好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ブラームス ピアノ協奏曲第2番 バレンボイム/ク-ベリック/バイエルン放送響

2021-05-16 15:13:20 | ブラームス ピアノ協奏曲(1番・2番)
ブラームス
ピアノ協奏曲第2番

ピアノ…バレンボイム 
指揮…クーベリック 
演奏…バイエルン放送響
好み度…4.5(5点満点)

まずオケが、いかにもこのコンビらしい。清清しく重さは感じさせないが爽やかな低弦が結構聴いて軽さも感じさせないし、第2楽章の少し哀愁を帯びたような雰囲気もちょっと印象的だし、第3楽章でもこのオケらしい清清しい深みを帯びた美しさを聴かせる。冒頭のホルンも、第3楽章のチェロも木管も雰囲気あるし、流石、の感がある。
バレンボイムのピアノは、情感たっぷりで力強い。微妙なテンポの変化や重い低音の効かせどころ等いいアクセントを与え、この人の情的でちょっと目立ちたがりやのところがいいほうに出ていると思う。それなりのスケール感も感じさせるし第1楽章等での盛り上げどころでの追い込みなんかもうまいと思うし、第2楽章ではオケとともに哀愁を感じさせる雰囲気を出しているし、第3楽章では弱音部でも結構情の乗った美しい音を聴かせ、終楽章は結構力の込もった音を聴かせたりしている。
ライブで、多分バレンボイムのピアノなんかも完璧じゃないんだろうけど、そういうところでないところで結構魅力を感じる演奏と思うし、演奏後の拍手も結構盛大。

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ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」 クーベリック/ウィーンフィル

2021-05-16 15:10:45 | ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」
ベートーヴェン 
交響曲第3番「英雄」

指揮…クーベリック 
演奏…ウィーンフィル
好み度…5(5点満点)

硬派で、ほの暗くがっちりした重みをもった強烈な響きの英雄。
クーベリックとバイエルンに聴かれるような明るさや透明感はなく、ウィーンフィルに特有の軽妙な気品を帯びた艶はない。
その響きは明るさや流麗ではなく、硬い重さとほの暗さを帯び、第1楽章等硬骨な大きさと、ときに悲痛な叫びを響かせているようであるし、終楽章の重い影を思わせるような力強さと大きさはなかなか聴かれないもののように思う。
テンポはゆっくりで第1楽章の反復無しで約56分、流麗さはないが曲全体の中で「ここ」と決め打ちされたような強奏部での迫力は印象的で、随所での金管の響きは圧するような重さと大きさとときに切迫感を持つ。ここで聴かれるほの暗くも美しく不調和すれすれのような重量感もウィーンフィルならではかもしれない。
一聴クーベリックとウィーンフィルの両者のよさが出ていないように思えるが、そういう先入観をリセットして聴けば、これくらいほの暗い硬骨な重みと大きさと情感を感じさせる英雄も稀有なのではないだろうか。
全集のベルリン盤と同じ年のライブのようだが、同じ指揮者が同じ年に同じ曲をやって、こうも違うものか(全集が悪いというのではない、タイプが違うという意味で)とも思う。
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ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」 マッケラス/エイジ・オブ・インライトゥメント管 他

2021-05-16 15:04:09 | べートーヴェン 交響曲第9「合唱」
ベートーヴェン 
交響曲第9番「合唱」 

指揮…マッケラス
演奏…エイジ・オブ・インライトゥメント管 他
好み度…5(5点満点)

第1楽章なんかはかなり速い。どこかで速さを変えるかと思ったらそのまま突っ走る。
全体でも約64分だから結構速く重厚荘重という風でもなく、響きも古楽器風。
が、細いとか軽いといった印象を与えず、速いテンポの中でアンサンブルもしっかりと古楽器風の弦の響きはどこかバロック調のような敬虔さを醸しつつ、緊張感に満ちた力感も十分にどこかスリリングな印象を感じる。
古楽器風だからといってやたらと音を短く切ることもなく、あっという間の楽章を通して緊張感と力感は結構なもので速いテンポと古楽器の響きは峻厳な敬虔とでもいうような雰囲気をつくっている。
楽器間の見通しもよくアンサンブルも美しく、第2楽章も速めの緊張感ある展開の中、情を排した敬虔さと力感と美しさを感じる。
古楽器風といいつつ第1楽章も第2楽章もティンパニなんかも結構響いてそれが違和感を感じさせない。
第3楽章も人の情とかというよりは天上からの光とかを連想させるような感覚。バロック調の雰囲気がそう感じさせるのかもしれない。あるいは古楽器風の弦の響きがいちばん功を奏しているのはこの楽章かもしれない。
終楽章の合唱も規模の大きさとか広がりで人の世の歓喜や力強さを歌い上げるというところはないが、ときに教会音楽のような美しさを感じさせしかし十分に力強く、美しく活力ある管弦もいい塩梅に絡んで、演奏後の、自然と湧き上がる大きな拍手がごく自然に感じられる。
第9にバロック調の古風な美しさと峻厳な敬虔さを与え、そこからほのかににじむ天上からの優しさを感じるような、人の世の上にあるものを仰ぎ見るような、もしかしたらベートーヴェンのイメージもこういう風だったのかもしれない、と思わせるような、現代の演奏と古楽器の雰囲気がよい形で融合した、凛とした美しい演奏のように思うし、他に情や力強さに満ちた盤があっての上だけど、名盤の1つと思う。
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