オーストラリアに住んでみれば

南国暮らしに憧れて、住み始めたオーストラリア。
住んで、暮らして、初めて分かる、色々な体験談をお披露目します。

オーストラリア トップガン

2021-05-08 11:25:40 | 日記

コロナが発生して以来、海外とも縁薄くなりがちな今日この頃、

ああ、帰れないとなると、余計に、なんだか日本に無性に帰りたくなるのよね、、、

と空を見上げると、、、

ここ、オーストラリアでは、沖縄に住んでいた頃でさえ見なかった、Tom Cat と言う戦闘機が、時々、

海の上を飛んで行きます。

Tom Cat と言うのは、トムスクルーズのヒット作、Top Gun に出てくる、あの戦闘機の事です。

キューンーーーーーーーー! という

けたたましい音がしたかと思うと、もうそこには何もなくて、遥か向こう側に、それらしいのが飛んで行くのが見えます。

と、いう事で

今日は、その トップガンを撮影する時に、協力したパイロットの方のお話を聞く機会があったので、

シェアさせていただきます。

そこでまず、TomCatに乗るようになるまでの道のり、を聞いてみました。

 

まずは、空軍の中から、試験に応募できる人を選ぶ為の一般教養試験があって、

これは、読解力、文章力、微分、積分、機械学、電気学で、試験問題が80%以上できていないと落ち、

殆どの人が落ちるそうです。

......私は、微分とか積分とか、知りませんが、それでも、それなりの親分さんに知り合いはいるので

これは何とかなります。

更にその中から、2次試験は航空適正テストで、これは、航法、航空推進の原理、緊急時対応力、で、

90%以上出来なかったら落ちるので、ここでの合格者は、一般教養試験合格者の中の、更に2%ていどになるそうです。

....2月は、子供の誕生月ですから、大丈夫です。

 

両方の試験に合格できた人は、次に、厳しい身体検査があります。

血液検査、視力検査とか、、、、私はババですが、裸眼です。

そして

それが終わって、体力テストがあります。

それは、2マイル (3.2km)を12分以内、腕立て50回、懸垂50回、腹筋50回、全部合わせて30分以内...

これだけなら、、、まあ、いけるよね?!????????....

 

これが終わったら、素行調査。

なんと、、、かの FBIが、子供のころからのご近所、学校の先生、友達など、

人生に関わて来た人すべてに、犯罪歴が無いかは勿論、性格で悪い所は無かったか、とか、

問題は起こしていないか、とか、学校はさぼって無かったか、とか、嘘つきではなかったか、とか、

暴力をふるったりする人ではなかったか、とか…

良い性格、と言うのも含めて聞きまくってもらえるそうですが、、、

ロクなことしてきてない自信はあるし、FBIにこられては、あきらめざるを得ません!

 

ここで、3人の専門家からの推薦状と一緒に、全ての成績を役員会に持って行き、そこで投票で選ばれた人が、

晴れて、航空士官候補学校に行くことができます。

学校では、各生徒は、士官になるためのリーダーシップを身に着けるために、

朝4時半から、長距離走、プッシュアップ、腹筋、懸垂、障害のある道を行く練習、

立ち泳ぎ(どこにも触らないでないで数時間) それが終わったら、航空力学、航空学、通信、

クロスオーダードリルズ(部隊の行進)、マーチング、気を付け、拳銃を使う練習、と資格を貰います。

 

卒業と同時に、ネイビーの士官として契約します。

成績優秀で卒業した人は、今度は普通の航空学校に行って、ジェットの操縦訓練を受け、

そこで、ジェットを操縦する資格を貰って、そこから又、色々とスペシャルなトレーニングがあります。

 

例えば、ウィンタートレーニング。

ケガをしたか、Give up を知らせる為のラジオと、ナイフ一つ渡されて、雪の山中に落とされます。

その中で、誰にも見つからない様に6日間、生き延びるのですが、

雪の中に、穴を掘って眠り、魚を取って食べたそうです。

春先には、オーシャントレーニング、と言うのがあって、

自分たちの大きな荷物と共に海に落とされ、6時間、飲まず食わずで泳ぎながら耐えます。

パンツと靴を脱いで、靴は濡れないように肩にのせ、パンツは、、、浮きにします。

どうやってするの???

” 両裾を縛って、中に空気を入れたら、10分は持つので、10分したら又、空気を入れて、、、を、繰り返す、と

  体力が消耗するのを防ぐことができる”  そうです。

 

サメがいたら、戦わなければいけないそうで、、、戦い方も、訓練済みだそうです。

オットセイが居なければ、サメはまずいないそうですが、、、、

私はサメは嫌いです。

何がどうなのか聞くと、とにかく、”寒い!” そうです、、、そうですよね~。まだ海水浴はまだ程遠い初春。

ご親切にも、試験官の人が、暖かいコーヒーを飲みながら、

”諦めて、上がってきて、暖まらないか?”

と聞きに来てくれます。

彼はここで、諦めることを許さない精神、を学んだそうです。

 

こうして、晴れて揚々と入学してきても、30%くらいは、去るそうです。

さて、

Tom Catを操縦するのには、向いている体型と言うのがあって、背が高すぎてもダメだし、低くても細すぎても、

太すぎてもダメで、その中から、注意深く選ばれた人が、訓練に入ります。

重力に耐える訓練があるそうで、 

” 計器を見る為に、顔をこうやって上げてないといけないんだ”

顔をあげてるのが、大変だそうです。

かのトム・クルーズ御一行が、映画撮影の為にやってきたことがあるそうですが、

”彼女を連れて、TomCatに来ないように” と言ったのに、皆、彼女や、ワイフを連れて、和気あいあいと、いらして、

実際に1回乗ったトムクールーズを見て、たちまち、その意味がわかったそうです。

”今でも運転できる?”

 

”あれは、体力的にもう無理だから、若い人にやってもらってる”

とのことでした。

かかる重力とか、目に入る紫外線とか、体力的にもかなり負担がかかるし、

飛ぶのは簡単だけれど、着陸はものすごく難しい、、、ので、もう、

契約更新しなかったそうです。

 

彼が、士官として配属された、軍の最高官が、新しい人に変わる式に出た時、

恒例で、士官は皆、順番に、最高官に、質問する権利を与えられます。

そこで、彼の番が来た時、

” サー! 私がエアバスで働くようになったら、きっと彼らの長官の戦法に刺激されると思うのですが、

 最高官は、どんな方法で彼らを、かわされますか?”

と聞いたら、なんと、最高官が答えられなかったのです。

そこで騒ぎになり、直ちに彼は、別室に連れて行かれました。

答えられないような質問を上官にしてはいけないことになっていたのです。

” お前は問題を起こしてくれた”

皆にさんざん叱られ、その質問を撤回しろ、と言われ、そのあと、別の所に連れて行かれ、

”言ったことを撤回して無かったことにするか?”

と聞かれました。

彼は、さんざん考えたけれど、もう、どうせクビになるだろうし、

もう、いいと思って、

”いえ、撤回しません。最高官は、この質問に答えられなければいけなかったと思います”

と言ったそうです。

彼は一人、部屋に残され、しばらくして、最高官の部屋に呼ばれました。

”ああ、今日で終わりだ。親にもなんて言おう ” と思って行ったら、

”お前は今日から、副最高官について、質問の答えを考える役目として働きなさい”

と言われ、そこで働くことになったそうです。

そしてそこでは、実にいろいろなことを学んだそうです。

 

例えば、どんなこと学んだの?

 

1.新しい決め事は、事前に必ずシステムと人に与える影響を試行して、確認してから行う

2.何事も、1回で必ず成功させてやるように訓練する。何事も一度失敗すると、3倍のコストがかかる。

3.マネージメントとうのは、リーダーシップのことで、皆が分かっていることを、” やれ” と、いう事ではない

4.人の言う事を聞け。特に不満を持っている人の言う事を聞いていないと、その人が10人の人を連れ去ってしまう。

5.やった事の質は、そこには表れない、が、周りの評価として現れる

6.リーダーとして、低いレベルの期待をかけると、低いことしか達成されない。高い期待をかけなければいけない。  

などなど、だそうです。

 

戦争の時、日本の若者たちの一人一人が、死ぬ思いで、苦しい訓練に耐え、そして

そういう日本人の強さは、今でも生きていて、日本を強い国にしているんだと思うんだけれど、

アメリカの若者たちだって、苦しい訓練に耐えて、国のために頑張ろうと思ってるんだな、と。

そして、その強さが、アメリカを支えているんだろうな、と、思ったので、シェアさせていただきました。

貴方は、どう思われるでしょうか?

 

 

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿