い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

八十五通

2021-07-30 | 便り
この場所しか知らない頃は
ここがすべてであり
これが最大の世界だった

地球の姿を見られる世の中で
月光よりも美しい灯りを知った
目の前を遮る霧も暗闇も
童話の世界の物語に変えた

大海を知ったはずのカエルでも
そこに飛び込むものはおらず
淡水の洗礼を受け鳴き続ける
認めることに命を懸けて

それぞれが
それぞれの
居場所を求めて旅をする