四十四歩 2017-01-29 | 道しるべ 降る前の 雨音の中 揺らめく灯 サイレンの音は ドキッとする 大きな病院への通り 頻繁に耳にする 便利な 快適な 進化した 世の中になっても 生き物の 繊細な 温かな 営みは 儚くも 力強く 続く
四十三歩 2017-01-25 | 道しるべ 息積り 鼓動を誘う 白い距離 何かを語ると言う眼差し 見つめあわなければ 伝わるはずも無く 沈黙は 白い息となり 紅く頬を染め 窺うように 戸惑いながら 姿を変える
他人 2017-01-21 | 人々 辞書で調べると 自分以外の人 血の繋がりのない人 係わりのない人 ますます あやふやな 関係 知人 友人 同僚 隣人 同じ他人も 響きが違う 婚姻届けで 同姓になる 書類上の 見出しだと言われても ある日突然 他の人の名前で呼ばれ はにかむ感情は 時とともに 当たり前になる 日常は 考えもしない 必要もない 何かのきっかけで 憎悪にも似た 木枯らしが 吹き抜ける
四十二歩 2017-01-18 | 道しるべ 枯れ葉舞う 最後のピース 風の中 新しい芽吹きのために すべてを脱ぎ捨て 大地に根を張る 完成図を確かめるため 似たピースの戸惑いを知る 太陽を抱く 新緑のまぶしさは やわらかい色の花をまとい 虹色の実を育む 時に 結果は 風の中
四十一歩 2017-01-15 | 道しるべ 旅立ちに 初めての紅 百の幸 長寿の国に 年号を確かめ 争いと発展の中 静かに 逞しく生きた命 百歳の賞状に囲まれ 初めてのマニキュアに 頬染めて 安堵を残して旅立つ 合掌
四十歩 2017-01-12 | 道しるべ その場所で 意味は問わずに 咲けばいい 居場所がないと 価値がないと 意味を知りたくて 悩む時がある 出発点が中心なら 向きたい方向に 進みたい時刻に 自分を合わせる 咎める言葉も 冷たい視線も 遮る陽射しに身を任せ 恵みのしずくを浴びながら 今 この場所で
三十九歩 2017-01-09 | 道しるべ 難問は 猫をかぶった 真を知る 目の前にいる人 何処を見ているのか 何が見えているのか 誰なのか 敵か味方か 本心は 見えない 見せない 探りあう 後ろ手の爪は
三十八歩 2017-01-06 | 道しるべ 始めよう 自分で決める 終わり方 ゴールのテープを切る 山頂で初日の出を拝む 終着駅に降り立つ どれも 続きがある 何かを始める 一生勉強だと 誰かが言う それでも今は 自分で決めたここまでを これからに託す
三十七歩 2017-01-02 | 道しるべ 願い事 億の恵みに 手を合わせ 今日から・・と 今までに望んだ 多くの願い 希望 抱負 叶っただろうか 努力した自分を褒め 新たな願いを思う 何回も何千回も繰り返し 続く瞬間の煌めきに 感謝しながら 次を目指す