俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『翡翠(かわせみ)』

2009-10-25 09:23:06 | Weblog
国道296号線と直交する小さな川の橋のたもとに、いつも人だかりがしているのです。

オッサンもいれば、お兄さんもいる。おじいさんだっておばあさんだっています。
二三人の時もあれば、十数人の時もあります。
いつ通っても人だかりがしているのです。

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ある時、橋の上で川面を覗いていた女子高生に聞いてみた。
「カワセミがいるんです」との答え。

となりで覗き込むが見当たらない、「ん?・・・」
「いえ、今はいません、散歩中です。けど、時々廻って来るんです。一時間に一回ぐらい・・・」
それをみんなで待っているのでした。

携帯電話のカメラを構える人、中にはデッカイ望遠レンズのカメラを持った人や三脚を据え付けてパイプ椅子にどっかと座ってタバコをくゆらせているプロカメラマンもどきの人もいます。

いくらリタイヤ組みのワルポンでも、そんな暇人じゃあござんせん。
早々に退散しました。

       ☆       ☆       ☆       ☆

ところが、こないだ所用で通りかかったら、カメラを持った集団が必死にシャッターを押しているじゃないですか!
これは、カワセミだ! 近くのコンビニに車を停めて、積んであったカメラを引っさげて現場へ急行したのです。

先客のカメラレンズの先を眼で追うと、いるじゃないですか、細い枝に留まったカワセミが・・・

すぐさま18-200のズームレンズを目いっぱい伸ばして覗き込みましたが、距離が離れすぎていて写真にするのは無理な距離。

急いで橋を渡り堤防の上を近づいて、シャッターを切りました。
それがこの写真です。


これでは絵柄が小さ過ぎる。
でも、これ以上被写体に近づけない。
もし、もっと近づいてカワセミが飛び去ったら、先客のカメラマン達の総ブーイングを浴びそうです。

小心者としては仕方なく、しばらくじっと眺めていると、突然、カワセミはまるで真っ逆さまに落下するより速く真下の水面に飛び込んだのです。と、思った次の瞬間、すぐさま元の枝先に飛び戻ったのでした。

正に、一瞬のことでシャッターなど押す間もありません。第一そんな素早い運動神経を持ち合わせていません。

でも、今度飛び込んだら撮ってやろうと構えていると・・・、飛んだんです。
川下へ一直線、目にも止まらぬ速さで、ほんの一瞬で飛び去ったのです。
その一瞬を捉えたのがこの写真です。


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どうです、ワルポンの“早わざ”がお判りでしょうか?
あまりの速さで被写体がボケていますが、そのぐらいの早さだったのです。


「何ぃ?」手振れでボケた写真だとおっしゃるんですか?