い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

三十九枚

2019-12-29 | 日めくり
時間の薬が効かない時

夢中になれる何かを探す
増え続けるモヤモヤは
頭を振っても消えることはなく
新しい喜びも見えないけれど

師走の速さを追いかけて
過去に葬りたいと思っても
明日の希望が消えかけたなら
逆らうことなく泣けばいい

枯れることない涙でも
心の水位が眠ったら
穏やかな秒針が
夢見る力を連れてくる

三十八枚

2019-12-27 | 日めくり
繋いだ手の温度差を知る

疑うという言葉も知らず
繋がれた手の方向を信じた
笑顔も泣き顔も包んでくれる
温もりだけがあった頃

いつからか
あいさつの間を考えた
隙間の距離を計算する
視線の立場が邪魔をした


三十七枚

2019-12-26 | 日めくり
凍てつく空に舞い上がる結晶の粒が輝く

うつむいた瞳から落ちる滴
ふるえる心を温める
振り向きざまに置いてきた
その指先に光るもの

包み込めない瞬間を
無理やり閉じ込めなくていい
時がやさしく撫でるまで
潔い静寂を待てばいい

三十六枚

2019-12-25 | 日めくり
あなたの瞳に見えたもの

太陽が無数の星を照らすように
そこにある小さな光が反射する

受け止めて始まりの息を吸う
凍り付く空気を白く吐きながら

音の世界に鼓動を合わせ
全身が音楽になった時

遮ることも立ちはだかる壁も無く
証となって印をつける

失敗も後悔も作り出した真実

笑顔をかぶった泣き顔が
押し込めた心を隠しても

過去のすべてが見えたもの
正解の本当はいつもある

三十五枚

2019-12-24 | 日めくり
羽ばたく蝶の行く末

目の前をひらひらと舞う蝶を
ただ追いかけたのはいつだろう

羽の色に心奪われたのか
泳ぐよな空間に浮かぶ姿

知らない森に迷い込んでも
恐れより捕まえたいと思う心

花畑で閉じる羽が競い合い
もうひとつの花びらになる


三十四枚

2019-12-20 | 日めくり
落ち着かない理由は分かっている

日常と違う時間を過ごすから
一方通行の願いを持っているから

人は自分自身を一番とする

誰かのために時間を使い
誰かのために祈りを捧げ
誰かの事だけ考えたとしても

その時間は過ぎ去る長さを見せず
全身全霊 息つく事さえ忘れ
隙間が無いほどに心を満たす






三十三枚

2019-12-19 | 日めくり
心をシェイクして均一になるのなら
沈んだ部分も溶け合って
なめらかな平穏とやらが訪れるのか

反対に澄んだ清らかな気持ちまで
澱んでしまう副作用なら
このまま時を待つべきか

平凡と呼ばれる毎日でも
心の中は絶えず変わる
平気なふりしてこなしていても

上の空の慣れだけにすがって生きている


三十一枚

2019-12-15 | 日めくり
見ることの出来ない永遠の無限

通り過ぎた記憶を呼び止めて
丁寧にほどいてみた

年月を食べて育んだ大木に
毎年彩を付ける花がある
季節の印を匂わせて
何も語らず風に乗る

巡る想いは繋がりながら
大きな大きな輪になって
今を包む光を放つ


三十枚

2019-12-13 | 日めくり
あの人が歌う

昨日よりも明日よりも今の君が恋しい

装飾された言葉より
考え抜いた台詞より
祝福の鐘が響く中 はにかんだ幸せが空に舞う

受け止めた天使の羽は虹色の恩返し
クルクル紡いだ手のひらの中
君だけに届く輝きになる

昨日までの過去を身に着け
今の君がいるのだから
昨日よりも明日よりも今の君が好き