好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス 交響曲第1番 セーゲルスタム/トゥルクフィル

2021-05-09 09:34:23 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…セーゲルスタム 
演奏…トゥルクフィル
好み度…4(5点満点)

終楽章のゆったりめのテンポなんか悪くないと思うし、鳴らし方なんかもやっていることは悪くないと思うし、オケも特にうまくないかといえばそういうわけでもないし、ボリュームを上げればちゃんと音も出ているのだが、何だか迫力というか緊張感というか質量感というか雰囲気というか、あるいはそれら全部といおうか、そういったものが感じられない。
だいぶ前の録音のブラ2が結構よかったので、洗練は期待しないにせよ重厚なあるいは何か特別な雰囲気を持ったブラ1が聴けるかと思って聴いてみたが、ちょっと何となく終わっちゃう感じかな。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 ミケランジェリ/チェリビダッケ/スウェーデン放送響

2021-05-09 09:31:24 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…ミケランジェリ
指揮…チェリビダッケ
演奏…スウェーデン放送響
好み度…5(5点満点)

名演として名高い盤のようだが、何せミケランジェリのピアノがダイナミックだし美しい。力強くダイナミックでしかし音は少しの濁りもなく突き抜けるようであり、大きくダイナミックな響きの中にも一音一音は明確な美しさを持って響いている。
ミケランジェリと言えば気難しい完全主義者との文を見かけるがここではむしろ他の盤にはないくらいほとばしる精気を感じそれがダイナミックさや美しさに昇華されているようで圧巻。
オケも良くも悪くもチェリ節はそんなに発揮されていないが活き活きとした躍動感ある響きで十分爽快に協奏している。ただ、それでも個人的な印象としてはミケランジェリを聴く盤との印象が強い。
ミケランジェリは最初から最後まで圧巻だが弱音部でも明晰に、特に音の大きさもあまり絞っていないので、それが美しく効を奏しているときもあるが、第2楽章でのうっとりするような情感を期待するならちょっとタイプはちがうかもしれない。
10年後のジュリーニとの録音と比べると、録音の関係もあるのかもしれないが、華やかさと躍動感漲るダイナミックさが際立つ。
力強い躍動感と美しさあふれる、「圧巻」の語が似合う、名演。
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ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」 タックウェル/ロンドン響

2021-05-02 12:02:09 | ドヴォルザーク 交響曲第9番 新世界より
ドヴォルザーク 
交響曲第9番「新世界より」

指揮…タックウェル 
演奏…ロンドン響
好み度…4(5点満点)

厚みはあるが、柔らかく、優しい新世界である。
音は緊張感を感じさせたり居丈高に圧倒してくるようなことはない。
旋律は美しく謳われ、強調されることはないが丁寧にいろんな音も練りこまれていたりする。
包み込むような柔らかさをもちながら柔らかいスケール感も感じさせる。
タックウェルは有名なホルン奏者とのことだが、普通の指揮者の演奏に並ぼうとするのでなく、独自の空気をつくろうとしているかのようである。
第2楽章等もゆったり謳う旋律とロンドン響の弦の響きはなかなか美しい。
典型的な新世界とはちがうように思うし、郷愁とかはあまり感じさせないし、深みとかはちょっと足らないかもしれないが、聴き心地のよい、しかし表層的な印象もない丁寧で美しい新世界のように思う。
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ブラームス 交響曲第1番 マッケラス/スコットランド室内管弦楽団

2021-05-02 11:52:53 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…マッケラス 
演奏…スコットランド室内管弦楽団 
好み度…4(5点満点)

ブラ1から重みとか圧倒感とかをトルとこういう感じになるのかな、という感じ。
上質だしそれなりの厚みもある洗練された美しい響きと思うが、個人的にはちょっとブラ1のイメージではないかな、との感を受ける。
(上の感想書いてだいぶ経って)この記事投稿しようと思いオケの名前調べて初めて気づいたけど室内管弦楽団だったんだすね。普通のフルオケと思って聴いてても違和感なかったけど。ついでにネットでの評見たら結構絶賛に近い評価みたいでした。高評価もさもありなん、と思うし、どんなブラ1を聴きたいか、にもよるんでしょうね。
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ブラームス 交響曲第2番 フォンク/オランダ放送響

2021-05-02 11:26:08 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス
交響曲第2番

指揮…フォンク 
演奏…オランダ放送響 
好み度…4(5点満点)

静かで穏やかなブラ2。ゆったり構えたテンポの中、どこまでも穏やかで優しい響き。金管も尖らずどこまでも響きの中に溶け込んでいる。
録音は綺麗だが、特別な美音や聴かせどころ、あるいは新鮮味などは感じられず、特にどうという演奏でもない、といえばそうだろうし、ひらすらに包まれるように穏やかなところが魅力といえばそうかもしれない。
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ブラームス ピアノ協奏曲第1番 アラウ/ハイティンク/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2021-05-01 22:23:55 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…アラウ 
指揮…ハイティンク 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管
好み度…5(5点満点)

これはいいですね。
オケの響きはこのコンビらしくしっとり感を帯びた艶を感じさせて大きく美しく、そしていつになく陰を感じさせるような重厚感を帯びて一流の凄さを感じる。
ハイティンクは私の好み的には交響曲ではあまりぴんとこないが、アシュケナージとのラフマニノフとか、協奏曲でのオケとしては信頼できる印象はあり、ここでの演奏は予想以上の上々である。ハイティンクというよりオケによるところもあるかとも思うが。
そしてやはりアラウの情と重みを帯びたピアノはブラームスに合う。その音色は余韻まで美しく、重みのある強打は高音も低音も迫力あるし、小さな音もなぜか重みを感じさせつつこぼれるような美しさを感じさせ、さりげない表情付けもいい。第1楽章では大きく、ときに強く、ときに美しい石のような美しさを聴かせ、第2楽章の優しい深みを帯びた弦とピアノの深い滋味を帯びて抜けるような一音一音は敬虔といったような雰囲気をつくり、終楽章もカデンツァからフィナーレにかけてなど力強く、美しく、感銘を持って聴かせている。
風格ある重厚感、艶、美しくどこか優しさを帯びた滋味、全部ひっくるめた深みのある美しさ、そういったものにあふれた、凄いなぁ、としか言いようのないような、この曲の最上のランクに位置する1枚と思う。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 エゴロフ/サヴァリッシュ/フィルハーモニア管

2021-05-01 22:19:42 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…エゴロフ
指揮…サヴァリッシュ
演奏…フィルハーモニア管
好み度…4.5(5点満点)
 
録音の加減なのだろうか、オケが熱く結構前にでて力強く重くどっしり響く。シンフォニックな演奏というか、そういう意味ではちょっと他の盤と違う雰囲気を感じる。
ピアノは重い低音がダイナミックに駆け回るといったタイプではないが、力不足感ということもなく濁らず、華麗な広がりを持って抜けるような高音の美しさが印象的。
他の盤に比べるとオケが前に出ている印象だが、結構重量感を感じさせる堂々のオケと情とか熱とかでなく透明な感のあるピアノが結構違和感なくマッチして、ちょっとゆったりめのテンポで、華麗というよりはサヴァリッシュらしく実直、厚く堂々としつつも爽やかな感のあるなかなかよい盤のように思う。
ピアニストの個性がメインのような盤も多いが、ピアニストの良さも聴かせつつ、オケと一体になった曲の堂々とした雰囲気がメインになったような演奏のように思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ヴァント/NDR響&合唱団/ハンブルク国立歌劇場合唱団

2021-05-01 22:14:37 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…ヴァント 
演奏…NDR響&合唱団 
合唱…ハンブルク国立歌劇場合唱団 他 
好み度…4(5点満点)

テンポはやや速め。NDRらしい重みと渋みを帯びたような響きを響かせ、第1楽章では音はどちらかといえば短めに刻まれ、厚く古風な響きでありながら激しさとか重厚感とかといった印象はそれほど残らない。
第2楽章も厚く重みのある響きのようで、どこかさらりとした印象もある。
終楽章は声楽が加わってからのほうがいい。合唱もしっかりした力強さがあって良好、歓喜の歌はちょっと珍しいくらいにピーク感が感じられて響き、声量を落としてそこからわきあがるような箇所はちょっと雰囲気に欠けるきらいもあるが、その後は結構大きさと強さを感じさせている。
オーソドックスで心地よく良質に浸れるよい演奏だとも思うが、響きに厚みはあるが深みや情や熱を感じるという感じでもなく、歓喜の歌のピーク感が特に印象的な他は特に感銘を覚えるということもないかな、といった印象。
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