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育鵬社採択、四条畷市、東大阪市。メディアは採択の実相を伝えてこそ存在意義。

2024-04-12 22:57:16 | おおさか維新の会

 2016年度から使用する中学校教科書の採択が終わった。安倍内閣が日本の政治体制を改悪する「安保法制」審議を参議院で続けているのと連動して、安倍内閣の別働隊である「つくる会」系の育鵬社がその採択増加を狙う運動が行われてきた。新聞も採択結果を伝えてきた。その取り上げ方には、新聞が何を問題と考えているかという視点が表れているが、私の求めている視点とはズレている。おそらく同様な気持ちを抱いている読者がいるのではないかと思う。それは、新聞の記事は大筋の「結果の報告」でしかないからだ。もちろんそれは必要であるが、そのいきさつをもっと詳しく取り上げるべきだと思う。なぜならその情報を知る事によって、読者は単純に結論を出してしまわず、深く考え分析し洞察し理解し判断をする事ができるからである。新聞は読者の能力を軽く見ている表れではないかともいえる。

 さて、「グループZAZA」の傍聴報告(四条畷市、東大阪市)を簡単に紹介します。

 「四条畷市」教育委員会は7月29日に採択されたが、歴史・公民ともに育鵬社が採択された。国語から採択を始めたが、教育長が発言したのは歴史の時が初めてで、それも「歴史の教科書に育鵬社がふさわしい」と。それに合わせて賛成委員が、「育鵬社を推薦する。公民と連携で」と発言。その他の委員は他の教科書を推薦した。

 委員長は「学校現場で観点の異なる育鵬社を教える事は非常に難しいと思う。今まで他市も使っていない教科書を使うとなると考え方をしっかり持たないと、中学生に歴史的事実を色んな観点で教えるには、教える側の主体も、相当しっかり教えてもらわないといけない。これが良いとは言えないが、私の感想です」と。他の委員からの発言はなく、東京書籍と育鵬社に絞り込んだ。

 賛成委員が「育鵬社は郷土学習という観点から、楠正成が取り上げられ、公民とのバランスで推薦する」とダメ押しの発言。育鵬社に決まりかけたところで賛成委員が5分の休憩動議を出し、再開後、育鵬社に「強い意見」という事で採択された。

 公民は教育長が4点について育鵬社を推薦。先ほどの賛成委員が「歴史とリンクしているから育鵬社が良い」と賛成発言。委員長は「現行東書が分かりやすく、育鵬社か東書になるが意見は?」に対して意見はなし。沈黙のまま育鵬社を採択した。

 「東大阪市」教育委員会(野田義和市長。5期目は「おおさか維新」公認)は7月27日に公民で育鵬社を採択した。「選定委員会答申一覧」(傍聴者にも会議録配布)には地理、歴史、公民とも育鵬社以外の3社が選定されていた(が、前回に引き続き育鵬社を採択した。

 13時30分開始。教育次長の経過報告の中で「保護者(選定委員会の中の保護者代表)の意見反映のため、調査の結果現在使用の教科書を使用してほしい」との意見があったと補足し、それが現在の公民、歴史には含まれていないと説明。選定委員会には日本会議東大阪支部の関係者が入っているが、その人物の主張は選定委員会では受け入れられず、答申には入らなかった。(2011年の時は、無理矢理選定委員会答申に育鵬社を入れ教育委員会が採択した)。

 国語から始め、曖昧で採決もしない採択決定方法で各教科5分も費やさなかった。地理は帝國書院から東京書籍へ、歴史は東京書籍から教育出版へ採択(地理・歴史は現行と違う教科書を採択)。公民では、酒井委員(前回育鵬社を推薦)が「現行育鵬社と東京書籍に差はない、差がないなら現行の方が良い、変える必要はない」と。神足委員は「多角的多面的に考える分野において甲乙つけがたい、決められない、どの教科書でも良い」と責任放棄。堤委員は「それぞれ現代社会のしくみ課題を偏りなく書いている、突出して記述に彩色あるのを判断すると現行でも良い」と。教育長(前回育鵬社を推薦)は「生徒たちの興味関心を引く細かい工夫がされている、総合的に判断して教育出版が良い」と。

 乾教育委員長が神足委員に再度どれかを問いかけると「現行でもかまいませんが、他のでも」と。乾教育委員長が「私も現行で良いと思うが、教育長いかがですか」と問いかけると、教育長は「先ほど申し上げた通り」と。

 乾教育委員長が神足委員に再度「現行で良いか」と確認後、「それでは現行通りでいきます」と。この間で、育鵬社の採択理由の説明は一切なし。傍聴者の怒りの抗議の中、平然と15時には15の教科書すべての採択を終えた。傍聴者は「クーデター的やり方。文科省が通知した“選定委員会の絞り込みに縛られず、教育委員会議で決定”を忠実に実行した」と報告。

 これが教育委員会議による「教科書採択」の実相である。現在の新聞報道と比較してみてください。新聞報道以上の、また、比べ物にならないほど色々な事への考えが深まり広まります。真に物事への理解に迫る事ができます。現在の新聞報道(マスメディア)がいかに私たちの思考を操作しているかに気が付きます。

 次回は「大阪市の教科書採択」を紹介します。「大阪維新の会」も自民党、公明党などに劣らず狡猾で陰謀術数に秀でた連中です。

(2015年8月31日投稿)

 


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