イスラエルでの暮らし

イスラエルでの暮らしなど、紹介します。そして今現在の生活で感じたことなど

「八日目の蝉」を読み終えて

2011年05月28日 22時24分48秒 | Weblog
僕の場合、小説を読んでいて徐々にのめりこんでいくと

できる限りのスピードで読もうとするのですね。

でも、目で追うスピードとその目で追った文字を理解する

スピードには自ずと限界があるので、そのぎりぎりのところを

せめぎ合いながら、更には、少し飛ばしてでも先を読みたいという欲求と

一文字でも見逃したくないというジレンマにじりじりと耐えながら

もう、無我夢中で小説の中に入り込んでいくという感じなのです。

だからね、最後まで読みきるのがもったいない、とかぬかしいる輩を

見るとですね、この嘘つきが、と思ってしまうのです。

映画を見ていて、最後のクライマックスは今度の楽しみに取っておこう

なんて誰も思わないように、

小説を読んでいても、のめり込めばのめり込むほど、

読み終えるのがもったいない、なんて感情はわいてこないと思うのです。

「八日目の蝉」を久しぶりにこんな調子で一気に読みきりました。

なぜ今になってしまったのか。

それはですね、

心にずしっとのしかかってきそうな小説を読む場合は、それなりの心の準備が

必要だからです。

だから簡単には読み出せない。

読み進めるうちに投げかけられるであろう重たい感情を受け止めなければ

ならないのですからね。

ひとつ言える事。

それは、この歳になっても小説を読める自分であってよかったな、ということです。