風に吹かれて行こう

お米の便りを、写真でもっとわかりやすく!

ありがとう

2023-06-13 | 日記

 若い時、いやそれなりの年齢になってからも、そうだったかもしれません。「ありがとう」という言葉をなかなか口に出せませんでした。

 「ありがとう」って言葉は、たったひとつだぞ。そんなささいなことに、「ありがとう」って言ったら、もっと大きな何かをしてもらった時、何と言うつもりなんだ。思いに見合った言葉があるのか? どうだ、無いだろう。それなら今、言わずにいてもそれほど不思議ではない時、あえて言葉に出そうとしなくても良いんじゃないか。そんなふうに思ったりしたものでした。

 

 でも考えてみれば、たとえ小さなことであっても、その時にありがたいなと思ったら、だしおしみせずに言葉にすれば良いのです。「もっと大きな何か」が必ずあるという保証など、どこにもありません。もしあったら、その時はその時、その時の思いのままを言葉にして、感謝の気持ちを表せば良いことなのだと思います(思いました)。

 

 こんな、ある意味単純なことをわかるまで、どれくらいの年月を生きてきたことでしょう。

 そんなわけで、今では、ありがとうありがとうの大安売りです(笑)。言葉自体は大安売りですけど、ちゃんとした気持ち込み! ありがとうの言葉は、不思議なことに自分をも温かくしますね。


えぐえぐだァをした男

2023-06-11 | 日記

 昨日午後から、あぜの草刈をしました。自分の家の田んぼが並んでいれば、あまり気にすることは無いのですが、あぜはしばしば境界でもあります。その意味も含まれている、よその家の田んぼとの境目にあるあぜ。その草刈は、少々気を使います。

 

 それというのも、どうやっても、刈った時に飛び散る草の破片、破片はヘンですね。どう表現するべきなのか。

  そんなんどうでも良いから、前へ進めろ。

 それがおとなりさんの田んぼにも、それなりに入ってしまうからです。草刈の最中に風なんか吹いていたら、その風向きによっては、さらに多く入ってしまいます。もちろんそうした時はやらないようにしていますが。

  おい、待ちきれんぞ。そもそも、待ってて良いのか?

    今日は日曜だ。何にもないと思っててくれ。

 

 それで、妨害により、少々話が滞ってしまいましたが、というか義理堅く対応してしまいましたが、まぁ、昨日の草刈では、やっぱりそれなりに飛んでしまったんです。風が自分の田んぼ側に吹いていたにもかかわらず、です。

 

 今朝早朝、音成さんが(この変換、なかなか良いですね。さりげなくAIがこんなふうにしたとしたら恐ろしいですけど)そのあぜの、自分の田んぼ側を刈っていました。簡単に書くと、「あぜ」は山形になっているので、上面と両側面があるわけです。自分の側の側面は、それぞれ、自分で刈ります。上面は半分づつ刈る場合もあれば、順番こで刈る場合もあります。どうするかは、両者のやりとりで何となく、です。

  おや、船頭さん、さっきから船がなかなか進みませんな。

    弊、旦那様。今日は思ったより風が強くて、しかも向かい風でして。

  そうですか。外はそんな具合ですか。あっ、そうそう。返事のへいは、ひらがなにしてくださいよ。弊は自分で  言う時に使うもんですからな。

    何言ってんだ、この親父。旦那様なんて言ったら、すっかりその気になってるぜ。

 

 ここまで読んでくださってる方がおられたら、この先読み進めると待っているのは、とんだ時間つぶしだ。えぐえぐだァと思わされるかもしれませんよ。おやめになるなら、ここですぞ。

 

 作業をしているその音成さんにひと声かけようかと思って近づいたら、そちらも草刈り機のエンジンを止めました。

 「わりぃ、わりぃ。田さえっぺ草おどしてしまって」

   「なんもだ。なってもね」

 そして二言三言、言葉を交わして、さぁ、作業再開。

   あーあ、よくネタ。もうそろそろだろ。ホントに何も無いんだな。

    何度も言わせるな。おれはウソは好かん。

 

 草刈り機あるある、なんですが、機械を止めると、その後なかなかエンジンがかからないことがあるんです。スターターの紐を何度ひぱっても、始動しません。こうなると、機械はえへだ(むくれてしまった)ものみたいにどうすることもできません。たまたまかかったら、それは僥倖です(笑)。

 こんな場合は、エンジンがすっかり冷めるまで、かからないことがしばしばです。作業継続をあきらめるのがいちばん、ということもあります。でも、たいていはどうにかして続けたいもの。なぜって、草刈りをしなければならなくて始めたのですから。

 

 「うわぁ、おれ、止めてしまったモンな(エンジン止めさせるようなことしてしまったものな)。しゃべらねばしゃべらねたて良いごどしゃべって(無理して話すほどのことでないことをしゃべって)。わりぃ、わりぃ」

 「なんもだ。なってもね」

 そうは言うものの、やっぱりかかる気配はありません。何ともバツが悪いことでした(苦笑)。

 別れた後、実は自分も草刈り作業。こちらは一発で始動です。わりぃ、わりぃ。こころのなかでわびたのでした。

 音成さんは、こう思ったかもしれません。

 朝まがら(朝から)、えぐえぐだァと。

 

 朝食後、これを書いていたら、その音成さんが、何とワラビを持って来てくれたんです!

 「**さん、採ってきたんだが?」

 「じぇんこねぇがら、毎日採ってきたワラビだけ(食べてる)ヨ」と笑って。

 

 どうしよう、お返しに卵2個持って行ったら良いんだろか…。

 

 


いったいおれは、まんまを食ってるんだか、いちごを食ってるんだか

2023-06-10 | 日記

 自家用いちごが、思いのほか良くできて、収穫にもそれなりの時間がかかるし、消費にも時間がかかります(笑)。近所の人、近くの親戚に持って行ったものの、また、というわけにもいきません。それほど親密でない近所の家に持って行くのも、ためらわれます。

 昨日は大きなボウルに山盛り2つ…。思案してみましたが、最終行先は結局家族のおなかの中になりそうです。その割合は、7:2:2くらいか。

  おいっ、念のため聞くけど、合計が10を超えてるな。

 あぁ、10を超えたり、満たなかったりだ。あんまり細かいことを言うな。

  まさかおまえに、そう言われるとはな…。

 3日会わざれば、断固刮目すべし、だ。

 

 ごはんに続いて、茶碗山盛りにいちご。あー、おれの腹、よく何ともないな。実はそれに続いて、金時豆のゆでたのも小鉢でもりっと。お惣菜で買ったら、いったいどれくらいの金額なのか。隣の妻も少々あきれ顔。あきれ夫人となったのでした。

 

 このへんの昔の人は、お腹を壊すことを、「腹しくじる」と表現しました。おかしいでしょう。壊したのは自分なのに、あたかもお腹自体が自分で壊したかのような言い回しです。単なる腹痛で終わる場合もあれば(この時は、そう言わなかったかもしれません)、便りが速達で届くことも。朝から何の話だー。ジイさん、ほどほどにしろよー。

 いちごの爆食いが、腸内細菌にどんな影響を与えているのか、さっぱりわかりません。でも山あり谷ありでも、平均を追っていけば、その中間になることでしょう。それに、いちごだって、このあと1カ月も続くわけじゃありませんから。という解釈をして、引き続き食べることになるんでしょう(笑)。それが栽培した者の責任です(苦笑)。

 こうやって、若い日の美男子は、幻滅の一途をたどってきたのでした。たぶん。


選別

2023-06-09 | 日記

 作物の栽培は、栽培そのものもいろいろ大変?ですが、収穫とその後の選別作業も、なかなか手間と時間がかかるものです。店先に並ぶ、きれいに形のそろった野菜たちの背後には、相当な量の「規格外」があるのが普通です。

 

 自家用であれば気にする必要も無いのでしょうが、この「規格外」をできるだけ少なくするのも、出荷野菜を栽培するうえで、とても大事なこととなります。そして、どうしても一定割合出てしまうそうしたものを、加工して食べたり販売したりすることも、とても大事なこととなってきます。

 

 さてそうした規格外を除くために、選別という作業があるわけですが、穀物や豆類などの選別は、これはこれで、さらに大変です。米、麦、豆…。一粒が小さいうえに、食べるとなったら何千粒を食べるのか。目で選んで、ピンセットで取り除けてなんていうことをやっていたら、茶碗一杯分のお米に、いったいどれくらいの時間を要するのか…。もう、他のことが手に付かない状況となることでしょう。

 今は、というか相当前から、その意味で機械は発達してきましたが、機械の無いころ、モーターやエンジンの無いころには、いろんな道具が考案され、使われてきました。

 けれども、すべて機械に頼るようになると、そうした道具は、もう時代遅れの邪魔な存在となってしまい、名残り惜しく、いつかは使う時もあるかもしれないなどと思っていても、結局は廃棄することとなったのです。ちなみに、この間の「たはむれ」という記事に載せた円筒形の構造物は、手で田植えをするときに、その筒を転がして、植える場所のしるしを付けていくものです。

 

 刈り取った稲わらから、まずは穂を取り外す道具。たくさんの穂から、ちりやごみを取り除く道具。もみ殻をむいて玄米にする道具…。そして度々の段階で、選別をする道具…。お米作りが八十八の手間暇をかけて、というのも、決して大賀餌な話ではなかったと思います。

 米だけでなく、例えば選別する道具が無いと、先日の小豆の種の写真のように、悲惨な状況です(苦笑)。その作物の大きさに合ったふるいなども、とても大事なものでした。「ふるいヤツだとお思いでしょうが…」は、高倉健さんの有名な映画のセリフ。

 

 そろそろオチが近づいてきたか。

 

 とにかく、選別は何かと大変なんですっ。

 餞別は、もっと大変。分厚いお財布ならともかく、細い脛からは、出汁さえ出てきません。

 準備ができたようだな。よしっ、その話に乗るぞ。

 おまえは、いつもそうやって深く考えすぎるから、話が深刻になるんだよ。餞別なんて、土壇場になっても何とかできるモンさ。

 ホラって、せんべい2枚渡しゃぁ、良いんだよ。せんべツーだ。

 

 乗った応えがそれか。そうか、やきが回ったな…。

 

 主になったり従になったり。かとおもえば混じったり。相棒がいると、笑いは作りやすいですね。出来はともかくとして(笑)。そういう意味では、ひとりでやる人ってすごいと思います。

 朝から何の話をしてるんでしたっけ? 今日は金曜日。お休みがカレンダー通りだとしたら、今日一日をやり過ごして…。どうぞ良い週末になりますように。


おじげッコ(味噌汁のことです)

2023-06-08 | 日記

 早朝の仕事を終えて家に入ったら、ぷーんと、蚊が飛んできた。ではなく、ぷーんと良い匂い。あっ、よさく豆(さやえんどう)の味噌汁だな…。今朝は初物でした。よさぐ豆の味ッコ出で、うめなー。

 

 もうスズメの方が先に初物を食べてしまっています。種を播いて支柱を立てたワシらが2番手か(苦笑)。自家用野菜の栽培の要点は、できるだけ長く収穫できること。いろいろ手をかけた分だけ、作物は応えてくれると言われるけれど、手をかける分が少ないので、常に収穫期間が短いです。

 

 「よさぐ豆はよぉ、最初に肥料どぢっとけねばダメだー。あどがらなんぼけだって、遅いなだー」 近所のおばあちゃんにそう教えられていたのに、次の年に播くころにはすっかり忘れちまって、おや、ながながえぐなってこねなー。なしてだべ? といったあんばいです。でも、あんまり良くできすぎると、話題が無くなりますもんね。あーだこーだと話が弾むのは、事態がそれほど良くない時です(笑)。

 そんな言い訳があるかー!

 おや、ずいぶん久しぶりの登場ですな。

 

 作物の栽培管理については、いろんな考え方や方法があります。作物自体のいのちのちからを信じてじっと待つ、というのもありですが、そこには大きな前提があると思います。素質を十二分に発揮できるような良い苗を育てることがだいいち。そこがポッカリ抜けていては、じっと待っていても、結果はついてこない場合があります。若い時は、このことに思いが至らず、失敗を繰り返したものでした。今では、まぁ、どうでも良いんじゃないって感じで、8分目の出来なら上出来!と思うようになりました。上出来というのは、本来まれなこと。なので、常々6分くらいのでき?なのかもしれません。

 今日は木曜日。週後半も、それなりに過ごしましょう。良い一日となりますように!