想憲美茶

くだらないですよ、ホントに。

酔っ払い

2010-06-04 23:08:29 | ロバの耳
午後の診察待合廊下は、
午前中の受診待ちの人の多さやスタッフのせわしなさ(笑)がウソのように
ひっそりと落ち着きを取り戻し、
患者さんも疎らになる。

だから余計に目に留まる。

待合いソファーに横たわる男性。
直感で、具合いが悪い訳ではなさそう、と思った。
だって、靴脱いで、大の字で寝てるんだもん…。

人は少ないからひとまず静観しようと、
なんとなくスタッフ間での暗黙の了解。

カルテがまわってきて、問診表の記入不備があったので、名前を呼ぶ。
酔っ払いは無反応。
あ、あの人じゃないのね…。
と時間をおくことにした。

少し経つといきなり怒鳴り声。
何事?と思い、廊下に出ると酔っ払いが怒鳴っている。
捕まっちゃった(笑)Iちゃん、スマン…。

話によると酔っ払い(Aさんとしよう)の受付番号は2番。
どうやらいきなり内科の表示が3番に飛んもんだからご立腹した様子。

あれ?さっきの問診不備、2番だったような…。
もしかして外科?(あ、こちらは外科ね)

更に少し経って、別件で廊下に出ると
Aさん、今度はちゃんと外科の診察室に向きを変えて寝転んでいる(笑)
あら、やっぱり外科だったか。
でも、すぐ診察になりそうだから、問診はそのままとした。

程なく医師登場。
無事に診察を終える。
(特に問題なく、あっさり終了。だって転んだのか、顔の擦り傷だけだから。

あとは正面の会計前で待つよう伝える。
「ハイ。」とAさん。

だがしかし、診察室を出たAさんはまたソファーに寝転んでいるではないか。
私は思わず、「あれっ?!」と言ってしまう。
するとAさんは、
「胸が痛い時があるから、心電図とって貰おうと思って…。」
と話始める。

先程診察した医師に、その旨を伝えると
「それは内科だね。本当に申し訳ないけど…。
(酔っ払いと、気付いているから)」

私は内科へカルテを届ける。
そして、Aさんに伝えに行く。
「内科領域なので、今度は内科で診察します。
でも、さっきは外科の受付番号(2番)で、内科の受付番号は無いので、
番号表示はされないですからね。」
Aさん「じゃ、どうなるの?(そりゃ、そうだ。)」
私「直接、お名前でお呼びします。」
Aさん「ふーん。」とすんなり納得。

ふーっ。任務終了…。


酔っ払いが来院しちゃいけない決まりはないけれど、
ぶっちゃけ、いい印象がない(自業自得の部分があるので)医療業界。

気をつけてね~。