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礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

アイモ、葵部落、赤電話、蟻の街、アンギラス

2013-09-27 03:48:04 | 日記

◎アイモ、葵、赤電話、蟻の街、アンギラス

 先日、神保町の古書店で、荒垣秀雄編『現代用語辞典』(河出新書、一九五六)という本を買い求めた。当時の定価は一〇〇円、古書店での売価も一〇〇円だった。
 昭和三〇年ころに使われた言葉で、すでに「死語」になっているものが、たくさん載っている。
 本日は、そのうちのいくつかを紹介してみる。

アイモ Eyemo 米国のベル・ハウス会社製の三十五ミリ映画の手さげ式撮影機。ニュース映画の九十パーセントは、これを使用して撮影されるとされる。
 東京は上野の山、国鉄鶯谷駅より日暮里駅に至る崖上に分布するバタヤ。地所が徳川氏の霊廟のある寛永寺所持のものであるためにこの名前が出来た。蟻の町のような共同社会と異り、民の転入移動は自由であり、従って犯罪者の隠れ家となる。バタヤばかりでなく、食堂、飲屋〈ノミヤ〉、宿屋などもできている。
赤電話 電々公社がボックス式公衆電話の料金回収がわるいため考えた委託公衆電話。タバコ屋や喫茶店の店頭に見かける赤く塗られた電話。一回十円の通話料のうち、三円の手数料を店がもらえるので、いまではボックス公衆電話をしのぐ勢いである。公社ではさらにこの赤電話を設けている店に、電報取扱い制度を設けて「託送電報」制をはじめている。
蟻の街 東京の隅田公園にある集団バタヤ。その生活の零細な点、正直でまっくろに日に焼けながら営々と仕事にはげむ点、集団生活を営んでいる点などから蟻の街の名称がうまれた。指導者は故松井松翁の長男桃楼〈トウロウ〉氏で「悪いことはしません」という誓約で仲間に入れ、現在約四十世帯、百余人が暮している。にはキリスト教の礼拝堂や共同浴場及び蟻の銀行などがあり、教育機関として「バタヤ大学」も開かれている。
アンギラス ゴジラ映画(クジラでもないゴリラでもないという怪物が登場する東宝映画、昭和二十九年)の第二作として作られた「ゴジラの逆襲」に出てくる怪物。太古、地球上に存在したという恐竜の一種が、昭和三十年の東京に現れて大あばれする。

* 「バタヤ」というのは、今の言葉でいう廃品回収業です(10月3日追記)。

 

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1 コメント

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Unknown ( 金子)
2013-10-02 18:14:39
 バタヤとは何ですか?
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