風に吹かれて行こう

お米の便りを、写真でもっとわかりやすく!

明日

2021-11-30 | 日記

 何日か時雨れる日が続いて、昨日今日は良い天気でした。特に今日は、暖かかったのです。時雨れて少し雪が降った日があった時、とんぼたちももう命が尽きてしまっただろうと思ったのでした。そして昨日は、一匹も見なかったのです。

 

 それが今日の午前中、作業場の入り口、戸の端ッコで、どうにか生きている一匹を見つけたのです。今朝の寒さで、ほとんど動けない状態でした。

 手に取って少し温めたら、手足をちょっとだけ動かしました。お日さまがもうとっくに上に登っていたのでしたが、とんぼのいた場所は、その時になってもまだ日陰で、それが動けない理由だったのでしょう。

 

 宅地の中をうろうろして、とんぼを置く木を探しました。もう、いのちが尽きると思ったのです。どの木にしようかとうろうろしていた時、ほんの一瞬目を離した時に、とんぼは手から飛び立ちました。えっ、っと思ったのですが、それは現実でした。そして、見失いました。

 

 「死に場所を探すだなんて、オレのしようとしたことは、余計なことだったナ。オメェはまさに、「今」を生きているものな。今日の午後、寒さで動けなくなるまで飛んで、どこかで夜を過ごす。「死に場所」なんて、思うはずがない。良かったな、バイバイだ。

 

 今日見かけたとんぼは、その一匹だけでした。夜も更けてきました。日付が変わると、夜中から雨、夕方には雪の予報です。

 これまで、12月にはとんぼを見たことはありません。本当に見たことが無いのか、それとも、いつかそんな稀なことに遭遇したことを忘れてしまったのか…。たぶんどちらでも良いことなのだろうと思います。

 黄色い朝

 お日さまに背を向けて

 


ファミリー非すとりー(なまってます)

2021-11-30 | 農家 農村

 今日はとても良い天気です。風もなく暖かい日となりました。こんな日を、たとえ曇りでもいいから何日かに分けて、その分、雨や雪の日が少なくてくれればいいのになー。つい、そんなことを思ってしまいます。

「なんだ、せっかく良い天気にしてやったのに、そんなことを言うとはずうずうしいヤツだ。もう知らんぞ」

 天の神サマに叱られそうです(笑)。そうです。今日、今を喜ばなければなりません。

 

 ご先祖サマ(あまり堅苦しくないよう、カタカナで書いています)の年忌などの時、以前は親戚の人も集まりました。古い仏さんの場合、関係する親戚も前の代の関係者となり、常日頃なかなか会う機会のない人です。元気で過ごされていることを、それぞれが確認するひとときともなります。

 おときをいただく際の席順は、当然ながら古い親戚の方が上座となります。新しい親戚は、最も下座です。この年忌が無くなれば、上座の親戚の方と会う機会はほとんどなくなることでしょう。この上座の親戚の方も、以前は最も下座だったこともあったのかもしれませんし、そうでなかったかもしれません。それは長い年月の流れのなかでは、当たり前のことでした。

 

 またまた結論のある話ではありません。そのうちにふと、続きのようなものを書きたくなることでしょう。

 

 秋田弁で、「すとり」を「ひとり」とはなまりません。でも「すとり」と聞こえる時もあります。それ、アンタの耳のせい。

 家族はひとりに非ず。つながっています。つながっていけたら良いなー。

 


12月からのことを書いたら、何だか…

2021-11-29 | 掌編

 憑りつかれたかのように、何を急いでいるんでしょうか? 自分のことが可笑しくなります。大丈夫かな。

 

  それぞれの旅路

 島田恵津子が、二人の子どもとともに、荷物らしい荷物も持たないまま遠く県外の山間の村を目指したのは、九月も半ばを過ぎた頃だった。

 その村がどんな所なのか、斡旋してもらえた空き家が一体どんな状態なのか、その時の恵津子ははっきりとわかってはいなかった。「必要最低限の家電製品や家具は準備済み。入居したその日から生活が始められます」という案内だけが、唯一の拠り所だった。役場担当者の「良い所ですよ。何の心配もいりません」という言葉にすがる思いで、恵津子は今やっと、住み慣れた地を後にしていた。

 何度かの乗り換えを経てたどり着いた最寄り駅で、出迎えてくれたのは、柴田という中年の女性職員だった。役場に立ち寄ってひと通りの挨拶をした後、車はこれからの住まいがある集落に向かった。

 道すがら、所々で現れるわずかな平地にある田んぼは、一面黄金色となり、稲の穂はどれも重そうに垂れていた。青空とともに目にするその光景は素晴らしいものだったが、いつの間にか黒い雲が押し寄せて来ていたことに気付いた時、「悪戯な雨が降るかもしれない」という、柴田のひとり言が聞こえた気がした。

 空き家は想像していたより、きれいだった。家の周囲も、自分たちのために整備してくれたのだろう。雑草なども刈り払われて、まだ間もないように見えた。その様子を目の当たりにして、恵津子は少しほっとした。

 思いがけないことに、柴田は始めに、斜め向かいにある家に行った。しかし、中には誰も居ないようだった。

「おかしいわねぇ。稲刈りにでも行ってしまったのかしら。ここには、中年の男性が一人で暮らしているんです。あっ、でも心配はいりませんよ。安田伸之っていう人なんですけど、至って真面目で、それでいてのんきな人ですから。何ヶ月か前までは母親が一緒だったんですが、年老いてしまってね。介護が必要となって、今は町の施設で暮らしています。良い人ですから、どうぞ安心してください」

 そんな話の後、恵津子は家の中の案内を受けた。そうして、それがひと通り終わった頃、一台の車が向かいの家の前で止まった音がした時、柴田が外に飛び出し、恵津子も後に続いた。

「安田君、私、三時頃には来るからって伝えてたよね。それなのにどこに行ってたの?」

「悪い。今年頼まれた田んぼが、今の時期になってもなかなか乾けなくてさ。明日から何日か雨の予報だったから、少し早いとは思ったけど、稲刈りに行ってたんだ。昼から急に雲行きが怪しくなって来ただろ。それで何としても雨の前に終わらせてしまわなければと思って、戻ってこられなかった」

「そうだったの。だったら仕方ないね」

 二人のやり取りに戸惑った様子でいる恵津子に気付いて、柴田は「私たち同級生なの」と言うと、あらためて安田を紹介し、そして恵津子と子どもたちを紹介した。

「島田さん、これからいろんなことで、どうしたら良いんだろうと思うことが出てくると思います。自分はもちろんのこと、役場のそれぞれの担当がいろいろ手助けさせてもらいますが、もし慣れてきたら、たいていのことは遠慮せず安田君に言ってみてください。この人のアドバイスは、少々年寄りじみたところもありますが、押しつけがましさが無い分、気が楽ですから」

 安田はまだ忙しそうだった。顔合わせが済むと、それぞれは別れ、恵津子は新しい住まいへと入って行った。

 その夜、子どもたちが寝入ってから、恵津子は外に出てみた。午後の、今にも降り出しそうだった空からは想像もできないくらいの満天の星空に、恵津子は思わず小さな声を上げた。すぐに中に戻り、子どもたちを起こして一緒に見ようと思ったが、ここでは急ぐ必要は無いのだと思い直し、止めた。こんなにきれいな星空なのに、明日は本当に雨が降るのかしらとも思いながら。

 翌日、昼前から降り出した雨は、四日も続いた。恵津子は、子どもの学校のことや自分がこれから働くことになる職場での説明会、そして暮らしに必要なものの買い揃えなど、休む間もなく動き回った。

 その足となったのは、どんなに古くても構いませんから、出所のはっきりした物をお願いできないでしょうかという、事前のやりとりで用意されていた軽自動車であった。

 行く先々で、恵津子のことを知らない人たちは、稲刈りの出鼻をくじく雨について、困った天気ですねぇと挨拶代わりに話した。

 車を走らせている最中に、恵津子はただ一カ所、稲が刈られた田んぼを見つけ、車を止めて降りてみた。そこには幅が広くて深い轍が何本もあり、降った雨がたくさん溜まっていた。安田さんが刈ったという田んぼだろうか。刈った跡というのはみなこんなふうなのかしら。恵津子はぼんやりと思った。

 新しい地に越して来てから、瞬く間に一ヶ月が過ぎた。いつの間にか田んぼの稲はすべて刈り取られ、山間の村の風景は一変していた。気持ちがまだ落ち着かないまま毎日を過ごしていた恵津子の眼にさえ、この間の景色の変化は生き生きと見えていた。

 そうして、少しずつ職場にも、子どもたちが学校にも慣れ出したと思われた、ある日の夕方、たまたま家の前にいた安田と言葉を交わす機会が訪れた。それまでも目にすることは何度もあったが、いつも忙しそうに動き回っている安田に、あらたまって声をかけて話しかけることができないまま今日まで来ていたのだった。

「忙しさは少し落ち着きましたか?」

 遠慮がちに尋ねた恵津子に、一瞬の間を置いて「とりあえず少しはね」と安田は答えた。田んぼから稲が無くなりさえすれば、あとはどんな仕事が続くのかなどと考えたことも無い恵津子の問いは、考えてみれば無理のないことであった。安田も何となくそう思ったからであろう。だから、とりあえずなどという言葉が出たのかもしれなかった。

「島田さんはどう? 少しは慣れた?」

 そう聞き返され、恵津子は、「えぇ、でもまだわからないことだらけです」と当たり障りのない答えをして、安田の反応を待った。

「良い時に来たと思うよ」

 突然聞こえた安田の言葉の真意を図りかね、「ここは素敵なところですね。自然がいっぱいの所で、毎日が清々しいです」と恵津子は言った。

「じっくり見ている余裕なんか無かったと思うけど、心和む風景があったでしょ。でもそんなのは、一年の中では、わずかな期間なんだ。これから日いちにちと寒さが増して、雪が降り始めるその日まで、時雨れる日が多くなるんだよ。晴れの日なんて、少しさ。そしていよいよ本格的な冬がやって来たら、雪の怖さをうんと思い知らされ、途方に暮れてしまうことも絶対あると思うんだ。島田さんは、ここが一番厳しくなる時期に来たことになるね。だから良い時に来たって言ったんだ。ひと冬過ごしたら、たぶん覚悟が決まる。ここでずっと暮らせそうかどうかがね。でも、雪は大変だけど、その雪に向き合いながらゆっくり考えれば良い。何かに追い立てられる心配も無いし、周りの声に惑わされる必要も無いからね」

 

 初雪は早かったが、その後はそれほど降ることも無く、年が暮れようとしていた。

「年が明けたらいよいよ、安田さんの話してた、長い長い一月がやってきますね。でも除雪だけは任せておけって言ってもらえたから気が楽なんです」

 笑いながら言った恵津子に、

「うん、それだけは心配しないでくれ。でも冬道の運転は気を付けてくれよ。あっ、また言ってしまった。これだから中年は、しつこいって言われるんだな」

 安田が苦笑いしながら答えた。

 多くの人がいやになるくらい長く感じられる一月ってどんなだろう。「二月は三月の子どもみたいなもの」ってどんな意味なんだろう。私も、春が来たら何倍もうれしくなるのかな。恵津子は、これまで聞いた安田の言葉を思い出しながら、とにかくいちにち一日を大事に過ごしていけばわかるかも知れないと思った。

 恵津子には、決めなくてはならないことがいくつもあった。この場所で、じっくり考えよう。いまはまだわずかに白いだけのこの地に立って、そう心に決めた。

 

 

 最後まで読んでくださったとしたら、ありがたいことでした。


すでに紙で読んでくださった方ばかりと思いますが、念のため

2021-11-29 | お米の便り

 いまさらですが、11月の便りはこんなふうです。

 

 11月2日、時間の経過とともに、やわらかな日差しが空一面に広がりました。午後の集荷時間に間に合うよう、可能なら午前中にオリコメをでかしたい。何かにつけ、そんな中途半端な心づもりの凡夫。仕事の捗りようは、実にゆっくりです。

 稲刈りが済んでからひと月以上が過ぎました。10月初めには新米の出荷も始まり、最終週頃になってやっと、農繁期から少しは抜け出せたような感じでした。新米を食べてくださったみなさま、ご贈答におつかいくださったみなさま。厚く御礼申し上げます。この秋もありがとうございました。

 新米の味はいかがだったでしょうか。今年のお米は、精米の際にちょっと違う気がするのです。これまでは精米開始後、ボウルで1個分くらいのお米が出ると、精米が安定したものでした。今年は4個分くらい出て、やっと白米になります(玄米がいくらかでも混じっている事を「安定していない」、少しも混じらなくなった状態を「安定した」と表現しています)。そのため少量の精米だと、玄米がほんの少し混じることがあるかもしれません。回数を重ねると、割れる米粒が増えるので、余計なことはできません。ご理解、ご寛容のほどよろしくお願いします。

 

 いつも通りに、放射性物質の検査を受けました。下限値0.1ベクレルでの検査は、なかなかありませんよ。自画自賛、えっ、字が杜撰ですって?訛ってますよ。セシウム134,137とも「不検出」でした。もちろん、これ以外の核種もたくさんあるのです。でも今できることは、とりあえずこの2種類だけです。そして、等級検査も1等米でした。食味の点数は、わかりません。毎年、秋田県農業の伝統行事「種苗交換会」の会場で計測してもらっていましたが、昨年に続き今年も無理なようです。みなさまの感覚にお任せします。せめて、これまでと同じくらいでありますように…。

 今年のお米でちょっと違ったことは、使った殺虫剤の成分と回数を変えたことです。農薬は苗を育てる時期に1回使います。殺虫、殺菌でそれぞれ1成分ずつ入っているので、2回とカウントされます。除草剤は1回の使用で3成分。ここまではほぼ同じでしたが、出穂後の殺虫を1回、1成分にしたことがちょっと違いました。合計6成分の使用です(慣行栽培比6割減)。出穂後の殺虫剤は、2回(1成分×2回)が普通です。そこにネオニコ系殺虫剤を使って、カメムシ防除の効果を高めます。今年はそれを、ネオニコ系以外の殺虫剤1回で済ませました。やはり効果は落ちた気がしています。色彩選別機で、被害粒(着色粒)を除去していますが、いつもに比べて残っている割合が少し多い感じです。でも、ほんの少し安心が増したので、(表面はともかく)根をニコッと、できるかな?

 ネオニコ系殺虫剤の危険性は、世界中で関心を持たれており、実際に禁止している国もあります。もちろん他のさまざまな情報同様、関心を持たない人にとっては、いくら近くにその情報があったとしても、目や耳には入らないし、届きもしません。無限にある情報の中で、人は誰でも、自分に関心のあることしか、飛び込んでこないのです。家庭用の殺虫剤にも使われていますが、「ネオニコ系」ですから、実際の成分名は別の何種類かの名前です。自分で調べない限り、わからないことになっています。でも、みなさん、スマホをお持ちじゃないですかぁ。えっ、「スマホはお餅じゃありませんっ」ですって? よくもまぁ、こんな時にダジャレなんか…。いつもは知らんぷりなのに(笑)。いえ、その気になれば、簡単に調べられるという、ただそれだけの話です。

 

 いや、この無限とも思われる情報の泉ですが、知られてはマズイ情報は、少しずつ削除されているようですよ。そして、私たちを何かにつけ納得させるための情報は、微に入り細に入り提供され続けているようです。ネオニコといえば、遺伝子組み換え作物。除草剤のグリホサートとつながっていきます。日本向けの成分含量は、他国向けに比べてずいぶん大盛りだとか。他の国で禁止となった分、さて「規制改革」流行りの日本には、在庫一掃の大サービスだそうで、この国の庶民は、本当に良いように用いられています。用い方も上手。誰にもそんなふうには思わせないんですから。そんなことをお節介で言ったら、かえって怒られてしまいますね(笑)。規制改革を進めます!は、(庶民には)規制か威嚇を進めますということなのかな? 悪い政治家や悪徳官僚の言葉遊びは、恐ろしいです。いやそれよりも、さっき「餅売られています」とか言ってません?

 

 さて、なんやかんやと書きましたが、首肯しがたい点がございましたら、新米収穫のおめでたい席に免じて、ご容赦いただけますようお願いいたします。残りはワクチンのことを。冷静に時をさかのぼってみましょう。「ワクチンは切り札」のはず、でした。「感染予防」のはずでした。子ども達への接種は「必要な」かったんです。それ以外にも言われてきた、いろいろなこと。そのどれもが上書きされ、ワクチンの推進は続いたままです。もちろん、金科玉条のごとく、それを言うつもりはありません。金貨極上?あらあら、つい本音が。本当なら、いの一番に接種しなければならないはずの酷会議員のセンセイたちはやったんですかねー。ここに、「イベルメクチン」という薬の名前を書き記します。ご存じなら良かった。初耳でしたら、どうぞ検索されてみてください。あなたさまに有益な情報に巡り合えましたら、望外の幸せです。どうぞ子どもさんへの接種は慎重にも慎重に。

 

「閻魔さまー、こちらですこちらですっ」

「よし、ご苦労であった。先ずお前(私のことです)から見るとするか」 ドキッ。

 *閻魔さまがどんな顔をしているかわからない、という方は、どうぞずっと前の記事、「完全チョー悪」をご覧になってください。

 

 

 

 


11月も残すところあと一日

2021-11-29 | 日記

 今日は良い天気でした。明日もう一日は、何とか持つという予報です。予報通りの一日となってほしい。そんなことを思う夜です。

 

 ずいぶん早い時間から、南の空低く、一番星が輝いています。そして二番星、三番星…。ほとんど雲が無かったのに、いつの間にか増えていました。その隙間にたくさんの星が見えます。

 

 明後日12月1日からは、恒例の「冬の郵便配達」です。冬の仕事確保のため、そして安心の卵を食べたいという思いで、就農して間もなく、鶏の平飼いを始めました。15年近く続け、思うところがあって止めました。

 それから「冬の郵便配達」に携わり、25年くらいはやった気がします。「恒例の」が、いつの頃からか「高齢の」になりました。愛バ「トシナンテ」と、人バ一体の毎日となります。どんなふうな冬となるかは、今シーズンの雪の降り方しだい。当地は積雪の多い地域なのですが、ほどほどの積雪であってほしいと、いつも思います。

 

 精米や発送の準備は、夜の作業となります。12月から2月いっぱい、ご注文の翌々日発送となるのは、こんな理由からです。