好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 リットン/ボーンマス響

2015-05-18 22:28:20 | チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
チャイコフスキー
交響曲第6番「悲愴」

指揮…リットン
演奏…ボーンマス響
好み度…4.5(5点満点)

丁寧に、美しく仕上げられた悲愴。
低弦をきれいにしっかり効かせながら、アンサンブルも旋律の謳い方も丁寧で美しく、
かつ、第一楽章の展開部などでは十分な厚みと迫力もあわせ持っている。
録音も上々。
第一楽章の第2主題などもゆっくり丁寧に謳われ実に美しいし、終楽章もゆっくり丁寧に自然と情感があふれるかのような、悲壮感というよりは慈愛を感じるような、ちょっとなかなか聴かれない美しさである。
第3楽章は結構盛大に鳴らす部分とあえて音量を絞っているとも思われる部分とがあったりして、がむしゃらな推進力の行進曲を期待する向きにはもの足りなさを感じるかもしれない。
ただ、この演奏では、第3楽章のそういった点よりも両端楽章の美しさのほうがはるかに印象的である。
完成度も高く、激しく迫り来る絶望や慟哭ではない、慈しみにも似た情感にじむような美しさが印象的な、私にとっては名盤です。
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ブラームス 交響曲第1番 ティーレマン/ミュンヘンフィル

2015-05-18 22:24:07 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス
交響曲第1番

指揮…ティーレマン
演奏…ミュンヘンフィル
好み度…4(5点満点)

終楽章に19分弱をかけているように、テンポは終始ゆっくりめ。
厚く美しい響きではあるが、オケを鳴らしきっている感覚はなく、他に秀でた力感や緊迫感あるいは覇気は感じず、地をうごめくような重厚感は雰囲気を感じさせつつ、少しの退屈感と不完全燃焼感を覚えるようでもある。
ミュンヘンフィルの響きも、美しいがチェリの頃の独特の深みとまではいっていない印象。
ただ、終楽章は結構な聴きもの。
ホルンによる独奏と続くホルンが重なりあって奏されるあたりでようやく情感と雄大さが聴かれて音楽が生きはじめる感があり、
有名な主題の弦楽器による1回目の提示の前で完全に音を止め、静寂の中から静かに奏される主題は新鮮であり美しい。聴き慣れた主題のはずがこれは別物の感がある。
フィナーレの前に思い切ってテンポを落とすあたりもごく自然に続く高揚への雰囲気をつくっていて、たっぷり謳う凱歌は個人的にはかなり心地よい。
オーソドックスのようでそうでない、ブラ1を聴いたようなそうでないような、聴き終わって何か不思議な感覚を感じるブラ1である。
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ブラームス 交響曲第2番 ショルティ/シカゴ響

2015-05-18 22:18:10 | ブラームス 交響曲第2番
ブラームス 
交響曲第2番

指揮…ショルティ
演奏…シカゴ響
好み度…4(5点満点)

巷では大分評価が高いように見受けられる盤。
ショルティとシカゴ響はここでもしっとりとか重厚とかとはちがい、輪郭のはっきりした機能的な響きで聴かせており、深みには欠けるかもしれないが、明るく機能的に、優れた響きとアンサンブルで旋律も美しく歌った質の高い演奏を展開していると思う。
第1楽章など明るい中にも叙情味も感じさせて好演。
第2、第3楽章は上手さは標準以上、感銘は標準くらい、といったところか。
終楽章は早めのテンポで快活。重量感とかはあまり感じないが、早い割にはメリハリもつけて結構しっかり鳴っているのはさすがにシカゴで、少々軽い感もないではないが、この楽章に快活さや疾走感などを求めたい向きにはよいように思う。
深みや特有の雰囲気とかでなく、しっかり鳴った均整のとれたアンサンブルや機能美、完成度の高さ(ある意味それがこのコンビの特有の雰囲気かもしれないが)という物差しで見るならば名演といわれるのも頷ける感はある。
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