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俺はワルポンだっ!

ちょいワルおやじを卒業したワルポンの斜め下から見た現代社会

『夏が過ぎ』

2007-09-03 22:01:22 | Weblog
成田空港の第2ビル出発に人を送って、未だ陽が高かったので海を見に行くことにした。


空港のある成田は人工の空間であり、そこから多古米で有名な多古町に入ると急に田園風景が広がる。千葉県は北海道に次ぐ農業県と聞いてはいたが、実感である。
黄金色に輝き、たわわに実った稲穂が頭を垂れ早稲とは思うけれど、コンバインがそこかしこでもぞもぞ動き回り、もうすでに稲刈りが始まっていた。

古き町並みの横芝光町を抜け、開けた田んぼが続く平野をしばらく車で駆けると、九十九里浜自然公園である蓮沼海岸の殿下海水浴場に出た。

緑の松林を抜けると白い浜辺に碧い海、陽射しはまぶしく照ってはいたが、わたる風はさわやかに吹き抜けて、清々しい秋晴れの青い空には、草原に放たれた羊の群れたちのような、ふんわりした白い雲がほんわかふわふわのんびりと浮かんでいた。
本当の空がそこにはあった。

浜辺では行く夏を惜しむかのように若者たちが西瓜割りに興じていたり、他の数人の男女は寒くないのか水着姿で泳いでいた。

夏の海水浴客たちでごった返していたであろういくつかの浜茶屋は解体作業中であった。
多分、「かき氷5個!ラーメン3っつ!サイダー2本!ビール1本!イカ焼き1つ!」などと威勢よく注文取っていた店の経営者だったと思われるごっつい身体のワルポンに似たおやじさんと太ったおばちゃんが柱や梁の材木を,ただ黙々と次から次と外しては片付けていた。
行く夏の名残惜しさとさみしさを感じさせ、感傷的な光景だ。


遠浅の海は穏やかで、ゆるゆると寄せては返す白波はゆったりのんびり砂浜を往ったり来たりのぼりおり。
千恵子はサンダルのまま波打ち際に・・・、寄せては返す波と戯れ子供のよう。
遊びつかれて突然の高波にのまれて水浸し。
冷たい海水が気持ち好いという。

のんびりと夕焼けがやって来た。

こんなゆったりとした時の流れも、また、いいかぁ!

夏が過ぎ、秋が来て、時の移ろいに身を委ね、流されて・・・。