連日の猛暑で、水利事情の悪い地域では、田んぼに水を入れるのに難渋していることと思います。「中干し」という管理で、いったん田んぼから水を何日間か落として、土を固めることが、つい先だってまで行われていたからです。ひび割れた田んぼの中を水が奥までしみわたっていくには、いつも以上に水の勢いと量がなければなりません。それがこの好天続きで、用水路を流れる量そのものが少なくなり、困難さに拍車をかけるというわけです。
いや、上流の田んぼから計画的に順々に水を入れてくれば、結果的には時間や水そのもののロスを最小限にしながら、平等に入れることができるのです。でも現実には、こうはいきません。誰であれ、今入れたいのです。今は穂が出る時期。そのため、稲が最も水を欲する時期だからです。
水量が豊富なら、金持ち喧嘩せずではないですけど、水をめぐっての面倒な話は起きる余地がありません。ですが、少ない水を分け合うとなると…。はい、場末の田んぼは、どうしても貧乏くじを引かされることとなるんです。同じ水利費を払っているのに、何という不平等(苦笑)。そうなんです。農家は水の代金を払っているんですよ。
場末の田んぼにもやっと水が来る頃、気まぐれな少し強いにわか雨が、降ったりするものです。もう少し早く降ってくれればよかったのになー、などと、天を少しばかり恨めしく思いますが、でも慈雨であることに間違いはありません。今、先日の大雨以来、久しぶりに、雷とともににわか雨が降っているところです。広い田園地帯。どこもかしこも変わりなく見えますが、「場末の田んぼ」はあちこちにあるんです。それは必ずしも、最下流地域というわけではありません。目立たずに存在しているのです。
「Bar 末」なんて看板があったら、ふらりと入ってみたくなる気がします。いや、臆病だから、入らないだろうなー(苦笑)。でも、癒される気がしません?
こんなふうにひび割れます。ひびの中には、水がしみ込んでいますが、もう少し欲しい感じです。この状態で、水入れを止めて、下流に流すという農家は、まずいないです。
上の写真より、もう少し入りました。田んぼはダム機能があります。水害の際に、本当にそう感じさせられます。でも、土砂が流入して、ダメになる場合もあったりで、田んぼの大切さを、こんな観点からも多くの人に気づいてもらいたいものです。