好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第1番 アラウ/ハイティンク/ロイヤルコンセルトヘボウ管

2021-05-01 22:23:55 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス 
ピアノ協奏曲第1番

ピアノ…アラウ 
指揮…ハイティンク 
演奏…ロイヤルコンセルトヘボウ管
好み度…5(5点満点)

これはいいですね。
オケの響きはこのコンビらしくしっとり感を帯びた艶を感じさせて大きく美しく、そしていつになく陰を感じさせるような重厚感を帯びて一流の凄さを感じる。
ハイティンクは私の好み的には交響曲ではあまりぴんとこないが、アシュケナージとのラフマニノフとか、協奏曲でのオケとしては信頼できる印象はあり、ここでの演奏は予想以上の上々である。ハイティンクというよりオケによるところもあるかとも思うが。
そしてやはりアラウの情と重みを帯びたピアノはブラームスに合う。その音色は余韻まで美しく、重みのある強打は高音も低音も迫力あるし、小さな音もなぜか重みを感じさせつつこぼれるような美しさを感じさせ、さりげない表情付けもいい。第1楽章では大きく、ときに強く、ときに美しい石のような美しさを聴かせ、第2楽章の優しい深みを帯びた弦とピアノの深い滋味を帯びて抜けるような一音一音は敬虔といったような雰囲気をつくり、終楽章もカデンツァからフィナーレにかけてなど力強く、美しく、感銘を持って聴かせている。
風格ある重厚感、艶、美しくどこか優しさを帯びた滋味、全部ひっくるめた深みのある美しさ、そういったものにあふれた、凄いなぁ、としか言いようのないような、この曲の最上のランクに位置する1枚と思う。
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ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 エゴロフ/サヴァリッシュ/フィルハーモニア管

2021-05-01 22:19:42 | ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」&第4番
ベートーヴェン 
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 

ピアノ…エゴロフ
指揮…サヴァリッシュ
演奏…フィルハーモニア管
好み度…4.5(5点満点)
 
録音の加減なのだろうか、オケが熱く結構前にでて力強く重くどっしり響く。シンフォニックな演奏というか、そういう意味ではちょっと他の盤と違う雰囲気を感じる。
ピアノは重い低音がダイナミックに駆け回るといったタイプではないが、力不足感ということもなく濁らず、華麗な広がりを持って抜けるような高音の美しさが印象的。
他の盤に比べるとオケが前に出ている印象だが、結構重量感を感じさせる堂々のオケと情とか熱とかでなく透明な感のあるピアノが結構違和感なくマッチして、ちょっとゆったりめのテンポで、華麗というよりはサヴァリッシュらしく実直、厚く堂々としつつも爽やかな感のあるなかなかよい盤のように思う。
ピアニストの個性がメインのような盤も多いが、ピアニストの良さも聴かせつつ、オケと一体になった曲の堂々とした雰囲気がメインになったような演奏のように思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 ヴァント/NDR響&合唱団/ハンブルク国立歌劇場合唱団

2021-05-01 22:14:37 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」

指揮…ヴァント 
演奏…NDR響&合唱団 
合唱…ハンブルク国立歌劇場合唱団 他 
好み度…4(5点満点)

テンポはやや速め。NDRらしい重みと渋みを帯びたような響きを響かせ、第1楽章では音はどちらかといえば短めに刻まれ、厚く古風な響きでありながら激しさとか重厚感とかといった印象はそれほど残らない。
第2楽章も厚く重みのある響きのようで、どこかさらりとした印象もある。
終楽章は声楽が加わってからのほうがいい。合唱もしっかりした力強さがあって良好、歓喜の歌はちょっと珍しいくらいにピーク感が感じられて響き、声量を落としてそこからわきあがるような箇所はちょっと雰囲気に欠けるきらいもあるが、その後は結構大きさと強さを感じさせている。
オーソドックスで心地よく良質に浸れるよい演奏だとも思うが、響きに厚みはあるが深みや情や熱を感じるという感じでもなく、歓喜の歌のピーク感が特に印象的な他は特に感銘を覚えるということもないかな、といった印象。
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