先制されても負けなかった。
そこに、今季のアルビレックス新潟の強さがある。
サッカーJ2リーグ第39節、アルビレックス新潟は、アウェイでモンテディオ山形との対戦。
今週は、条件付きでアルビレックス新潟のJ1昇格が決まるということもあって、ローカルテレビ各局へでは、今週はチームの特別な特集を組んだりするなど、報道の量が多くなった。それは、ネットでも同じでJ2の優勝・昇格の行方、などの類のYOUTUBE番組も散見された。
その条件は、次の①かつ②
①首位新潟が10/1の山形戦に勝利
②3位岡山が10/2の金沢戦で引き分け以下
一刻も早いJ1昇格決定を願うのは、サポーター心理。
今日の山形戦で勝利して、明日の金沢―岡山戦で金沢の健闘を期待したいところ。
だから、まずはこの一戦必勝だ。
バチバチの好試合が予想されたこの一戦だが、松橋監督は、センターバックに最近出場の少ない早川と田上を起用した。
これは、松橋監督の「誰が出てもそん色ない」という主張を裏付ける起用だった。
でも、大丈夫か?
先日フル出場した千葉はベンチ。
国外でオーストラリア代表として試合をしてきたトーマス・デンはまだ疲れが取れないだろうけれど、舞行龍はどうした?
ちょっと不安だった。
立ち上がりは互角だったが、1,2度新潟が攻勢に出た。
さあこれから、と思っていたら、山形のプレッシャーがきつくて、なかなかゴール前にボールを運べない。
新潟が蹴り出したセカンドボールも、山形に吸収される。
悪い循環の試合だなあと思っていたら、案の定、度重なるチャンスとなった山形が、34分、ボールをつないで、警戒していたFWディサロに決められてしまった。
そのまま前半終了。
DAZNのスタッツを見ると、
ボール支配率は上回っているものの、なんと、山形のシュート5本に対し、新潟は1本のみ。
こんな試合は、今季ここまでなかった。
間違いなく大苦戦。
さて、後半、どう巻き返すか?
松橋監督の采配が見ものと思っていたら、選手交代で打開を図ってきた。
FWを谷口に、左MFを小見にして、より相手を追ったり前に走ったりと汗をかける選手を前線に送り込んだ。
これによって、少々変化が起こってきた。
新潟の攻めが勝ってきたのだ。
さらに、ボランチに秋山に代えて星を入れ、その後攻撃の中心だった伊藤に代え松田を。
伊藤の代わりは、20歳になったばかりの一番若い三戸。
彼にトップ下を務めさせた。
それでもゴールは生まれず、まずいぞと思い始めた85分、前節の決勝点のように細かいパスをいくつもつないで、最後に決めたのは、谷口。
パスを受けて、ゴールの場所を確認しなくとも、自らの感覚を信じて放つと、ボールは転がってネットを揺らした。
すごい、これがストライカーの感覚というものか。
(試合後のインタビューでは、勝利できなかったので、谷口は少しもうれしくなさそうだった)
この後は、残り少ない時間ながら、新潟の方が惜しいチャンスが多かった。
だが勝ち越しの1点は生まれず、1-1のドローに終わった。
試合終了後のスタッツを見ると、前半終了時とはえらい違いを見せている。
後半は、山形のシュートを1本に抑え、新潟は9本放ち、そのうち8本は枠内だ。
本来の新潟の攻撃サッカーを思い出したように見えた。
苦しい試合をしいられながらも、自分たちを信じてボールを追いかけ、同点に追いついたのはさすが首位のチームだ。
勝つに越したことはないのだが、簡単には負けないで前進する。
それができることに、底力を見る思いがする。
頼もしいなあ。
これで、勝ち点1を追加して、2位横浜FCの試合如何にかかわらず首位を堅持したと言える。
次節は、ホームに仙台を迎えて戦う新潟。
これこそが、J1昇格決定試合となることだろう。
一部声出し応援も可能な試合であり、相当な勢いチケットも売れているようだ。
さあ、次の試合、いよいよだ。
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