「いちからやり直しっ」って聞いて、みなさんは、いつ頃のどんな場面を思い浮かべますか? 自分だと、子ども時代までさかのぼります。
習字の稽古、ピアノのレッスン? いえいえ、そんな高尚なものではありません。いろいろあったと思いますが、記憶に残っているのは「九九」の暗記。何度、「いちからやり直し」をしたか、わかりません。でも、あの時はちゃんと覚えたはずなのに、何十年も言わないでいたら、あらかた忘れてしまいました。そんなことあるか!
大人になってからもあったと思います。それでも会社勤めを経験したことが無いので、上司からこんなふうに言われるというような体験はありません。自分で自分に向かって言うことが大部分でした。ため息とともに、です。
おととい、半日を要してお米の便りを書きました。あとはいくらか手直しというところまできて、いったん休憩。念のためと思い、保存しようとしました。ところが、何をどう間違えたのか、消去してしまったのです。あぁ、すべてが水の泡。深いため息が出るのを抑えることができませんでした。
出来はどうでも、「とりあえず完成したのだからひと安心」だったものが、まさに、一からやり直し!です。昨日の夜と今日で、どうにか書き終えました。最初の便りの文中、今月号はどうでも良いような中身ばかりと書いていたのでしたが、「どうでも良いような」ことを、もう一度書くというのは、何とも複雑な気分がしたことでした(笑)。
ちなみに、「ため息は いのちを削る カンナかな」なんだそうです。ほどほどにしなければなりませんね。