2020年12月25日、安倍晋三前首相は「桜を見る会」前日開催の「夕食会」費用補填問題で、衆参両院の議員運営委員会に自ら求めて出席し「弁明」し「謝罪」したとの事。そして、「弁明」後の記者会見で「説明責任を果たせた」と胸を張ったとの事。
しかし、事務所の関与について調査もしておらず、明細書についても確認していない。また、収支について政治資金収支報告書に記載しなかった理由も明らかにしていないなど、まったく誠実さが見られない発言や態度であった。これで「説明責任を果たせた」といえるはずがないであろう。
また、今年の2月17日の衆院予算委において、安倍氏が「私がここで総理として答弁するという事については、全ての発言が責任を伴う」とした上で、「ホテル側から見積書などの発行はなかった。明細書について、ホテル側は『営業秘密』のため開示できない」と述べた。それに対し小川淳也氏(当時無所属)が、ホテル側から見積書や明細書などを主催者側に例外なく発行するとの回答を書面で得たうえで、安倍氏に、総理の事務所からホテルに照会し、書面で回答をもらうよう要請すると、安倍氏は「私がここで話しているのがまさに真実です。いい加減にやっているんだと決めつけるのであれば、もうコミュニケーションが皆さんとは成り立たない。信用できないという事であれば、予算委員会は成立しない。私が嘘をついているというのであれば、嘘をついているという事を説明するのはそちらで側ではないのか」と強弁していたのである。これほど傲慢無礼な発言や態度は常識では考えられない事である。謝罪をするという事は、許しを請うという事である。このような傲慢無礼な発言を浴びせた安倍氏が、浴びせられた相手の許しを請うためにはどうするべきなのか。それは相手の納得のいくように相手の意思に沿って誠意をもってありのままを説明する以外にありえないだろう。
(2020年12月27日投稿)