い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

百四十二小節

2019-06-28 | レッスン
数年ぶりに友と会う
タイムスリップした幼さが
笑顔になる

注文の思考はそこには無く
互いの会話だけが積もっていく

時の流れを埋める努力は要らない
芝生の色を査定する必要も無い

同じ時間を知らずに過ごした隔たりは
同じ時間を一緒に過ごした空間より
穏やかな優しさが包む

百四十一小節

2019-06-27 | レッスン
心がざわざわする時
これでいいんだと
隠そうとしても
くすぶる靄

100人の人が
頷いてくれても
後ろめたさが
突き刺す痛み

クスミの無い人生を選択するには
次のサイコロを振る覚悟がいる

無風の空を遮る靄を
小さな弱さの羽ばたきが
かき消す強さを受け入れる

百四十小節

2019-06-25 | レッスン
当たり前も習慣も
マンネリも繰り返しも

言葉だけが先を急いで
通せんぼした

初めてを見逃して
大人の仮面をかぶる

その時を通り過ぎ
変わらぬ景色を眺めてた

目を閉じて立ち止まる
脈打つ鼓動が駆け巡る
瞬間の継続は
初めてが繋いでる

百三十八小節

2019-06-20 | レッスン
小さな声で話を続ける

はい の二文字が次を促す

会話とは呼べない空気が

灰色の雲のように重く圧し掛かる

数日前の眩しすぎる感涙は
心の中まで綺麗になった筈だった

どうする事も出来ない涙の訳を
自分だけのファイルに閉じた

百三十七小節

2019-06-17 | レッスン
日常に戻れない時は目を閉じる
現実が見えなくても良しとする

誰かのために引き戻されるのは必須でも
その時に常識を纏えばいい

十二時の鐘の音を確かに聞いた
目を開けたまま夢を見ていたのか
醒める事はなかった
かけられた魔法は輝きを増して
心の中まで支配する



百三十六小節

2019-06-14 | レッスン
言葉を探す
当てはまる形容詞が溢れ出る

いつもここにある
目を閉じても確かな鼓動が描く

光の速さで駆け抜ける一瞬の時を生きて
光年の時を経て届く強さに感謝する

想像が唯一許された証でも
安堵の呼吸で満たされる想い

百三十五小節

2019-06-11 | レッスン
ふつふつと湧き上がる沸点の
設定温度を変えてみる

深く息を吸って空を見上げる

白を落とした梅雨の雲が
光の道を通す時

地上まで届く道しるべに
次の行き先が見える気がする

着地点の見えない果てにも
繋がるスタートの印があるはず

百三十四小節

2019-06-10 | レッスン
過去形の思いに永遠の名前を付けるには

何が必要だったのか

過ごした時間の長さだろうか
変わっていく成長の過程だろうか

涙を忘れる笑顔に出会い
崩れそうな心をそっと包む
初めて触れた喜びと感謝が
形を変えてノマレテ行くなら

過去形の言葉を積み上げて
息ができる高さまで
もうひと踏ん張り
上を目指す


百三十三小節

2019-06-09 | レッスン
揺れるカーテンの向こう側
思い出のフィルムを透かして見る

明暗のシルエットは
表情の本当を隠す

記憶を辿るシナプスは
あちこちに飛び
独りよがりの残像を見せる

懐かしいだけの
美しいだけの
戻りたい願望も

すべてに勝る
奇跡の光が誘う