この冬は京阪奈丘陵の小水系を探訪しようと決めていますが、このたび京田辺市の最奥部高船を訪ねてきました。
学研北生駒駅からバスで高山に入り、高山溜池から奈良県最北部を経由して京田辺市高船に入り、川沿いに近鉄三山木駅まで降りるというコースで行きました。
京田辺市の最奥部には東畑、高船、天王などの集落があります。いずれも山腹にできた集落ですが、東畑で湧水を見たことからこれらの集落は湧水を中心に開けた集落ではないかいう仮説をたてました。
まずはほかの集落にも湧水があるかどうかですが、今回高船を訪ね、見つけました!東畑では背後にやや高い山を控え、すぐ上にお寺があったことから、今回も同じようなパターンでみつかるのではないかと考えて探したところ、やはり神社のすぐ下でそれらしきものをみつけました。
使われなくなって久しい感じで、かなり荒れていますが、写真のように奥に湧水がたまりやすいように石組が作られています。水は花崗岩から滲み出しているようです。
京阪奈丘陵の京都側は小河川がいくつもありますが、これらの水系の出発点はこうした湧水なんだと思います。花崗岩をくぐった水ですから水質は良く、かなり下ったところでもカワニナを見ることができました。
京阪奈丘陵を東にくだると木津川です。これは確認が必要ですが、木津川には農業用水の井関がみあたりません。だからカワラバッタのような砂礫河原特有の絶滅危惧種もすんでいるのでしょう。
丘陵から下の田園のためには丘陵の出口付近に大きな池が作られています。つまり京阪奈丘陵とその下流の田園で使う水は京阪奈丘陵の湧水や雨水ということになると考えられます。あまり大量の水ではないので水は徹底的に使われることになるでしょう。
きょうは、上流部でタシギやイタチを見ることができましたが、下流部では魚が少ないのかサギなどはあまりたくさん見かけることができませんでしたが、ケリ(下の写真)は2回ほど見ることができました。こうした生物相のありようは当然水系の水利用と関わっていると考えています。