い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

七十八小節

2019-01-30 | レッスン
そうだったのかと
後になって知る

その時は
思いこみと願望だけで
支配される

姿かたちなら
写し見る事が出来るけど

中にある
奥深い芯に触れることは
許されないのだ

脈打つ命は
魂に共鳴し心震える

七十七小節

2019-01-28 | レッスン
おいで

初めての空気を吸って
私はここだよと
挨拶をした
包み込む温もりは
いつも私を眠りに誘う

悲しみも苦しみも
置いて行っていいよと
広く大きな翼に隠れ
飛び立つ準備をした

おいで

冷たい風に顔を伏せた
乾いた涙が胸を詰まらせる
顔を上げた陽だまりの中に
両手を広げほほ笑む君の
眼差しを見る





七十六小節

2019-01-26 | レッスン
記憶の中にある教科書は
迷路みたいな人生を
出口へと導いてくれるだろうか

偶然出会った先生は
悩みのパズルを解く
ヒントを与えてくれるだろうか

人生経験と他力本願
天秤にかけて少しずつ
バランスをとる難しさに

深呼吸の重さを知る



七十五小節

2019-01-23 | レッスン
嫌われない言葉で飾る

本音の上に蜜をかける

瞳の奥のシャッターを閉める

透明人間の技を磨く

大人と言う身分を与えられ
追いつけない気持ちを捨てる
常識の標識は至る所にあり
正確な秒針が追いたてる

そして
合図も無しに
流れる時

見過ごすか
追いかけるか
捕まえるか

次に飛び乗るか

七十三小節

2019-01-17 | レッスン
目指すもの

365日に甘えて24時間を見逃した
鼓動の合図を通り過ぎて
当たり前の箱に入れた

呼び止める声は風がさらう
抱きしめる温度は太陽に惑う
流れる涙は雨が連れ去り
怒りの炎は悲しみに消された

目指しているもの

昨日が思い出になり
今日を手招きしても
明日を邪魔する弱さは

きっと吹き飛ばす

七十一小節

2019-01-13 | レッスン
グラデーションの配列を分けて
ひときわ鮮やかな太陽が色を付ける

憂鬱な心の中
何を守り
何を恐れて
隠れているのか

真新しい五線譜に
跳ねる音符を描いたら
繋がるリズムが

空を目指しますように

七十小節

2019-01-09 | レッスン
ピンと張った糸電話のように

伝わる
響く
届く

耳をあてるだけで
ごめんね

出来ることは
一歩近づいて緩めるだけ

ほんの少しでも
やわらかなまどろみの中
しあわせな夢に
微笑の色を付けて下さい

六十九小節

2019-01-05 | レッスン
会えない時間が育てると言う言葉を
信じ始めたのは
切ないと言う感情が芽生えた頃

誰に遠慮することなく
笑いたい時に笑い
泣きたい時に泣く

感情に支配されることに
恥じらいも世間体もなく
自分が一番だった頃

我儘も自分勝手も
器用に折りたたみ形を変える
会えない時間が
会いたい時間を
追い越す 今