーマは、
「唐と契丹 華麗なる金銀器」と言うテーマでの講演。
講師は、東京藝術大学大学美術館教授の原田一敏氏。

いやぁ、イベントでは有りがちの展開。
講演を開始しようと思ったら、PCがブルーバックに。
どうもPCからケーブルが外れ、プロジェクタに
信号が行かなくなってしまったみたい。
出鼻を挫くとは、まさにこの事。

でも、トラブルは数分で収拾し、ようやく講演開始です。
と思ったら、冒頭、「上野は、両フェルメール
(国立西洋美術館で開催中の「ベルリン国立美術館展」と、
東京都美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館展」の事)
があって、今度はエジプト(上野の森美術館で開催中の
「エジプト展」の事)で盛り上がっていますが、
中国・契丹は若干劣勢」とぶって、場を掴みます。

確かに。
来る途中、上野の森美術館の前を通ったんですが、超長蛇の列。
エジプト展に行こうかと思っていたんですが、断念かなぁ・・・。

で、肝心の講演。
最初の40分くらい、パワポのスライドも使わず、
滔々と話をするだけ。
いや、それはそれで凄いんですが、せっかくプロジェクタが
準備されていたんで、資料を掲示しながら解説してもらえると
嬉しかったです。
何度か、落ちてしまいました・・・。

40分くらい経過して、ようやくプロジェクタの出番。
今度は、延々と、金銀器の映像ばかりが・・・。

講演のバランスが悪いですね。
契丹の金銀器と唐の金銀器を比較したり、
唐の金銀器でも、最盛期と末期では装飾が異なるなど、
内容的には非常に興味深い話だっただけに、ちょっと残念。

まぁ、実質タダの講演なので、
文句を言ったらバチが当たるかもしれませんが。

東京藝術大学 契丹展記念講演会 『契丹! 草原王朝はこんなに凄かった』

2012-07-21 | 講演会
今日は大忙し。

午前中、第一生命館でマッカーサー記念室一般公開に行った後、
午後は、東京藝術大学で契丹展記念講演会を聴講です。
記念講演の聴講には、契丹展のチケット(半券可)が必要ですが、
半券は、当日でも無くてOKです。

「先着150名」と言う事なので、もれたら嫌だなぁと思って、
開場時刻の13:30には到着していたんですが、杞憂だったようです。

今回のテーマは、「契丹! 草原王朝はこんなに凄かった」。
九州国立博物館の市元塁氏による講演です。

正直、今回の契丹展を見るまでが、契丹は素朴な遊牧民だと
思っていたんですが、今回の展覧会でその印象は一変しました。
唐時代の文化を継承した、華麗で壮麗な文化の国家だったんですね。
その証拠(?)でも無いのかもしれませんが、ロシア語のキタイ、
英語のキャセイは、契丹から来ています。
1000年も後の時代の言葉にその名を残しているということは、
1000年前のその当時は、かなりの影響力を有していたと言う事ですよね。

今回の講演で驚いたのが、鮮卑~唐~契丹に至る国家は、
北方系の鮮卑族による国家だということ。
鮮卑と契丹が、北方系民族の国家であることは知っていましたが、
唐まで北方系民族の国家だとは知りませんでした。
完全に漢民族の国家だと思っていました。

この講演を聞いて、再度、契丹展を見ると、
より一層理解が深まると思います。
所々笑いのある、中々面白い講演でした。

東京オトナ大学 竹内薫氏講演会

2012-05-19 | 講演会
今日は、サピアタワーで行われていた東京オトナ大学に参加。

15:00からは、サイエンス作家竹内薫さんによる
「環境と科学の共存を目指して
 ―それでも我々は科学に賭けるしかない―」

と言うタイトルの講演会。
会場定員350名らしいのですが満席でした。

15時ちょうどに講演は開始。
講演会というと、パワーポイントのスライドを使って・・・
と言う形式を予想していたのですが、外されました。
いや、竹内さんも、パワーポイントを使う普通の講演の
準備をしていたらしいのですが、色々と考えるところがあって
(NHKの「サイエンスZERO」で、原発関連の収録をしたのが
きっかけと言う趣旨の事を言っていました)、
急遽、パワーポイントの資料は使わない講演に。
竹内さんも“即興”と言っていました。
でも、“即興”と言っても、本当にその場での思いつきと言う
訳にも行かないようで、ポイントを書いたメモは持っていたようです。

基本的には科学応援団と言う竹内さん自身の立場を示しながらも、
やはり昨年の3.11以降、色々と考えるようになったそうです。

環境問題の定義から話は始まりました。
環境問題とは「人間が地球環境に影響を及ぼすこと」と言う事だそうです。
隕石が地球に落下して、恐竜が滅んだとしても、
それは環境問題ではなく、自然現象だと例えられていましたが、
なるほどと思いました。

話は、産業革命期の話に変わりました。
産業革命が、発明された各種技術が、様々な迫害されたにも関わらず
止まらなかったのは、産業革命自体が、一国の範囲ではなく、
世界中が連鎖して進んでしまっていたからだと仰っていました。
“グローバリズム”と言う言葉は、昨今よく聞くようになりましたが、
実は“グローバリズム”は、産業革命の頃からあったのですね。

で、現代ニッポンのエネルギー問題も、それと同様であると。
原発を止めて火力発電にするにしても、火力発電を動かす燃料が
必要なわけですが、ここで例を引いたのが、ウクライナ。
ウクライナは、ロシアから天然ガスを購入しているわけですが、
いろいろ問題があって対立したら、天然ガスを止められた訳です。
原発を止めるために火力発電を使うとしても、ウクライナの様に
天然ガスを止められては困るわけですから、簡単では無いと言うことですね。
エネルギー問題は、単にエネルギーの問題ではなく経済の問題でもあると言う事。

また、
アメリカのアーミッシュの様に自然に帰った生活する事についても言っていて、
日本で江戸時代のような自然に帰った生活を行うことは、
小さいコミュニティレベルでは可能だが、国全体では出来ないと言っていましたね。
アーミッシュも、アメリカという広大な国の一部で生活しているから
成立しているとも言っていました。
そうかも知れませんね。

また、再生可能エネルギーが、十分に普及・発達するには、
数年レベル以上の、10年とか20年とかの時間が要するのではないかとか、
一般家庭レベルで太陽電池を使うことは意味あることだけど、
産業レベルで太陽電池に頼るのは、効率と言う観点から考えて、
無理があるのでは無いかとも思っているそうです。

それに、一口に再生可能エネルギーと言っても、
風力発電には、低周波問題や、鳥が羽根にぶつかる問題もありますし、
太陽電池についても、広大な土地が必要であるし、
太陽電池が設置された下の地面は、太陽光が当たらなくなる訳で、
そういう意味では、太陽電池も環境問題を引き起こすとも話されていました。
その通りですね。
(サハラ砂漠に太陽電池を設置する事が研究されているが、
サハラ砂漠であったとしても、独自の生態系はあるので、
そこに(人工物である)太陽電池を設置する事は、
環境問題であるとも言っていました。)

さて、3.11に端を発する今のエネルギー問題ですが、
竹内さん自身、理性と感情が自分自身の中で一致しておらず、
つまりは、物凄く悩んでいると言う事だそうです。
そうですね、話されている感じもそうでした。

何か、結論があった講演会では無かったですが、
考えされられる講演会ではあったと思います。
勉強になりました。

※なんか、色々と考えさせられて、上手くまとめられなかった。

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セミナー『古都に学ぶ ~じぶん流 奈良の楽しみ方~(第三回/全三回)』

2012-02-25 | 講演会
昨日(2012/02/24)夜の大手町界隈での野暮用とは、
2012/01/27に引き続き、日経ホールで開催のセミナー
『古都に学ぶ ~じぶん流 奈良の楽しみ方~』への参加。

3回構成のこのセミナー。昨日は、最終回の3回目。
最終回のテーマは、万葉集の様です。

セミナーは例によって二部構成。
第一部は、「恋の万葉集」と言うタイトルで、
奈良大学の上野誠教授による講演。

恋を詠んだ万葉集の歌を解説していくのですが、
解説する“歌(うた)”は、第二部のトークゲストでもある、
映画監督の河直美さんが選んだものを解説という趣向です。
「それで、上野監督の心を丸裸に出来ます。」
だそうです(笑)。

でも、真面目に万葉集の解説をしている時間は短く、
むしろ、面白おかしく解説している時間の方が長い。
って言うか、ほとんどそれ。
上野教授のお生まれは福岡県のようなのですが、
もはやノリは完全に関西人。
まぁ、日頃関西で生活されているので当然なんだと思いますが。
サービス精神満点とも言うのだと思います。

でも、流石と思ったのが、
研究者の仕事を料理人になぞらえて説明していて、曰く
「料理人は、どんなに上手に料理しても、それを味わうのは食べる人。
(万葉集の)研究者も同様で、(万葉集を)読む人を、
その解釈の入口まで連れてくるのが、その仕事である。」
と言うような事を言っていました。

もっとわかり易くも言っていて、
「万葉集は、“歌(うた)”なので、(固く)現代語訳しただけではダメ。
それを、感性をもって解釈しないと、読み手が込めた本当の思いは
わからない。」
「万葉集は、“詩”です。なので、解釈も“詩”の様に解釈したほうが、
読んだ人の心が判る。」
と言う様な趣旨の事を言っていました。
って言うか、私はそう理解しました。

その意味では、国語の授業とかではある種制限はあるかもしれませんが、
普通に読むと言う所では、読む人の感性で(ある程度)自由に理解して、
楽しめば良いんだと言うことなんでしょうね。

いろいろ脱線?しながらの講演で、最後は、時間ギリギリ。
って言うか、実質的に時間切れでした。
面白い50分間でした。

第二部は、
「奈良の魅力と楽しみ方」と言うタイトルのトークショー。
トークショータイトルは、各回共通みたいです。
第一部で河監督が選んだ歌は6首あったんですが、
第二部は、まずはその中から2首を特に選んで、
河監督がその歌を選んだ背景を上野教授が、
読んで(推測して)いくと言う感じで始まります。
河監督曰く、本当は、もっとピンッ!と歌があったらしいんですが、
それを選ぶと、本当に考えていることを丸裸にされそうだったので、
敢えて、回避したそうです。
もっとも、そういう事を上野教授も予想していたようですが・・・。
その河監督がピンッ!と来た歌って、何なんでしょうね?

トークショー終盤に、上野教授、河監督オススメの、
奈良のスポット紹介。
河監督のオススメは、吉野・十津川方面、金剛峯寺など。
上級者向けと言う感じの、感じですねぇ。
金剛峯寺を撮った河監督の映像も上映されたのですが、
ゆったりと時間が流れる、荘厳な雰囲気を感じました。
上野教授のオススメは、もう少し一般的な、
平城京跡東院庭園や、ならまちなど。
こちらは、アクセスしやすそうです。

で、あっという間に終演時間。
二時間が、本当にあっという間でした。

そうそう。
上野教授は、自分の講演の評判を検索したりするらしいのですが、
このblogも目に止まったりしてしまうんでしょうか?

セミナー『古都に学ぶ ~じぶん流 奈良の楽しみ方~(第二回/全三回)』

2012-01-28 | 講演会
昨日(2012/01/27)夜の大手町界隈での野暮用とは、
日経ホールで開催のセミナー
『古都に学ぶ ~じぶん流 奈良の楽しみ方~』への参加。

WEBを調べてみると、このセミナーは毎年数回コースで、
この時期に開催されているようで、今年は全三回。
今日は、その第二回目という位置づけです。
第一回目でないのは、一回目の知らなかったから。
この二回目の開催も、偶然WEBで発見したので、
申し込んだのでした。

テーマ的に女性が多いかなぁと思っていたんですが、
意外に男性も多かったので、一安心。
でも、年齢層が、リタイアされた方がメインですねぇ。
私は間違いなく、下から数えたほうが早いです(苦笑)。
女性も、京都だったら、OLとかが多そうですが、
こちらも、比較的年齢高めでした(失礼)。

セミナーは二部構成。
第一部は、
「阿修羅と戒壇堂四天王 ~天平仏のスターをめぐって~」
と言うタイトルで、清泉女子大の山本勉教授による講演。
私は、奈良時代と学んだんですが、昔は、天平時代とか
教えていたんですね。知らなかった。
同じように、飛鳥時代が白鳳時代だったり(白鳳時代は、
聞いた頃があります)、平安時代が藤原時代だったりと、
昔と今の、歴史認識の違いを若干感じました。
もっとも、それを言うと、今は鎌倉幕府の成立は、
必ずしも1192年とはみなされていないと言う話もありますけどね。

あと興味深かったのは、飛鳥~奈良~平安と時代が下るに連れて、
仏像の表情や、着ているものも変わって行っていると言うこと。
冷静に考えてみれば、当たり前のような気もしますが、
飛鳥の頃は、表現に乏しく、仏像の表情もあまりなく、
衣装も特にきらびやかでも無いという事ですが、
奈良になると、仏像に表情がつき始めるとのこと。
もっと時代を下ると、更に表現が豊かになるみたいでした。
これって、文化の発展ということですよね。

この他にも、色々と興味深い話はあったんですが、
特にメモも取っていなかったので、詳しくは語れません。
って言うか、講演のメモって、ハンドアウトの資料でもないと無理。

第二部は、
「奈良の魅力と楽しみ方」と言うタイトルで、
モデルのはなさんを交えた、トークショー。
はなさんって、仏像好きなんですね。
かなり詳しかったです。
調べてみると、昨年もこのセミナーに出ているようで、
もしかして、仏像ガールの嚆矢?
はなさんが、仏像に興味を持つようになったのは、
大学時代の授業が発端のようで、その先生が楽しそうに
仏像を解説するのを見て、自分も興味を持ったと語っていました。
やっぱり、教える人の気持ちは伝わるんですね。
重要な教訓だと思いました。
その他、はなさんオススメの奈良のお寺巡りコースの紹介等もあり、
中々楽しいトークショーでした。

第一部司会・第二部コーディネーターは、
キャスターの住友真世さん。
トークショーのコーディネーターって、大変ですよね。
特にトラブルがあったわけではないんですが、
出席者にバランスよく話を聞かなければならないし、
終了時間を超えるのも、あるいは短いのもありえないもんね。
今回は、うまく時間で終了となりました。上手!

第三回は、2/24。参加申し込みは、2月上旬らしいです。
第三回も申し込んでみたいですね。